↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
38/42

九 キスして、目を開けて③

 二日目。朝のホームルームもそこそこに、早速準備に取り掛かる。

 今日は最初に新と一緒に回る約束をしている。

 顔見知りだらけの中でデートというのも恥ずかしいけれど、新と一緒に回れるのもこれが最後なので、楽しむことに専念したいと思う。

 雪女の浴衣に着替え、教室を出るともう廊下で待っていた。


「お待たせしました。」

「いや、全然。浴衣、似合うな。可愛い。」

「ありがとうございます。」


 学校なので敬語モードだ。

 だけど、新は変わらずストレートに褒めてくれるし、わたしは思わず赤面してしまう。


「それじゃ、行くか。」


 すっと恋人つなぎされて、一緒に廊下を歩きだす。あら、これは・・・無意識だな。でも、指摘すると今日一日つないでくれなくなってしまいそうなので、素直に手を引かれていく。


「迷路に行ってみたいんだよな?」

「はい。」


 短い時間で楽しめるように、事前に行きたいところを相談しておいた。

 迷路は教室を全部使っていた。たかが教室の広さと少し油断していたら、迷子になりかけた。

 行き止まりかと思っていたところに、かがんでくぐる扉が隠されていたり、クイズの答えが正解の道につながっていたり、新と悩みながら進んでいくのが楽しかった。


 迷路を脱出して、チュロス屋の教室へ向かっていたら、新聞部につかまった。

 文化祭の写真を後で校内掲示するそうで、撮影させてほしいという。

 自分が映っている写真は後でもらえるということなので、せっかくなので撮ってもらう。

 新に少し肩を寄せてピースサインをしてほほ笑む。

 新聞部の方は何度も頭を下げながら、次の被写体探しに人込みへ消えていった。


 気を取り直して、お店を目指して歩く。

 どこを向いても人ばかり。みんな非日常に浮かれているようで、わたしたちのことは気にならないみたいだ。

 おかげで、気兼ねなく新をあちらこちらに連れまわした。


「このチュロス美味しい!」

「へえ、よかったな。」

「一口食べます?」


 勢いで差し出して置いて、ちょっとやりすぎたかなと思ったけど、新も迷いなく食いついてきた。やっぱり、わたしたちも浮かれているみたい。


「うん、うまいな。こっちのポップコーンもあげるよ。」


 新がつまんでくれたポップコーンを、口をあけて入れてもらう。


「おいしいね。」


 それから美術部や書道部の展示を回ると、あっという間に時間になってしまった。

 今度会うのは舞台の上だ。

 わたしは手を振ると、お化け屋敷の持ち場に戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。