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【聖剣の大賢者】君の人生は面白い!〜少年はただ自由に生きる  作者: あっちこっち
三節 揺らぎの兆し
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お別れ

章を作りたいんですけど、作り方がわかりませんでした。

部屋でルート兄さんたちと喋っているとシェーラ母さんとエル父さん、ルーリィが入ってきた。

どうしてかエル父さんは僕を見た瞬間少しだけ戸惑った顔になる。

その後すぐにいつもの表情に戻ったけど、どうしたんだろう?


「久しぶりだなマーリン、体調に問題はないか?

少し痩せているようだが。」

「久しぶりエル父さん。体調に問題はないよ。

後一週間もすればベッドから出られるようになるってシェーラ母さんが言ってる」

「そうか良かった。

済まなかったな……助けに行くのが遅れてしまって」

「ううん、助けに来てくれてありがとう。

もうダメだと思ってたから嬉しかったよ」


言葉が詰まってしまっているエル父さんに変わりシェーラ母さんが話を続ける。


「エルはね、ずっとそのことを気にしていたのよマーリン。何もすることができなかって、ねぇみんな」


「そうだよマーリン、旅の間ずっと落ち込んでてね。

気を紛らわすためにずっと剣の練習をしてたんだよ」


「ええ、私たちが眠り始めると剣の練習をしていたわ」


「フルーベンスに行く日は私とシェーラ母さん以外の三人はリビングで寝ててね。昼過ぎに起きて慌てて出発してたんだよ」


エル父さんは少し恥ずかしそうに顔をそらしている。

僕もこの話は少し気恥ずかしいので話を変える。


「そういえば⦅剣聖》になったんだよねエル父さん。

おめでとう」

「ああ、ありがとうマーリン。とは言っても実力ではないがな。」

「"先成り"も実力だと思うよ僕は」


「"先成り"は将来的にその実力になるだろうというものだからな、私としては素直に受け取れないだけだ」


先成りはエル父さんが言った通りで、異名持ちが上とすれば下といった考え方になる。

とは言っても異名の方とは異なり、区別がつくものではない。本人にしか先成りかどうかは伝えられないので、黙っていれば他人が知ることはできないんだ。

エル父さんらしいといえばエル父さんらしい。


「先程シェーラと話し合い簡単にではあるがこの一週間でやることも決めた。パームさんとシーカさんにも聞いてもらいたい話だ、マエルの家に四人で行ってくる。ルーリィ、マーリンのことは頼んでいいか?」


