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無法者の詩  作者: 唯の屍
35/37

第三十四話「欺瞞の代償」

※イメージソング

seiza「恋文学(Lovenomy)」Official Music Video(テレ東系ドラマ『るなしい』エンディングテーマ) https://youtu.be/VHC-0G7dwj4?si=D_T7ZO7iUNf5572K @YouTubeより


PEOPLE 1 “魔法の歌” (Official Video) https://youtu.be/7EiQnMK0-R4?si=GMzPLPDhMna16qvE @YouTubeより


『少年とガンダム|機動戦士ガンダム50周年 -Road to 50- プロローグムービー』 https://youtu.be/-Dm-7u930DI?si=426Kngm5ze6vA12C @YouTubeより

其は、世界を支える七つの柱、その一角で、絶えずその光を称えて、


荒野に咲く華、夢見し、蒼空を仰ぎ見る。


掲げる星の陽光は、今でも誰かを見守る様に、大地へと豊かなる恵を享受する。


それに異を唱えし、モノの声、放つ輩は、マレディクト...


且つての戦場に置ける保護対象。


されど、この場に在っては、斃すべき相手と成り果てる。


その不条理に晒されながらも、我らが遠き夜空の仕事人は、依頼人である


マレディクトの少女の声に耳を傾ける。


死ぬ前にお空をもう一度見てみたいのと、その望みを叶えるべく、馳せ参じるは、


核の火が再び大地を穢す時、青年は...且つて耳にした御伽噺を思い出す。


私は、遠き夜空の仕事人、


家族は、いつの頃から、祖父の話題を出さなくなった。


でも、僕は知ってるのは父が、こっそり残していた。ボイスメモを…


そこで語られた物語は、私の指針になった。


必ずこの悪名を晴らしてみせる。私の一族の手は血に等、塗れてはいない。


子に自らの因果を、恩讐を継がせる事を良しとしなかった祖父が、


無惨にも人を殺す訳がない。その理由は未だ分らない。


でも、きっと私が、この手を血に染める事のない事を証明して見せる。


だから今日も今日とて、戦場を活歩するよ。


アゼリエール


新曲は聞いてくれたかい?


かつて、おじいちゃんと父さんが導き出した。予知が外れる予知は、回避する事は可能なのだろうか?


此れから奏しは終末の夜空が、導き出す答えと問う。僕なりの答えだと、


胸を張って言えるその時まで、然様なら。


蒼空を緋色に染める光景が、其の目に焼き付く瞬間...着弾迄...3、2、1...漢は、引鉄を引き、詩を吟じる。


...


...


...


それは、クピドレスとカルぺ・ディエムのそれぞれの駐留軍の戦力のほぼすべてが瓦解し、争いの種が尽きたクニャラ・ウル《寒気の都市》での一幕


争いの火種は、燻りながらも、争う術を失い。


遅れて戦場へと達した《ロシナンテ》...。第九世代を超えて第十世代へと足を踏みだし建造された最新式の艦船。且つて祖父と父が乗り回していた。


輸送船に代々名づけられていたその名を冠し、何代目かの拝命を告げられしは、ノロマを意味するあべこべが名を体を表す


船体の各部に《リペアマトン》(Repairmaton)のペイロードと半自動操縦の機能を確保、更には、機械化された迎撃用の《falcis(ファルキス)》と


圏域防御船と防壁掃海賦船の機能を合わせ持ち、単独での大気圏突入と離脱を可能とさせる。


見た目上は、唯の大型輸送船にも見えるその鈍重そうな見た目とは、かけ離れた軌道と防御機能を有する遠き夜空の仕事人のホーム足る母艦が、


先行する終夜(とうや)=ナイトワーカーたちに遅れる事、数時間。


戦闘行為が終わった空域への侵入を開始し、隊を預かる。四機の機体とエンゲージ...


