9. 総合ポイントその2なのじゃ
☆データ情報☆
※使用したデータは2026年09月29日時点のものなのじゃ。そのため今の値から多少ずれがあるのじゃ
※これらのデータは公式から提供されるものではなく、個人が集めたデータからの推測なのじゃ。
「今回は総合ポイントを初回掲載年ごとに見ていくぞ。これがノクムンミッドの歴史に刻まれた総合ポイントの真実じゃ!」
「は、はい! グラフの読み方は、ブックマークや評価ポイントの時と同じですよね?」
「うむ。横軸は作品が始まった年で、それぞれの値はその年に始まった作品だけを集めたものじゃ。その年に付いたポイントではなく、いま持っておる累計のポイントじゃから、新しい年ほど掲載期間が短くて不利になる。右端の2026年は9月29日までの途中の年じゃ。そこだけ忘れるでないぞ」
「まずは、各サイトの初回掲載年ごとの総合ポイントの中央値じゃ。
ノクターンは2016年から2019年が約200ptで、山の2021年でも約300ptじゃ。2023年まで200pt台が続いておる。男性向けはもともと評価ポイントが入りにくいゆえ、2020年の評価フォーム改修の効果が女性向けほどはっきりとは出んのじゃよ。
逆にムーン女性向けを見ると、2015年から2019年あたりは約500〜700ptで、2020年に約850pt、そして2021年から2023年は約1,100ptへと跳ね上がっておる。
ムーンBLも2021年に約800ptの山を迎えておる。ただし、どちらも評価ポイントだけで見たときほど急な段差ではない。ムーン女性向けの2019年から2021年への伸びは、評価ポイントでは約3.5倍じゃったが、総合ポイントでは約2.3倍じゃ。評価ポイントほどは増えておらんブックマークの分(約1.4倍)が混ざるから、伸びがなだらかになるのじゃな。
ミッドナイトは……2015年こそ約100ptじゃったが、2016年以降はずっと数pt前後じゃ」
「読者さんの評価の入れ方の違いが、そのままグラフに出るんですね……。ちなみに、今年……2026年投稿の作品の中央値はどれくらいなんですか?」
「ムーン女性向けが約120pt、ムーンBLが約100pt、ノクターンが約60ptじゃな。なおミッドナイトは0ptと、相変わらず水面下を潜水航行中じゃ。まだ途中の年の数字じゃが、投稿1年目の作品の目安として、この数字を胸に刻んでおくのじゃぞ」
「わかりました!」
「続いて、背筋が凍る総合ポイント0ptの割合じゃ。その年に始まった作品のうち、ブクマも評価も1つも入っておらん作品が何%あるかを表しておる。線が上にあるほど、0ptの作品が多いということじゃな」
「ノクターンやムーンは、どの年も低いところを這っていますね」
「そうじゃな。今年2026年の途中集計でも数%程度じゃ。ノクターンとムーンの3つの区分では、投稿したばかりの新作であっても、9割以上の作品に何かしらのポイントが入っておる。ムーン女性向けに至っては99%の作品にポイントが入っておる。投稿すれば誰かが読んで反応を残してくれる土俵なのじゃよ」
「うう……羨ましいです……。それに比べて、ミッドナイトは……」
「うむ……ミッドナイトは2016年以降、何年経っても約27〜39%が0ptのままじゃ。2026年に至っては約54%――半分以上の作品が0ptのまま沈んでおる。時間が解決してくれるとは限らん。お前さんが0ptで頭を抱えておるのも、この土俵の厳しさゆえなのじゃよ」
「3作品に1つがずっと0pt……。本当に厳しい現実ですけど、僕だけが下手だからゼロなんじゃないんだって思えるのは、少し救いです……」
「さあ、ここからは形式別(短編/完結連載/連載中)に分けた中央値の推移じゃ! 形はブックマークや評価ポイントの回と似ておるから、手短にいくぞ。
ノクターンは完結連載が一番高く、短編は2021年から2022年に約230ptまで伸びて、連載中に追いついておる。
ムーン女性向けでは、完結連載は2011年以降ずっと中央値が1,000ptを超えておって、2020〜2021年には約2,300ptという途方もない高さに達しておる」
「ムーンは短編の勢いが凄まじいですね。2019年まで数百ptだったのが、2023年には約1,500ptに達して、2024年には完結連載を抜き去っています!」
「その通りじゃ! 評価ポイントで起きた短編の急伸が、総合ポイントの勢力図まで塗り替えたのじゃよ。ムーンBLでも、短編が2020年から2021年にかけて完結連載を一気に抜き去り、2021年には約1,300ptの山を築いておる」
「総合ポイントで見ても、女性向けでは短編が完結連載と対等か、それ以上に稼げる時代になったんですね……! ……あ、でも、連載中は……どのサイトでも2016年あたりからずっと横ばいか、下がっていますね……」
