領地見回り
まずは、自分がこれから治めることになる領地の見回りに行こう。
馬に乗ってみる。戦国時代の馬に乗ってみたかったんだ。乗り心地はどうだ。
馬をおりて、歩いてみる。水田が広がる。
「あっ、若殿様じゃありませんか!こんなところで若殿様に会えるなんて光栄です!」
どうやら、領民には若殿様と呼ばれているようだ。ということは、大殿様は父、賢秀ということになる。
そして、隣には俺を支えてくれる女性がいた。
この人こそ、蒲生氏郷=俺の妻、織田信長の娘で、わずか9歳で俺のところに嫁いできた、冬姫である。
その時は、俺も14歳という若さ。
いつか、俺だけの理想の領地にしたい。
冬姫「理想の領地とは?」
氏郷「戦の無い、皆が静かに、穏やかに暮らせる領地。」
冬姫「そんなところが、本当にあるなら、行ってみたいですね。」
氏郷「行かなくても、ここにだって作れる。」
信長様は、『天下布武』を掲げて、天下統一のための戦いを続けている。
天下統一ということは、他の戦国大名を全部倒して、日本国中全ての領地を織田家のものにすると、そういうことだ。
しかし、なんたって俺には、タブレットという魔法のアイテムがある。なんでこれがここにあるのかはわからないが、とにかく、何かと役には立っている。
近江、日野の6万石に始まり、三重の松阪では12万石、会津若松は最終的に92万石にまでなる、
その第一歩を歩み始める。
いかにして、領地を発展させていくかということを、常日頃から考える。
そうだ、道の駅だ。戦国時代に、道の駅を作ろう。
道の駅とは、ご存知、高速道路などで車を停めて休憩を取る場所で、最近ではいろんな土産物とか、施設とかが充実しているという。
米とか野菜とか魚とかの、地元の特産品を土産物として売り出す。もちろん収入につながる。領地を発展させるための運営資金になるわけだ。
ただ、蒲生氏郷は史実では40歳で亡くなるということになっている。
いや、たとえ史実通りに40歳で死ぬとしても、それまでの時間を精一杯生き抜いて行こう。
俺の名声のため、後世の名声のため、妻の冬姫のため、百姓たちの生活を向上させるため、領地が未来永劫、発展していくため。
しかし、時はまさに、人と人とが殺し合う、血で血を洗う、領地を奪い合い、勝った方の大名が、負けた方の大名の領地を手にする、そんな戦国の世。
領地をつけ狙うのは、敵の大名だけではなかった。
野盗という、ならず者集団の足音が、不気味に響いていた…。




