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美少女コピペ令嬢  作者: けい
16/18

コピペ令嬢、恋を思う

 恋とはどういうものなのか、実のところ私は知らない。思い出そうとすると痛みが走るため正確には思い出せないけれど、それでも私はきっと現代地球にいた前世では恋をしたことがない。だけど、私はあの一瞬胸にストンと落ちたのだ。私はこの人(陛下)が好きだ、と。

 あの、私を見る黄色の目が忘れられない。鮮やかな色なのに貴金属のような冷たさは不思議となく、内側から光が溢れるような明るい色。後ろ髪はまとめられた癖のない髪は、夜を閉じ込めたように暗く濃い紫色をしていて、前髪が少し目にかかるだけで夜明けを見ているような心地になった。なんて、美しい人だろう。

「月、月華様」

 はた、とその声で我に帰る。あたりを目線だけで見回すと私はいつのまにか馬車の中にいた。

「陛下は?」

 思わずそう聞くと花露が目を丸くして答えてくれる。

「陛下とのご挨拶は無事に終わりました。妃の名に恥じない振る舞いだったと存じます」

 陛下の顔を見た時から記憶がないが、問題がなかったというならそうなのだろう。私はただ陛下の顔に見惚れるばかりだったけれど。はあ、と思わずため息をつく。今回はどうにかなったとはいえ、陛下を前にして意識を飛ばして惚けてしまうのはダメだ。

「長距離移動の後ですし、お疲れなのでは?もう少しで五宮に着きます、今日はゆっくり休まれてください」

 花露は優しくそんなことを言う。ため息をついている理由がかなりダメすぎて優しくされるのが辛い。そんなことを考えていると、カラカラと音を立てていた車輪が止まる。どうやら目的地に着いたようだ。

「ここが今日から月華様の宮となる、白雪宮でございます。ささ、どうぞ中へお入りください」

 エスコートされて馬車から降りた後建物の前で案内役の方はそんなことを言う。私は目を丸くする。だって目の前には美しい屋敷があったのだから。屋敷というより小ぶりの城と言った方がいいかもしれない。白雪宮という名に違わぬ、美しい城だ。

 白雪という名だからか、壁は石なのかよくわからない真白の材料でできており、屋根は三角錐のような形をして青色をしているのがとても可愛らしい。

 本丸であるはずのお城とはまるで違うデザインのそれはよく磨かれ手入れの整った白い門と柵に囲われていた。柵の中には宮との間に庭があった。ちょっとした畑くらいなら作れそうな広々とした空間は草も一定の長さで刈られており手入れが行き届いていることがわかる。何と庭には小さな円形のガゼボもあり庭を見ながら優雅にお茶を頂けそうだった。

 なんて、素敵なのだろうと内心飛び跳ねたいほど心躍らせながら案内役の方の後ろに続いて白雪宮の中に入る。私一人では開けられなそうな大きな扉を開かれて入って行く。

「ここは代々白水の妃方が住まわれた宮でございます。外観や造りは都に合わせたものになっておりますが、中は白水の伝統的な装飾や工芸品で構成されております」

 そう言われながら見た宮の中は言葉の通り白水の屋敷を思わせた。毛皮がよく取れる地域だったためそれの加工品が多く採用されていたのだ。さらに金属工芸も発達していたためそれの製品も多くある。見るからに柔らかそうなソファ、見たことのある意匠の彫が入ったテーブル、暖かな光を届けるランプシェード、天井に位置する豪華だけど繊細な飾りのついたシャンデリア。見たところ、入ってすぐのエントランスの右がわの部屋は応接間のようだった。

「それでは、我々はこのあたりで失礼いたします。夕餉のお時間になりましたら係りのものがお届けにあがります」

 そう言って案内役の方はお城に戻って行った。さて、楽しいのはここからだ。新居に行って初めてすることなど決まっている。探検だ。と言いたいところだが、私にも立場というものがあった。

「こほん、改めて私に着いてきてくれた皆、礼をいうわ。どうもありがとう。そして、今日から私はこの白雪宮の主人です。どうか私に主人として相応しい暮らしをさせてちょうだいね。ということで、各自、自分の部屋を決めて、荷物の整理をなさい」

 私の言葉を侍女達は神妙そうに聞いていた。そして、話が終わると花露がパン、と手を叩いて細かな指示を出す。

「それでは部屋を決め、交代制で月華様の身の回りのお支度と自分の荷物の整理をします。わたくしたちの部屋は二階です。入り口に近い方から、」

 それを聞きつつ私は、流石に疲れてもう眠い、と思っていた。

 エントランスの左側の部屋は私の寝室だった。応接室と一番離れた部屋だ。誰かに対応する部屋とリラックスするための部屋は離してあるのが確かに好ましい。あれから、私が相当疲れているのに気づいていた侍女達が夕餉までお休み下さいと言って寝室に連れて行ってくれたのだ。

