祝言
蒲生鶴千代【後の蒲生氏郷】=俺と、織田信長の娘、冬姫との祝言の準備が、進められていた。
そして、祝言の当日。
俺は、白装束。冬姫は、白無垢。さすがに南蛮風のウェディングドレスなどでは無い。
俺は14歳だが、冬姫はわずか9歳で祝言を挙げるなんて、どんな気持ちなのだろうと思った。
もちろん戦国時代の話であり、現代では起こり得ない。
親同士が決めた、いわば政略結婚ではあるのだが、俺も冬姫を愛しているし、冬姫も俺のことを愛しているようだ。
そして、いよいよ祝言が始まる。
祝言の出席者
蒲生家
蒲生鶴千代【蒲生氏郷】
父 蒲生賢秀 母 おきり
蒲生家 家臣一同
織田家
冬姫
織田信長
織田家 家臣一同
家臣一同には、佐久間信盛、柴田勝家、丹羽長秀、そして木下藤吉郎【秀吉】、小一郎【秀長】も出席。
織田信長の娘を嫁にする、ということは、俺は
織田信長の娘婿になるということ。
織田信長は、義理の父ということになる。
つまり、息子も同然。やっとこのことが理解できた。
食事は、この日のために贅を尽くした、豪華な御膳料理が並んでいた。一同、舌鼓を打つ。
藤吉郎「この、蒲生という若者は、なかなか大したものだな。
のう、小一郎よ。お前もそう思うだろう。」
小一郎「領地経営に定評があるようだが、いやいや、戦の方でも、力量を発揮しておるようじゃな。」
小一郎は、一番目の妻、直を失い、二番目の妻、慶を迎えていた。
この先も戦国の世を生き抜かねばならないが、この時ばかりは、つかの間の平穏な時が訪れていた。
やがて夜も更け、祝宴も終わり、出席者たちも皆それぞれ帰路につき、俺と冬姫の二人きりになった。
氏郷「冬姫、この先もずっと、それがしを支えていってくだされ。」
冬姫「あなたさまを生涯、支えてまいります。」
今夜は、もう寝よう。




