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20. 会話率なのじゃ

☆データ情報☆

※使用したデータは2026年09月29日時点のものなのじゃ。そのため今の値から多少ずれがあるのじゃ

※これらのデータは公式から提供されるものではなく、個人が集めたデータからの推測なのじゃ。

「残業続きで疲れ切ったアラサーOL、終電間際の駅で階段を踏み外したと思ったら、目の前には石造りのお城と金髪碧眼の騎士たち、どうやら異世界に落ちてきたらしい、途方に暮れとったところを保護してくれたのはこの国の第二王子、完璧な容姿に冷たい美貌で『氷の王子』と恐れられとるのに、なぜか自分にだけは優しい、異世界の知識で料理を作ったり書類仕事を手伝ったりするうちに城の人気者になり、王子ともどんどん仲が深まりいつのまにか好きになってしまって、でも身分違いだと身を引こうとするが、王子は相変わらずの距離感、そのうち異世界人を疎む貴族や王子の婚約者候補の令嬢からの嫌がらせも始まり、城ではトラブルがいっぱい! そんなこんなな毎日を過ごしていたら現実世界に戻る方法が発覚して、帰る準備をしていたら、王子から『帰ってほしくない』とまさかの告白! どうやら両思いだったことが発覚して盛り上がって【自主規制】、元の世界に帰れるチャンスがあったけど最後に選ぶのは王子の腕の中、結婚後は溺愛【自主規制】で甘すぎる日々……そんな世界に行きたいのじゃ~、のじゃ~……おっ、小僧。来たか」


「こ、こんにちは……。王子様が好きなんですか?」


「うむ。女性は誰だってお姫様になりたいのだぞ。では今日の話じゃ。今回は会話率について見ていくぞ!」


「会話率も分かるんですね。えっと、会話文の文字数の割合ですか?」


「会話率は、なろうのAPIで取れる項目の1つなのじゃが、これは『文字数の割合』ではないぞ。『行の数の割合』で計算されておるのじゃよ!」


「文字数じゃなくて行の数なんですか?」


「そうじゃ! 公式の計算式は『会話行÷(地の文の行+会話行)×100』となっておる。行の頭がカギ括弧などで始まる行を機械的に『会話行』として数えておるから、たとえば1行の中に地の文とセリフが混ざっておったり、カギ括弧を使わずにセリフを書いたりすると、うまく数えられんこともある。あくまで行の割合じゃから、参考程度に見るのがよいぞ」


「わかりました!」








挿絵(By みてみん)


「では全体の様子からじゃ! このグラフは横軸が会話率を10%ごとに区切ったもので、縦軸はその区切りに入る作品が全体の何%かじゃ。ただし一番左の『0』の棒だけは、会話率がちょうど0%の作品を、隣の『0超〜10未満』と分けて描いてあるのじゃ。


 一番高いのは30〜40%の約24.5%、次が40〜50%の約23.5%じゃ。この2つを合わせるだけで、全体のほぼ半分を占めておる。さらに20〜60%まで広げれば、全作品のおよそ8割がこの中にすっぽり収まるのじゃよ!」


「全作品の8割が、会話率20〜60%の間に集まっているんですね……!」


「うむ。中央値は38%くらいじゃな。会話が少なすぎる作品も、多すぎる作品も、めったにないということじゃ。……じゃが小僧、一番左端の『0』の棒を見てみよ」


「会話率が0%の作品も結構あるんですね……」


「うむ。4%くらいあるの。0%ちょうどにこれだけ多くの作品が固まっておるし、ポイントの出方も『少しだけ会話がある作品(0超〜10%未満)』とは大きく違うから、こうして別の棒に分けてあるのじゃ。ここには会話が一切ない独白や詩やエッセイのような作品が入ってくるのじゃよ。一方、右端の90〜100%という、台本のような極端な作品は、全体のわずか0.5%しかおらんぞ」


「会話だけの作品より、会話がない作品のほうが多いんですね……」









挿絵(By みてみん)


「続いて、サイトごとの比較に入るとしよう。サイトごとの中央値を見ると、ノクターンが38%、ムーン女性向けが38%、ムーンBLが39%、ミッドナイトが31%じゃ」


「えっ!? 3つのサイトの中央値が、1%しか違わないじゃないですか……!?」


「驚いたじゃろ! これまでは、ポイントや文字数などでノクターンとムーンに大きな差が出ることが多かったが……会話率に限っては、サイトによる違いがほとんどないのじゃ! どのサイトでも、書き方の基本はそれほど変わらんようじゃな」


