表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【聖剣の大賢者】君の人生は面白い!〜少年はただ自由に生きる  作者: あっちこっち
五節 手放す平穏
38/129

子はいずれ親に挑まなければいけない。

37部を少しだけ編集し直しました。

庭に着くとエル父さんは防音魔術を庭にかけてから話し出した。


「では一応ルール説明をしておく。

使用する魔法術に上限はなし、身体強化も上限はなし。相手に負けを認めさせるか戦闘不能にした方の勝利とする。

開始はこのコインが地面に着くと同時に始まるものとして、それまでの魔力操作はしないこと。」


エル父さんはそう説明するとポケットからコインを取り出して親指でそれを弾いた。


キィッイイイイン


「ルールがおかしいよエル父さん!!!」


やばいよエル父さんもう距離をとって構えてるし!

ルールも変更してくれそうにないし、もうすぐコインが地面に落ちてくるしでもうダメだ!!

状況が好転しないと判断した僕はユグドラシルか貰った木剣を肩に担いで体を落とし、コインが落ちる瞬間に待つ。


チィッイン


地面についた瞬間エル父さんは身体強化を自身にかけて戦闘態勢を作った。

僕の構えから突撃を警戒したんだと思うけど、僕は身体強化を後回しにしてエル父さんの目の前に強烈な光を発生させる。簡単な入門魔術の応用で発動までがとても早い。

虚をついた閃光だけどエル父さんの視力を完全に奪うまではできていないだろうね。

予想していた通りエル父さんは一瞬動きが止まっただけで僕への攻撃を開始した。

僕もそれに反応する様にして緩く身体強化を自身にかけ始めながらエル父さんに向かって駆け出す。

エル父さんはその僕の行動にすぐさま反応する様にして衝突に有利になる様に体勢や角度を微調整してくる。

今の状態のままぶつかれば万全な身体強化をしているエル父さんが必ず勝つだろう。

けどエル父さんはさっきエル父さんが固まった瞬間に僕が作った地面の溝に気づいてない。

というか気づかせないように僕は突撃している。


ズボッ


「っ!?」


「(よし!エル父さんは狙い通り溝に足を突っ込んでくれた。体制が崩れたところを腹に決めて僕の勝ちだ)」

僕はエル父さんが体制を崩した瞬間身体強化を限界まで引き上げて木剣を打ち込む為に地面を強く蹴り突撃する。

後一歩間合いに入り、決められるというところでエル父さんの足周りの土が隆起する。

咄嗟に横に回避したものの、かなり大きなサイズの土の槍が地面から生えてきた為に完全には避けきれなかった。

受け身を取りながらもエル父さんからは目を離さず、すぐさま体制を立て直す。

エル父さんの方も土の槍が邪魔をして僕に追撃をかけられなかったみたいだ。


「さっきのは貰ったと思ったんだけどね」

「ああ足下の溝には全く気づいていなかった。

そのせいで得意ではない魔法を使う羽目になったが仕方ないだろう」


得意ではないと言ってるものの、咄嗟に発動させた割にはかなり完成度の高い土の槍が出来上がってる。得意ではないけど熟練はしているって感じなんだね。


「仕切り直しだマーリン。

お互いに準備は万端のようだからな」


僕の周りには『迷わせ誘う幻想蝶の群れ』が飛び交い、『アズライール』と『スルーシー』は僕の両肩にとまっている。

『(『迷わせ誘う幻想蝶の群れ』は改良前のであり、シェーラ母さんと約束した通りあの三つは僕が死にそうとかじゃないと使わない)」


エル父さんの方も、体の周りには高密度の嵐とその嵐の中に岩でできた小さな刃があり、周辺には同じく岩でできた武器が生成されている。

風と土系統が得意なんだと思うけどかなり完成度が高い。

大まかなところは魔法で、細かいところを魔術でと完全に分けて制御している。


「これが基本的な私の全力を出すときの組み合わせだ。魔法術はあまり得意ではないが、使い続ければ使い続けたもの「限りこれくらい使えるようになるものだからな」

「息子に使う魔法術とは思えないんだけど、そこら辺どうお考えですか?」 


「マーリンならこれでちょうどいい。ルートの時も最後は今みたいな試合をしたがここまではしていない。」

「ちなみにその時のルールは?」