「うん大丈夫だよ、任せてエル父さん」  


「ねぇエル父さん、僕の方が一応お兄さんなんだよ」 


「今は動けないのだろう」

「そうだけど」


「今はしっかりと身体を癒すんだ、わかったな」

「わかったよ」



そうして部屋には僕とルーリィだけになった。


「マーリン兄さん何かしたいことある?」

「本を読みたいな」

「わかった、ちょっと待っててね」


そう言ってルーリィは僕の体を起こし、壁と僕の間に枕を詰め込んで僕の体を壁にずらしていく。

「(こうやってルーリィに難なくと世話をされてると、

ルーリィと僕の身長差の無さを改めて感じさせられるな)」

その後に本を取りに部屋の外へと出て行った。

ルーリィは本を持って部屋に戻ってくると、僕のベッドに上がり僕にもたれかかってくる。

そしてそのまま本を開いて僕の方を見てくる。


「今魔族文字の勉強してて、一緒に呼んでもらえないかなって思って」

「そうなんだ、じゃあもうすぐ言語の勉強は終わりなんだねルーリィ」


「マーリン兄さんには負けるけど」

「ルーリィのお兄ちゃんだからね」


「あんまり身長は変わらないけどね」

「ううぅ それは言わないでくれると嬉しいかな」


「それにマーリン兄さんはとっても綺麗。

村の子供で対抗できるのマエルさんくらいだもん」

「ルーリィの方が男の僕より綺麗だよ」


ルーリィは少しだけ恥ずかしそうにしたもののすぐに気を取り直してくる。


「私もシェーラ母さんやマーリン兄さんみたいな髪の色になりたかった、とても綺麗だもの」

「僕はルーリィの髪の色になりたかったよ。僕が好きな雲の色だからね」


「雲は白色をしてるよ」

「よく見たら灰色だよ、まぁ白に見えるし黒っぽく見える。見方によって色々な表情になる色だからね。

ルーリィにぴったりの色だと思うよ」


「どういうこと?」

「ぱっと見は無口でクールな感じだけど、実際は口足らずなだけで優しいところとかね」


「そんなこと ない と思う」

「ルーリィはエル父さんやシェーラ母さんからいいとこ取りしたような容姿をしているからね。きっとシェーラ母さんよりも綺麗になるよ」


「ふふふマーリン兄さんはシェーラ母さんにそっくりだからきっとシェーラ母さんと同じくらい美人になると思う」

「いいや僕はここから男性らしい見た目になっていくよきっと」


「今のマーリン兄さんはシェーラ母さんのそのまま若返らせたみたい容姿をしてるもの、その肩より長い白銀の髪の毛も相まって女の子にしか見えないよ」

「これはルーリィとシェーラ母さんがこれ以上切らせてくれないからだろ」


「シェーラ母さんと同じで少しウェーブがかっていて、包容力みたいなものがあって、マーリン兄さんにとっても似合ってる」

「ありがとう。ルーリィもシェーラ母さん譲りの容姿にエル父さん譲りの知的な目、それに綺麗なストレートの灰色の腰まである髪が相まって深窓の令嬢のようだよ」

「その褒め方は恥ずかしいよ」


うん、ルーリィ相手だと会話の主導権を握れてかなり楽しい。これがシェーラ母さんなら恥ずかしがっているのは僕だっただろうなと思いながらルーリィとおしゃべりを続けていく。

今日も僕の妹はとっても可愛いかった。




しばらく一緒に本を読みながら喋っていると、ルーリィは話し疲れたのか僕にもたれかかったまま寝てしまった。

腕が動いたら抱きしめてるくらいに寝顔が可愛い。


「ふふふ本当に姉妹に見えるわね」

「シェーラ母さんもう話は終わったの?」

「ええあちらとのすり合わせも終わりましたから、私は夕食を用意するために先に帰ってきたの」

「あと一週間だよね」

「一生のお別れというわけではないですよ、ほんの数年です。」

「まぁそうなんだけどね」


シェーラ母さんはこちらに近づいてきてルーリィを撫でながら



「マーリンは祝福の儀を受けた後はどうしますか?」

「どうしようかな、村からは出てみようと思ってるけど具体的には決めてないよ」


「わたしもエルもマーリンについてはかなり迷っています。

ルートやマエルのように王都の高等教育施設に推薦するのはなんの問題もないくらい貴方は賢いです。

魔法術や剣の腕もあとは自分で高めていく段階に貴方はいますから。

マーリンの場合、高等教育施設に行くのは後半からの編入でちょうど良いくらいだとわたしは判断しているんですよ。

そこでわたしは貴方に三つの選択肢を提示します。

一つ目は冒険者登録をし四年間世界を見て回るというもの

二つ目はエルフの国との不可侵条約にある留学生枠でエルフの国の教育施設に行くこと。これはあちらにわたしが個人的な繋がりがあるので確実に枠に入れます

三つ目が王都の教育施設に行くというものですが、前期はとてもつまらないものになると思います。

祝福の儀の一年前には答えを出してくださいね。」


「え〜あぁうんわかったよ」


「突然こんな話をしてごめんなさい。

でも考える時間は多い方がいいですからね、今伝えました。後二年ほどありますし、相談にものります。

ゆっくりと考えてみてください」




そこからはこの事を考えていてよく覚えていない。

特に二つ目の選択肢は考えてもみなかったものだから

全然答えが見つからない

ご飯を食べながら、会話をしながら、本を読みながら

ベッドで寝転びながらずっと考えている。

そんな風に過ごしていたらルート兄さんが出発する日の前日の夜になっていた。


「何をやってるのかな僕は、ルート兄さんと過ごせる少ない時間をこんなことに使うなんてどうかしてる」


コンッコンッ


「マーリン少しいいかい?」


ちょうどいいタイミングでルート兄さんが僕を訪ねてきてくれた



「うん大丈夫だよ」

「夜遅くにごめんね」

「気にしないで、僕もルート兄さんと話したかったんだ」

「祝福の儀の後のことかな」

「うんその事、どう決めたらいいかわからなくてずっと悩んでるんだよ」


「僕もシェーラ母さんから聞いたよ。

悩むのも仕方ないと思う、あの選択肢ならね」

「ルート兄さんは三つのうちならどれがいいと思う?」


「僕かい?

