どくろの盃【さかずき】
ついに、浅井、朝倉も倒して一安心、と思ったら、あのイベントが待っていた。
それが『どくろの盃【さかずき】』だった。
どくろの盃【さかずき】とは、このたびの戦で討ち取った、浅井久政、浅井長政、朝倉義景の頭蓋骨【ずがいこつ】、つまり、
髑髏【しゃれこうべ】に金箔を塗り、装飾を施して、正月の祝いの席でそれを使って酒を酌み交わす、という、小説の中では、良く書かれている話だ。
そして、ついにどくろの盃【さかずき】で、酒を酌み交わす時がやってきた。
家臣全員を呼び出し、どくろの盃【さかずき】で、酒を酌み交わすという。
「浅井久政様。」
「朝倉義景様。」
他の家臣たちが、次々と酒を酌み交わす。
そして、俺の番が来た。
「浅井長政様。」
その時、落城前の小谷城で見た、浅井長政の姿が、頭に浮かんだ。
が、俺は、ためらいなく、浅井長政の頭蓋骨【ずがいこつ】から注がれた酒を、飲み干した。
「よくも、ためらいなく、飲むことができるものだな。」
小声で、誰かがつぶやいた。
「いやいや、むしろこうして、ためらいなく飲んでやることこそが、結果的に彼らを弔うことにつながるのだから。
織田家の天下は、彼らの犠牲の上に、成り立っていくのだからな。」
俺は、心の声で、そうつぶやいた。
なお、実際に髑髏【しゃれこうべ】を使って酒を飲んだという記録は、公式記録には残っていない。
後世の創作、あるいは装飾して記述したものとされている。