「連載中は、どれだけ長く書こうと、完結するまで評価を入れてもらいにくい傾向があるからの。そしてミッドナイトは……完結連載だけがかろうじて12〜71ptと2桁を保っておるが、短編と連載中は2〜12ptの泥沼じゃ」
「厳しいです……」
「お次は、データの広がりを見る箱ひげ図じゃ。1年分の作品で1本の箱ひげ図を作って、年の順に並べたものじゃったな。
全体を見ると、2014年から2023年まで、真ん中の箱の位置――中央値300〜400pt、箱の上端約1,500〜2,300pt――はほとんど変わっておらん。
普通の作品が集まる範囲は、この10年間ほぼ同じじゃったということじゃ」
「普通の作品の基準は、何年もずっと変わっていないんですね……」
「そのようじゃな。個別のサイトでも見てみるぞ」
「ノクターンを見ても、2016年以降は箱の上端が1,000pt前後で安定しておるじゃろ。目立って動いたのは、評価ポイントの急増で2021〜2023年の箱の上端が約5,000ptまで持ち上がったムーン女性向けと、2020〜2023年に約3,000〜3,500ptまで上がったムーンBLくらいじゃな。ミッドナイトは2015年を除けば、箱がずっと底に近いところにあるのじゃ」
「あ、でも神様! 最大値を見てください! どの年からも数万ptクラスの大ヒットが飛び出しています! 今年2026年の作品ですら、すでに数万ptに達している作品がありますよ!?」
「よく気づいたの小僧! 累計ポイントは掲載期間が長いほど有利じゃが、読者の心を鷲掴みにした大ヒット作は、1年足らずで数万ptの頂へと駆け上がるのじゃ。
……ただしミッドナイトだけは、2017年に約11万pt、2018年に約9万ptの作品が出て以降、最大値が年々沈んでおってな。2024年以降は、1万ptを超える作品が1つも出ておらんのが寂しいところじゃ」
「ミッドナイトでも昔は10万ptクラスの作品があったんですね……」
「さあ小僧、ここからが今回のクライマックスじゃ! 各年に始まった作品が、いま持っておる総合ポイントの合計を直視せよ!
全体のグラフを見ると、2020年に前年の約1.5倍の約3,400万ptに跳ね上がって、2021年の約4,000万ptが山じゃ。ノクムンミッドの総合ポイント約3.2億ptのうち、実に約65%が2020年以降に始まった作品に集まっておる。ブックマークでは約52%、評価ポイントでは約75%じゃったから、ちょうどその中間じゃな」
「2020年に跳ね上がったのは、巣ごもり需要ですか? それとも評価フォームの改修ですか?」
「両方じゃろうな。ブックマークの合計は2019年から2020年で約1.2倍、評価ポイントの合計は約1.9倍じゃった。ブックマークの増えた分には巣ごもりで作品や読者が増えた影響が、評価ポイントの増えた分には改修の影響が出ておると考えられるのじゃ。
そして2021年の約4,000万ptを頂点に、2022年が約3,800万pt、2023年が約3,300万pt、2024年が約2,700万pt……と、毎年減り続けておるじゃろ? 2021年から2024年にかけて、全体で約33%も減っておるのじゃ」
「これもブックマークや評価ポイントと同じなんですね」
「その通り。2022年の作品は4年近く、2023年の作品は3年近く経っておるのに、2021年の山に届いておらん。しかも2022年から2024年も新しい作品の数は大きくは減っておらん。作品が減ったから合計が減った、というわけではなさそうなのじゃ」
「サイト別にも見てみるのじゃ。ミッドナイトだけは縦軸の桁が2つ小さいから注意するのじゃぞ」
「えっと……ムーン女性向けは2021年の約1,800万ptから、2024年は約1,200万ptで……約35%減っています。ノクターンとムーンBLだけは、2025年が2024年と同じか少し上回っていますね」
「うむ。大きく減っておるのはどうやらムーン女性向けのようじゃな。2024年から2025年の直近で見れば、ノクターンやムーンBLはかろうじて維持しておるようじゃ。ただしミッドナイトは2018年の約30万ptが山で、そこからずっと減り続け、2024年以降は年5万pt以下じゃ。ミッドナイトだけは2020年の段差も出ておらん」
「ミッドナイトはそんなに前から減り続けているんですね……」
「そうじゃ。……そして小僧、ここで作品数のデータを思い出してみよ。ノクターンの新しい作品の数は、2024年の約5,800作品から、2025年には約8,600作品へと約1.5倍に増えたはずじゃったな?」
「は、はいっ!」
