未知数の取り扱い説明会_12/24昼
簡単な粗筋。
平穏極まりの現代社会から
不穏極まる命軽し社会に
世界規模で
ジョブチェンジ&常識改変!
私も常識改変を受けたいし
巫山戯んな。
そんな事で平穏社会から
隣人で知り合いの
オカルト住民達と調査する事に。
成り行きに流されて
今、役所で
御札とかオカルト畑の宝庫から
銃剣のアサルトライフルと
軽量プロテクターを購入したの!
そして、説明も受けてるの!
訳が分からないよね。
理解できないよね。
これが現実なんて巫山戯んな。
扉をくぐり、私は、
部屋へ戻り
目の前には看板が有り
《装備品の身に付け方》
と書いて
看板の後ろには
カーテンで仕切られた
簡易更衣室が目に入る。
「板見奈緒美様、こちらへ」
私の名前を呼んだ人は
名札があり
《将軍兵商、石倉》と、
書いてあった。
「はい」
呼ばれたのでつい返事をして
簡易更衣室近くまで歩く。
「この度は当店の商品を
購入して頂き、
有り難う御座います。
購入された防具の調整を
無料で行いますので、
更衣室の中へどうぞ」
中には籠があり、
そこにリュックと置き
ハンガーには
コートとマフラーをかける。
「まず、このベストを
服の上から着て下さい。
体用のプロテクターも
服を着るように装着して下さい」
指示されたように着るが
鎧だけあって、
簡単に付け外しが出来ないようだ。
「では、調整します」
そう言って、
ベルトを確認するように触る。
そして、道具を取り出し
ベルトの穴を増やした。
一番端の縮める方の穴でも
私の体型に合わないようで
その辺の微調整も兼ねてるようだ。
「次に手のプロテクターである
リストガードは
超強化プラスチックが
上に向くように装着して下さい」
この、粒々してるのを
上、なのですね。
どっかの漫画で見たことある。
この板も上にあるんだ。
装飾かと思いましたわ。
「次に肘と膝のプロテクターは
関節を曲げてから装着します。
関節を真っ直ぐで装着すると
転んだ時にプロテクターがズレ、
怪我をする可能性が高まります」
なるほど。
こちらもベルトに穴を開けて
調整してくれた。
「ヘルメットを選びますので
そのまま、お待ち下さい」
一番小さいヘルメットから
被せてきた。
分かるけどね!
父親の顔より小さいのは
確かですが、
一番小さいのからって、
泣きますよ!!
幼児用眼鏡でちょうどだった
悲しみを思い出しました、
板見奈緒美です。
そして、フル装備した
プロテクターは、歩きづらい。
が、想定以上に薄いので
上からコートを着れそうだ。
「では、次は銃の説明です。
お客様が購入された
アサルトライフル、軽量型の
BT-23はとにかく丈夫。
他者多様の衝撃に耐え
弾が無くなれば
打撃にも転用可能な
ロングセラーとなっております。
全国全世界で
一億挺近くの大ヒットしており
数多くの品に
偽物や劣化コピー品がありますが、
お客様が購入された銃は本物です」
【はい、言葉に嘘無し。
心情は・・・厄介払い確定】
はい???
・・・・・・。
おかしくなりそう。
やだ。
「こちらがおまけの
弾丸40発入り
マガジン20個と
マガジン持ち運び、
取り付け可能の
多目的ベルトをお付けします」
・・・・・。
コートのおまけに付いてる
おしゃれベルトを取って
多目的ベルトを着けて
マガジンを6個も
ベルトに着ける。
コートが重量に負けそう。
「よろしければ
こちらの書類にサインして下されば
コートを簡易強化させて頂けます」
手渡された書類には
借用書だった。
理解した内容は
・防寒用コートは
戦闘用に改造するために
特別配合された半液体で
繊維を高速強化する。
・本来の強化金額は
100万円。
※元が戦闘用では無いので
人類敵対生物の攻撃等で破損する
可能性が高いのでご了承下さい。
・また、100万円を返しきれずに
死亡した場合に限り、
100万円に相当する
契約者の預金、不動産等の
金銭に該当する物は
我が社が責任を持って
差し押さえする。
と、
借用書には記載されている。
「名前のみの署名で
借用書として成り立ちます。
如何しましょう」
「します」
お金で命が助かる率が上がるなら
私は問題ない。
私の貯金は
総合計200万ある。
にして、指紋の判子は
無くて良いのか。
やだ、怖い。
「確認しました。
では、コートをお預かりします」
渡すと慣れた手つきで
金属製の蓋を開けて、迷い無く
お気に入りの灰色のコートを
金属製の箱へ放り込み、
蓋を閉めて緩く振る。
そして、蓋を開けて
灰色のコートを持ち上げる店員。
青い、ジェルに包まれた、
私のお気に入りのコートと
最悪の対面を果たした。
そして、
機械でコートを緩く絞り
青いジェルを含んだまま
ハンガーに掛けられ
次の機械に移動される。
人一人が入れそうな
筒形の衣装ケースを開けて
コートをかける。
そして、閉めてから
スイッチらしき物を押すと
赤い光と甲高い電子音が
辺りを包む。
何あれ。
訳が分からないよ。
よく分からない内に
工程完了したらしく
コートを手渡しされた。
色は灰色のままで、
変色してないようだ。
「最寄りの当店、将軍兵商の住所が
記載してる案内地図と紹介状と
プロテクターの管理方法が
記載してる説明書で御座います。
板見様の長きの御活躍と御健勝を
お祈り申し上げます」
深々と一礼されて
私は席へ戻るために
再び、コートとマフラーを着て
リュックを背負って歩く。
確か健勝の意味は、
体が丈夫で
優れている。だった
ような気がする。
通常は、
社長や副社長、課長、部長
等の上の役職への
挨拶文でありそうだ。
少なくても、
平社員に対するモノでなく
命がけ前提の言葉だ。
この役所で書く書類に
職種欄がないので
前職不問の志願制なのが
理由になるかな。
やだ。ほんと、やだ。
アレコレ考えてる内に
私が座っていた席の隣に
男性が座っていた。
窓から外を見た。
何も変わらず空は青く、
その色だけは
いつも通りの日常だ。
だが、私が購入した
プロテクターの重さに
非日常を感じて呼吸が荒くなる。
まだ、私は何も始まってないのに
心がやつれてきた。
ここは、現実。
直視するには辛すぎた。




