第5話「鬼柴田の豪遊と先取りの城壁」
第5話「鬼柴田の豪遊と先取りの城壁」
第1場:カルテ3枚目・「瓶割り柴田」の通帳
東暦一五七三年、冬。
夕暮れの三河開発・代表室。
本日も蛍光灯を半分だけ消し、薄暗い室内で家康はカタカタと電卓を叩いていた。
机の上には、1杯800円の無農薬ケール青汁の瓶と、スーパーの見切り品である1パック25円の焼き豆腐が置かれている。
「社長、本日の節約実績です。昼食は焼き豆腐の湯豆腐、お茶は出がらしのほうじ茶。……そして、破れた封筒を捨てずに、裏返して糊付けし、社内便用の封筒として再利用しましたね」
「うむ! 封筒1枚分の資材費・約3円を浮かせつつ、指先を使った精密折り紙作業によって脳の血流を活性化させた! 認知症予防と資産防衛を両立する、極めて合理的な一石二鳥じゃ!」
「封筒の裏に『請求書在中』の文字が透けてて取引先から不審がられますけどね」
元忠が冷ややかにペンを走らせた、その時だった。
内線電話がけたたましく鳴り響いた。
元忠が受話器を取る。
「はい、三河開発……あ、信長社長。……はい、カルテの3枚目ですね。……え? 『あの筋肉ダルマの貯金残高をなんとかしろ』?」
元忠は受話器を置き、机の上の【本能寺スタッフ家計カルテ】の3枚目を引き抜いた。
「社長、信長社長からのご指名です。100万円のコンサル契約、第3号が決まりましたよ」
「ふむ。一益殿、利家殿と続いて……信長殿からの正式委託としては3人目か」
「ええ。秀吉さんは個人的な相談でしたからね。正式契約では、デリバリー部隊総隊長の【柴田勝家】さんが3人目です」
元忠はカルテに記載された衝撃的な数字を指さした。
「信長社長曰く、『勝家の奴、本能寺の変以降、特別ボーナス込みで毎月数百万円を受け取っておきながら、通帳残高が常に数千円台で推移しておる! 豪快なのは結構だが、宵越しの銭を持たぬにも程がある! 稼いだ金をすべて夜の街と博打場に叩き落とすあのバカの頭に、強制貯金の杭を打ち込んできてくれ!』とのことです」
「……宵越しの銭を持たぬ、だと?」
家康は老眼鏡を押し上げ、勝家の直近3ヶ月の出入金明細に目を落とした。
そこに並ぶ数字を見た瞬間、家康の喉がゴクリと鳴った。額に青筋が浮かぶ。
【柴田勝家・月間平均収支】
月収(固定給+デリバリー手当+特別賞与):約280万円
毎夜の飲み会代(後輩・バイト全員分を全額奢り):月約160万円
突発的な大規模宴会・BBQ主催費用:月約50万円
競馬・競艇・パチンコ等のギャンブル代(余剰金の全額):月約68万円
その他本人負担の固定費(本能寺の寮費補助を除く通信費・雑費):月約1万6,580円
【月末普通預金残高:3,420円】
「に、二百八十万稼いで……残高が三千四百円じゃと……!?」
家康の電卓を叩く手がわなわなと震えた。
「使い切るのが目的になっておるではないか! 狂気の沙汰じゃッ!!」
第2場:居酒屋の怪獣と「散財の美学」
その夜。
清須駅前の大衆居酒屋。
店内は、地鳴りのような怒号と歓声に包まれていた。
奥の座敷の最上座で、仕立てのいいシャツの胸元がはち切れんばかりに筋肉を盛り上がらせた巨漢――柴田勝家がいた。
周囲には本能寺のデリバリー部隊や若手スタッフが十数人、所狭しと並んでいる。
「ドワッハッハッハッ!! 飲めッ! 喰らえィ皆の者ッ!! 本日のデリバリー目標完全達成の祝勝の宴であるッ!!」
ズドォォォンッ! と勝家が丸太のような腕で長机を叩き、腹の底からの重低音を響かせた。