そうだね僕は留学かな、きっとそんな機会はもうないと思うから。

マエルなら冒険者って言うと思うよ。

マーリンが悩んでるのはこの二つのどっちかでしょ」

「よく僕が悩んでる二つをピンポイントでわかったね」


「マーリンは王都の教育施設にあまり行きたくなさそうだったからね。」

「まぁね、シェーラ母さんの話を聞く限りいきたいとは思わないかな(僕と同郷の人たちがかなりいそうで嫌なんだよね)。それに僕が入った時にはルート兄さんたちは後半になってるから校舎も違うしね。」


「確かにそうだね」

「小さい時からルート兄さんが前にいてくれたから、こんなに迷うこともなかったんだけどね」


僕な言葉にハート兄さんは軽く笑った後静かな面持ちで僕に問いかけてきた。


「…僕はマーリンが誇れる兄でいられたかい?」


「僕の自慢の兄さんだよルート兄さんは」

「そっか……僕はマーリンが誇れる兄でいることができたんだね」


ルート兄さんの顔はやり切ったという満足感にあふれていた。僕にはわからないルート兄さんなりの苦労があったんだろう。


「ごめんね変な事を聞いて、しばらくお別れだからね聞いておきたかったんだ」

「次会う時ルート兄さんやマエルがどんな風になってるか楽しみだよ」


「それはこっちのセリフだよ。

あとねマーリンはそんなに悩む必要はないと思うよ。」

「どうして?」


「きっと二年間のうちに想像もしてないようなことが起きるよ。そんな気がするんだ。

マーリンはきっとそういう星の下に生まれてるよ。」

「それはいい意味なのかな?」

「いい意味だと思うよ」


その後は思い出話を少しだけして御開きとなった。

ルート兄さんの言ったようなことが起きるかはわからないけど、もう悩もうとは思わなかった。



翌朝、体も一応支えありなら動けるようになっていた。

シェーラ母さんは完璧に僕の体を管理しているのだろう、恐ろしいことです。

そしてなぜかルーリィに肩を貸してもらうことになり

ルート兄さんとマエルの見送りのために外に出ている

久しぶりの外はとても気持ちがいい。

僕が気分良く空を眺めているとなぜか村の人たちが騒ぎ出した。

なんだろう、何かあったのかな?


「ねぇルーリィ何かあったの?」

「マーリン兄さんが外に出てる」

「僕ってそんなに心配されてたの?」

「心配はされてたの思うけど、これは違う理由」


よくわからない。

ルート兄さんやマエルを見ても苦笑しているだけで何もいってくれない。

二人を見送りに来たのだと思う子供達が数人集まっていたので手を振っておく。

なぜか男子女子揃って慌て出した。

ついでに大人連中まで慌て出した。

なんなんだ一体?

