第1章[表]・対抗戦開幕!そして初戦
雨が続いた梅雨もあけ晴れ晴れとした青空
6月ももう終わりに近づく今日
ついに日連魔法戦闘高校における今年度最初の大イベントである学年別チーム対抗戦がはじまる
全校生徒が各々の教室にて揃うなか開会式が学内放送にてはじめられた
「全校生徒の皆さん、おはようございます。今日から6日をかけて今年度最初の大イベントである学年別チーム対抗戦がついにはじまります。今回の戦いにおいて3年生は将来に向けてのアピールのために、2年生は秋と冬にあるイベントに向けての調整と挑戦を、1年生はこれからこの学校で成長していく自身に対しての実感と現時点での目標を持つために全員がそれぞれ全力でこのイベントに臨んでいるかと思います。かく言う私も学校生活最後のこのチーム対抗戦に向けて心を踊らせています。それでは皆さん!各々の持てる力を全て使いチームとしてこれまで培ってきたもの全てを互いにぶつけ合い、悔いの残らないよう全力で闘いましょう!このイベントが皆さんの成長に繋がることを心から願っています。以上、生徒会長・葛城立花でした」
そう生徒会長からの開会の挨拶が終わると勇斗のいるAクラスの生徒達から拍手が聞こえてくる
普通こんな挨拶は校長なんかがやるのであると思うがこのイベントに関しては全学年共通であるということから毎年生徒会長に挨拶が委ねられている
決して校長が楽したいからっていう理由ではない…はず
そんな理由からも立派な挨拶をしてのけた生徒会長
聞こえないと分かっていても拍手をしたくなるような堂々とした挨拶をするあたり流石としか言えない
勇斗はある理由から生徒会長を1目見ようと軽く探していた時期もあるが勇斗はまだ生徒会長をこの学校内で見かけたことは入学式を除いて無い
また勇斗達のチームの中でも入学式以後に生徒会長を見かけたことがあるのは明日香だけであり、明日香も家の関係で元から知り合いであるという理由があったために会えただけのようだ
この学校の生徒会長のレア度は高いようだ
ちなみにその時に勇斗が生徒会長を探していると知った2人から勇斗は軽く詰問されてたりされてなかったりするが
ついでにいっておくと勇斗が生徒会長を1目見たいと思った理由は単純で
『この学校に俺とは別に最上位精霊と契約している人間がいる可能性が高い。敵になるか味方になるか判断したいから頑張って探せ。まっそういっても小僧がその人間を1目見るだけで俺様には分かるからそこまで難しいことではないがな』
とアグニスに言われたからだ
アグニス曰く最上位精霊と王位精霊、加えて一部の力ある上位精霊は大抵顔見知りであり契約した人間同士が近づくだけでもある程度のことは分かるらしい
そんなわけで勇斗が目をつけたのはこの学校で強いと言われている人達
候補は理沙含め教職員達とアグニスと契約する前の勇斗でも分かるほどの存在感を持つ生徒会長で、それ以外はついでに他の生徒も学校内を歩き回ることでチラチラとみることに決めた勇斗だったが結局今までに生徒会長だけは見ることが出来てない
そんなわけでこのイベントで生徒会長を1目見ることを地味に目的のひとつに入れている勇斗
もちろん見るのは生徒会長の出る試合
過去含めこの学校の全生徒の中で最強と言われる生徒会長の実力はどの1年生も見たいと思っていることだろう
このイベントの全試合は見学自由だが撮影や記録不可
なので人気な試合は毎回すぐさまアリーナのキャパが埋まるそうなので生徒会長の試合の近くに自分の試合があったりすると見れなかったりする
なのでそこら辺はそれぞれの運次第
そして勇斗のこのイベント最大の目標
それは勿論の如く優勝
4月からたった2ヶ月ながらも優奈、夏菜、明日香、夨と共に練習や作戦会議を重ねてやれるだけのことはやってきた勇斗達5人
勇斗に関して言えば既に魔精力のコントール及び具現化、基礎的な魔法やアグニスの属性である炎の属性魔法も少しであるが使用できるまでに至っている
これが主人公の成長補正チートなのかといわれたらその通りだとしかいえないかもしれない
それ以外にも明日香、優奈、夨は勇斗の成長速度には追いつくことは出来てはいないものの他のAクラスの生徒達と比べても上位の実力を付けるまでに至っている
一方夏菜ではあるがやっとの事で自身の戦闘スタイルを確立させることができたためにその他の熟練度に関しては他の4人から少なからず劣るが、夏菜がこの5人の中である分野において飛び抜けていた才能があったためにそれを活かした戦術をとる事である程度カバー出来ている
つまりこうは言ってはなんだがぶっちゃけ個人個人の総合的な能力を数値化したのをチームごとに足し算をした場合にはAクラスにおいては勇斗達のチームはTOP3に入っているため1年全体で考えても上位に位置することは間違いない
余程のイレギュラーか勇斗達が阿呆をやらかしでもしない限りそうそう簡単には負けないと思われる