「肉もお代わりを所望せよ! 刺身も一番高き舟盛りを片端から持ってまいれ! 金の心配など姑息で軟弱な守りの姿勢! 全部この柴田が叩いて見せましょうぞォッ!!」
「勝家さんカッケー!!」
「ごちそうさまですッ!!」
若手たちが歓声をあげる中、家康と元忠が静かに座敷の端へ腰を下ろした。
勝家は家康の姿を認めるなり、太い首を巡らせてグワッと目を見開いた。
「おおッ! 徳川の殿ではないか! 信長社長から話は伺っておりますッ! 遠慮など無用、殿も大ジョッキを干されよ! 某の奢りにございますッ!!」
「……酒は結構。肝臓に余計な負担をかけ、将来の健康寿命を損なうリスクは冒しません」
家康は冷ややかに断り、懐から勝家の通帳コピーを取り出した。
「柴田殿。単刀直入に申し上げます。なぜ、そこまでして使い切るのです! 病気や怪我への備えは!? 将来の蓄えはどうするのですッ!」
勝家は大ジョッキをドカッと机に置き、そのまま仁王立ちになった。
「愚問にございますッ!!」
勝家は丸太のような腕で己の胸板をドカドカと叩いた。
「蓄えなどという姑息な発想、柴田勝家の辞書にはあり得ぬこと! 男が稼ぎし金は、背中を追う若手どもに美味い飯を死ぬほど喰わせ、大盤振る舞いして散らすためにこそある! 誘われた飲み会を断るなど武士の恥辱、後輩に一銭でも出させるなど言語道断でありますッ! そして……それでもなお口座に銭が余るならば――」
勝家はギラついた目を剥き、拳を握りしめた。
「――博打場へ全額突撃し、勝とうが負けようが、最後には財布を空にして帰る! それが真の男でありますッッ!!」
「散財が……目的そのものになっておる……!?」
元忠がドン引きする横で、家康の額に血管が浮き上がった。
「……浅い。あまりにも浅薄! 愚かの極みじゃッ!!」
「ぬぅッ!? 某の武辺を侮辱するかッ!!」
第3場:家康の算盤――「パーキンソンの法則と先取りの城壁」
「貴方は己の豪快さを誇っておるが、それは武士の気概でも何でもない! 単なる【パーキンソンの法則】の完全な奴隷じゃッ!!」
バシィィィンッ! と家康が算盤を座敷のテーブルに叩きつけた。
「パー……何でありますかッ!? 奇怪な呪文を唱えるでないッ!!」
勝家が眉をつり上げる。
「パーキンソンの法則――『支出の額は、収入の額に達するまで膨張する』!
人間は口座に金があれば、あるだけ無意識に使い道を捏造してしまう愚かな生き物なのじゃ!
貴方が後輩に奢ること自体を否定しておるのではない!
問題は、仲間への大盤振る舞いと、余った現金を消滅させるためのギャンブルを同じ『男気』として混同しておることじゃッ!!」
「な、何と……ッ!?」勝家がたじろぐ。
家康は愛用の算盤を引き寄せ、猛烈な速度で玉を弾き始めた。
「見なさい!
貴方が『余ったから』と博打場に叩き込んでいる月68万円!
さらに、飲み会代160万円のうち、目標達成とも関係なく惰性で開いている二次会・三次会に、月30万円近くが消えておる!
合わせて【月100万円近い金】が、成果につながらぬまま流出しておるのじゃ!
この月100万円をもしオルカンに突っ込み、年利5%で30年間毎月積み立て運用できたと仮定すれば……税金や手数料を考慮しない机上計算でも、積立元本だけで3億6,000万円、将来【約8億3,000万円】の巨額資産になるのですよッ!!」
「は……8億3,000万……でありますと……!?」
座敷にいた後輩スタッフたちが息を呑んだ。勝家の筋骨隆々の巨体がグラリと揺らぐ。
「貴方が競馬場の馬券売場にばら撒いている紙屑は、将来の8億3,000万円をすり潰して燃やしているに等しい!
