8. 総合ポイントその1なのじゃ
☆データ情報☆
※使用したデータは2026年09月29日時点のものなのじゃ。そのため今の値から多少ずれがあるのじゃ
※これらのデータは公式から提供されるものではなく、個人が集めたデータからの推測なのじゃ。
「オメガバースの世界で、自分は平凡なβだと思って地味に生きとったのに、遅れてきた覚醒で実はΩと発覚し、抑制剤を飲みながら必死に隠して働いていたら、美形すぎる上司のαだけはなぜか匂いで気づいてくる、『お前、Ωだろ』と迫られ、フェロモンが噛み合いすぎて理性が飛びそうになるのはお互いさま、それもそのはず二人は百万人に一人の運命の番、最初は反発して逃げ回るけどαは一途すぎる執着系で外堀を全部埋めてくる、Ω差別する親族や当て馬をαが片っ端から黙らせ、いつのまにか番契約が成立して【自主規制】、気づけば【自主規制】、幸せを諦めていたΩが溺愛されて幸せな家族を手に入れる……そんな2人の関係性を、壁になって眺めたいのじゃ~、のじゃ~……おっ、小僧。来たか」
「こ、こんにちは……えっと、神様はBLもいけるんですか」
「見ての通りじゃ。では今日もエナドリ飲んで張り切って説明していくかのう。
さて今回は総合ポイントじゃ。公式のルールでは『総合ポイント=ブックマーク数×2+評価ポイント』と決まっておる。ランキングもこのポイントで並ぶから、作者が一番気にする数字じゃな。読者1人が1つの作品に入れられる最大は、ブックマークの2ptと★5の10ptを合わせた12ptなのじゃよ。
ただし1つだけ注意があるぞ。公式のAPIでは、作者が評価を非公開にしておる作品は、総合ポイントも評価ポイントも0ptと出てしまう仕様があるのじゃ。じゃから今回わしが見せるデータでは、評価を非公開にしておる作品は、『ブックマーク数×2』の分だけを総合ポイントとして計算しておる。作品ページの表示とは違う場合があるから、そこだけ頭に入れておくのじゃ」
「わかりました!」
「では早速、ノクムンミッド全作品の総合ポイントの分布から見ていこうかの!」
「わ! 0ptが4%しかありませんよ……!? 評価ポイントの時は、0ptが10%くらいあったのに、半分以下に減っています……!」
「うむ、総合ポイントが0ptになるのは、ブックマークも評価も、どちらも1つも入っておらん作品だけじゃからな。ブックマーク0件は全体の5.9%、評価0ptは10.8%じゃったが、両方とも0の作品は4.0%――およそ25作品に1つまで減るのじゃ。どちらか片方さえ拾えておれば、0ptからは脱出できるということじゃな」
「なるほど……! 片方だけでも入れば点数がつきますもんね」
「うむ。ちなみに1〜9ptは、ブックマークが1〜4件だけの作品や、控えめな★が1人分だけ入った作品じゃ。1人が★5を入れれば一発で10ptになって上の区切りへ行くから、この1〜9ptの範囲にとどまる作品はそこそこレアなのじゃ。
全体で見ると、100pt未満が36.4%で、100pt以上が63.5%じゃ。半分以上の作品は100ptを超えておる。さらに1,000pt以上は全体の29.2%――およそ3作品に1つが到達しておる。そして10,000pt以上の大台に乗る作品は4.9%――約20作品に1つの狭き門じゃな。これがノクムンミッド全体の縮図じゃ」
「結構ポイントを持っている作品が多いんですね……」
「全体像が掴めたところで、次はサイトごとの比較じゃ! まずは中央値から見ていこうかの。ノクターンが168pt、ムーン女性向けが544pt、ムーンBLが386ptとなって、ミッドナイトは6ptじゃ」
「ひええっ……!? サイトごとの落差がやっぱり凄すぎます……!」
「ノクターンとムーン女性向けを比べると、ブックマークの中央値では約2.3倍、評価ポイントの中央値では約4倍の差じゃったな。その2つが合わさった総合ポイントでは、ちょうどその間の約3.2倍の差になっておる。ムーンBLも386ptと、かなり高い位置におるな。まぁミッドナイトはお察しの通りじゃ」
