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【聖剣の大賢者】君の人生は面白い!〜少年はただ自由に生きる  作者: あっちこっち
五節 手放す平穏
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旅立ち前夜

ユニークユーザー500人突破しました!!!ありがとうございます!!!

少なくとも500人の方が作者の初連載作品を読んでいただいていると言うことでとても嬉しいです!!!


顔を洗ってから庭に戻るとエル父さんとシェーラ母さん それにルーリィがいた。

ルーリィはなぜか少し恥ずかしそうにしている。


「ねぇルーリィ何かあったの?」

「な なんにも なかったよマーリン兄さん。」

「それなら良いんだけどルーリィ少し顔が赤いよ」

「急いでここに来たからだと思う」


どこか様子が変なのは間違いないんだけどこれ以上聞いても答えてはくれないと思い質問をやめる。



「そういえばシェーラ母さんはどうしてここに来たの?」

「随分前に話した嵐狼の服製作が終わりましたから、マーリンに見てもらおうと思い呼びに来たのですよ」

「もう出来たんだね。あと半年くらいはかかるって話だったと思うんだけど。」

「一ヶ月前にあの大樹が出現してからかなり急ピッチで進めましたからね。

ではわたしの部屋に行きましょうか。」


シェーラ母さんは僕たちを先導する様にして歩いていく。

シェーラ母さんの部屋までの短い移動時間で大体の作業工程、デザインをルーリィと協力して決めた事を聞いた。

本当に頭が下がる思いです。




そしてシェーラ母さんの部屋に着くとルーリィとシェーラ母さんが僕に近づいてきて


「ではマーリンゆっくり見る前に一旦服を着てもらいますね。そして着心地などの感想をください。さぁ早速服を脱いでください」

「いきなりだね。まぁ脱ぐのはいいんだけど、なんで僕に近づいてくるの二人とも?」


「それは脱ぐを手伝おうと思ってですよ。」

「いやいや必要ないから!!」


「マーリン兄さん。今から来てもらうのはちゃんと本縫いしたものじゃないから、ちゃんとした手順で着ないと破れちゃうの。だから私とシェーラ母さんが着せるね」

「いやそれでも脱がせる必要はないよね!?

エル父さんも見てないで助けて!!!」


「では私は少し外に出ている。終わったら呼んでくれ」

「エル父さん!!」


エル父さんは僕の叫びを無視して部屋の外に出て行った。残っているのは僕とシェーラ母さん ルーリィ であり逃げ場はなくて説得の余地はない。

つまり諦めるしか選択肢は存在してない。


「お手柔らかにお願いします」

「「任せてくださいマーリン(兄さん)」」



数分後 髪型までセットされてようやく終わった。

服装としては

白銀のローブ 袖とフードの縁が毛のフワフワがついてる。(正式名称は知らない。よくついてるフワフワのやつね)

黒のインナー?とセーター風の服、ズボン


インナーは肩と肩甲骨が空いているデザインでぴっちりと肌にくっついてかなり恥ずかしい。

生地は非常に薄く肌触りがいい。

この薄さと肌触りにこだわって作ったため、材料的にこのデザインになったらしい。


セーター風の服はハイネックの長袖のもので造り方がセーターでよく見る網目に似ているのでセーター風といってみた。

けどセーターの様にだぼっとした感じはない。かっちりとまではいかないけどある程度はぴっしりしている。


ズボンは見た目は少しだけニッカポッカに似ていた。膝から下が少しだけ膨らんでいる感じが似てる


前世でも今世でもあまり服に興味がなかった僕なので上手いこと説明はできないけどそのほかにも細かな装飾がついてる。後は勝手に想像してください。



「似合ってますよマーリン」

「想像してたよりもずっと似合ってるよマーリン兄さん。」

「ありがとう二人とも。すごく着心地はいいよ」


「デザインもそのままでいいですか?」

「うんいいよ。一箇所言いたいことはあるけど、スカートとかじゃないしね」

「ふふふ苦労したんですよ。マーリンは女性ものの方がよく似合いますからね。せめて中性的に見えるようにしようとルーリィと一緒に考えたんですから」


「ちょっと待ってシェーラ母さん。わざわざそんなところを拘らなくても大丈夫だよ。普通に男物のデザインでよかったよ」

「マーリン兄さんは容姿が女性よりだから仕方がないよ。それにちゃんと男の人にも見えなくもないから」


「いや見えなくもないじゃ困るの!」

「デザインも着心地も問題ないようですからエルを呼びますね」


そしてシェーラ母さんは僕の言葉をスルーして部屋の外で待っているエル父さんを呼んだ。

「(なんでシェーラ母さんとの会話は主導権を握れないんだろう)」



その後エル父さんも交えて機能説明が行われた。

今ルーリィと同じくらいの僕にピッタリのこの服たちだけど、生涯使い続けることができるらしい。


「これら全ての物は糸一本一本に収縮魔術を組み込んだのちに仕上げています。ですから成長に合わせて収縮魔術を緩めていけば問題なく使い続けられるというわけです。

そして素材となった嵐狼は希少個体で自己回復持ちでした。とは言っても通常その力は体毛などには残りません。体質的な力ではありませんからね。ですが今回の尻尾の毛にはその力がしみ込んでいました。どうしてか仮説は立てられますかマーリン?」


