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乙女の柔肌でぶちかまして  作者: いもたると


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12/14

偶然見つけた自分の相撲。会心の勝ち名乗り。

 偶然だったが、右手で栃乙女関の左肘の跳ね上げていた。

 左手だけが後ろに押され、体のバランスが崩れる。


 すかさず左で前みつを掴み、足を前に送る。

 偶然流れで右を差すと、相手の腰が伸びた。


 そのまま一気に駆けると、強靭な足腰を誇る相手の体はあっさり土俵を割った。


 会心。

 勝ち名乗りを受け、支度部屋に戻る。


 会心。

 相撲を取っていて、こんなに爽やかな気持ちになったのは初めてだった。


 会心。

 自分の相撲を見つけた気がした。


 その後も私は勝ち続けた。

 露骨に頭でぶつかることはしなかったが、立会いの踏み込みで負けなくなった。


 思い切りぶつかり、下から押っ付け、手を相手の肘に充てがう。

 体を崩したところを、左前みつを取って右を差して一気に寄り切る。


 押し相撲一辺倒だった私の急激な変化に、他の先輩力女たちは戸惑っていた。


 私はまるで人が変わったような相撲で白星を重ねていき、連勝に連勝を重ねた。


 勝ち星を重ねるにつけ、私に対する歓声は日に日に大きくなっていった。

 か、どうかは分からない。


 もう、周りの声など聞こえてこない。

 人が私のことをどう思ったっていいじゃないか。


 私の体を見て、笑いたければ笑えばいい。

 トドだとかアザラシだとか言いたいのならば、勝手に言えばいい。


 もし欲情したいのなら、そんな人がいればだが、欲情すればいいじゃないか。

 私はそんな覚悟で相撲を取っているわけではない。

 

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