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魔王との問答(後)

信長、家康の待つ陣所に着きました。この問答を真田一行は乗り切れるのでしょうか?

さて、着いたのはいいものの、どうすれば良いのだろう?とりあえず少し前に出ている父や横にいる兄を見ておけばいいか。そう思っていると一人の男が口を開く


「織田信長である。」


その一言で場の空気が引き締まる。父、兄と共に俺は平伏した。


「ははぁー。」


え?これずっとこのまま?動けないっていうのはかなーりキツイのですが。


「苦しゅうない。面を上げるが良い。」


そう言われ恐る恐る顔を上げ、上座の二人をよく観察してみる。


信長は中年の男性俳優みたいに見える。映えるなぁ。


隣りにいるのは恐らく家康だろう。史実だと戦国を終わらせる人間であり、真田との因縁がある男。少し太っているように見えるが優しそうな男だ。まぁタヌキとか言われる男だから人は見た目にはよらないってことで


「真田安房守昌幸、ご挨拶に参りました。」


父の一言。余計なことは言わないという約束なので黙って聞いておく。


「大義である。して安房守よ、この隣りにいる徳川三河守がな、そなたのことを有能な男と言うのだ。その力を惜しみなく使ってくれることを期待しておる。」


昌幸ってそんな評価高いんだ。初めて知ったぜこんなこと。


「はっ。この真田安房守、織田家の御為に尽くす所存です。」


「そうか。その言葉を聞いて安心したぞ。武田を滅ぼした我らを恨んでいるのではないかと思っていたのだ。」


そう言われ父は少し固まったように見えた。周りの諸将は少し笑っているようにさえ見える。


「そ、そのようなことはございませぬ。我らのような土豪は土地を守ってくださる君主にお仕えするのみでござる。」


父は自らを下げることで疑いをそらそうとしているのか


「ということは我らが土地を守らなくなれば反旗を翻すと申すか。」


これは問いだ。家に仕えるのか、それとも力に仕えるのかの。


「はい。もしそのときが来ることがあれば。」


言い切った。そして周りも少しどよめいたようだ。


「よくぞ申した。なればこれからも左近将監(滝川一益のこと)の下で東国を頼むぞ。」


「承知仕りました。」


乗り切ったということで問題ないのだろうか。なんて思ったその時


「そういえば、我らへの献上品として下駄を用意するとは面白かったぞ。」


あ、そこに触れてきますか...正直父がやっつけで決めたみたいな感じなんだよなぁ


さっきどよめいていた諸将もまた此方を田舎者と思っているかのような嘲笑をしてくる


「は、以前上様には馬を送らせていただきましたので、次はご自分の脚でお歩きになっていただこうかと。此度も御自ら歩き回られていたと聞き及んでおります。」


「ふむ、まぁ当たり障りの無い回答よな。三河守殿、そなたはどう思う。」


ここで家康に話を振るのか。信長としては特に関心もない感じなのかな?


「そうですな。私はかなり良い品を選ばれたかと思いましたぞ。正直ここまでたくさん歩くと履物も使い物にならなくなってきますからな。」


家康からは高評価なのかな?


「まぁ、それにしてもこれまで我らとしのぎを削ってきた安房守殿がお選びになる品としてはいささか思いやりがこもりすぎているような気がしますな。」


思いやりがこもっていて何が悪いのだろう。そんなに父は織田徳川に対してえげつないことをしていたのだろうか。 父が少しばつの悪そうな顔でもしていたのだろうか家康がすぐに


「あぁ。これは失礼いたした。なにもこれまでの安房守殿のことを貶しているわけではござらぬ。気を悪くされたのであれば御免被る。」


「決してそのようなことは.... それにこれは実は私の考えのみで選んだものではござらぬ。後ろに控えておる愚息たちが考えついたもので。」


おい、ここでこっちに話振ってくるのは聞いてないぞ。それに関わってすらいない兄はどうなるのよこれ。


「そうか。面白い。ならば安房守の息子とやらよ。二人とも名乗りを許す。」


信長の一言。そしてまずは兄が前に出る。


「真田安房守、長男の真田源三郎と申します。」


そういって頭を下げたがそのまま兄は動かない。何故だ...?


『お前も早く前に出て名乗り頭を下げるのだ。でなくては兄上は頭を上げられぬままだ!』


(あ、そんなしきたりがあるのね。) そう言われ自分も慌てて前に出る。


「真田安房守、次男の真田源次郎と申します。」


そういって兄の横で頭を下げる。


「お前たち若いな。お主らの父と左近将監に色々と学ぶが良い。働きによっては城介(織田信忠のこと)の供廻りにすることもやぶさかではないぞ。」


...信長って優しい人だったりするのかな?それともこれも何かの罠だったり?


「は!我ら兄弟、父と左近将監様の下で励む所存です。」


兄の一言。できるだけ俺に口を開かせないように「兄弟」という言葉を使ってくれた。ありがたい。


もうね。全然口が開く気がしないのよ。プレッシャー?ってやつがすごいわホントに。


「うむ。よく励め。安房守よ。よい息子どもを持ったな。」


「お褒めに預かり恐悦至極にございます。」


「此度は遠路ご苦労であった。下がって良い。」


「ははぁ。」


信長からのその一言で面会は終わった。











拙い文章かも知れませんが読んでいただきありがとうございます。何かありましたら感想などお待ちしています。作品制作の励みになります!

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