新しい軍
BAが地方行政を任せられるようになってから。
三年が過ぎた。
政府軍は。
ほとんど残っていなかった。
革命軍は。
主要都市を掌握し。
国境にも。
部隊を配置していた。
そして。
国の形も。
少しずつ変わっていた。
「革命軍」という名前を。
正式に廃止する。
新しい軍を。
作ることになった。
名称は。
国軍。
革命軍の部隊。
旧政府軍から編入された兵士。
それぞれを。
一つの指揮系統にまとめる。
陸軍。
国境警備。
治安部隊。
輸送部隊。
工兵部隊。
役割も。
改めて決められた。
そして。
発足の日。
街の広場には。
大勢の兵士が。
整列していた。
革命軍の制服。
旧政府軍の制服。
まだ。
混ざっている。
兵士たちは。
互いを見ていた。
誰も。
笑っていなかった。
少し前まで。
銃を向け合っていた相手が。
同じ列に立っている。
それだけで。
空気が重かった。
壇上には。
革命軍の幹部。
旧政府軍から編入された将校。
そして。
新政府の代表が並んでいる。
発足宣言を前に。
一人の将校が。
小さく呟いた。
「本当に。
これで一つになるのか?」
隣の兵士は。
答えなかった。
やがて。
新しい国旗が掲げられる。
広場が。
静まり返った。
「本日をもって。
革命軍を解散する」
声が響く。
誰も。
動かない。
「そして。
新たに国軍を発足する」
その瞬間。
革命軍の旗が。
ゆっくりと下ろされた。
代わりに。
新しい旗が。
風に揺れる。
拍手は。
すぐには起きなかった。
しばらくして。
一人の兵士が。
手を叩いた。
もう一人。
また一人。
やがて。
広場全体に。
拍手が広がった。
それでも。
緊張は消えなかった。
新しい軍服を着た兵士たちが。
互いの横に立つ。
今日から。
同じ国軍だ。
だが。
過去まで。
消えたわけではない。
その列の中に。
BAもいた。
21歳。
三年前まで。
銃を握っていた青年。
今は。
新しい国の軍人として。
立っている。
BAは。
前を見ていた。
革命は。
終わった。
戦争も。
終わりに近づいている。
これからは。
この国を。
どう守るか。
その仕事が。
始まる。
BAは。
新しい国旗を見上げた。
「……これからだな」
誰にも聞こえない声で。
そう呟いた。