「次に上位10%を見ていこうかの。これはブックマークの回と同じく、作品をポイントの多い順に並べて上から10%目にいる作品の値じゃ。ムーン女性向けは約8,900pt、ムーンBLは約6,600pt、ノクターンは約2,700ptとなっておる。この値を超えたら上位10%の作品というわけじゃ」
「みなさんすごいですね……」
「どのサイトであっても、真ん中の作品と上位1割の作品の間には、16倍以上のポイントの差があるぞ。ムーン女性向けで上位1割に入ろうと思ったら、約8,900ptという途方もないスコアを叩き出さねばならんのじゃよ」
「気が遠くなるような数字ですね……」
「箱ひげ図も見ておこうかの」
「あ、あの、神様! 箱ひげ図を見ていて、すごく不思議なことに気づいたんですけど……!」
「ほう? どこじゃ、言ってみよ!」
「普通の作品が集まる真ん中の『箱』は、ノクターン(約40〜700pt)よりムーン女性向け(約75〜2,900pt)のほうがずっと高い位置にありますよね。それなのに……一番上に伸びている『ひげの先端』――最大値だけは、ノクターンが約25万ptで一番高くなっていませんか……!?」
「素晴らしい着眼点じゃ、小僧! 頭を撫でてやろう、わしゃ嬉しいぞ!」
「ひゃっ!?」
「ふふん、これこそが男性向けと女性向けの一番大きな違いなのじゃよ。ムーン女性向けは全体が底上げされておって、真ん中の水準が高いのじゃ。じゃがノクターンは、大半の作品は低いポイントでひしめき合っておるものの、一握りの大ヒット作は全サイトの頂点を突き抜けて約25万ptまで上り詰めておる。
全体に高水準な女性向けと、当たれば桁外れに跳ねる男性向けという違いが、よく表れておるじゃろ。もっとも、最大値はたった1作品で決まる値じゃから、話半分に聞いておくのじゃぞ」
「なるほど……! 真ん中の強さと、頂点の高さは別なんですね……!」
「うむ。ちなみにミッドナイトは箱も底にへばりついておるが、最大値だけは約11万ptまでしっかり伸びておるぞ」
「やっぱりミッドナイトは、他所とは違いすぎます……ポイントがつかなさすぎですね……」
「では、それぞれのサイトの中で作品がどう散らばっておるのか、分布グラフでさらに細かく見ていくとするかの。ミッドナイトだけ横軸が50%まであるから、棒の長さではなく数字で比べるのじゃぞ。
ノクターンは、10〜99pt(29.4%)と100〜499pt(29.6%)の2つの区切りで、全体の約6割を占めておる。500pt以上になると約3割まで減るのじゃ。ノクターンで1,000ptを超える作品は20.6%、およそ5作品に1つじゃな。
ところが、ムーン女性向けを見ると、一番割合が高いのが『1,000〜4,999pt』(24.4%)じゃ。1,000pt以上の作品を全部足すと41.6%。4割以上の作品が1,000ptを超えておる。10,000pt以上の作品ですら8.7%――約11〜12作品に1つあるのじゃ。
ムーンBLもほぼ同じ形で、1,000pt以上が36.1%じゃ。女性向けの世界では、総合1,000ptなど珍しくも何ともない景色なのじゃよ」
「ノクターンでの1,000ptは上位2割の強者なのに、ムーン女性向けだと上位4割の『普通よりちょっと上』くらいになっちゃうんですね……。あ、あの、神様! それなら……僕も女性向けやBL向けに小説を書いたほうが、たくさんポイントがもらえてランキング上位に行きやすいんでしょうか……?」
「コラッ! 安易な逃避に走るでない! そこが初心者の陥りやすい数字の罠じゃ! ポイントが入りやすいのは事実じゃが、それは『周りの作品も同じように多くのポイントをもらっておる』ということじゃぞ。全体の中で自分が上位何%にいるかで見れば、女性向けに移ったからといって上に行きやすくなるわけではないのじゃ! 作品の中身も重要じゃ。
それにな、多くの読者が見る日間や週間などのランキングは『その期間に新しく入ったポイント』で決まるのじゃ。今日見せておるのは作品ができてから今までの累計じゃから、『何ptあればランキングに載れるか』は、このデータからは分からんのじゃ。累計での位置と、ランキングの順位は別物と心得よ」
「あ……! そ、そうですよね……周りのみんなも1,000ptや数千ptを取っているんだから、争いは同じくらい厳しいですよね……」
