冬姫を愛したい そして自分の行く末は?
実を言うと、冬姫に関する記録は、それほど残っていないという。
織田信長の次女で、蒲生氏郷の妻である、ということは調べてみてわかったのだが、それ以上の詳細な記録というのは、それほど残っていないという。
冬姫は、1641年まで長生きしたそうだ。
つまり、徳川幕府の世になり、三代将軍家光の
時代まで長生きしたということになる。
いや、それよりも今は、自分の目の前にいる、
冬姫を愛したい。
愛し方も、これから理解していくことになることだろう。
「冬姫…、冬姫…。」
寝床で、冬姫を抱き寄せる。
「賦秀様…。」
この時はまだ、忠三郎賦秀という名だった。後に氏郷と名乗ることになる。
この先、戦に向かうたびに、冬姫に見送ってもらい、戦から無事に戻るたびに、冬姫に出迎えてもらう、そんな生活が始まる、と思った。
それと同時に、大河内城の戦いの時に、北畠家に養子に出された、信長の次男の信雄のことを気にかけていた。
信雄は、1630年まで長生きしたそうだ。
そして、自分、蒲生氏郷は、調べてみたところ、信長、秀吉の主要な戦のほとんどに参戦していることがわかった。
主要な戦に参戦し、なおかつ誰よりも早く戦場に馳せ参じ、先陣を切る。
ただ、寿命が…。1595年に40歳で死ぬことになるから…。
ここで、自分なりに考えてみた。
もうすっかりお忘れかとは思うが、自分は戦国時代に転生してきた転生者、天馬氏郷と申す者だ。
転生したら戦国時代だった、そして、転生したら自分と同じ名前の武将、蒲生氏郷だった、というのが、そもそもの物語の始まりだ。
まさに時代は、織田信長、豊臣秀吉が天下統一へと向かう時代。
そこで、蒲生氏郷に転生した者として、これから蒲生氏郷として生きていくうえで、どのような生き方をしていったらいいかを、自分なりに考えてみた。
とりあえず、1595年までは、史実通りに生きてみることにするが、ここは生きるか死ぬかという戦国の世。
信長、秀吉の主要な戦に参戦しているがゆえ、途中の戦で討ち死にするというリスクがある。
万が一、途中で討ち死にしたら、死に戻りとかになるのかな?
1595年より後のことは、どうなるのだろう。
冬姫は自分よりはるかに長生きするわけだから、
1595年に死なずに、その後も長生きして、関ヶ原の戦いとか、大坂夏の陣とかまで見届けてみる、ということも考えた。
さて、いよいよ翌年からは、金ヶ崎の退き口とか、浅井、朝倉と戦う姉川の合戦とか、延暦寺の焼き討ちとか、小谷城の攻防戦とか、山場が多くなってくる。