「初級までの魔法術可能。身体強化の使用制限なし。尻を地面についた時点で負け。といった感じだ」

「僕もそっちがいいなエル父さん!!」


「そうか ならこれが終わった後にそのルールでもう一度するか」

「やっぱりこのままのルールがいいなエル父さん!!」


「ふっ そろそろおしゃべりは終わりにするぞマーリン」

「お手柔らかにお願いします。僕は十一歳って事忘れないでねエル父さん!」



それから接近戦を軸にしてエル父さんと戦っていく。

攻撃魔法術の才能が皆無なせいで魔法術で責められないというのもあるけど、剣を軸に戦っているのは他にも理由がある。

おしゃべりの最中も増殖させていた『迷わせ誘う幻想蝶の群れ』は、しっかりと岩の刃入りの高密度嵐で刈り取られていたのでそこまで数を増やせず、『迷わせ誘う幻想蝶の群れ』はそのまま刃入りの嵐に邪魔される形で本領を発揮できない。

『アズライール』はかなりエル父さんに負荷を与えているけど、エル父さんによる認識障害魔術やデバフ防御、デバフ解除などで決定打は与えられない。下の二つは『アズライール』を覚醒させたらかなり改善させることができるけど今やっても決めきれないので機会を待つ。

まぁ『アズライール』にかなりの意識を向かわせれてるからこのまま維持。

『スルーシー』はまぁ相変わらずの支援性能で助かってます。



剣での打ち合いは少しだけこっちが押されてる。

身体能力差はもう殆ど無いんだけどリーチ差は如何ともしがたい。

技量の差は最初の頃とほとんど変わらない、ちょっとだけあの頃より差が広がったくらいだ。

僕は今でもかなり成長してるけど、エル父さんも成長してる。

「(なんであの年で僕と同じくらい成長してるのかなエル父さんは?)」

エル父さんの年齢を疑わずにはいられない僕です。



エル父さんの戦い方はかなり"あいつ"と似てる。

そこら辺にある武器を自由自在に使いながら戦う。

普通に剣とかも投げてくるし、本当にこれが剣聖の戦い方なのかな?とも思うけど口にはしない。

刃入りの嵐が『迷わせ誘う幻想蝶の群れ』を削りながら僕自身にも攻撃してくる。

本当に"あいつ"との戦いを思い出させてくるよ。

でもあの時と違い僕が持っているのはちゃんとした武器?の木剣。

打ち合った感じ的に折れる心配はないのは確認してる。それだけでかなり心に余裕がある。


「エル父さん!!最後に僕が勝たせてもらうよ!!」

「最後も私が勝たせてもらうぞマーリン!!!」


そういえばエル父さんに本気で勝とうとしてるのは今回が初めてなんだよね。

いつもの稽古での打ち合いは練習であって試合じゃないし、次があるものだからね。


「(だからこそ今回だけは負けられないんだよね。勝ちたいと思ったし、次がないから)」


僕は"あいつ"とのあの日以来の全力を出す。









〜エルヴィンス〜


もうすぐコインが地面につく。

マーリンも覚悟は決まったようですでに木剣を構えている。

構えからして開始と同時にこちらに突撃してくるつもりなのだとも考えられるが、マーリンの考えは私では読みきれない。


チィッイン


コインが地面につくと同時に全力で身体強化を発動し戦闘態勢を作る。これで大体の自体には対応できるはずだ。


改めてマーリンに視線を飛ばすと目の前に強烈な光が現れた。


「(油断した。何をしてくるにしてもまずは身体強化をするものだと考えていたんだが、それを読まれていたのか。右目はやられた、左目はまだ少しは見える。ならやる事は決まっている)」


マーリンに次の手を打たれる前に私は前に出る。

霞んだ視界にマーリンもこちらに突撃してくるのが見えた。動きのスピードこら考えて身体強化は万全にはかけれていないだろう。

それならば私に分がある。

そう予測をたてていた私の足に予想外の感覚があった。

地面がない。


ズボッ!!


「(地面穴を作っていたのか!!今から抜け出そうと動いても間に合わない。

『我が魔力を糧に大地の槍の一撃を』)」


魔法は得意とするものではないがこん状況では仕方がない。

マーリンも身体強化を万全にしたようでかなり速いスピードで突っ込んでくる。

魔法の発動タイミングを考えるとかなり良いタイミングだろう。


ズドドドドド!!!