「2025年の作品は掲載期間が1年短いぶん不利じゃが、作品が5割増えてもポイント合計がそれ程変わっとらん。ということは、1作品あたりの取り分が大きく減り、ポイントの奪い合いが激しくなっておることがうかがえるのじゃ」
「ひ、ひえええ……! 作品が増えればサイト全体が盛り上がってポイントも増えるのかと思ったら、現実は椅子取りゲームが激しくなっていただけなんですか……!?」
「そう見えるのう。2021年の山のあと、作品は増え続けておるのに、ポイントは先細りしておるように見える……。
ただし、言い切るのはまだ早い。2020〜2021年は巣ごもり需要と評価フォームの改修が重なった特別な時期じゃから、そこを基準にすると、その後は何でも『減った』ように見えてしまうのじゃ。それに、新しい作品にはこれから入るポイントも残っておる。理由も含めて、最後にもう一度じっくり考えるとしよう」
「そして本日最後のグラフじゃ! この総合ポイントの合計の中身で、一体何が起きておったのかを見てみるぞ」
「内訳比率……? これはどういう意味ですか?」
「総合ポイントは『ブックマーク数×2+評価ポイント』じゃったな。その年に始まった作品の総合ポイントの合計のうち、ブックマーク分(件数×2)が何%で、評価ポイント分が何%かを表したものじゃ。2本の線を足すと、いつも100%になるぞ。オレンジの線が上にあれば評価ポイントのほうが多く、水色の線が上にあればブックマークのほうが多い、ということじゃ」
「2本の線が交差しているところで、多いほうが入れ替わるんですね!」
「その通りじゃ。ではムーン女性向けを見るがよい。2010〜2015年頃は評価の割合が約38〜42%で、ブックマーク分が過半数を占めておった。それが2019年に約49%でほぼ並び、改修のあった2020年に入れ替わった! 2021年には約67%、そして2025年にはなんと約76%――総合ポイントの4分の3以上が評価ポイントになったのじゃ!」
「よ、4分の3が評価ポイント……! ムーンBLも、2025年には約77%が評価ポイントですね。ミッドナイトですら、2020年に入れ替わってから、評価が約53〜63%を占めています」
「そうじゃ。そして入れ替わりが一番遅かったノクターンは、2010〜2015年はブックマーク分が約8割を占める、まさにブクマ大国じゃった。そこから少しずつ評価の割合が上がり、2021年に約45%まで迫り、2025年に約53%とついに半分を超えたのじゃよ。
ただし、新しい年ほど評価の割合が高く出やすいことも覚えておくのじゃ。★は読み終えたときにすぐ入るが、ブックマークは時間をかけて少しずつ貯まっていくからの。ノクターンの2025年が半分を超えたのは、その影響もありうる」
「かつてはブックマークをどれだけ集めるかで競っていたのに、今はどのサイトでも、評価ポイントをどれだけもらえるかの比重がすごく大きくなったんですね……!」
「然り! 同じ総合ポイントという看板を掲げておっても、2019年以前と2020年以降では中身がまるで違うのじゃよ。特に女性向けでは、読み終えた読者に★を押してもらえるかどうかが、総合ポイントを大きく左右するようになったわけじゃな」
◇
「どうじゃ小僧、総合ポイントの歴史のうねりは見えたか?」
「は、はいっ……! 総合ポイントを一番持っているのは2020年から2022年の作品で、それ以降は作品が増えているのにポイントが減っているっていう現実を知りました……」
「うむ。今回の重要ポイントをまとめるぞ。
第一に、総合ポイントの山は、評価ポイントに引っ張られて2021年あたりにあること。
第二に、女性向けでは短編が完結連載に並ぶほどのポイントを集めるようになったこと。
第三に、2020年を境に、総合ポイントの中身が『ブクマ中心』から『評価中心』へと入れ替わったこと。
そして第四に……作品の数は大きく増えたのに、ポイントの合計は先細りしておるように見える、ということじゃ!」
「作品は増えているのに、ポイントが減っている……。で、でも神様、それなら読者さんたちは一体どこへ行っちゃったんでしょうか……?」
「ふっふっふ……良い疑問じゃが、それは他のデータを全部見終えてから、最後にまとめて考えるとしよう。それまではお預けじゃよ!」
「ええっ!? お、焦らさないでくださいよ〜……!」
「焦るでない。読者の動きを探る手がかりは、まだまだデータの中に眠っておるのじゃからの。次回切り込むのは……感想じゃ!」
「感想……!」
「うむ! 男性向けと女性向けで、感想の付き方はどれほど違うのか……次でそのデータを徹底的に暴いてやろうぞ!」
「は、はいっ! 次もよろしくお願いします、神様……!」