身体を壊してバイクに乗れなくなった時、その競馬場が貴方に飯を食わせてくれるのか!?
破綻した元・総隊長の無様な姿を晒して、後輩たちに示しがつくとでも思うのかッ!!」
「ぐ……ぬぬぬぬっ……! 8億……某がドブに捨てていたのは、8億の城郭であったというのか……ッ!?」
勝家が頭を抱えて唸り声を上げた。
「分かりましたな、柴田殿! 貴方のように『残った金を貯める』など土台不可能な浪費狂に必要なのは、意志の力ではない! 【仕組みの強制力】じゃ!」
家康は白紙の書類を突きつけた。
「給料が振り込まれた瞬間に、100万円を別口座へ自動送金して強制的に隔離する!
これぞ【先取り貯金】!
口座に残った金だけで生活し、後輩に奢るならその残金の中から工面しなさい! 手元にない金は、いかに貴方とて使いようがないはずじゃッ!!」
第4場:本能寺のフロアと「鬼の空腹」
翌日の昼下がり。
喫茶厨房本能寺のフロア。
昨夜の家康の「8億3,000万円」という数字に脳天を粉砕された勝家は、言われた通り、給与口座から即座に100万円を別口座へ隔離する手続きを済ませていた。
だが――
「お、おい……勝家さん、大丈夫ッスかね……?」
遠巻きに見守る利家やデリバリーの若手たちが怯えていた。
フロアの片隅で、勝家が幽霊のように生気のない顔で、直立不動のまま立ち尽くしている。
その巨体からはいつもの圧倒的な圧が消え失せ、目は虚ろ、腕の筋肉まで萎縮しているかのようだった。
そこへ、視察に訪れた家康が元忠を伴って現れた。
「素晴らしいぞ元忠! 見なさい、柴田殿のあの落ち着いた佇まいを! 昨夜までの狂乱の散財オーラが消え、静かに業務に専念しておる! 先取り貯金によって口座の余剰金が消えたことで、無駄な浪費衝動が完璧に鎮圧されたのじゃ!」
元忠は勝家の死相のような顔を見て
「いや、どう見ても完全に出力ゼロで気絶寸前ですけど……」
と青ざめた。
その時だった。
「……おい、家康。勝家」
背後のオーブンから、地獄の底から響くような重低音が轟いた。
振り返ると、特注耐熱鉄板の前から、鬼のような形相の織田信長が歩み寄ってきたところだった。
その手には、焼き立ての熱気を放つ『極厚フレンチトースト』が握られている。
「の、信長社長……ッ!」
勝家が力なく敬礼しようとするが、腕が途中でプルプルと震えている。
信長はその腑抜けたツラをギロリと睨みつけ、吐き捨てるように言った。
「勝家……貴様、何だその干からびたナメクジのようなツラは! その気合も根性もないツラで、俺の店のデリバリー部隊を率いることができると思っておるのかッ!」
「は……ハッ! 徳川殿より先取り貯金なる城壁を築けと命じられ、月100万円を別口座へ移しました! されど、残った銭で今まで通りに部隊全員へ飯を奢り、宴会を開けるのか……そのことばかりが気にかかり、某、いつものように野郎どもを鼓舞する声すら出ぬのでありますッ……!」
信長は深いため息をつき、信じられないものを見る目で家康を睨み据えた。
「家康……貴様、俺の軍団の特攻隊長に何を吹き込んだ?」
「吹き込むとは心外な! 毎月ドブに捨てていた100万円を先取り貯金で守り、将来8億円超の資産を築くための仕組みを授けたまでです!」
「黙れッ!!」
信長の一喝が、店内全体を震わせた。
「先取り貯金で将来に備えること自体は悪くない!
