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11. レビューなのじゃ

☆データ情報☆

※使用したデータは2026年09月29日時点のものなのじゃ。そのため今の値から多少ずれがあるのじゃ

※これらのデータは公式から提供されるものではなく、個人が集めたデータからの推測なのじゃ。

「大学の講義で隣の席になったのは、金髪にネイルにピアスでいかにも陽キャなギャル、こっちは前髪長めで隅っこが定位置の陰キャオタク、接点なんてないと思っとったのに、自分が持ってたキーホルダーがギャルの推しキャラだったらしく『え、それ知ってんの!? マジ?』と一気に距離ゼロ、オタクに優しいギャルは実在したと感動していたら、ご飯に誘われ、気づけば毎日一緒に帰るし、『前髪切ったら絶対イケるって』と勝手にイメチェンさせられるし、でも見た目は派手なのに手が触れただけで真っ赤になる純情さ、周りの男子からは嫉妬され、元カレを名乗るチャラ男が絡んできてギャルが困っていたので勇気を出して撃退したらますます距離が縮まり、最近スキンシップが多いなぁと思っていると『……好きなんだけど、気づけよバカ』とまさかの逆告白、そのあと無事に付き合ってからは距離感バグった甘え方で【自主規制】、いつの間にか同棲が始まり【自主規制】……そんな大学生活を送りたいのじゃ~、のじゃ~……おっ、小僧。来たか」


「こ、こんにちは……あ、あの、僕の前髪に何かついてますか?」


「いや、気にするな。ほれ、今日の話を始めるぞ。今日はレビューについて見ていくぞ。歴史と基本情報の回でも見たとおり、レビューはとても希少じゃ」


「でも、どうしてそんなに少ないんでしょう……? 感想とそんなに違わない気がするんですけど……」


「そうじゃのう、まずは違いを説明しておくか。感想というのはな、基本的には『作者』へ宛てて『面白かったです』『続きを待っています』と気持ちを伝えるファンレターじゃ。


 対してレビューとは……『まだその作品を読んでいない、見知らぬ他の読者たち』へ向けて『この作品はここが素晴らしいから絶対に読め!』と薦める推薦文なのじゃよ!」


「あ……! 感想は作者さんへの手紙だけど、レビューは他の読者さんに向けた布教の文章なんですね……!」


「その通りじゃ! 他人に読ませるための文章を自分で組み立て、熱い想いを込めて、誰もが読める場所に出す……その手間と気恥ずかしさは、作者へ送る感想の比ではないのじゃ。レビューがどれほど希少なものか……その現実を数字で直視するがよい!」







挿絵(By みてみん)


「では最初の現実じゃ! ノクムンミッド全作品のレビュー数の分布を見るがよいぞ!」


「うわあ……! 0件の棒が長すぎて画面を突き破りそうです……! ええと、0件が……97.4%……!? 他の棒はほとんど見えません……」


「棒が見えんほど少ない、ということ自体が情報じゃ。割合が『0.0%』と出ておる行もあるが、これは四捨五入で0.0%になっておるだけで、実際には0作品ではない。横に書いてある作品数のほうを見るのじゃぞ」


「はい」


「グラフを見ると、全作品の97.4%――およそ40作品中39作品には、レビューが1件も付いておらんのじゃ! レビューが1件でもある作品は全体で4,183作品、割合にしてわずか2.6%しかないのじゃよ!」


「全体の2.6%しかないんですか……!? 前回の感想ですら0件は56.1%だったのに、レビュー0件は97.4%って……本当に桁が違います……!」


「うむ。さらにその4,183作品の内訳を見るのじゃ。1件だけの作品が3,226作品で、レビューがある作品の約77%を占めておる。つまり『レビューがある』とは、ほとんどの場合『1件ある』ということじゃ。5件以上ある作品は149作品、全作品から見ればおよそ1,000作品に1つしかないのじゃ」


「もらえるだけでも大変なのに、複数もらうなんてさらに途方もないんですね……。あ、あの、神様! グラフの一番下を見ると、100件以上の作品は0%で作品数も0ですよ……?」