「隊長、また派手にやったみたいだね~。機体を整備するこっちの身にもなってよ~。先生に怒られちゃうよ><」


眠気まなこで、とぼけた台詞を述べるルイズ=ミー=キャットは、だぼだぼのオーバーオールを素肌に着込み、実に煽情的なその背を晒て、


手に持った工具片手に油まみれの手を動かし続ける。


「ミー、その格好は、情操教育上良くないよ。」


「だって、整備に一日中掛かりきってたら、汚れて服の洗濯が面倒じゃん。どうせ、僕のベイブを粗っぽく使ったんでしょ?文句言わないでよ。」


(*´Д`)はぁ~本人が好きこのんで、着てるなら良いか?


「フーの奴はどうしてる。難民への救援物資の準備は出来てるのか?」


「へぃへぃ、アイアイキャプテン、準備はできてるけど、これ必要経費が、今回の依頼料を大幅に超えてるんだが?いつまでそんな慈善事業するんだ?」


「スポンサーが居ないと火の車だよ?」


「しかし、こんな高純度の赫剤なんてどこから手に入れてるんだ?今どき混ぜ物の多い粗悪品でも手に入れるのに難があるのにさぁ。」


「キャプテン、少数精鋭の僕らは、事を収める事は出来ても、その後の治安維持には、現地の協力が不可欠だ。」


「嗚呼、分かっては居るよ。唯、何事にも優先事項がある。市民の安全が第一優先だ。それ以外は二の次にさせて貰う。」


「援助物資の配分は、いつも通り《リペアマトン》(Repairmaton)を使って、配分を」


「ミー、こいつと、ノクテムの整備を頼む。」


「隊長、また新しいあだ名つけたんだってー?そんなに異名が多くちゃ覚えてられないよ。」


「こいつはThird wheelサード・ウィール《お邪魔虫》で、暫くの間は固定するよ。外部提携中のスカーレットヒップの状況はどうだい?」


「んーあの人たちは、何故か僕に、誰が一番高い声で啼けるかの尻を叩く映像を送り付けてくるんだけど?あれどういう意味があるの?」


「それはね。凄いぞ、重要そうなメッセージが隠れている様でいて、実はなんの意味も無いよ。昔からの女性を口説くときの因習なんだって、気を付けて置かないとどこかへ連れて行かれちゃうぞ?」


「僕は男尻よりも、プリンの方が好きなんだけどなぁ。なんで需要があるのかよ―分らん。僕達らからの引継ぎを待ってるよ。此処でも合流するんだろ?」


「じゃぁ、いつも通りの手はずで、ギベオンへの搬送を忘れるな。無力化したとは言え、危険はある。気を付けろ。」


「アイアイ、キャプテン」


「合流地点は...」


...


...



...



蒼空を逝く、四機編隊の遠き夜空の仕事人の面々は空に、飛行機雲を残して、鈍色のキャンパスに、思い思いに筆を走らせ、


部隊を二手に分ける


ハンザス=フライハイとユウ=スクリームは、減速から滑空と、音を立てずに低速機動による。クニャラ・ウル《寒気の都市》の開けた空き地へと、着地。


いつか見た。少年の姿を探し...


虹彩認識システムを起動。目標の姿を画像検索と思考制御を合わせた、認識チェックによりその姿を洗い出し、翻訳機能を使用しての呼びかけを描ける。


対する終夜(とうや)=ナイトワーカーとアルトバース=ミカンガムは、酷く苦虫を嚙み潰した様な不快感を押し隠しながら、交渉のテーブルに着くカルぺ・ディエムの駐留軍を統率するアルグベルト=アーヒマンとの対面を果たし、にこやかな微笑みを浮かべて、早速の美味しいお菓子と紅茶を用意してのティーパーティーの準備を試みる。