「あ、でも神様、ミッドナイトの中央値だけ31%で、7%くらい低くなっていますよ?」


「ミッドナイトの中央値が低いのは次のグラフを見たらわかるぞ」







挿絵(By みてみん)


「このグラフはサイトごとの会話率の分布を比較したものじゃ。ムーン女性向けやムーンBLは35〜40%あたりに約14%の山があり、ノクターンも40〜45%が約12.2%で山を作っておるな。……じゃが、ミッドナイトの線を見てみよ」


「ええっ!? ミッドナイトだと一番高いところが……左端の0〜5%じゃないですか……!?」


「そうなのじゃ! ミッドナイトは真ん中の山も低いうえに、会話率0〜5%という地の文ばかりの作品が、7作品に1作品以上もあるのじゃよ。


 ミッドナイトには、エッセイやノンフィクション、体験談、創作論といったものも投稿されておる。小説に限らず、いろいろな形の作品が集まっておるのがミッドナイトなのじゃ。その中には『ノク・ムン・ミッドの最果て作品巡礼ガイド ~裏なろうの極地に存在する最大・最小・最長・最短・最新・最古を巡る旅~』という変わった作品もあるから、気が向いたらミッドナイトを探索してみるのもおすすめじゃぞ」


「なんだかごった煮になっているんですね……あとで見てみます」








挿絵(By みてみん)


「さて、ここからは時代の流れじゃ! 初回掲載年ごとの、会話率の中央値の移り変わりを見ていくぞ!  グラフを見ると、ノクターンもムーン女性向けもムーンBLも、どの線もおおむね30〜40%の間に収まっておるな。


 タイトルやあらすじの文字数は、年を追うごとに長くなっておったが、会話率はゆるやかに少し上がった程度じゃ。ムーン女性向けは初めのころこそ低めじゃったが、今ではほかと同じくらいになって、どのサイトもだいたい40%前後になっておる。ミッドナイトは、さっき言うたエッセイなども混ざっておるから、ずっと低めのままじゃな」


「あ、でも神様、ノクターンの線だけ、2024年の約39%から、2025年に約35%、2026年に約34%へと、最近ちょっと下がっていませんか……?」


「うむ。4〜5%ほどのわずかな下がり方じゃがな。理由は2つほど考えられるぞ。


 1つ目はAIツールを使った執筆が増えた影響じゃ。実際、AI直接使用に設定されている作品はやや会話率が低めの傾向があるようなのじゃ。AI補助についてはAPIではわからんので推測の領域を出んが、最初の回で見たように、生成AIによる小説投稿が急増した2025年ごろから、ちょうど歩調を合わせるように会話率が下がり始めておるのじゃ」


「確かに、AIは地の文のほうが得意そうですね。もう一つはなんですか?」


「うむ、ノクターンでは近年、主人公のセリフのみで構成された小説が少し増えておるようじゃ。セリフのみじゃが、カギ括弧なしで書かれておるため会話率が0%になる。それらの作品が増えた結果やや会話率が下がっておると思われるのじゃ」


「セリフのみだけど会話率0%ってちょっと面白いですね……」











挿絵(By みてみん)


「さあ小僧、ここからが今回のハイライトじゃ! 会話率によって総合ポイントはどう変わるのか見ていこうぞ。まずは分布じゃ。色が明るい領域が増えるほど、その会話率の帯にポイントが高い作品が多いことを意味しておる。


 グラフを見ると、30〜60%の棒で1千pt以上の明るい色が一番分厚くなっておる。40〜50%の帯では約35%が1千pt以上じゃ。逆に、左端の0%は1千pt以上が約3.5%しかなく、右端の90〜100%も約5%しかない。0%の棒は、一番下の灰色の0ptも約25%と目立っておるな」


「会話が少なすぎても、逆に会話ばかりで多すぎても、ポイントが低いんですね……!」







挿絵(By みてみん)


「次は箱ひげ図じゃ。0%で中央値が約5pt、10〜20%で約100pt、20〜30%で約200ptと上がっていき……40〜50%で約400ptの一番高いところに達するのじゃ。そこから50〜60%で約300pt、70〜80%で約200pt、そして90〜100%では約20ptまで下がっておる」