だが勝家、貴様という男は、財布を満タンにして、それを豪快に部下に振る舞い、限界まで使い切ることでしかアドレナリンが出ない人種なのだ!
手元に金がない不安で縮こまり、後輩の飯代をケチって顔色を窺うような奴に、誰が命を預けてデリバリーの突撃についていくかッ!!」
「ハッ……!?」
勝家が弾かれたように顔を上げる。
「何が8億の城だ! 勝家! 貴様のその豪快さは、何のためにある!?
どんな過酷な嵐の夜でも『某についてまいれッ! 走り切った暁には美味い肉を死ぬほど奢ってやるッ!』と吠えて、若手どもの士気を限界突破させるための旗印であろうがッ!!」
信長は手にしたフレンチトーストを掲げ、勝家に怒鳴った。
「小銭を守って縮こまるな! 奢りたければ奢れ! 仲間を連れて飲み明かせ! ただし、ただ散財して自己満足に浸るな! 宴会で士気を上げるだけで満足せず、その士気を配送完了率と売上の数字に変えてこいッ! かけた宴会代に見合うだけの記録を、現場から数字で叩き出してこいッ!!」
ドガァァァンッ……!!
勝家の胸に、信長の覇気が真っ向から突き刺さった。
「しゃ、社長……ッ!! 某、己の本懐を思い出しましたッ!!」
勝家は仁王立ちになり、丸太のような腕で胸板をドカドカと激しく叩いた!
「某は、仲間のために銭を使うことこそ本懐と思っておりました! されど、いつしか余った銭を博打で消すことまで、男気と取り違えていたのでありますッ! 『某が全員の面倒を見る!』と背中を示し、野郎どもを牽引するためにこそ銭を稼ぎ、銭を振る舞うべきでありましたッ!!」
勝家の瞳に、猛々しい炎が甦った。
「徳川の殿、申し訳ござらんが某にその『先取り100万縮こまり生活』は不向きにございますッ! 8億の将来資産などよりも、今宵某を信じて清須の街を爆走してくれる野郎どもの胃袋を満たすことこそ、柴田勝家の本懐ッッ!!」
「な……柴田殿! 8億3,000万円の複利が……!」
「社長ッ!! 某、今宵のデリバリー目標を完全突破した暁には、部隊全員を引き連れて特上焼肉へ突撃いたしますッ! その代わり、配達速度も完了率も、競合他社を完全に粉砕する数値を叩き出して見せましょうぞッ!!」
「ガハハハ! よし、行け勝家! 今日の売上記録を更新したら、焼肉代の半分を経費で持ってやる!」
「ハハッ! ありがたき仕合わせに存じますッ!! 皆の者、気合を入れよォォォッ!!」
「「「うおおおおおッッ!!」」」
店内に響き渡る野太い雄叫び。
熱狂する男たちの渦から完全に弾き出された家康は、算盤を抱えたまま、静かに立ち尽くしていた。
(……ダメだ。この店の人種は、全員が『未来の資産』よりも『今この瞬間の爆発力』に全財産をオールインして生きている……!)
第5場:薄暗き部屋の勝者と「男気の予算枠」
3週間後。
三河開発の社長室。
本日も蛍光灯を半分消した薄暗い部屋で、家康は60万円の人間工学チェアに深々と腰掛けていた。
腰痛による稼働率低下を防ぐための必要経費であり、家康にとってそこに節約の余地は微塵もない。
元忠が、温かい番茶を差し出す。
「社長、本能寺の勝家さんから報告書が届いてますよ」
画面には、豪快な筆文字で書かれた報告書のスキャン画像が表示されていた。
『徳川の殿、信長社長! 両名のお言葉を胸に刻み、某、金銭の運用を根本から改めましてございますッ!
当初は徳川の殿の教えに従い月100万円の貯金を試みましたものの、信長社長の檄を受け、部隊の士気と突撃力を損なわぬ持続可能な防衛ラインを再計算!
