秀吉はハゲネズミ!?
俺、氏郷は、浅井、朝倉との戦いが終わった後は、のんびり過ごしていた。
一方で、秀吉の方は、ついに一国一城の、
国持ち大名になった。
今浜を領地として授かり、それを機に今浜を長浜と改め、城の名前を長浜城とした。
さらには、丹羽長秀、柴田勝家の一字を取って、羽柴という名字を名乗ると聞いた。
そして、羽柴筑前守秀吉と名乗るという。
弟の小一郎も、羽柴小一郎秀長と名乗るという。
こうなったら日野城を、より華やかな天守閣にしようか、などという妄想を描いていた。
浅井、朝倉を倒したのもつかの間、今度は越前の一向一揆と、伊勢長島の一向一揆という、新たな敵が現れた。
一向一揆は、死ぬことを恐れず、突入してくるという戦いぶりだった。
「さあ、やつらを倒すんだ。たとえ戦死したとしても、御仏のもとへ旅立てる。
我らが救われるには、あの者たちを倒すより他に無い。」
一向一揆との戦いで、多くの一向門徒の男女を斬ることになった。
「日本国中の、全ての領地を、織田家のものにするため、このような殺し合いは、どこまでも続くというのか…。」
戦には勝利したが、同時にやりきれなさも感じた。
そんな中で、秀吉の妻、おねが信長のところへ遊びに来ていた。そこには、冬姫も来ていた。
その時に、おねから冬姫が聞いた話をしよう。
おねから、その話を聞いた冬姫。その冬姫から聞いた話。
冬姫「ふふふ。おね様から、実におもしろい話を、聞きました。」
それは、信長が、おねに書いた手紙の内容だった。
「このたびは、そなたが遊びに来てくれて、楽しかったぞ。
秀吉め、そなたに不満を言うとは、とんでもないやつじゃ。
この先、どこをどう探しても、あのハゲネズミが、二度とそなたのような美しい女【おなご】には出会えぬであろうということを、わしからも秀吉によく言い聞かせておくから、そなたもいちいち不満など口にせず、旦那のために尽くすのだぞ。」
ハ、ハゲネズミ!?
浮気をよくするような、女と見れば見境なく手を出すような男は、ハゲネズミだというのか!?
これを、ユーモアがこもっていると見るか、侮辱していると見るか…。
冬姫「うふふ!あははははは!実におもしろいですな!」
秀吉に対して書かれているが、もしかしたら自分にもあてはまるところがあるのではないかと思っていた。
いやいや、俺は秀吉とは違って、冬姫一筋だぞ。冬姫に、不満など無い。
とは言ってみたものの、この先も全く不満など無い、この先もずっと冬姫一筋だと、言い切れる自信も無かった。