「そうじゃ。前回の感想では、1作品で2万件や3万件を集める作品があったが、レビューは一番多く集めた作品ですら100件未満なのじゃ。感想とレビューでは、天井の高さが2桁以上も違うということじゃな」


「感想は数万件集まるのに、レビューは100件にすら届かない……! 読者さんが他の読者に向けて文章を書くっていうのが、どれだけ重たい行動なのかひしひしと伝わってきます……」








挿絵(By みてみん)


「では次に、サイトごとの比較に入るぞ。まずはレビューが1件以上ある作品の割合じゃ! 横軸は10%までじゃから、棒が長く見えても数字は小さいぞ。ムーン女性向けが3.2%、ムーンBLが2.7%、ノクターンが2.3%……そしてミッドナイトが1.8%じゃ」


「なんだか……今までのデータと比べて、サイトごとの差がすごく小さくありませんか……?」


「鋭いな小僧! ブックマークの中央値では、ムーン女性向けとミッドナイトで100倍以上の差があり、評価ポイントでも大きな差があったじゃろ?」


「はい! 女性向けが圧倒的で、ミッドナイトはほぼゼロでした!」


「じゃがレビューに限っては、一番高いムーン女性向けと一番低いミッドナイトを比べても、約1.8倍しか違わんのじゃ。ミッドナイトが他のサイトと同じくらいの数字に並ぶのは、このレビューが初めてなのじゃよ!」


「それって、ミッドナイトの読者さんも、他のサイトと同じくらい熱心にレビューを書いてくれているってことですか……!?」


「そう読むこともできるのう。ミッドナイトは読者の総数こそ少ないが、深く読み込んだ読者が『この作品を埋もれさせてなるものか!』と推薦文を書いてくれる割合は、他のサイトに大きくは引けを取らんようじゃ」








挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


「ちなみにサイトごとの分布を見ても、どのサイトも97〜98%が0件で、形は瓜二つじゃな。ただし、50件以上のレビューを集めた最上位の2作品は、どちらもノクターンの作品じゃがの」


「やっぱり頂点はノクターンなんですね! でも、ミッドナイトでもレビューがある作品が128作品もあるなんて……なんだかすごく希望が持てます!」


「50作品中49作品にはないのが当たり前じゃがな。じゃからこそ、もしお前さんの作品に1件でもレビューが付いたなら、それだけでミッドナイトの上位2%に入れるのじゃ!」








挿絵(By みてみん)


「さて、次は作品形式(短編/完結連載/連載中)による違いじゃ。ここには読者の心理がはっきり表れておるぞ! レビューが1件以上ある作品の割合は、短編が0.9%、完結連載が4.7%、連載中が2.6%じゃ。完結連載は短編の5倍以上じゃ」


「完結連載、めちゃくちゃ強いですね……!」


「そうじゃの、完結連載は約21作品に1つの割合でレビューが付いておるのに対し、短編は約110作品に1つと、1%にも届かんのじゃ」


「どうして短編には付きにくいんでしょうか……? 評価ポイントはすぐ入るのに……」


「短編はサクッと読めて満足できるから、読み終えてすぐ★5を押すのは簡単じゃ。


 じゃがレビューは、他人に向けた推薦文じゃ。何話もかけて結末まで描き切った長編の物語を読み終えた時にこそ、読者は『この感動を他の人にも知ってほしい!』と強く思うのじゃろう。もっとも、レビューが付くほど読まれた作品だからこそ完結まで書けた、という逆の流れもありうるがの。


 『★は手軽な短編に集まり、長い言葉は完結した連載に集まる』……読者の反応の違いが、数字にそのまま表れておるわけじゃな」


「なるほど……! 星をつける手軽さと、他人に薦める熱量とでは、求められる作品のあり方が全然違うんですね……!」








挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


「その読者の熱量を見えるようにしたのが、次のグラフじゃ。作品を『どちらも0件』『感想のみあり』『レビューのみあり』『両方あり』の4つに分けて、その割合を1本の帯に積み上げたものじゃな」


