第25話 心理戦
カリンは契約書を破ったが、マネーの変化はなかった。
期待したんだけどな。確定したことは、破いても契約無効としてならないのか。
紙が重要ではなく、認めた事実で了承になったようだ。
「それより、魔王を倒そうではないか。魔王が死ねば元の世界に帰れることが判明したぞ」
それよりってなんだ。
お金の件はもうこれで終わりか?
話題を変えてきた。
ギュウドンは魔王を倒せば帰れることを知っていたのか。
1周目では、城の書斎でスタンファイブから聞いた情報だな。
ギュウドンは書斎から情報を知ったのかもしれないな。
魔王か。今回も転移者の中にいると想定したら、エスティーヌ、ギュウドン、カリンの誰が魔王だ?
今回も魔王の見抜く方法はわからないので、推理ではなく勘になるかもな。
お金は諦めたから、誰が魔王でもいいから元の世界に帰りたいな。
「攻撃系ギフトなのは、私の風とドーダロさんのスナイパーです。探偵とエスケープでは、こちらが有利だと思いませんか?」
エスティーヌの発言で空気が変わった。
エスティーヌは、僕と協力関係になってるとも発言する。
ギュウドンは【探偵】でカリンは【エスケープ】。
気づかなかったが、こっちが有利だったのか。
エスティーヌも大胆な発言をしたな。
ギュウドンもエスティーヌの発言には、考え込んでいる。
「なるほど、それは不利だ。では、俺のお金を全財産あげるからエスティーヌとドーダロの仲間に入れてくれないか?まずはカリンを殺そう」
ギュウドンは意外な発言をした。
お金をやるから仲間に入れてだって?
お金は欲しいが、カリンから殺そうとするとは。
騙した本人が、突然全財産あげるは気味が悪い。
カリンが魔王なら撃ってもいいが、ギュウドンを仲間にはしたくない。
「は!?何言ってるの!アタシは魔王じゃないから。撃たないでよ!」
カリンは否定した。僕に銃を向けられないかビクビクしている。
これが演技だったら怖ろしいが、本当に怖がってるように見えた。
「ドーダロさん、どうします?」
エスティーヌは僕に相談する。
正直、カリンを撃っても話の流れ的にも良さそうとは思った。
異世界に帰れるなら2人とも撃つという考えもある。
僕はカリンを殺したいわけではないが、魔王を見つけて倒すしかないという状況だ。
エスティーヌにどちらが魔王っぽいか聞いた。
「そうですね。カリンは怯えていますが、ギュウドンの余裕な態度が魔王な気がします」
なるほど、じゃあギュウドンを撃つか。
カリンはかわいそうと思えるが、ギュウドンにはムカついてる。
詐欺行為をしているし、殺されても仕方ない人間だろう。
すぐには撃たずに、銃で脅してみるか。
僕は【スナイパー】で銃を取り出して、ギュウドンに照準を合わせた。
「俺を敵だと選択するか。なら仕方ない、俺が魔王だ!」
ギュウドンは魔王に変身した。魔王はギュウドンだったのか。
魔王だとわかってたわけではないが、自白してくれた。
1周目の魔王はミミサイコーだったので、魔王は周回ごとに変わるということがわかった。
なんか人狼ゲームに似ているな。
ミミサイコーが魔王だったときと同じで、大きさは変わってなくドラゴンみたいな見た目だ。
羽根がなくので飛べないので、やっぱりドラゴンというよりはトカゲかもしれない。
喋れて人格もそのままなので、1周目の魔王とそれほど変化してないな。
僕は魔王に向けて一発撃ったが、魔王は倒れない。
ダメージを与えたのか、不明だった。
銃の一撃で倒せないとは、厳しい戦いになりそうだ。
1周目はバリア付与が僕達にあったが、今回ないのでめっちゃ怖い。
逃げたい。
【転移者状況】
【男性】
ドーダロ 生存
(エスケープ→スナイパー)
キュウタ 倒された
(スナイパー→トラップ)
スタンファイブ 倒された
(二刀流→催眠)
ギュウドン 生存
(トラップ→探偵)
ソポス 倒された
(1周目不在→探偵)
【女性】
カリン 生存
(催眠→エスケープ)
エスティーヌ 生存
(バリア→風)
ミミサイコー 倒された
(風→二刀流)
アイウエオ 倒された
(探偵→バリア)
残り4人
転波乱(てんはらん/Tenharan)とタイトル略してます。
周回ありサスペンスありの異世界デスゲーム作品です。完結まで構成を用意してから投稿を開始しました!
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※本作は「カクヨム」にも掲載しています。