マーリンにはギリギリ避けられてしまったか。

まぁもともと魔法術で私がマーリンに勝てるとは思っていないがあそこまで綺麗に避けられるとは思っていなかった。

できれば追撃を加えたいところだが私が作り出した土の槍が邪魔をしてそれもできない。

ただでさえ才能がないというのに今回は魔法だ。追撃するスペースを作ることなど私にはできようはずもない。

これをやったのがシェーラやマーリンなら上手くコントロールしているのだろうが私には二人ほどの才能はないのだ。



私はマーリンと言葉を交わしながら戦いの準備を始める。

『崩れてなる土の刃』目の前の土の槍を細かな刃に変え、『暴風の大綱』はそれを飲み込むようにして発動させてマーリンの周りで増殖し続けている蝶の群れを消していく。『崩れてなる土の刃』は魔術で『暴風の大綱』は魔法。

『咲き乱れる無数の刃』私を中心として様々な剣を魔法で作り出していく。

魔法での生成故に多少完成度にバラツキはできるが『崩れてなる土の刃』で整えていく。



「(マーリンの方も準備はできたようだな。)」

あの蝶の群れが『迷わせ誘う幻想蝶の群れ』か。

幻覚などの精神異常で五感を奪うのではなく、自然現象で五感を奪う魔術か。よく考えついたものだ。

そしてマーリンの両肩にとまっている黒と白の烏がシェーラが言っていた『アズライール』と『スルーシー』で間違い無いだろう。

効果はデバフとパフ 回復だったか、三つとも極よりの特級魔術だな。

そして一番厄介なのは空間に完全に気配を溶かし込む状態。あの時のマーリンはそこにいるのにいないように感じるほど気配というものを感じない。一度目を離してしまえば再度捉えるのに苦労する。