 寝室はとても可愛らしいものが多かった。大きな天蓋付きのベッドは白のレースのカーテンと外側にある水色の遮光らしきカーテンの二つがたっぷりと着いている。眠る時にはこのカーテンを閉めて眠ることができるのだ。個室の中にさらに個室ができるようでリラックスできそうでとても嬉しい。

 ベッドサイドには小さな足の長いテーブルと向かい合うように置かれたふかふかのソファが置かれソファの上にはレースで彩られたクッションが置いてある。まさに眠るための部屋であるというように家具は少ない。でもその少なさがごちゃごちゃしていなくて心が休まりそうで私はとても気に入った。

「このテーブルの上に小さな花瓶でものっけたら、目の保養になりそう」

 つい、そう独り言を呟く。暖かい都では花がたくさん咲いている。頼めば季節の花々をとってきてもらえるであろう。どんな花を飾ろうか、できれば香りも良いものが良い。ああ、広い庭に花をいっぱい植えてもいいかもしれない。そんなことを考えながらぽすり、とベッドに入る。できればボフッとダイブしてしまいたかったが音で誰か来ては困るので大人しめにした。

 レースのカーテンのみを閉める。これだけでも周りが薄らボヤけてプライベート空間が作られたようでホッとする。柔らかな枕を抱えて目を閉じる。うとうと、と眠りに落ちるまでに考えたのは陛下のことだ。

 距離がある状況で見えた部分だけでも焼きついている。あの目、あの髪、あの声。何度も記憶を繰り返してしまう。なんて、幸福なことだろう。おそらく利権や政治がらみで妃になる人間が多い中で実際に陛下を好きになれることはそもそも幸福なことだ。私はそれに加えて自らの意思で栄華を望みこの妃という地位に運よくついた。なんて、幸福で幸運な人生だろう。

 地位や栄華を望んで嫁に行ったら夫になる人に恋におちたのだ。どんな確率だろうか、私は正当な手段で、好きな人の正式な妻になれる。ああ、嬉しい。ふふふ、と布団にくるまりながら、笑い声をあげる。眠気でふわふわした頭はまとまりのない、幸福なことだけを思い浮かべる。そうして、私はとても幸せな気分で眠りについた。

 私が起こされたのはそれから数時間ほど後だ。どうやら汽車での長旅で思ったより疲れていたようで起こされるまでぐっすりと眠っていたようだ。

「夕餉の準備が整いました、」

 そうやって呼ばれて身なりを整えてもらって応接室の隣にあるダイニングのような部屋に行く。ここは夕餉にお招きすることも想定されているのか普段の食事にはおおよそ必要ないほど大きな机とたくさんの椅子が並べられていた。中央に位置する椅子をひかれてそれに座る。

 そうして本日の夜ご飯だが、そもそも提供の仕方が違うことにまず驚いた。白水では料理が冷めやすいため一品ずつ出されるが、都では全ての品を一度にテーブルに並べるようだった。シミのひとつもない真白のテーブルクロスのひかれた大きなテーブルにズラリと料理が並ぶのは壮観だ。

「自然の実りと民の働きに感謝いたします」

 もうお決まりになった白水でのいただきますの挨拶を言って私は食事に手をつける。見たところ提供されたのは、葉野菜とトマトらしき実のサラダ、花のような形をしたものの姿蒸し、カゴに入ったふっくらとした白パン、白色に黄色のソースが点々としたスープ、白身魚の焼き物に鮮やかな緑のソースがかけてあるもの、赤いソースがかかった薄切りのステーキのような肉料理、そしてアイスのようなもの、だ。一人で食べ切れるのかというほど豪勢な食事だ。

 まずはサラダを口に運ぶ。私は現代日本人の時からベジファースト派である。レタスをよりシャキシャキさせたような葉野菜は苦味も少なく食べやすい。小松菜とサラダ菜の合いの子のような野菜は一際色が濃くそれの少しの苦味がアクセントになっている。ミニトマトのような実は味をもっとフルーツに近づけたようなもので甘酸っぱい。両方とも新鮮で美味しい。白水は保存食がどうしても多くなってしまうから塩漬けや酢漬けじゃない新鮮な野菜というだけで本当に美味しい。そして本当にこのサラダを美味しくしているのはドレッシングである。苦味を和らげ甘酸っぱさや独特の青臭さを緩和して、旨みを足している。何でつくられているかはわからない。油に塩のようなシンプルなもののはずなのに統一感を出せるのは脱帽である。この世界にはキューピーなどもないはずなので手作りである。シェフを褒め称えたい。