「………"あいつ"が戦闘中常に回復の力を使用していたから かな? あんまり自信ないけどそれくらいしか思いつかないよ」


「ええわたしもそれ以外には思いつきません。

そしてこの力がある素材は世界にも殆ど存在しないでしょう。

もともと嵐狼の毛はとても高価です。

綺麗な毛並みですし、魔力を流せば流しただけ硬化します。普段着でも防具にでも使える素材である事と嵐狼の討伐難易度が高いことが理由としてあります。売れば高位冒険者でも手が出にくいほどの値がつきますね。

それに回復の力があるついているとなれば国の財産になるほど値打ちになるでしょうね」


「なんでそんなのを辺境の村の子供に使っちゃうのシェーラ母さん!!」

「貴方が獲得した物だからですよ」


「それを知ってたら売ってたよ!」

「嘘はいけませんよマーリン。貴方は服には使わなかったかもしれませんが、決して他人に渡したりはしなかったでしょう?」


「うぅ………確かに売ったりはしなかったと思うよ」

「ですので迷わせる前に服にして渡した方がマーリンとこの嵐狼にとって良いとわたしは判断しました。騙すようなことをしてしまいごめんなさいマーリン。」

「………ありがとうシェーラ母さん。」


本当にシェーラ母さんには敵わないと思う。

僕が観念したようにシェーラ母さんにお礼を言うと、シェーラ母さんは「どういたしまして」と微笑みながら返してくる。


その後も数々の機能を説明された。

それを聞いての僕の感想としては

「これ服じゃなくて防具って呼んだ方が妥当な気がする」だった。

シェーラ母さん曰く隠蔽用の術式と植物も混ぜているから性能がバレることはないとのことだった

「(そんなのでいいのかな?よくないよね。)」

そんな感じで服?の発表は終わった。



その後シェーラ母さんやエル父さんは村の人達に僕が村を離れることを言いに行こうとしたけど、僕の願いで僕が出発してから報告してもらう事にしてもらった。

見送るのは良いけど見送られるのはなんとなく気恥ずかしい。

理由を二人に伝えられたら、二人とも仕方がないなという感じで僕の願いを受け入れてくれ、僕の出発の時刻も朝未明出発することに決まった。



旅の準備もすでに完了し、それからの時間はいつもの様に過ごす。

ルーリィと遊んだり勉強したり、ご飯を食べたりね。

日が沈み一日はいつもと同じ様に終わっていき、夜空の今、僕は簡単に部屋を片付けている。

片付けといっても今部屋にあるものを全部捨てるとかじゃなくて、本を並べたり 散らかっていた小物を引き出しに入れたりとかの簡単なもの。


「大体こんなものかな。ルート兄さんへの手紙も書いたしやり残したこともない。

ルーリィも落ち着いてる様だし良かった」


コンッコンッ


「マーリン兄さん入って大丈夫?」


噂をすればという奴かな。ちょうどルーリィが僕の部屋に訪ねてきた。


「大丈夫だよルーリィ」

「入るね」


部屋に入ってきたルーリィの服装はもう寝る準備万端と言った服装で少しだけ驚く。

「(これ兄妹じゃなかったらアウトな場面だよ。

兄妹の方が尚更アウト?知りません。)」

よく状況が飲み込めない僕だけど落ち着いて話しかける。


「こんばんはルーリィ。少しだけ話すのは良いけどあんまり遅くまで起きてたら母さんに怒られるよ」

「こんばんはマーリン兄さん。夜遅くにごめんなさい。シェーラ母さんの事なら大丈夫。ちゃんと許可は貰ってるから」


「流石僕の妹だね抜け目がない。でもあんまり遅くまではダメだよ。体に良くないからね」

「…?。マーリン兄さんの部屋で寝るから問題ないよ」

「…?。僕の部屋で寝るの?シェーラ母さんに貰った許可ってそれの許可?」


「うん。一応話しさておこうと思って話したら普通に「良いよ」って言ってくれたから」

「まぁ兄妹だし問題はないのかな?でもルーリィ 知ってると思うけど基本的には成長するにつれて男女は区別されていくものだからね」


「わかってるよマーリン兄さん」

「それなら良いんだけど心配はしちゃうよ。

この事をルート兄さんに話したらきっと僕と同じ事を言うと思うよ」 


「うんわたしもそう思う。さっきエル父さんにもマーリン兄さんと同じ事を話されたから」

「そういう事だから気をつけるんだよ。まぁ立ち話もなんだし、後は寝転んで話そうか」

「うん」



ベットに寝転がり、部屋の明かりを消して他愛のない事をお互いに話す。

ルーリィが今より更に小さかった頃に初級魔術であやした事。それをシェーラ母さんにコテンパンにされた事がきっかけで魔法術の練習を頑張った事。

家族のことや村の事色々話した。

ルーリィも楽しんで聞いてくれて話しているこちらとしてはとても嬉しいんだけど、最初にあった僕とルーリィの間の間隔がなくなって今では僕がルーリィに腕を貸している状態になっている。