「これはどう見たらいいんですか?」


「1本の横長の帯が、そのサイトや形式の作品全体――100%じゃ。帯を左から順に、点々模様の灰色が『どちらも0件』、オレンジが『感想のみあり』、水色の斜線が『レビューのみあり』、白が『両方あり』と色分けしておる。それぞれの色の長さが、その組み合わせの作品の割合じゃ。1枚目がサイト別、2枚目が形式別じゃぞ。


 まずノクターンの帯を見てみよ。灰色が53.4%、オレンジが44.2%で、帯のほとんどがこの2色じゃろ? そして右の端に、白が2.2%あるぞ。……では小僧、オレンジと白の間に何がある?」


「えっと……あれ? ほとんど何も見えません……。帯の上に『0.1%』って書いてあるだけで……」


「その見えんほど細い帯こそが、『レビューのみあり』じゃ。どのサイト、どの形式を見ても……わずか0.1〜0.4%しかないのじゃよ!」


「それって、どういうことですか……?」


「つまりな、感想は1件もないのに、レビューだけが書かれておる作品は、ほとんどないということじゃ! レビューがある作品のうち、ノクターンでは約96%、ミッドナイトでも約83%が、感想も持っておる『両方あり』の作品なのじゃよ」


「ああっ……! ということは……レビューが届く作品って、まず感想が集まるような土台があって、その先でレビューが生まれているってことですか!?」


「そう考えるのが自然じゃな! 階段を想像してみよ。読者は作品に惚れ込んだ時、まずは手軽に★をつけ、次に作者への想いを感想に書く。そして、それでもなお溢れ出る想いを抑えきれんごく一部のファンが、他の読者へのレビューまでたどり着くのじゃ。データで分かるのは『同じ作品に両方あることが多い』までで、書かれた順番までは分からんが、感想を飛び越えていきなりレビューだけが届くことは、めったにないのじゃよ」


「すごい……読者さんの気持ちのステップが、そのまま数字の重なりになっているんですね……!」


「うむ。ちなみに感想をもらえた作品に絞って、その中でレビューまで付いた割合を出すと、ノクターンが約4.7%、ムーンBLが約5.8%、ムーン女性向けが約6.5%に対し、なんとミッドナイトは約8.6%で全サイト最高なのじゃぞ!」


「ええっ!? ミッドナイトが一番高いんですか!?」


「つまり感想という壁さえ突破できれば、レビューまで書いてくれる熱烈なファンが現れる割合は、ミッドナイトが一番高いということじゃな。もとの作品数が少ないから参考程度じゃが、書き手にとっては胸が熱くなるデータじゃろ?」








挿絵(By みてみん)


「さて、ここからは歴史じゃ。初回掲載年ごとのレビューが1件以上ある作品の割合を見るがよい。その年に始まった作品のうち、いまレビューが付いておる作品が何%あるかを、サイトごとに線にしたものじゃ。縦軸は10%までじゃから、上下に大きく動いて見えても、差は1〜2%ほどじゃぞ」


「なだらかな山になってますね」


「そうじゃの。どのサイトも、一番高かった2017年ごろでも約4〜5%で、5%(20作品に1つの割合)を超えた年は1度もないのじゃ。山があるのは2017年前後――つまりブックマークの山(2016〜2017年)とほぼ同じ時期じゃな。評価ポイントにあった2020年の段差は、レビューには影も形も見当たらんじゃろ?」


「本当だ……!」


「評価フォームの☆が押しやすくなろうが、頭をひねって長い推薦文を書く手間は何一つ変わらんからの。……そして小僧、ムーンBLの線を見るのじゃ」


「あ……! ノクターンやムーン女性向けは近年2%以下に向かって下がっているのに、ムーンBLだけは2024年でも約3.4%を保っていて、ほとんど下がっていません!」