毎月ドブに叩き落としていた競馬・パチンコ等の無益なる博打代(月約68万円)は完全に断ち切り、そのうち【月50万円を先取り貯金】として給与受取日に自動隔離する強固なる城壁を築きました!
残る約230万円を月間の生活・部隊運営予算とし、固定費を差し引いた約228万円の範囲内で「男気交際費」を計画的に管理!
宴会を「目標達成の祝勝会」に限定した結果、デリバリー部隊の配送完了率は地域No.1を記録し、本能寺のデリバリー月商は過去最高を更新いたしましたッ!』
家康は眼鏡をクイと押し上げ、フッと満足げに口元を歪めた。
「……ふん。口では反発しておきながら、結局はギャンブルを断ち切り、月50万円もの先取り貯金を自動化させたではないか。素直ではない男よ」
「まあ、勝家さんにとっては『ギャンブルという無意味な浪費を削り、仲間への奢りという本物の男気だけを残す』というのが、信長社長の士気理論と、徳川社長の先取り貯金を両立させた最高の着地点だったんでしょうね」
元忠が苦笑いしながら、手元の集計表に目を落とす。
「それで、受け取ったコンサル料100万円はとっくにオルカンの買付に回しましたけど、本日の社長個人の節約実績は何円です?」
家康は手元の電卓をパチパチと叩いた。
「本日の実績は、スーパーで見切り品の長ねぎの青い部分をタダでもらってきたことによる薬味代浮きが15円! 昼食の見切り品豆腐による食費削減が30円! そして、社内メモ帳を裏紙で自作したことによる文具費削減が5円! 合計【50円】じゃ!」
「長ねぎの青い部分をタダでもらってくるの、スーパーの店員さんから『ネギの妖怪』って呼ばれてますよ……。ていうか、裏紙メモ帳って会社の経費削減であって、個人の節約実績として家計簿に記録するのは違いますよね?」
家康は意に介さず、家計簿アプリに数字を打ち込んだ。
「細かいことを言うな! 会社の経費削減もわしの懐を守る防壁じゃ! 毎日の小さな積み重ねこそが複利の源泉! この50円を毎日積み立てれば、月々1,500円! これを年率5%で30年間運用できたと仮定すれば、税・手数料を除く机上計算で、将来の積立資産は約125万円に達するのじゃ!」
「はいはい、125万円、125万円」
元忠の聞き流すような相槌を背に、家康は満足げに目を細め、机の上の青汁をゴクリと飲み干した。
その時、暗闇の中から元忠のボソリとした声が響いた。
「……社長。タダでもらったネギの切れ端を齧りながら、薄暗い部屋で一人電卓叩いてる姿、人間としての器のサイズはいくら減価償却されてるんですか?」
ピクリ、と家康の電卓を叩く指が止まった。
「……器の縮小による心理的ストレスは、自律神経の乱れを通じて健康寿命の損失に直結するということか」
「いや、普通にちゃんとしたネギを買って明かりをつけてください」
カチカチカチカチッ――バチィィィィィンッッ!!
次の瞬間、社長室中のすべての蛍光灯が一斉に点灯し、昼間のような爆光が部屋を満たした!
「健康と自律神経の安定は最優先じゃああああッ!! 照度を最大化し、副交感神経を刺激するのじゃあああッ!!」
家康はそのまま電卓を引き寄せ、凄まじい勢いでキーを叩き始めた。
「よし、これでストレスによる寿命短縮リスクは排除された! さあ元忠、今から先ほどの全点灯によって発生する秒単位の電気代を、どこの固定費から削り落とすかの緊急対策会議を始めるぞッ!!」
「電気代を惜しむ基準、どう考えてもおかしいですし、残業代の方が高くつきますよォォォッ!!」
元忠の絶叫が木霊する中、家康は特注チェアの上で背筋をピシッと伸ばし、輝く光の下で誇らしげに電卓を叩き続けるのであった。




