至高の幻想龍
四龍神の一角であり、【命の境界線】の王
【停止させる者】の異名を持つ【ノーブルファブニール】消滅の報がこの村に届いてから早くも一年と数ヶ月が経った。
死ぬはずのない存在、倒されるはずのない存在がこの世界にはいる。
代表格が四龍神と数体の大精霊
大陸北端の山脈支配者
【ノーブルファブニール】
ドワーフの国がある火山地帯で眠り続ける
【レェイヂュルティーヤ】
大海を彷徨い続ける者
【ワヒュトゥレビヤタン】
天空の意志
【ジズパァニィシュ】
大精霊
【深緑の大精霊】
【聖湖の大精霊】
【草原の大精霊】
この三体が大精霊として有名で、
エル父さんの話によく出てくるのがこの七体。ランクは七体ともSSS,。
歴史上一度も倒された事がない。今回がはじめての事例となった。
ランクSSについては伝説の勇者や英雄が数度倒した記録がある。龍帝、龍王、土蜘蛛、などなど。
ちなみに妖怪系統の名前をつけたのは転生者だと勝手に推測してる。
ランクSSが倒されたという事なら世界が湧くだけでそこまでの問題にはならない。新しい英雄が誕生するだけだからね。
でもランクSSSはそうはいかない。
ランクSSSが消えるということを元の世界で例えるなら、半分以上の国からいきなり憲法と法律が無くなるくらいの問題になる。
それかいきなり大陸同士がくっついたとか、ヒマラヤ山脈アルプス山脈が消えたとかになる。
端的にいうとあり得ない。起こるはずのないことで、想定なんてしていたらきりが無い事。
そして実際に起きたらどうしようもない事である。
それが起きてしまった。
そんなあり得ない事が実際に起きてしまった。
当然世界は混乱し、動揺する。
この隙に北領同盟王国を崩そうと、因縁あるゲオルグ正教法皇国はヒューマン各国やヒューマン以外の種族に檄文を送り北領同盟王国を潰そうと動いた。
ヒューマンの国は中天帝国と北領同盟王国近隣の国数カ国以外の国全てがゲオルグ正教法皇国に賛同して戦争が参戦した。
ヒューマン以外の種族、特にエルフの国は参戦してくると思われていたけど参戦する事なく特に動きがない。
それ以外の種族に関しても動きは見られなかった。
理由として大きいのが【命の境界線】の場所と環境である。
【命の境界線】は【ノーブルファブニール】が不在でも人が住めるところではなく、軍を進める選択肢は存在しないし、軍を進めたとしても高確率で負ける。
これがもし【深緑の大精霊】であったならエルフ達は高確率で相互不可侵条約を破棄していたか何らかの要求を北領同盟王国にしていたと思う。
北領同盟王国に戦争を仕掛けてきた国々とは北領同盟王国南端で行われており、現在は北領同盟王国が優勢である。
このまま北領同盟王国が勝つだろうとエル父さんは言っていた。
この一年くらいエル父さんはほとんど家に帰ってくることなく働いていた。
仕事内容は情報収集であることはわかった。
エル父さんは帰ってきた時に僕にも殆どの情報を教えてくれる。
僕みたいな子供に与えていい情報なのか疑問に思ったけどエル父さん曰く
「マーリンは知っておくべきだと私が判断した。
それに下手な者に教えたりもしないと確信している」
とのことだった。
まぁ人に話したりはしないけど、知っておくべきだとは思わないよ。
【ノーブルファブニール】を消滅させた少女とは北領同盟王国がすでに話をつけているようで、少女は北領同盟王国に所属することで決定したらしい。
エルフの国にもこの事は伝えられており、協議の末に両者の合意の上で決まったらしい。
少女は【命の境界線】の麓に住んでいた狩猟民族の最後の一人であったらしい。
【ノーブルファブニール】は時折自分の領域である【命の境界線】から離れて人を襲ったりすることがあるらしく、少女の村もそれで壊滅した。
少女は【ノーブルファブニール】がまた【命の境界線】から出てくるのをひたすらに待ち続け、奇襲により自らも瀕死になりながら消滅させたとのこと。
少女の話から【ノーブルファブニール】消滅までの流れはほぼ把握され、龍神や大精霊は自分の領域内であれば無敵であるが、領域外であれば消滅させることができるのではないかという仮説が立った。
過去の英雄達が団結し【聖湖の大精霊】に挑んだ際一人を除いて壊滅。その生き残った英雄が残した言葉の中に大精霊の首を跳ねることに成功したが、殺すことはできなかったという供述があり、それを踏まえての仮説である。
こう聞けば割と簡単に思えるがそんなことはなく単純に少女が尋常ではないくらい強いのと、運が良かったという理由だった。なんでも少女は北領同盟王国が調査のために派遣した第一騎士団を負傷した身で退けたという。
北領同盟王国の第一騎士団といえば軍の最高戦力であり、世界基準でトップクラスの武力である。
その少女が用意周到に準備をし、完璧な奇襲を仕掛けたにもかかわらず結果はまぐれ勝ち(少女自身の言葉)。しかも領域内では死なないというチートで、【ノーブルファブニール】を例外としてそれ以外のSSSが領域外に出たところは確認されていない。
この事から今回の【ノーブルファブニール】消滅はもう二度と起こることのない人種史上最高の奇跡として語り継がれることになるだろう。
ここまでが前エル父さんがある帰ってきた時に教えてもらった情報。
いやほんとにエル父さん何者なんだろ?
