魔王との問答(前)
信長との面会に参加するように言われた主人公。面会場まで向かうようです。
最初は話もされていなかった俺達兄弟二人が供廻りってどうなっているんだ。
「父上、いくらなんでもそれは...」
兄上の困惑しながらの忠告はもっともすぎる
「何を言うか。お前たちも真田の男なら役にたたんかい。」
カウンターだ。それに自分で言った手前、兄はもう反対できないだろう。
「しかし、源三郎様は良いとしても、源次郎様はまだ早いのではないでしょうか。」
頼康の一言。 少し前まで寝込んでた次男坊で記憶が怪しいとか言ってる不安要素の塊だし
「問題ない、別に黙っておけばよいだろう。3人というのも織田領内を信頼して動いているという証拠にもなるし、源次郎も連れて行くのは次の世代として伝えておけばこれからも忠誠を誓うことの証明になるじゃろ」
それはそうか。信長と会えるというのは少し楽しみだし、俺はオッケーだけどさ。
「まぁ、殿がそこまでおっしゃるなら。」
家臣たちも納得したようだ。
「それでは、決まりじゃ。明日までには下駄と我らの乗る馬の用意をしておけ。源三郎、源次郎、お主たちも着替える用意をしておけ。明日すぐに発つぞ。」
「「はっ」」
そうして各自、集められた部屋から出ていき準備を始めた。
兄とともに部屋を出ると兄がおもむろに話し始めた。
「源次郎、まさかこのような話になるとは思わなかったぞ。」
「私もです。兄上。父上の思い切りの良さには驚かされました。」
「まぁ武田が滅び、勝頼様一同が自刃されたという確たる情報を得た際にもすぐさま降伏していたし、我らの父上はもともと思い切りの良い方なのかも知れぬ。」
「そうかも知れないですね。」
そう言いながら明日に備え俺達は眠りについた。
父のこの思い切りの良さが後々俺達を大きく巻き込むことになるのだがそれはまた別のお話。
翌日
「ほら、はやくしなされ。もう侍女たちが着物の用意をして源次郎様をお待ちですよ。」
まだ陽が昇りきっていない朝早くに頼康に起こされ、着替える部屋に通された。
「さ、さ。源次郎様お早く。」
侍女たちにされるがまま高そうな着物に袖を通す。他人に服を着させられるのなんて前世を遡っても何年ぶりだろうか。
そうして着物を身につけ、父と兄の待つ城門へと向かう。その途中
『おい、面会のときは私に変われ。というより乗馬の段階から変われ。お主の乗馬訓練は見ていられるものでは無かった。それに礼儀も怪しそうだ。お主が原因で我らに不都合があっては困る。』
まぁ不安なのは確かだけども。信長と話せるなんて夢みたいだから変わりたくないのもあるなぁ
(大丈夫。頼康も槍や剣に比べれば乗馬はましだと言っていたし、昨日父上が言ってたように基本黙っているからさ。)
『本当か?信じられぬ。なら、細かな所作などに粗相がありそうだったらすぐに大声で叫んでやるわ』
(頭に響くから大声はやめてくれ)
そんなことを思いながら父と兄との合流を済ませ馬に乗り面会に向かった。
織田・徳川休息陣所
「申し上げます。真田安房守殿が面会を求めております。」
伝令の報告を聞き、信長は一言
「で、あるか。」
「信長様、真田安房守は武田家中でも大きな力を持っていた男。私も三方ヶ原では痛い目に遭わされました。」
隣にいる家康が伝える。
「ならば一度会い、どのような男か見定めなければな。 危険な男なら...」
そう呟いたところで信長は隣の家康の視線に気づき
「面会を許可すると伝えよ」
「ハッ」
そう言ってこの話を終わらせた。
信長は心の中でこう呟いた。(危ない。この先を口走っては竹千代に警戒されてしまうところであった。)
真田親子 道中
馬に乗るというのもやはり楽では無い。普通に尻が痛い。
「なんじゃ源次郎。苦しそうな顔をしおって。そんなに尻が痛いか。」
笑いながら父に言われると前から馬に乗った男が駆けてきた
「真田安房守様御一行であられますか?」
後ろに旗を持っていた。どこかの家紋だろう。織田か徳川の家臣に面会を求めたと父に聞いたのでそのどちらかだろう
「いかにも、儂が真田安房守だ。」
「上様と徳川様は近くの陣所でお待ちです。さぁ、こちらへ」
そう言われ通された陣所の中には上座に座る二人の男がいた。
あれ?どっちが信長なんだろう。
長くなりそうなので2話にさせていただきます。
竹千代は家康の幼名です。一度織田家にも人質としていたことがあるので信長は家康を信頼し、二人のときは竹千代と呼んでいるという設定です。
拙い文章かも知れませんが読んでいただきありがとうございます。何かありましたら感想などお待ちしています。作品制作の励みになります!




