↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/20

魔王が来る

兄である源三郎(信幸)が青ざめるほどの大物が来るようです。兄弟はこの話を聞いてどうするのでしょうか

襖の奥から聞こえる話に、青ざめている兄と二人で耳を傾けていると、


「源三郎、源次郎。お前たち二人そろって盗み聞きか?」


背筋が凍った。


兄と顔を見合わせ、おそるおそる後ろを振り向く。そこには父上の姿があった。


「申し訳ございませぬ、父上。盗み聞きするつもりはなかったのですが」


兄の素早い謝罪。これは乗っかっておこう。


「申し訳ございませぬ」


俺が謝罪を終えると、兄はすぐに顔を上げた。


「しかし、父上。我らにもお話しくださってよかったのではございませぬか?」


「ん? 何の話じゃ?」


「信長公にご挨拶するという話です」


えっ!? 上様って、織田信長のことなのかよ!


「ううむ。隠していたわけではなかったのだがな」


父は唸ったが、兄は堂々と言い切った。


「我らも役に立ってみせます。何を隠そう、真田の男ですから!」


おお、かっこいい。


「そうか! ならば二人にも力を貸してもらうとするか」


父の一声で重臣たちが集められ、会議が始まった。


そして、俺たちの姿を見つけた頼康にも、呆れたような顔をされた。


ごめんよ。どうしても気になったんだ。


「このままでは間に合わんぞ。真田が降伏してから、まだ間もない。ここで粗相をするわけにはいかぬのだ」


父はかなり焦っている。


織田家に臣従したばかりの真田家にとって、信長公への挨拶は重要な機会なのだろう。ここで失敗すれば、今後の立場にも響きかねない。


そんなことを考えていると、兄が口を開いた。


「父上、ほかに何を決めるべきなのか、明確にしてはいかがでしょうか」


まず、決めるべきことを洗い出し、仕事を分担する。現代でもよくあるやり方だ。


しかし、父は頭を抱えた。


「贈答品と供回りの数、そして供の者たちの格好よ。何が信長公の逆鱗に触れるか、分かったものではない」


ごもっともである。


とはいえ、何も決められないままでは元も子もない。


「儂の格好は決まっておる。最も上等な着物を着ていく。それしかない。だが、それ以外が決まらぬのだ」


ならば、俺も少し提案してみよう。


「まず、贈答品ですが、このあたりの特産である馬はいかがでしょうか。もし歩いていらっしゃるなら、馬に乗って帰っていただけます。すでに馬で来られていても、替えの馬としてお使いいただけるかもしれませぬ」


どうだ? 我ながら悪くない提案だと思うのだが。


……ん?


周りの表情が硬い。


『父上は降伏の際、最も上等な馬を織田家に献上されているのだ』


あ、そういうことね。


一度贈ったものを、また贈るのは印象が悪いか。


すると、父が突然顔を上げた。


「よし、決めた。此度の贈答品は、下駄にするぞ!」


えっ?


俺だけでなく、ほかの面々も驚いた顔をしている。


「源次郎が馬を選んだ理由と同じよ。相手のことを考え、心遣いのできる者だと思わせるのだ」


なるほど。実用性と気遣いを示すわけか。


……俺の提案、少しは役に立ったのかな?


それはさておき。


「では、残る供回りの数と格好はいかがいたしましょう?」


兄が尋ねた。


少なすぎれば礼を欠く。多すぎれば、敵意や謀反を疑われるかもしれない。その塩梅を決めなければならないのだ。


「父上。もう迷っている時間もあまりございませぬ」


兄の一言に、父はしばらく考え込んだ。


そして、ついに決断を下す。


「決めたぞ。此度は儂と源三郎、源次郎の三人で参る!」


……は?


なぜそうなるんだぁぁぁ!

拙い文章かも知れませんが読んでいただきありがとうございます。何かありましたら感想などお待ちしています。作品制作の励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。