「その通りじゃ。そして、ミッドナイトを見るがよい。0ptが34.3%、10pt未満が53.6%……実に半数以上の作品が10pt未満に沈んでおる」
「ううっ……他のサイトだと0ptはちょっとしかないのに、ミッドナイトは3作品に1つが0ptなんですね……」
「然り! じゃが裏を返せばじゃな、ミッドナイトでは誰かが★5を入れて10ptになるだけで上位約46%、100ptも取れれば上位約16%、そして1,000ptに届けば上位約4%の超エリート作家なのじゃぞ! 同じ1,000ptでも、土俵が違えば重みが全く違うのじゃ!」
「ちなみに神様……総合ポイントって、サイトによって『ブクマ分』と『評価分』の割合も違うんですか?」
「良いところに目をつけたの! サイトごとの総合ポイントの合計を、ブックマーク分と評価ポイント分に分けて計算してみると、はっきり違いが出るぞ。
ノクターンは、ブックマーク分が約6割、評価分が約4割じゃ。ミッドナイトもブックマーク分が約56%じゃ。ところがムーン女性向けは、ブックマーク分が約4割で評価分が約6割、ムーンBLに至っては評価分が約65%もあるのじゃ。
つまり、男性向けはブックマークで稼ぎ、女性向けは評価で稼いでおるのじゃ。同じ総合1,000ptでも、平均的な内訳はノクターンならブックマーク約300件+評価約400pt、ムーンBLならブックマーク約175件+評価約650ptくらいになる。点数は同じでも、中身はまるで違うのじゃよ」
「同じ1,000ptでも、ブクマが多い作品と、星が多い作品があるんですね……!」
「さあ、作品形式(短編/完結連載/連載中)による差を見ていくぞ! 中央値を見ると、短編が199pt、完結連載が520pt、連載中が120ptじゃ」
「完結連載がダントツなのは分かりますけど、短編が連載中よりずっと高くなっています!」
「短編は読み終わった後に星を入れてもらいやすいから、評価ポイントの中央値が連載中の約3倍(短編116pt、連載中40pt)も入っておったな。ブックマークでは短編と連載中は横並びじゃったが、その評価ポイントが足された結果、総合ポイントでは短編(199pt)が連載中(120pt)を大きく突き放して2位に躍り出たのじゃ!」
「ああっ! 評価ポイントの強さがそのまま足されて、短編が連載中を追い抜いたんですね! 完結連載も凄いです……連載中の4倍以上もありますよ……」
「そうじゃ。箱ひげ図を見ると、完結連載は下から4分の1の境界(箱の下端、約100pt)が、連載中の真ん中(120pt)とほぼ同じ高さじゃ。もっとも、これまでも話したとおり、『読者が付いたから完結まで書けた』という逆の流れもありうるがの。
じゃが小僧、箱ひげ図の最大値を見るのじゃ。何が見える?」
「ええと……短編の最大値は約10万pt、完結連載は約18万pt……そして連載中の最大値は、約25万ptで一番高いです!」
「然り! 短編は真ん中や箱の上端では連載中より上じゃが、最大値では連載中や完結連載に届かんのじゃ。サイト全体の頂点に立つような怪物は、やはり長期連載から生まれやすいのじゃよ!」
「短編は外れにくいけど大当たりはしにくくて、大爆発を狙うならやっぱり連載……それぞれの形式に、ちゃんと強みと弱みがあるんですね!」
◇
「どうじゃ小僧、総合ポイントの正体は掴めたか?」
「はいっ! 総合ポイントはサイトによって点数の重みが全然違うこと……それに、男性向けはブクマで稼いで、女性向けは評価で稼ぐっていう中身の違いもすごくよく分かりました!」
「うむ。じゃが今回見せたのは、あくまで現時点での累計ポイントの断面図に過ぎん。では――ノクムンミッドの約20年の歴史の中で、一体いつ始まった作品がこの膨大なポイントを持っておるのか? そして年を追うごとに、ポイントの総量と獲得の難しさはどう変わっておるのか?」
「あ……! ブックマークや評価ポイントの時みたいに、初回掲載年ごとの歴史を見るんですね……!」
「ノクムンミッドの盛衰と、創作者たちが辿った過酷な生存競争の歴史――次回でその全てを白日の下に晒してやろうぞ!」
「は、はいっ! よろしくお願いします、神様……!」
グラフが多くなったので分割するのじゃ