「うむ。BLの読者の間では、近年になっても好きな作品を世に広めようという布教の熱が高いまま保たれておるようじゃな。それと、ミッドナイトも開設から数年(2015〜2018年)は、他のサイトと同じくらいの割合でレビューが付いておったのじゃぞ」


「それが今では……」






挿絵(By みてみん)


「そして最後は、初回掲載年ごとのレビュー数の合計じゃ。これまでと同じく、その年に始まった作品に、これまでに付いたレビューを全部足したものじゃ。


 全体の合計を見ると、2017年から2022年あたりの作品が600〜700件くらいで、2020年の作品の約700件が山になっておる」


「……えっ? 1年間に投稿された作品を全部合わせても、レビューって600〜700件くらいしか付いていないんですか……!?」


「そうじゃ。1年分の作品が何年もかけて集めたレビューを全部足しても、わずか数百件なのじゃよ。前回の感想の合計は、一部の大ヒット作のせいで年ごとに激しくギザギザしておったが、レビューは1作品に付くのが多くても数十件じゃから、1つの作品で年の合計が大きく動くことはないのじゃ。じゃから、合計の移り変わりはなだらかな丘を描くのじゃ」


「なるほど……1つの作品だけで、数字が跳ね上がったりしないんですね」









挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


「サイト別にも見ていくぞ。縦軸の目盛りはサイトごとに違うから、数字で比べるのじゃぞ」


「あ……サイト別を見ると、2024年以降の作品では、ムーンBLがノクターンを上回っていませんか……?」


「よく見つけたの! 2024年の作品はムーンBLが約140件でノクターンが約100件、2025年はムーンBLが約120件でノクターンが約90件じゃ。作品数ではノクターンの半分以下しかないムーンBLが、近年の作品に付いたレビューの数ではノクターンを上回っておるのじゃ。近年、レビューが一番熱心に書かれておるのはBLと言えそうじゃな。


 ……なお、ミッドナイトはどの年も数件から30件ほどじゃ。2024年以降は年に1桁という、静かな世界じゃがの」


「年に1桁……! 本当に、一滴の雫のような貴重さですね……」



◇


「ふぅ……! これにてレビューは完了じゃ! どうじゃ小僧、レビューの希少さは骨身にしみたか?」


「はい……! レビューは全体の2.6%の作品にしか付いていないこと、完結連載に集まりやすいこと、そして何より、感想をもらえた作品の、さらにその先で生まれるものなんだってことが、よく分かりました……!」


「振り返ってみると、それぞれの反応が1つ以上ある作品の割合はこうじゃ。


 ・ブックマーク1件以上:94.1%

 ・評価ポイント1pt以上:89.2%

 ・感想1件以上:43.9%

 ・レビュー1件以上:2.6%

 (参考:総合ポイント1pt以上:96.0%)


 合計の件数で見ても、ブックマーク約7,154万件に対し、感想は約127万件、レビューはわずか6,684件……レビュー1件に対して、感想約190件、ブックマーク約1万件という現実がここにあるのじゃよ!」


「うわあ……! こうして並べて見ると、読者さんがボタンをポチッと押す手軽な反応から、自分の言葉で想いを伝える反応まで、ものすごく綺麗な階段になっているんですね……!」


「然り! 読者にかかる手間の大きさが、そのまま数字の少なさに表れておるのじゃ。読者の反応の話はここで一区切りじゃ。次回からはいよいよ……作品の中身のデータを見ていくぞ」


「作品の、中身……! 小説そのもののデータですね……!」


「うむ! 次回切り込むのは、『文字数』の真実じゃ! ノクムンミッドの作品はどれだけの文字数で書かれておるのか、短編と連載ではどれほど違うのか……次回、徹底的に見ていこうぞ!」


「は、はいっ! 次回もよろしくお願いします!」

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― 新着の感想 ―
すごく勉強になります。 続きも楽しみにしておりますゆえ〜。 なろうでレビュー書くよりも、R18の方で書いた方が、掲載期間も長いですし、よりありがたがられるわけですよね。しかし、実際ハードルが高いのも…
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