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15話 帰還

お久しぶりございます。

 しばらくして、神国に戻った。全員の戦闘力が上がったので、来た時よりも簡単に帰ることができた。俺のエクスカリバーを覚醒させる必要はなかった。行きも覚醒なんてさせていなかったし、当然だ。




 帰国した俺は、まず国王に戦闘訓練をしたいと相談した。できれば神国四戦騎と同等程度の戦闘力を持つ人と。


 国王は快く引き受けたが、ギルダーさんと、神国四戦騎序列1位の男性は現在任務でいないそうなので、ラファエルさんか『聖騎』のシルバさんと戦う、ということになるらしい。


 そんなときに、謁見の間がノックされる。そこで、部屋の中に待機している侍女が扉を開けた。


「お父様、勇者様との謁見中に失礼します。王都のはずれに50程度の人型の魔物が現れたようです。強力な個体もいるようですが、いかがいたしましょう」

「……分かった、お前が神国聖騎士団の団員を必要なだけ連れていけ。目安は2日で戻れ」

「了解いたしました」


 一連のやり取りを行った後、ラファエルさんは急ぎの様子で去っていった。


「という訳で、ラファエルの手は空いていないようなので訓練はシルバに受けるということでよろしくお願いします」

「はい、わかりました」


 それから国王がシルバさんを呼んできたらしく、騎士服を着た銀髪の女性を引き連れて訓練場まで送ってくれた。わざわざ送らなければならないなど、国王も大変だと感じた。




「さて、では戦闘訓練をしたい、とのことでしたが、私の戦い方は恐らく勇者様には参考になりませんよ……?」

「構いません。対応力や、純粋な技量を高める目的なので」


 そうして、両者が互いの得物を構える。俺はエクスカリバーを、シルバさんはレイピアを構える。


「では、行かせていただきます」


 俺は実直に地面を蹴る。一瞬でシルバさんに肉薄すると――横から凄まじい衝撃で突き飛ばされる。


 目を見開いてそちら側を向いた瞬間、後方から人の気配を感じると同時に振り返り、咄嗟に斬りかかる。


 今度は当たった感覚はあるが、手応えは全くない。そこでラファエルさんの言葉を思い出す。聖騎シルバは受け流すの得意という旨の内容だ。そこから、今の攻撃は受け流されたということを理解する。


 次の一撃も食らうが――魔力によってほんのりと染められた軌跡のみを何とか捉える。そこで俺は着想を得る。


 魔力探知。


 精霊術を学んでいくうちに、精霊の特徴を知った。精霊は、魔力を探知することができる。ならば契約した精霊と、その感覚を共鳴したら魔力を探知することができるのだろうか?


 ぶっつけ本番。シルバさんの攻撃を何とか急所から外しながら受けつつ、精霊を召喚する。召喚するのは、特に空間内の魔力探知に優れる最上位精霊――時空の精霊クロノス。


 最上位精霊を呼び出した故の、大量の魔力消費。長くは戦えない。


「《始まりの覚醒(ビギニング):エクスカリバー》」


 魔力の消費を加速させるかのように、エクスカリバーを覚醒させる。当然魔力の消費量は高くなるが、早期に決着をつけようと斬りかかる。


 変幻自在の如くに俺の攻撃を回避し、剣域をすり抜け、レイピアでの刺突。先ほど食らった以上の衝撃。


「ッ!?」


 予想以上のスピード。俺は対処しきれず、そのまま地に倒れ伏すことになった。


 模擬戦は俺が敗北。神国四戦騎であるシルバさんに、ここまで善戦するとは、ギルダーさんに大苦戦していたころが懐かしい。今でも勝てるかはわからないが。


「対戦ありがとうございました」


 シルバさんが話しかけてくるも、魔力を消費しすぎた故の体調不良で、返事ができない。


 しばらくそのままでいると、話せるようになっていた。シルバさんはそれまで近くで待っていてくれた。


「……すみません、ありがとうございました」

「いえ、こちらこそありがとうございました」




 俺が部屋にいると、国王の使者から謁見の間に呼び出される。俺に安息の時はないのだろうか。


 謁見の間に到着すると、そこにはシルバさんとリーゼロッテ先生、アリア、ドミニクさん、武術の先生など、大人子供貴族平民を問わず、現在の神国内でトップクラスの戦力が集められていた。


「ラファエルが魔物の殲滅に向かったのは知っているな? そのラファエルから救援要請が来ている。予想以上に強大な魔物らしくてな。念のため、お前たちにはラファエルの元に向かってもらう」

「どちらへ向かえば?」


 国王が状況を説明すると、リーゼロッテ先生はどこへ向かえばいいのか、と問いかける。それに対し、国王は地図を広げ、ある一点を指さす。


「神国北西。神都からほど近い、未開地との狭間」


 アラナンド神都は、神国の中でも最北西に近い位置にある。神国の北西から西にかけては未開地があり、神都から少し北西に向かえば田舎になっている。


「了解。俺は今すぐ向かう」


 考え直すと、本当は敬語で喋った方がいいのだろう。しかし、急に態度を変えて国王に余り軽視されすぎても困るのでこのままで続けておく。


「私は勇者様と一緒に向かわせていただきます」


 アリアが真っ先に俺と一緒に向かうと表明する。それに従って、他の面々も今すぐ向かうのか、それとも少し用意してから向かうのか決めた。




 俺たち先行出発組が神都を出発してから10分ほどで、後発組も追いついてきた。


 途中に遭遇する魔物たちを圧倒しつつ、国王から指示された場所へ向かう。


 そこは魔物の領域ではない。それなのに魔物が発生するという異常な事態に、ラファエルさんが呼び出されたようだが、それでも足りない事態。警戒はいくらしても足りない。




 数時間で指示された場所に辿り着いた。そこには衝撃の光景が広がっていた。

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