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冬の国の物語  作者: 茅ノ森ちまき
第一部第三章 笑顔の紡ぎ方
20/22

アマレットの日記

 今日もマリーねーさまは来てくれて、また狩りに連れていってくれました。

 マリーねーさまがモルトにいた頃みたいで楽しいです。

 夜は、リンデンで初めてマンモス鍋を食べました。

 マリーねーさまがモルトから持ってきたレシピで作ってあるんだって。

 どうりでモルトと同じ味がすると思いました!

 食べたあと、みんなで踊って、その後に今これを書いているけれどもう眠いです。

 久しぶりに食べたマンモス鍋で、なんとなくモルトが懐かしくなって、いろんなことを思い出しました。

 モルトではいつも無理をしないようにと言われていて、それはわたしがまだ子供だからなんだろうと思ってました。

 だから、次の領主に決めてもらったから、ここから頑張らなきゃって思ってました。

 リンデンでは頑張ろうって。

 でもたくさん頑張ったら、みんな困った顔するんです。

 ミズナラにーさまも困ってた。

 わたし、たくさん頑張りたかったのに。

 でも、マリーねーさまと狩りしながらいろんなお話をして、ちょっとわかりました。

「頑張るなら、続けられる頑張り方をしないといけないのよ」

 と、マリーねーさまは言いました。

 弓の練習だって、指が痛くなったらやめます。

 痛くなったら弓が引けないから。

 疲れたら休まなきゃいけないし、眠くなったら寝なきゃいけない。

 そうじゃないと、次の日、頑張っても上手くいかないから。

 最近、頑張って、頑張ったのに、なぜか上手くいかなかったことの、理由がわかった気がしました。

 実は昨日は、ほんとはそのつもりじゃなかったけど、ご飯を食べたらすぐに寝てしまいました。

 狩りでたくさん動いたから、疲れて眠くて仕方なかったんです。

 朝起きたらすごくすっきりしていました。

 ちゃんと寝たら、前は考えてもわからなかったことが、わかるようになっていました。

 ミズナラにーさまとゼロにーさまが言っていたのはこういうことだったのかもしれない。

 わたしはよくわからなくて口ごたえしちゃったけど……。

 明日、ミズナラにーさまにごめんなさいをすることにして、早く寝ます。

 おやすみなさい。

 そこまで書いて、日記を閉じた。

 窓の外に、三角星が見える。

 日記を書き始める前に見た時は赤星が真上にあったのに、少し左に傾いている。

 だいぶ時間が経ってしまったようだ。

 机の上を手早く片付けて灯りを消し、ベッドに潜り込んだ。


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