 お次はスープだ。これはジャガイモに似た味がする。要はジャガイモを潰して濾したスープだ。驚くべきはその美味しさである。現代地球の野菜というのはそもそも品種改良などが施されているのだが、こちらの世界にはまだそんな技術はないはずである。なので味はどうしても劣るはずなのだが、とても美味しい。これは割と白水でも似たようなものを飲んだことがあるのでホッとするお味だ。やはりジャガイモは寒いところでも育てやすいのかもしれない。詳しくないけど。

 その次に食べたのは花のようなものの姿蒸しだ。これは地球でも白水でも食べたことがない。強いていうならば百合根に似ているんじゃないかな?というくらいのことしか言えない。真っ白なそれを一口分摘んで恐る恐る口に入れる。美味しい。シンプルに塩で味付けしたような美味しさを感じる。外はサクサクしていて中はほろりと柔らかい。食感にアクセントがあり味もクセがなく長芋のような味がする。これは揚げ物にしても美味しいだろうな。まあこの世の食物は大体揚げたら美味しいのだけど。ぜひなんと言う食材なのか教えて欲しい。

 次は魚料理に口をつける。干したわけでも漬物でもない魚を食べるのは久しぶりだ。どうしても一回瓶に漬けたりしたものは臭みがあるようで苦手なのだが、と口に入れる。おお、ホロホロだ。ナイフを入れると弾力があるくらい身がぎっしりしているのに口の中に入れるとホロホロ解けていくのがとても美味しい。味も淡白で臭みがない。よく白身魚フライとかで出てくる魚のような味がしている。これもまたソースにつけるととても美味しい。緑色のソースはバジルのような風味のあるソースだった。この世界にも存在しているかはわからないが、香りが高くおまけに香ばしいような独特な旨みがある。

 パンをちぎって食べてみる。水分量が多いのか柔らかくもっちりとしたパンはほのかに甘くてとても食べやすい。どんな食事にも合いそうな主食としてちょうどいいパンである。白水では硬いパンが多かった。あれは多分保存が効くからだと思う。でもあれはあれでスープでふやかして食べたり、歯で噛み締めるようにして食べると美味しかった。後おそらく栄養価が高そうなのはあのかったい黒パンである。白米もいいが玄米もいい、と言うような評価をしながら私は柔らかいパンをもしゃもしゃと噛み締めた。どちらもソースを拭って食べると絶品である。

 心の中で舌なめずりをしながらフォークに刺したのはメインの肉料理だ。もうみるからに食欲をそそるそれはピンクの赤みが少し見えている。焼き加減で言ったらミディアムと言ったところだろうか。赤いソースをたっぷりとつけて口に入れる。うーん、ジューシー。とても柔らかい。力を入れて噛む必要がなく一回咀嚼するたびに簡単に千切れていくお肉は噛むたびに旨みが出てくる。お肉が纏うソースの酸味が肉汁の脂っこさをさっぱりさせていていくらでも食べれてしまいそうだ。疲れた時には酸っぱいものと豚肉がいいと言うようなことを聞いたことがあるような気がする。これが何肉なのかはよくわからないし、強いていうならば牛肉に近いがさっぱりとした酸味のあるソースは体を労るように染み渡る。

 最後にワクワクとアイスのようなものに手をつける。見た目は苺とキウイを添えたバニラアイスに見えるが、果たして。氷菓は結構昔からあったらしいと言うことをどこかで聞いた覚えがあるけれど、この世界にも存在しているのだろうか。パクリ、と口に入れる。口の中でヒヤリとした固形が溶けていく。どちらかと言うとバニラと言うよりミルク感が強い。口溶けは滑らかと言うより少しジャリジャリしており目が荒めのアイスだ。しかし、美味しい!まろやかなミルク感の強い甘みにさっぱりとした苺とキウイのフレッシュさがたまらない。都で妃の夕餉に出ると言うことはまだ高級品なのだろう。ぜひ暖房の効いた部屋で七星に食べさせたいな、と思う。コタツでアイスを食べるようなあの独特な良さを味合わせてあげたい。きっとそのうち白水にも技術が伝わるだろう。白水の屋敷内でブームになりそうだ。あんな寒いところで氷菓を頂けるのは暖房の効いた部屋に入れる貴人のみ。と言うことはいつもお得意のいつも暖かい場所にいられて高級品を食べられる、と言うアピールに使われそうだ。

