東方エネルギー
東方エネルギー。
現在では。
世界有数の。
資源開発企業となっている。
だが。
最初から。
大企業だったわけではない。
東方エネルギーが。
設立されたのは。
地方だった。
創業者は。
二十一名。
いずれも。
地方の鑿井企業で。
働いていた若者たちだった。
彼らは。
独立した。
二十一人で。
一つの会社を立ち上げた。
それが。
後の。
東方エネルギーだった。
創業当時。
資源開発は。
事業の中心ではなかった。
主な仕事は。
掘削だった。
マンションの建設。
工場。
道路。
地下設備。
建物を支えるための穴。
地盤を調べるための穴。
地下に設備を通すための穴。
必要とされる場所で。
ひたすら。
地面を掘った。
大きな会社ではない。
しかし。
東方エネルギーには。
一つの強みがあった。
掘ること。
それだけに。
長い時間をかけて。
技術を蓄積した。
利益は。
急激な事業拡大には使わなかった。
掘削設備。
技術開発。
人材。
そして。
次の事業への投資。
少しずつ。
会社の資本を増やしていった。
やがて。
地方の小さな鑿井企業は。
資源開発へ。
目を向けるようになった。
地下にあるものを。
掘り出す。
その技術を。
より大きな分野へ。
広げていった。
陸上の資源開発。
そして。
海底資源。
海底には。
大量の資源が眠っている。
しかし。
採掘には。
大きなコストがかかる。
深い海。
高い水圧。
特殊な設備。
そして。
長距離の輸送。
簡単に。
利益を出せる分野ではなかった。
そこで。
東方エネルギーは。
独自の掘削技術を。
開発した。
従来方式と比べ。
採掘効率を。
二割向上させた。
同じ設備。
同じ時間でも。
より多くの資源を。
採掘できる。
この技術によって。
東方エネルギーは。
海底資源開発で。
急速に存在感を増していった。
そして。
海外へ進出する。
地中海の一角にある。
資源国。
その海底には。
大量の資源が存在していた。
当時。
その国は。
現在の新政府ではなかった。
旧政権の下で。
資源開発が進められていた。
東方エネルギーは。
その開発事業に参加した。
海上プラットフォームを。
建設する。
新しい掘削技術を。
投入した。
そして。
資源が。
実際に採掘され始めた。
東方エネルギーにとって。
大きな海外事業だった。
しかし。
順調だった事業に。
突然。
異変が起きた。
クーデター。
政権が。
揺らいだ。
国内の混乱によって。
主要施設が。
次々と封鎖された。
東方エネルギーの。
海上プラットフォームも。
例外ではなかった。
操業停止。
施設へのアクセスも。
できなくなった。
巨額の投資を。
回収できなくなった。
海外事業は。
大きな損失となった。
東方エネルギーの経営も。
急速に悪化した。
資源は。
海底にある。
技術も。
失われていない。
だが。
掘ることができない。
それだけで。
企業にとっては。
致命的だった。
東方エネルギーは。
創業以来。
最大の危機を迎えた。
それでも。
会社そのものが。
消えたわけではなかった。
技術は残った。
資本も。
すべてを失ったわけではない。
そして。
何より。
海底には。
まだ。
大量の資源が眠っていた。
東方エネルギーの歴史は。
ここで。
一度。
大きく途切れることになる。
だが。
この後。
世界のエネルギー事情そのものを。
変える企業になるとは。
まだ。
誰も知らなかった。