「それではこれで今年度の学年別チーム対抗戦の開会式を終えます。それではこの後9時より第1から第3の各アリーナにおいて第1試合から順次開始する予定ですので生徒の皆さんは時間に余裕をもって会場に着くことを推奨します。では皆さん、全力を尽くして悔いの残らないように頑張ってください」
そう言い締め括られた開会式
今の時刻は8時半ちょい過ぎ
あと30分あまりで第1試合がはじまる
「よし、お前達!今からお前達が待ちに待った組み合わせを発表するぞ。気になる組み合わせは……これだ!」
開会式が終わったと同時に黒板に組み合わせ表を貼り付ける理沙
1チーム5人で各クラス10チーム
1年全体で60チームによるトーナメント式の組み合わせ
総チーム数的に1回戦はあるチームもあれば無いチームもあるなか、勇斗が自身のチーム名である«チャレンジャーズ»があったのは…なんとトーナメントの1番左端の位置だった
といっても1回戦も普通にあり特別なシードってわけではないがなんとなくいい気分がする場所
ちなみに勇斗は全体で1番最初の試合であることにテンションが上がっているためその他の組み合わせは一切目に入っていないが、運良く明日香が警戒するべきだといっていた数チームのうちのほとんどが勇斗達のチームがある左側のやまではなく右側のやまに名前がある
それにトーナメントの組み合わせを全体的に見てみた感じだと流石に1回戦から同じクラスチーム同士では当たっていないようだ
(さっそく第1試合目から僕達の試合だ!よーし、一戦一戦確実に勝って優勝するぞ!)
そう意気込む勇斗は第1試合のためにすぐさま会場である第3アリーナへと移動しなくてはならないので他の4人と合流するとそのまま移動をはじめる
第1試合開始まであと約20分
最初の試合を見るべくほとんどの生徒達がそれぞれの目当ての試合をやっている各アリーナへと足を向けて歩いていく
生徒達からなされる黒いラインが校舎からアリーナまで続いている様子はさながら1匹の龍の如く
そうして生徒達が移動している間にも第1試合開始の時刻は刻々と近づいていく
そしておおよその生徒が移動を終えた頃
第1試合開始のブザーの音が各アリーナに鳴り響いた
そして場所は変わりここは第3アリーナの舞台の上
勇斗達«チャレンジャーズ»の5人はそれぞれの得物を手に対戦相手であるEクラスのチームとそれぞれ向かい合っている
相手のチーム構成はざっと見た感じだと西洋剣を使用しているのが2人、槍を持っているのが1人、恐らく魔法をメインで使用するみたいであり、魔法使用者の武器である杖のような錫杖のようなものを持つのが2人の合計5人
対するこちらはガントレット擬をもつ勇斗、その横で長剣に分類される剣をもつのが夨、その2人の少し後ろで穂先が3つに別れた槍を構える優奈、そして芸術品のような美しさをもつ弓を持つ明日香と秀でた能力を十全に活かすために用意した特別な銃をもつ夏菜の5人である
「それではこれより1年生トーナメント、第1試合を開始する。ルールは前もって伝えた通りで行う。戦闘不能状態orギブアップ宣言済みの生徒への過剰な攻撃の際には私含め数名の教員ですぐさま取り押さえる。それ以外にも相手を死に至らしめる可能性の高い攻撃があった場合には直ちに私が乱入し試合を中断させる。それでは試合を開始する!全員構え!」
そう審判員に言われ戦闘体勢に入る10人
「第1試合、試合開始!」
その合図と共に舞台の上の10人は動き出す
「それじゃみんな作戦通りにいくよ!」
勇斗の掛け声と共に動き出す4人
勇斗と夨はすぐさま相手チームの西洋剣持ちの2人へと攻撃し優奈な同じ槍持ちである生徒へと仕掛ける
そして明日香と夏菜は同じく後衛の役割であろう相手チームの2人へと攻撃を開始する
そう、今回の作戦はほぼタイマンによる撃破だ
何故この作戦を今回使用したかというと理由は簡単
今回の初戦の相手はEクラスであることに加え予め情報を手に入れることが出来ていたチームのうちの1つであるからだ
まぁ明日香の情報収集能力が高すぎて逆に情報が揃っていないチームの方が限りなく少なかったりするのだけれども
つまるところ今回はチームで連携して戦うのではなくタイマンによる各個撃破でも問題なく戦えると判断しての作戦だ
ついでにいうなれば各人の調整や緊張をほぐす為でもある
(落ち着いてやれば勝てる相手だ。ここはいつも通りの感じで戦っていこう)
そんなことを考えながら八坂流の技によって早くも相手の前衛のうちの1人を倒しおえた勇斗
すぐさま夨のフォローに入ってもう1人も倒しにかかる
チラ見してみれば優奈は同じ槍使いの相手をフルボッコにしているし、明日香と夏菜も相手の後衛に何もさせないぐらいにガンガン攻めまくっている
そんな感じで他の4人もサクサクッと戦闘を進めていった結果あっさりと初戦を突破したチーム«チャレンジャーズ»なのであった
to be continued→




