14話 覚醒
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悪魔を倒した俺は、ひとまずエクスカリバーの覚醒を解除し、アリアの方へ向かった。
アリアは頭からも血を流していて、命の危機すらも迫っていそうだ。俺も悪魔の攻撃を食らいながら戦っていたのでかなりの傷があるが、アリアは明らかにそれ以上。
肩を叩いたり大声で呼びかけても反応がないので、抱えて病院へ運ぶことにする。
その間にさっと状態を確認すると、血を流しているのは後頭部。全身を骨折しており、切り傷も大量についている。左腕は皮一枚で繋がっているような状況。腹には鎌に貫かれた跡がある。よくこんな状態で戦い続けられたものだ。
そうしてアリアの状態を確認し終えた頃。
「あ、金堂さんと……ア、アリアさん!? 大丈夫なんですか!?」
リーゼロッテ先生が話しかけてきた。後ろには他の神国組――武術の先生、ラファエルさん、ドミニクさんを引き連れ、隣には諒哉と陽菜がいる。
「あ、先生たち! ちょっとアリアを運んでくるので、この場を任せてもいいですか?」
悪魔の男を倒したからと言って別に敵兵を全員倒した訳でもない。俺がアリアを連れて行ったら多分この周辺は占領されていた。
「あ、私が癒しま――」
その先の言葉は続かなかった。突然何者かが横から攻撃してきて、ドミニクさんが気づいたのかそちらを向いて剣で受ける。
攻撃を受けた瞬間――ドミニクさんは吹き飛び、いくらかの壁を突き抜けながらどこかへ消えていった。
「まさかお前らがデイヴを倒すとはな。覚醒神器の魔力の残滓があるが……ああ、そこの勇者の男が持ってる剣か」
先ほどの、デイヴというらしき悪魔よりも圧倒的な力を持つ吸血鬼。恐らく、エクスカリバーを覚醒させても勝てない。それなのにアリアは戦闘不能、俺も傷だらけ。
「【範囲治療】」
リーゼロッテ先生が俺とアリアのいる周辺に向けて、広範囲で発動する回復魔法の【範囲治療】を発動させる。
すると、みるみる間に俺とアリアの傷が癒え、あっと言う間に万全の状態まで癒される。そこで俺が即座にエクスカリバーを覚醒させようとするが――
足りない。
覚醒に使うための魔力は、先ほどの覚醒の維持で出し切った。
戦い抜くための気力は、先ほどボロボロになり、もうなくなった。
ラファエルさんと諒哉が吸血鬼の爪と刃を交わし、防戦一方ながらも戦いを何とか繰り広げている。リーゼロッテ先生と陽菜は身体強化と弾幕でそれを援護している。俺も何とか戦わなければならない。アリアとドミニクさんはまだ目を覚ましていない。
仕方なく、エクスカリバーを覚醒させずに戦う。覚醒しておらずとも聖剣から神器に進化したことは変わりないので戦闘能力自体は上昇しているはずだ。ならば、一瞬で戦闘不能に陥るということはないはず。まだまだ戦える。
「王龍剣術【極彩色の王龍】」
【極彩色の王龍】を発動させた俺も、吸血鬼に全力で斬りかかる。ラファエルさんの攻撃を捌いた直後だった吸血鬼は、驚いたのか少し目を見開きながら、左手の爪で受ける。反動により両腕が使えなくなると、リーゼロッテ先生の魔術が直撃する。
どうやら強い魔術抵抗があるようで、そこまで大ダメージを与えることができたようには思えないが、それでも少しはよろけたのでそこをラファエルさんが追撃。単調にならないように全く同時に俺も攻撃を与える。
そこで突然、吸血鬼が攻撃をやめて跪く。この場の皆が戦闘中にどうしたのだろうかと唖然としつつも、警戒は怠らない。
降り立つは、凄まじい気配――
「ブラッド。うまくやっているようだな。デイヴは倒されたか――」
「魔王様、いかがいたしましたか?」
吸血鬼のブラッドの言うとおりであれば、降り立った圧倒的な気配の存在は魔王、そうであるということか。
「この場にいる2人の勇者がどんなものなのか、身に来ようと思ってな」
「そうでしたか」
そうして、魔王はこの戦場を見渡す。視線が向けられると数十倍にも増す、肺が締め付けられるような威圧感の中、動けるものは誰一人いない。
「よし、ブラッド。戦いはやめだ。魔王城に帰る」
「何かお考えがあるのかとは思いますが……わざわざここまで来て、戦果なし、ですか?」
「いや、【時間と精霊の勇者】と【運命と守護の勇者】の実力が分かった。それだけで収穫だ。私がこの者たちを眠らせておくから、ブラッドは今すぐに兵を引け」
「はっ」
【時間と精霊の勇者】、【運命と守護の勇者】。諒哉が持つという【運命】の権能から考えるに、恐らく【時間と精霊の勇者】が俺。そして、【時間】と【精霊】の権能を持っている、ということだろう。
そんなことを想像するのにも、莫大な時間が必要。魔王から放たれる圧で、集中できない。
気が付くと魔王が目のまえに迫っていた。確か、眠らせておくと言って――
気が付くと、商国の王宮と思しき場所にいた。それに気づかず慌ててエクスカリバーを握ろうとするも、右側に落ちていない。
体を起こすと、そこが商国の王宮だとよくわかる。というか、自分に貸し与えられている部屋だ。誰が運んでくれたのだろうか。
俺の右横には、既に目を覚ましていたらしいアリアがいた。
「アリア、大丈夫だったか?」
「まだ激しい運動は出来ませんが、無事です! 勇さんこそ、大丈夫ですか?」
「ああ、多分俺は問題ない」
リーゼロッテ先生が、予想外の事態があったので神国組は一度神国に帰ると教えてくれた。出発は明日。まだ養成学校の全校とは試合はしていないが、一旦帰らねばならないとのことなので仕方がない。
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