第24話 サイン
禍々しい城下町を2人は進む。
1周目と同じく明るい城下町のはずが、暗い雰囲気になっている。
城は魔王に乗っ取られて、兵士はみんなやられたという話も同じか。
この異世界の城は呪われているな。
「ギュウドンかカリン。私にはどちらもギフトがそうなのか、疑ってます」
エスティーヌは転移者のギフトが違うのではないかと、疑っているということか。
ギュウドンは【探偵】だったな。
ソポスと同じで2人も探偵が存在している。
僕が知っているところで、探偵能力が使われた場面は、カリンとスタンファイブのギフトを言い当てたところだ。
ギュウドンが何らかの方法で、2人のギフトを知っていたとしたら、【探偵】というのも嘘かもしれない。
カリンは【エスケープ】だ。
山道は危険な魔物の巣になっているが、ギフトがなくても運よく生きて脱出できた可能性もある。
どちらかが魔王で、特別だったらギフトとか関係ない話にもなる。
魔王なら探偵くらいの知識あるかもしれないし、強さで強引に山道を突破できる。
結局はわからないな。
考えてもわからないことなので、僕はとりあえず否定して考えるのをやめた。
「ギュウドンには契約書のお金の件ありますが……。あ、魔王城に着きましたね」
契約書の話題になりかけたところで、城に着いてしまった。
お金の件ということは、やはり契約書には怪しいところあったのかな。
エスティーヌも城を魔王城として見ているようだ。
禍々しい雰囲気になったときは、呼び方は魔王城でいいか。
「転移者以外お断り」
1周目と同じで城の入口には立て札がある。
毎回用意される謎の誘いだ。罠っぽい。
ギュウドンかカリンが城の中にいるのか?
エスティーヌのギフトは【風】だ。
1周目は【バリア】で無敵だったが、今回は風魔法か。不安だ。
2人で魔王倒せるのか?
エスティーヌを信用していいんだよな?
2人は城の中に入る。静かだ。
エントランスから謁見の間まで見える。
扉が開いていて、誰かいるな。
「怖いけど、行きましょう」
エスティーヌは怯えている。前に行く勇気は凄いな。
僕は逃げたいよ。
誰か確かめるためにも、謁見の間に入るか。
謁見の間には、ギュウドンとカリンがいた。
転移者残りの4人集結か。
この集まりは、偶然なのか仕組まれてたのかはわからない。
最終決戦の予感がする。
謁見の間は転移最初の王様が殺害される場所だ。
王様が殺されたシーンを思い出すから、来たくない場所なんだが。
「来たか。待っていたぞ」
ギュウドンは【探偵】で僕らの位置情報わかっていたんだった。
来る様子がなかったら、メッセージ送るつもりだったということらしい。
ギュウドンには色々と聞きたいことがある。
契約書のことだ。僕を騙してお金を奪ったのかどうか。
「4人集まったのね。ギュウドン、この詐欺の契約書はなに?お金返しなさいよ」
カリンがギュウドンに問い詰める。
カリンは僕達がサインした契約書を持っている。
僕らが来る前に、ギュウドンから取って問い詰めていたのか。
カリンは僕にも契約書の紙を、あらためて見せてもらった。
「1人6000万の山分けだが、サインした人の総資産は
1週間後、全てギュウドンのマネーとなる」
な、何だこれ!?
端っこに小さく書いてある。
1週間後ってのはよくわからないが、全てギュウドンのマネーって何だよ!
こんな詐欺を、ステータス画面はお金の移動を了承したということか?
無効だろ、こんなの。
「サインしたろ、俺の金だ。この異世界を生き抜くちょっとしたテクニックだ」
ギュウドンは認めて堂々としている。
返す気もないとは、ムカつく。
テクニックとか言って、この詐欺初めてじゃないな?
異世界の人からも盗んで生きてたのか。サイテーだな。
1周目でアイウエオと教会を、村の人に建設からさせてたがお金が必要だったはず。
材料費など詐欺で盗んでたな。
ステータス画面のマネーは変わらないし、サインしてるから取り返すの無理なのかも。
契約書の1週間後というのは、山道までの協力関係を想定してだという。
山道までは確実に仲間関係でないと脱出に困るから、余裕をもった日数にしたということだ。
その先まで考えていた契約書で、余計腹立つな。
ギュウドンを魔王ということにして撃ちたい気分だ。
【転移者状況】
【男性】
ドーダロ 生存
(エスケープ→スナイパー)
キュウタ 倒された
(スナイパー→トラップ)
スタンファイブ 倒された
(二刀流→催眠)
ギュウドン 生存
(トラップ→探偵)
ソポス 倒された
(1周目不在→探偵)
【女性】
カリン 生存
(催眠→エスケープ)
エスティーヌ 生存
(バリア→風)
ミミサイコー 倒された
(風→二刀流)
アイウエオ 倒された
(探偵→バリア)
残り4人
転波乱(てんはらん/Tenharan)とタイトル略してます。
周回ありサスペンスありの異世界デスゲーム作品です。完結まで構成を用意してから投稿を開始しました!
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※本作は「カクヨム」にも掲載しています。




