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『東の魔王、西の勇者 ~普通のおっさんと少年ゲリラが世界を二分するまで~  作者: サラ男


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選ばれる者

 戦争が終わって。


 数年が経った。


 新政府は。


 国の形を。


 決めようとしていた。


 議会。


 行政。


 司法。


 そして。


 国の代表。


 議論の末。


 大統領制を採用することが。


 決まった。


 ただ。


 問題が一つあった。


 まだ。


 選挙制度が。


 整っていない。


 戦争で。


 多くの行政機関が失われた。


 国民全体による選挙を。


 すぐに行うのは。


 難しかった。


 そこで。


 最初の大統領だけは。


 新政府の主要幹部が。


 候補を指名する。


 そして。


 二名による。


 決選投票を行う。


 それが。


 決まった。


 会議には。


 軍の幹部も。


 行政の責任者も。


 各地域の代表もいた。


 そして。


 BAも。


 その中にいた。


 21歳。


 革命の初期から。


 戦場に立ち。


 地域を任され。


 戦後は。


 国軍の再編にも関わった。


 若い。


 だが。


 この国の変化を。


 最前線で見てきた。


 そんなBAにも。


 投票権が与えられていた。


 そして。


 二人の候補が。


 決まった。


 一人は。


 歴戦の将軍。


 革命の最初から。


 戦い続けた男。


 兵士からの信頼は。


 圧倒的だった。


「この国を。


 守れるのは軍だ」


 将軍は。


 そう考えていた。


 外国にも。


 慎重だった。


「国を開きすぎれば。


 また利用される」


 革命で手に入れたものを。


 守る。


 それが。


 将軍の考えだった。


 もう一人は。


 若い政治家。


 戦後の行政と経済で。


 頭角を現した人物だった。


「この国は。


 外へ出るべきです」


 外国との外交。


 貿易。


 技術。


 企業。


 必要なら。


 外国資本も受け入れる。


「戦争に勝っただけでは。


 国は豊かになりません」


 開かれた国を作る。


 それが。


 若手候補の考えだった。


 BAは。


 若手候補を支持した。


「将軍の考えも。


 分かる」


 BAは。


 そう言った。


「でも。


 この国は。


 もう戦争だけを見てちゃいけない」


 そして。


 投票の日が来た。


 幹部たちが。


 一人ずつ。


 投票していく。


「将軍」


「将軍」


「将軍」


 票は。


 次々と。


 将軍側へ入っていった。


 革命軍時代からの古参。


 軍の幹部。


 地方の有力者。


 多くが。


 将軍を支持している。


 若手候補側は。


 少数だった。


 BAは。


 黙って票を見ていた。


「……厳しいな」


 隣の幹部が。


 呟く。


「ああ」


 BAは。


 短く答えた。


 それでも。


 考えは変わらない。


 やがて。


 一回目の投票が終わった。


 しかし。


 過半数には。


 届かなかった。


 規定に従い。


 残った二人による。


 決選投票へ進む。


 会場が。


 静まり返る。


 歴戦の将軍。


 若い政治家。


 二つの名前だけが。


 投票用紙に残った。


 BAは。


 ペンを握る。


 そして。


 投票が始まった

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