どう考えても知り過ぎだと思う。
そして今から新しい情報をシェーラ母さんと一緒にエル父さんから聞くところだ。
ルーリィは寝てる。
「まずゲオルグ正教法皇国との戦争だが両者の間で和解が成立試走だ。条約としては北領同盟王国が優位な条件で押すことができたらしいが、まだ交渉は長引くだろう」
中天帝国、ドワーフ、エルフ、魔人族、魚人族
海洋諸国とも話が付いているとの事で、この騒動については沈静化していくだろう。
そして件の少女だが、北領同盟王国の軍に入隊することに決まった。
名前もそれと同時に公開された。
少女の名前はオフェリア。
ジョブのみオフェリアは公開し、【氷の女帝】である事がわかっている。もちろん【破階者】だ。
これは【ノーブルファブニール】からの加護によるジョブだと本人は説明している。」
「エル父さん質問なんだけど【ノーブルファブニール】は消滅したんじゃなかったの?」
「確かに消滅している。
が復活する。オフェリアが【ノーブルファブニール】から授かった加護は【再戦の誓い】。
内容は【ノーブルファブニール】が復活するまで加護の対象は老いること無く、自身の能力の一部を貸し与えるというものらしい。」
「オフェリアさんはとても協力的なんですね。
事前の情報から考えていた人物像とは異なりますね」
「あぁ政治などには興味はなかそうだが、理解はしているという印象だった。
本人は戦い勝ち生き残る事が一番大切だと考えている様だ。
ある程度協力して速やかに片付けているいう感じだろうな。」
人種史上最大の奇跡と言われるこの事件は今後の僕の人生の行く末に大きく影響を与えることになると、この時の僕は想像すらしていなかった。
それでは改めまして僕はマーリン十一歳になりました。
最近は特に変わった事はなく平和に過ごしてるよ。
魔術開発の方もまた面白いのを考えついたので完成したらシェーラ母さんに見せようと思ってる。
フル強化についてはもう寝ている時でも維持できる様になった。今では意識しないと解除できないくらいになってる。
身長はついにルーリィに追いつかれてしまった。
ルーリィは同年代と比べると背が高い方なのでそこだけが救いだよ。
そして今でも木こりの真似事は一応続けており一日一回は森に入って女の子に会い、一本だけ木を切る事にしている。
一度女の子にもう来ない事を説明した時はとても悲しそうな顔をされて、逆に女の子の方から僕に木こりの重要性について説得をされた。
その時も言葉を喋りはしなかったけど身振り手振りで説得された。
そんなわけで何だかんだと大森林の奥深くまでいく様になっている。
ルート兄さんやマエルは学園であったことなどをよく手紙で教えてくれる。
一応楽しくやっているという内容だったのでよかった。
ルーリィはついに魔法術の段階にまで到達して今はとても楽しそうに練習をしている。サポートと防御の方面が得意らしいくシェーラ母さんと同じだった。攻撃的な魔法術も大規模なものでなければ普通に扱えるらしい。別に羨ましくないよ。
エル父さんやシェーラ母さんはとても忙しそうだ
祝福の世代が続々と十二歳になり、この国や他の国では本格的に動きが出てきたみたいだ。
そのせいでエル父さんは未だにどこかを走り回っているし、シェーラ母さんは王都の教育施設で働いてくれないかという要請をどうにか断り続けている。
中天帝国現君主炎帝の第六王子【炎 虚苦】ジョブ大軍師や、ゲオルグ正教法皇国聖巫【ローレライ・イール・ゲオル・キーバス】ジョブ聖女。
北領同盟王国第四王子【レオンハート・フィルヴァーニア】ジョブ勇者などなどを代表格とし、どの国でも派閥争いが活発化している。
炎 虚苦などは自らの軍を編成したりしているし、ローレライは慈善活動に邁進している。レオンハートはラノベのハーレム主人公の様に振舞っているらしい。
他の祝福の子達も派手に動いている様で、世界の混乱はまだ完全には収まりそうにない。
因みに確認されてる祝福の子は
北領同盟王国に三人
ゲオルグ正教法皇国に三人
中天帝国に三人
エルフの国に三人
北領同盟王国とゲオルグ正教法皇国の間にある中立商業都市と中規模国家に一人づつの合計十四人確認されている。
これは国家同士が最低限共有している情報でただの旅人とかが知っていていい情報じゃない。
いや本当にエル父さんは何を仕事にしてる人なのかな?
絶対情報系の国の役人だと思うんだよね。
少しでも良いなと思っていただければ幸いです




