90. スカイアイルの嵐と大魔道士の挑戦
海はもはやただの海ではなかった。
大陸の海域を抜けると、まるで海が10分ごとに知覚セーヴィングスローを繰り出すかのようだった。静かだったかと思うと、次の瞬間には星がまるで私たちの上にではなく、下に映っているかのように感じられた。まるでかつて自分が神だったことを海が思い出したかのようだった。
デュログだけが動揺していなかった。彼は上のデッキで、クラーケンの脚だと断言できるものを何気なく焼いていた。
「ヴォイドペッパーで塩を振ってやってくれ」と彼は言い、燃え盛るヘラでひっくり返した。「実存的恐怖とベーコンみたいな味だ」
一方、ルーシーとケイラは迫り来るマナストームの中、どちらが船を操舵するかで口論していた。
「私のよ」ケイラは既に舵輪に手を添え、無表情に言った。
「私のよ」ルーシーはニヤリと笑って舵輪を蹴り飛ばし、言い返した。
「この船をひっくり返してやるわ」とアイリスは呟き、タイム・シギルの目を輝かせながら、何気なく浮かんでいた。
「後で直すわ」と私は無表情で言い、紅茶をすすった。
その時、空が崩れた。
――閃光。現実が歪む。――
城ほどの大きさの波が私たちの周りに上がった。
嵐の雲が唸り声を上げた。風ではなく、声だった。
デッキの上に映像が浮かび上がった。長い髭と星のような瞳を持つ老人。彼の傍らには紅茶の入ったマグカップが浮かんでいた。
マーリン。
伝説の大魔術師。どうやら私たちに手紙を送ってくれたらしい。
彼はニヤリと笑った。明らかに面白がっていた。
「ああ、運命の旅人、境界を破る者、そしてとびきり不器用な恋人たち、ようこそ太陽空の境界へ。下着を持ってきてくれたかしら?」
ルーシー:「私は彼が好きじゃないわ。」
ザイロス:「私は好き。」
アイリス:「彼は時間軸を超えて私たちを見ている。面白いね。」
私:「彼を殴ってもいいの?それともボスの仕業?」
マーリンが手を振ると、嵐は止まった。
「島に着く前に、三つの試練をクリアしなければならない。それぞれが君のために特別に用意されている。失敗すると船は失われた名前の海に沈む。合格したら、私が自分でお茶を淹れてあげる。」
試練第一:記憶の迷路
私たちは皆、それぞれの試練に引き込まれていった。それぞれの迷路は、私たち自身の記憶から作られていた。
私はまだ人間だった頃の「旧世界の崩壊」を追体験した。
ケイラは妹の幻影と戦った。
ルーシーはヴォイドに縛られる前の自分の姿を見た。
ザイロスは、決して制御を失うことのない自分自身と会話をした。
アイリス…私と対峙した。あるいは、彼女を信頼していなかった私の姿と。
彼女はその戦いに勝利した。
汗だくになりながら、屈辱感に苛まれながら、あるいは腹を立てながら、迷路を抜け出すと、嵐は晴れた。
マーリンの姿が再び現れた。
「あと2つ。よくやった。イッシュ。」
私は彼に中指を立てた。ルーシーも同じようにした。デュログは映像越しに、焼いたヴォイド・クラーケンの脚をマーリンに手渡した。マーリンはそれを受け取った。
「うーん。ベーコンドレッド。」