「きれいな山になっていますね……」


「うむ、会話率もポイントとの関係がよく出ておるようじゃな。一番ポイントが高いのは、会話率30〜60%あたりじゃ! ……そして小僧、山の左右の傾きを見比べてみよ。何か気づかんか?」


「えっ……? 山の左右……? あ! 右側(会話が多い側)よりも、左側(会話が少ない側)のほうが、急に落ち込んでいませんか……!?」


「正解じゃ、小僧! 会話率60〜70%でも中央値は約250ptを保っておるが、反対側の10〜20%は約100ptまで落ちておる。会話が多すぎる作品よりも、会話が少なすぎて地の文ばかりの作品のほうが、ポイントが低い傾向がはっきり出ておるのじゃよ。もっとも、80%を超えると右側も急に落ちるがの」


「地の文ばかりの作品のほうが、読者さんにとってハードルが高いのかもしれませんね……!」


「そうじゃな、会話だけ読むという読者もおると聞いておる。そういう読者にとって会話が少ないと理解がしにくいのかもしれんの」








挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


「では、この会話率とポイントの関係をサイトごとに分けてみるぞ! まずはノクターンじゃ。中央値は、20〜30%で約150pt、40〜50%で約250pt、70〜80%でも約150ptと……山がとてもなだらかで、広い範囲で安定しておる。ノクターンは、会話率20〜80%という広い範囲で、それほど差がつかん土俵じゃな」


「なるほど。許容範囲が広いんですね」







挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


「じゃがムーン女性向けではそうもいかん。ムーン女性向けは、山がものすごくとがっておる。0%だと中央値がたったの数ptなのに、40〜50%の山では約1,000ptまで跳ね上がっておる。そして30〜60%の帯(約800〜1,000pt)から外れると、ポイントが急に下がるのじゃ。


 4つのサイトの中で、一番山が鋭く切り立っておるのがムーン女性向けじゃ! ムーン女性向けの読者は、セリフの掛け合いと地の文の描写のバランスに敏感なのかもしれんの」


「ムーン女性向けだと会話も地の文も大事なんですね……」








挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


「さて、ムーンBLも見ていくか」


「あ……! BLは20%から80%まで、ずっと広い台地が続いています! 0超〜10%の帯でも約130ptあって、ほかのサイトよりずっと高いです」


「うむ。BLは、キャラクターの内面や独白をじっくり読ませる作風も多いのかもしれんの。会話が少ない作品にも、一番寛容な土俵に見えるのう。同じムーンでも、女性向けとBLでは結構違うようじゃな」








挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


「そしてミッドナイトじゃ。分布を見ると、0%の帯は灰色の0ptが約62%もあるが、30〜60%の帯だと0ptが約25%まで減っておる。ミッドナイトでは、会話率による違いが『高いポイントが増える』ではなく、『0ポイントが減る』という形で出ておるのじゃよ」


「やっぱりミッドナイトでも会話はある程度あったほうがいいんですね」


◇


「どうじゃ小僧、会話率の真実は見えたか?」


「はいっ……! 真ん中は約38%で、年がたってもそれほど変わっていないこと、そして総合ポイントは30〜60%が一番高くて、会話が少なすぎても多すぎても低くなるんだってことが、すごくよく分かりました!」


「うむ。じゃが忘れるでないぞ。会話率を無理やり40%台に合わせようとして、無駄なセリフを水増ししたり地の文を削ったりしては本末転倒じゃ。


 会話率が極端な帯には、走り書きや設定資料、エッセイのような作品も多く混ざっておる。それに、最初に言うた数え方のせいで、会話が多いのに0%と出ておる作品もある。両端のポイントが低いのは、そういう作品が混ざっておるせいも大きいじゃろう。会話率を変えればポイントが上がる、というわけではないのじゃ」


「中身をしっかり書いたうえで、バランスを整えるのが大事なんですね」


「そうじゃ。さて、今日はもう1つ、挿絵について掘り下げるとしよう。一体どんな傾向があるのか、見ていくぞ」


「は、はいっ! よろしくお願いします!」

会話率は以下のページで詳細が書かれているのじゃ。


会話率 (なろうデベロッパー)

https://dev.syosetu.com/man/kaiwa/

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