 アイスを最後のひとくちペロリと平らげる。はー、と息をつく。うん、食べすぎた。都での最初のご飯だったからはしゃぎすぎてしまった。

「今度からは量を少なめにしてもらえるよう伝えてちょうだい」

 そう、控えていた侍女達に言って私は口の周りを拭う。

「かしこまりました、月華様」

 そんな返事の後に侍女の一人がしずしずと前に歩み出て何やら手紙を持ってくる。

「夕刻、届きました招待状でございます。それぞれ宝玉宮ほうぎょくきゅう識美宮しきびきゅう花香宮かこうきゅうからです。如何されますか?」

 やはり、届くか。それぞれ最高級の紙に飾りがついた美しい手紙達。この妃達がそれぞれ住まう五宮の役割は妃達がそれぞれの土地の代表者となり文化交流をすること。つまり土地と土地の架け橋となることである。綺麗に言うと。ぶっちゃけ裏向きに言うと土地と土地の代理戦争(しかも冷戦)みたいなものでもあるのだが。それは置いておくと簡単に言うと表向きみたいな理由になる。だから陛下の寵愛を競い合うような仲であっても表向きは仲良くする必要がある。その一歩目として届いたのが格宮の主人達、各土地の姫達からの招待状というわけだ。まあ、そもそも五宮の暗黙の了解としてあるのだけど、新しく妃が来たら先にいた妃が自分の宮に招待するっていう。ちなみに暗黙の了解はめちゃくちゃある。白水で授業が作られてるくらいある。

 私としてはすっごく仲良くなりたいが!!だって選りすぐりの美女達だろう?仲良くなりたい。そこに理由はいらない。ということで、趣味と実益を兼ねていかない理由はない。

「お受けするわ。それぞれの時間を確認して重なっていないなら了承の返事を出します。白水から持ってきた物の中に手紙セットがあったでしょう、アレを書斎に出してちょうだい」

 はい、と返事が返ってきて侍女達がそれぞれ動き出す。きっと手紙セットを取りに行った者、色の職員に伝えに行った者、夕食の片付けをする者などがいる。「お手紙を書き終わりましたら、ご入浴の後お早めにお休みになられてはいかがでしょう」

「ええ、そうするわ」

 花露がそういうのに私は快く返事をして、書斎へ、手紙の文面を考えつつ歩く。やはり妃というのは忙しい。

 返事を書き終えるともう外はすっかり暗くなっていた。夜の九時程度だろうか。書斎の椅子から降りると、控えていた侍女達がそれぞれ、出来上がった手紙を届けにいく者、入浴の手伝いをする者などに分かれて恭しく動き出す。見事な統率だ。

 新所の隣にある衣装室、その隣にある浴室で私は服を脱ぐ。一日中体を締め付けるコルセットとようやくお別れできる。ふーっと息を吐くように身体が締め付けを失い緩んでいく。湯気のたった暖かそうな湯船に足から浸かっていく。ちゃぽん、と私の身体が入った勢いでお湯が波紋を描く。お湯はふわりとした独特な花の香りがしている。

「本日はお疲れのようでしたので、薬湯をご準備しました。疲労回復に効果がある花の香油を垂らしました。お身体失礼します。お力を抜いてくださいね」

 同じ花の香りがするオイルを身体に垂らされマッサージをされる。陛下へのご挨拶をした際に履いた踵の高い靴のせいか張った脹脛をゆっくり揉みほぐされるのがたまらない。さっきまで締め付けられていた腰も少し重いドレスを着てこった肩も順々に揉みほぐされて柔らかくなっていく。あまりの気持ち良さに感嘆の息を吐きながらお湯の浮力に体を任せていると、髪を洗われる。泡を髪に揉み込んでいく感じと頭皮を刺激されるのが気持ちいい。

 身体と頭を洗われ終わると花露がそっと目元に蒸しタオルをかけてくれる。肩どころか首まで浸かってお湯に温められた身体に、さらに目元まで温めてもらえるなんてすごいサービスだ。ジュンジュン、と目の周りの血管が温められて血流が良くなっていくのがわかる。このまま眠ってしまえたら最高だろうな、と思いつつ私は極上の時間を過ごした。

 お風呂から出ると髪を丁寧に櫛で溶かされながらオイルを塗られまたタオルで水分を吸われる。その繰り返しをされながら、私は椅子に座って、もう寝るだけの肌着のようなワンピース一枚で侍女に差し出された飲み物を飲む。お風呂から上がった後の渇いた喉に爽やかな柑橘系の効いたお水が染み渡る。レモンウォーターみたいなものだろうか?なんにせよとても美味しい。身体からは花の香りがして、とてもリラックスできそうだ。そうだ、この花はラベンダーの香りに似ている。

 ぽすん、と寝室のベッドに軽くダイブする。侍女が灯りを消してくれたためもう部屋は暗い。天蓋のカーテンを今度は二つとも閉める。私の見える範囲に私しかいなくなってとても落ち着く。花の香りに包まれながらまどろむ。目が閉じていくその瞬間にも陛下のことを思い出してしまう。

 いつか、このベッドに陛下が入ってくる時が来るのだ、とそう思うと、お風呂のせいでなく顔が熱くなる。そうしたら天蓋を閉じて二人だけの世界にいるような心地になれるだろうか、とそんなことを考える。そして、その答えはそう遠くないことも。胸が高鳴るけれどその日が早くくればいいな、と私は思っていた。

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