トムやサーレも見送りに来ていて、こちらに近寄ってくる。


「マエル ルート行ってらっしゃい。

次帰ってくる時には酒場に来てね、サービスするから」

「わかったわサーレさん、戻ってきた時には必ず」

「行ってきますサーレさん」


サーレさんが短く別れを済ませ、トムが二人に向き合う。


「マエルじゃーな、あっちじゃもう少し愛想よくしろよ」

「言われなくてもわかってるわ、それよりトム最後に私に転ばされたいの?」

「冗談じゃねーよ」


「ルートもじゃーな、お前はなんの心配もいらなさそうだな」

「トムの方もサーレさんがついてるからなんの心配もしてないよ」

「あぁそっちも自慢の美人姉妹に見送ってもらえて嬉しいだろ」


トムは僕たちの方を指差してそう言った。

僕はルーリィの方を見た。うん美少女。

後一人は何処だろうと辺りを見渡す。

すると肩をトントンと叩かれる。

ルーリィが僕の事を指差しながら「姉」、自分の事を指差して「妹」と言った。

周りの村人たちを見る。

みんなが目をそらす

エル父さんたちを見る

少しだけ目をそらされた。そらさないでほしい。

トムは話を続けていく


「村の奴らが大騒ぎするくらいの美人姉妹だからな

お前の妹たちは」

「あっははトムそれ以上はマーリンが怒ると思うよ」


「わーってるよ、冗談だ冗談。だからマーリンもそんなに睨んでくるな。

周り見てみろよ、お前が男ってわかっててもどきりとしてる男どもに、男とわかってるからどきりとしてる女どもだぞ。

これくらいの冗談はどーってことねーだろ」


そこからはルーリィとシェーラ母さんに慰められながら時間を過ごした。

それを見ていた村の人たちがまた騒ぎ出した、絶対今度何か仕返ししてやる。

そうしているうちにルート兄さんとマエルは別れを済ましていく。


「じゃあそろそろ行ってくるよ」

「そうね、隣町までは徒歩だしいいぐらいだと思うわ」


「ルート マエル 辛いこともあるでしょうが負けてはいけませんよ。その事も含めて成長するために行くのですからね」

「ここから先は二人の自由だ、自分の意思で進んでいくといい」

「手紙を出してくださいねルート兄さん、マエルさん」

「元気でね二人とも」


「「行ってきます」」


マーリンに転生してから九年間ずっと一緒に成長してきた二人がこうして独り立ちしていく。

また会えるとはわかっているけど寂しい気持ちになる。

そして解せないのが、ルート兄さんのとマエルの旅立ちだというのに僕の方を見ているちびっこたちだ。

村のヒエラルキーを教えてやろうと思ったがそれは一週間後にする。

体が万全でないと少しきつい。




その後は村のはずれに移動してあいつの尻尾を見に行った。と言っても外に置いているわけではなく、パームさんがアイテム袋(【果てなき食欲】というのオークの胃袋でできている)にある程度の処理して保管しているらしい。

なぜ村はずれに移動するかというと単純に尻尾がでかいから。



「んじゃぁよ出すぜ、これのせいでおれぇのアイテム袋の容量がいっぱいいっぱいだかんなぁ」

「すみませんパームさん」

「じいさんなに日頃使ってない袋の容量の事なんか言ってんだい」

「ばあさんや、それは言わんくぅてえぇって。

…んじゃあ〜坊、これが坊が討った嵐狼の尻尾じゃ」


ドサッ


改めて見ると馬鹿でかい。成人男性十人は収まりそうだ。

毛並みはふさふさで一本一本が細く綺麗だ。

毛色は黒七割銀三割くらいだろうか

この尻尾を見ているとあいつが多用してきた尻尾叩きを思い出す。

後半はこの尻尾を攻撃と攻撃の間に入れてきて僕の余裕を奪ってきた。

ついでに僕のに右脚をぐちゃぐちゃにしたのもこの尻尾だったね。

そういえば僕にとどめの一撃を入れるのに使われようとしてたのもこの尻尾だ。


あれおかしい?何もいい思い出がこの尻尾にはない。

懐かしいとかそんな事よりも無性に切り刻みたくなるのはなんでだろう?

確かあいつの身体部分はこの尻尾の一.五倍よりちょと短いくらいだった。

今更になって僕が戦っていた相手の大きさを実感する。よく戦えてたな僕、普通勝負にもならないよ,。



「ねぇマーリン兄さん」

「どうしたのルーリィ」

「この尻尾を持ってたのと戦ったの?」

「そうだよ、確か嵐狼っていう中天帝国で有名な魔物なんだってさ」


「すごいね」

「すごいでしょ。といってもエル父さんとかが来てくれなかったら死んでたけどね」


「それにしてもすごい。こんなに大きい魔物とどうやって戦えばいいか私はわからないよ」

「そういえばそうですね、私が見せてもらっていた魔術では少し無理があると思います。『迷わせ誘う幻想蝶の群れ』では相性が悪いと思いますから。」


「おぉぉ、確かに気になるのぉ。

ちっと調べたんだがなぁ〜こいつぁ自己回復を体質みたいなもんで持ってるみたいだったからなぁ。

この体質つーかぁスキルかは、嵐狼が稀に持ってるもんでなぁ、ある程度の傷や精神異常はほぼ直しちまうはずなんだよぉ。」

「じいさんや聞いてないよそんな事。

とゆうかマーリン坊の一番苦手なタイプの相手じゃないかい。よく生きてたね坊」


「マーリン一週間後に実際に魔術を見せてくださいね」

「…わかったよシェーラ母さん。こいつとの戦いで軸にした魔術『迷わせ誘う幻想蝶の群れ』以外の三つを見せるよ」

「えぇ楽しみにしてます」


「それでマーリン、その嵐狼の尻尾はどうする。

素材的には服などにするほかないと思うが」

「うん僕もそう思う。でもどうやって服にしたらいいかもわからないんだよね」

「それなら私ができると思いますよ。幸い糸に加工しやすそうな毛ですから」

「じゃあお願いしようかな」

「はい頼まれましたよ」




僕はルーリィに尻尾に近づいてくれるように頼み、尻尾を触る


「(お前の自慢の尻尾もらうからね、文句があったらいつか聞くよ)」


毛の中にどんどん手を入れていき芯の部分を触る、

そこはちょうど僕が砕いた場所で傷が残っている。

「(きっとあの戦いのことは一生忘れないんだろうな)」


少しでも良いかなと思っていただければ幸いです

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[一言] 良いですね! わたしは好きです! また見に来ますね!
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