↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/19

初めての共同作業?

頼康との軍議駒をすることになった主人公、始まる直前に脳内の源次郎から声が聞こえます。

転生初日以降、大人しかった元の身体の持ち主――源次郎が、突然語りかけてきた。


今はそれどころではないのだが。


『このままでは、身体を取り戻したときに不都合がある。何もできぬ者だと思われてしまうからな。今回は協力してやる』


こいつ、算術などは役に立たないと思っているタイプか。


そんなことを考えていると、頼康に声をかけられた。


「源次郎様? 準備は整っておりますぞ。さあ、お早く」


「あ、ああ。すまない」


力を貸してくれるというならありがたい。戦略ゲームならそれなりにやってきたが、現実の戦場とは勝手が違う。


頼康に促され、盤面を眺める。


軍議駒は将棋に似ているが、歩兵や騎兵、弓兵などの部隊があり、それぞれ兵力が定められている。兵が尽きれば駒は盤面から退場し、敵の駒を取っても自軍には加えられない。


なるほど、戦場を再現したボードゲームか。


俺はまず、守りを固めることにした。


遠距離攻撃が強すぎないか、これ?


弓兵で敵を削り、歩兵で守れば損害を抑えられる。相手が攻めてくるほど、こちらが有利になるはずだ。


そう考え一手目を打とうとした瞬間、頭の中に源次郎の声が響いた。


『甘い! 歩兵で敵の陣を崩し、騎馬で蹴散らすのだ。兵站で劣るこちらが勝つには、それしかない』


兵站?


改めて盤面を見ると、敵には兵糧や補給を担う部隊が多い。こちらは明らかに少なかった。


なるほど。長期戦になれば、こちらが先に息切れするわけか。


『敵が守りを固めているなら、正面から付き合う必要はない。歩兵を前に出せ。敵を引き込むのだ』


いや、そう簡単に言われても。


歩兵を前に出せば、こちらも損害を受ける。ゲームだと分かっていても躊躇してしまう。


それでも俺は、言われたとおりに駒を進めた。


「おお……」


頼康が感心したような声を漏らす。


「此度の戦、源次郎様には目的がお分かりのようですな」


いや、俺が分かっているわけではないんだけど。


その後も、源次郎の指示は続いた。


『敵を引き込め。横から討つのだ』


『今だ。騎兵を動かせ!』


言われるたびに盤面を見直す。どの部隊を動かし、どこで敵を受け止め、どこに誘い込むのか。目の前の一手だけでなく、その先まで考えなければならないらしい。


……これを実際の戦場でやるのか。


やがて、敵の陣形が崩れたところに騎兵が突入し、勝負が決した。対局開始から二十分ほどが経っていた。


「源次郎様、お見事です。それでは、本日はこれまでといたしましょう」


ようやく終わった。


頼康が盤面を片づける横で、俺は大きく息を吐いた。


最後まで、ほとんど源次郎の策が当たっていた。俺がやったことといえば、言われたとおりに駒を動かしたくらいだ。


それにしても、こいつはすごい。


盤面を見ただけで敵の狙いを読み、兵力の差を考え、攻めるべき時を判断する。俺には、どれだけ時間をかけても同じことができるとは思えなかった。


戦場で俺は生きていけないかもしれない。


そう考えた俺は、一つの決心をした。


――まずは、こいつと話し合ってみよう。

拙い文章かも知れませんが読んでいただきありがとうございます。何かありましたら感想などお待ちしています

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。