言い方が分かりづらいですか?腕枕のことです。

ほぼ身長が同じ二人で腕枕をやると距離がほとんど出来ず変な体制になる。

そんな事を考えて喋り続けているとルーリィは喋り疲れて寝てしまった。

寝顔も可愛いルーリィでかなり癒されるものがあり、僕はその頭を起こさない程度に撫でながら明日以降の予定を確認して眠りについた。










「腕をこうして、向きを変えて体勢はこう。」


マーリン兄さんが寝たのを確認してから私は行動を始めた。

マーリン兄さんは一度ちゃんと眠るとほぼ起きることがない。二年前くらいの看病の時に検証済み。

今回の事で私が何をしようとしているのかはシェーラ母さんにはバレていたと思う。

それでも許可をくれたという事は確かめてきなさいって事なんだと思う。


スゥ スゥ スゥ スゥ スゥ スゥ スゥ

「すぅ…はぁ〜 すぅ…はぁ〜」


今私はマーリン兄さんの腕に頭を乗せて両手をマーリン兄さんの胸に当てている。

そしてもう片方のマーリン兄さんの腕移動させて私の体を抱きしめる配置にした。

「(とっても暖かい、心も体も奥深くからあつくなってくた。

あぁぁっマーリン兄さんの匂いがする。すぐに消えちゃいそうに思えるそんな良い匂い。)」


私は無意識のうちにマーリン兄さんの足と私の足を絡めていき、マーリン兄さんの服の中に手を潜り込ませていく。


「(あぁ…マーリン兄さんの肌はやっぱりツルツルしてて気持ちいい。

それに体がとっても細く見えるのにちゃんと筋肉がきれいについてて、触れてる指先に感触が伝わってくる。

腹筋の凸凹や胸筋の厚さもちょうどいいくらいで、所々柔らかくて弾力があってとても気持ちいい。)」


マーリン兄さんは同年代くらいの子供と比べるととても小さい。八歳の私と同じくらいの身長で少しだけ私が大きい程だ。

そのため見た目はとても可憐で物語に出てくる女の子みたい。

マーリン兄さんは知らないけど子供の中では男女総合でのランキングがある。これはもともと女子だけのランキングだったけど、多くの子供のマーリン兄さんをランキングにランクインさせたいという要望で男女総合になった。順位は二位で私の下だけど、これは男子という事で投票しにくいと理由があるからだ。

今目の前にあるマーリン兄さんの寝顔は女の子のものとしか思えないくらい綺麗で、可愛くて。

パーツのほぼ全てがシェーラ母さんそっくりで配置もほぼ同じ。性別の違いで少しだけ違っているけど微妙な差。

それも容姿のバランスを崩すようなものではなくて、よく見れば微かに男性としてのカッコ良さを滲ませてくるもの。


普段は恥ずかしいからと過度な接触を避けてくるマーリン兄さんなのでこんな機会はとても稀。

私の手はこの機会を逃したくないと言う一心で勝手に動いていく。


「(あっ、マーリン兄さん心音が手に伝わってくる。

……私の鼓動もマーリン兄さんに知って欲しい)」


貝殻を合わせるように私は体をマーリン兄さんにくっつけて、マーリン兄さんが起きてしまわないギリギリまで力を込めて抱きしめる。

心も体もどんどん熱くなっていくけど焦ったい。

私は片手をマーリン兄さんに触れたままもう片方の手で自分の体を抱きしめる。

そうせずにはいられないくらい体の中で何かが弾けてしまいそう衝動が襲ってくるから。


「はぁはぁはぁ…はぁ」

スゥ スゥ スゥ スゥ スゥ


ふとマーリン兄さんの方を見ると女の子が見ても見惚れてしまう様な綺麗な顔と、規則正しく寝息を零しながらフルフルと震える柔らかそうな薄紅色の唇が目に映った。


「                   」






「(あぁぁっ……私はマーリン兄さんに恋してる)」


読者様それぞれに思うところのある回だったと作者は勝手に想像しております。作者としてはチキンとした理由があっての今回のお話です

これ以降も変わらず【聖剣の大賢者】をよろしくお願いします

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