私の魔法術は『崩れてなる土の刃』が中級の中

『暴風の大綱』が上級の下

『咲き乱れる無数の刃』が上級の中であり、私が戦いの最中でも完璧にコントロールできるベストの組み合わせだ。

それも三十年ほど使い続けてやっと今の段階だというのに、マーリンを見ているとつくづく私に魔法術の才能がないことを思い知らされる。

時間稼ぎの会話もお互いにもうそろそろ終わる。



会話が終わり戦闘が再開され数分ほど経っただろうか、今はお互いに様子見と言った戦い方になっている。

魔法術で牽制をしながら接近して剣を打ち込む。

剣の腕や読み合い は私よりもマーリンが上だ。

もともと剣の技量自体では私よりも数段上にいたマーリンはこの数年で完全に剣を自分の一部へと昇華させた。


読み合いについても相手の動きの機微に最初から敏感であった。だがそれがどういう意図であるかを汲み取れていなかったのだ。

それについても様々な相手と戦うことで汲み取り理解できるようになっている。

読み合いにおいて最も難しい相手の意図が込められた些細な動きの察知が最初から完璧だったマーリンはもう経験を積むだけの段階にいる。

最後にまだ私が勝ってはいる単純な力やスピードの差はかなり少ない。これはマーリンの素の身体能力が上がったからだ。

マーリンの身体強化は異常に倍率が高い。

基礎値となる素の身体能力が少し上がっただけでも身体強化後の身体能力はものすごく上がる。

それがついに私に近づいただけのこと。

剣の腕、読み合いで負けている私がマーリンと打ち合えているのは、まだ少しだけある力とスピードの差とリーチで私が格段に勝っているからだ。



とはいえ戦い全体を見れば私が完全に拮抗している。

原因としては魔法術の差だ。

マーリンの蝶は増殖スピードがとてつもなく早く『暴風の大綱』で消して回っているものの完全には消しきれないだろう。

そして少しでもその数が増えると視覚 聴覚 触覚 嗅覚を混乱させてくる。


そして黒の烏が絶え間なくかけてくるデバフ。

このデバフの効果の種類が兎に角多すぎる。

普通のデバフ系自立起動魔術は一から三種類なのだが、この『アズライール』はほぼ全てのデバフを使ってくる上、そのデバフの強さもかなり強い。

私の職業は剣聖でかなりデバフ耐性効果があり、私自身の魔力循環量も一般的には多い方だ。

それだというのに殆どを防ぎきれない。

半端なデバフは一切混ざっていないのだろう。

私は精神異常系デバフの防御魔術を常時展開しなくはいけない状態になった。

全てのデバフ防御魔術を常時展開できるほどの才能も余裕も私にはなく、デバフにかかったリスクを考え精神系のみに絞り防御魔術を展開している。

そしてデバフ解除を一定の間隔で使う。

デバフ防御に比べてデバフ解除は難易度が低く一斉に解除しやすい。幾つかは解除し損なうこともあるが仕方ないだろう。

この『アズライール』にかなりの思考力を割かざる得なく、『迷わせ誘う幻想蝶の群れ』の肉体的な感覚阻害も相まって対処が不可能に近い。


白の烏『スルーシー』はかなりの速度でマーリンの傷を治している。

このことから接近戦で少しずつ弱らして勝つことは不可能ということであり、一発強力な一撃で戦闘不能にするか、気絶させるかしかない。



マーリンは魔力が尽きることはない。それは前にマーリンのスキル応用を聞いていることから知っている。

そしてこのままでは私の魔力は数分で枯渇するだろう。


「エル父さん!!最後に僕が勝たせてもらうよ!!」


マーリンがそんな私の思考に割り込んでくる。

「(マーリンが言うとは思えない言葉だな。)」

マーリンは勝ち負けにこだわる子ではない。

ルートとの打ち合いや私との打ち合いでも負けて悔しがるという姿を見たことがない。

「(はははは面白い。確かにこれが一つの区切りになるだろう。だからこそ今回も私が勝って終わらせてもらおう!)」


「最後も私が勝たせてもらうぞマーリン!!!」


「(思えばこんな気を荒ぶらせたのはいつぶりだろう。もう久しく忘れていた感覚だ)」

私は昔の感覚を呼び起こしながら、ほんの僅かに見える勝機を掴むために戦いに意識を集中させていく。









〜エルヴィンスのざっくり身体強化説明〜

(読まなくても何の問題もないから飛ばしてね)



私が自身に限界まで身体強化をかける。それを倍数で表すなら二十五倍だ。この倍数はその人の素の魔力循環量を基準とし、身体強化した時の魔力循環力がその何倍であるかで決まる。


自然体の時の魔力循環量は魔力生産量の二割程の魔力で、その他八割程の魔力は備蓄されていく。備蓄限界量は人それぞれであり限界まで溜まると、魔力生産量が勝手に調節されるようになっている。

そして一般的な限界魔力循環量は魔力生産量の、1.5から3倍である。

つまりほぼ全ての人が理論的には十倍程の身体強化ができるということになっている。

魔力循環量1として魔力生産量5=5倍

魔力生産量5×1.5〜3=7.5〜15


しかし普通の人は自身の魔力生産量の二倍や三倍ましては自然に循環している魔力の二倍から五倍を制御しきることはとても困難である。

それ故に自身の限界魔力循環量いっぱいの身体強化をかけられるものはとても少ない。

私自身、限界魔力循環量は生産量の六倍だがコントロールしきれるのは生産量の五倍までだ。


私の二十五倍というのも

魔力生産分すべてを使い五倍

そして生産量の五倍

五×五で二十五という計算だ。

これに素の身体能力をかければ身体強化後の身体能力になる。


身体強化の良いところとして最初に挙げられる事は、魔力生産量の大小で身体強化の倍数が変わらないことだ。

魔力生産量が10の人と 50の人では自然に循環している魔力の差は五倍。

10の人は2で、50の人は10。かなりの差がある。

しかし10の人が二倍の4を流して身体強化をし

50の人が同じく二倍の20を流しても結果は両方同じ二倍の身体強化となる。


二つ目は基本的に身体強化といえば魔力生産分までで考えられることが多い事。

これは備蓄の魔力やその他の方法を使用して、自身の魔力生産量以上の魔力を用意し、なおかつコントロールする事が非常に難しいことからそのように考えられることが多い。

つまり殆どの人が五倍までを基準として身体強化を考えているということだ。

そして五倍までなら生まれながらに違う限界魔力循環量は関係ない。

結果として現在の一般的な考え方として言うなら身体強化に生まれながらの才能は関係ないということになっている。実際限界魔力循環量を無視する方法も存在しており生まれながらの才能が絶対とは言えない。

この方法の名前だけを紹介しておくが一般的に『限界突破』『魔力解放』などと言われている。


そして三つ目

素の身体能力がかなり関係してくる事。

貧弱な体の人を1、屈強な体の人を50とし

貧弱な人が身体強化で十倍しても10にしかならず

屈強な人が身体強化で二倍になったら100になる。

ここがなんだかんだと言って一番大きな理由かもしれない。


〜エルヴィンスのざっくり身体強化説明でした〜

(読んでくれた人はありがとう!!

めんどくさくて飛ばした人もこんなに詳しく書く事ないから気にしないでね!!)

当初作者が予定していた物語を既に逸脱し始めました。

書いている内に何故かこうなってしまいました。

少しでもいいなと思っていただければ幸いです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