先んじて、到着し、大量の《リペアマトン》(Repairmaton)を使用しての人員整理と、捕虜の確保と輸送を試みる《ロシナンテ》を指揮するは、


隊を預かる終夜(とうや)=ナイトワーカーから管理を委譲されたフー=ワズーヒー。


中年から壮年に差し掛かった。灰色の酷く赤みがかった強烈な漢臭さを振りまく、揉み上げの猛威を魅せる男の姿が其処に在った。


自動人形の群れが戦場跡を闊歩し、手足を失い、放り出されて途方に暮れる、クピドレスの姿を収容と、残存する機体の残骸の回収を試みる


「おまえらー残すなよー。生体部品にされた人が居るからなぁ食い扶持が必要な対象が増える糞めんどい作業だが、我らの隊長のオーダーだ。仕方ない。」


死肉に群がる。掃除屋の如く次々と己の仕事を完遂する。群れを見送りながら、懐に手を入れるとスキットルを取り出し、


一口含む、


「あーフー氏、業務中にお酒飲んでるッ!メッだよ」ルイズ=ミー=キャットは、ガムをひと噛みしながら抗議の声をあげる。


「人聞きの悪い事は止めて貰おうか、フーが飲むのは...。冷却スキットルで冷たいミルクを一杯やるのさッママッー!!!!!」


「フー氏が壊れたッ!!!!まぁ何時もの事か?」


フルーチン=シルマーレは、横に並び立ち、何故か、混乱のどさくさに紛れて下半身が顕わになって居る上官を軽蔑の目で眺めながら、謎の停戦を提案する。


百合に挟まる漢の姿を確認し、申し訳程度に、手に持つタブレットで、そのビッツを覆い隠す。


「上官が失礼した。時に何用であるか?」


「いや、さっき言った通り、私たちは、遠き夜空の仕事人だ。戦場で一度くらい聞いた事あるだろ?まぁ、知られているからとして、傲慢に相手が認識していると胡坐をかいて


自己紹介を怠るのは悪手だ。昔からの知り合いなら露知らず。」


「我が隊のモットーと方針は、唯一つ、公平を唄いバランスを取りながら、あらゆる喧嘩の仲裁をする。ただそれだけだ。」


ん?


「喧嘩と言うのか、これは戦争なんだが?」


「拡大すれば戦争も、国と国との喧嘩だ。ならば、仲裁人が仲裁するのが筋だろ?俺達はそう言う存在だし、其れ以上でもそれ以下の事をしていない。」


「喧嘩なんて大抵上手い飯でも食って、満足すれば勝手に終わるさ。」


「いやッだからその飯の種が...」


「だから、それを供給するスキームを作った。自然とお互いに利益がある様にな。一番欲している。」


「何を言っているんだ?ここは軌道エレベーターの存在している坂東、キリマンジャロ、オデッサ、北アメリカ、チベット、サハラ、南米の供給網から外れている。しかも、どうにもならん不毛の地だ」


「碌な作物は育たず。既に生存可能な人民の数は飽和しきっている。」


「それは解ってはいる。だから君たちにはこいつ植樹して貰う。」


赤黒く黒曜石の様な光沢を持ったそう言って差し出されたその不思議な枝葉は、漢が、大地へと同じく取り出された植物の苗と共に、大地に根差す様に、添え木すると、


忽ち癒着が起こり、一本の苗木とみるみる内に大人の身長の高さまで伸びるとその成長を止め...。赤々した実を付ける。


その光景を見守っていたフルチンの高官は、一体これはなんなのだ。と問いかけるが


いや、これは一体何なのだと言いたいのは私の方だと、その揺れる竿を指さし、そっと視界から隠す。竿は風に揺られて揺れ、視界の端で、その形を辿らせず。


ただ揺れている。


「早い話が、これは品種改良された。新種の植物で、特定の苗に添え木する事で、実を付け、更にその枝葉、燃料にもなる。こいつを使えば問題は解決するよ。」


「枝葉が育つまでの間は、支援物資を置いて置くので喧嘩しないで分配してね。禁止事項があるから...」


「ちょっと待ってくれなんだそれは?」「君たちに何の理がある?何が目的だ?」


「いいや待たないね。僕らは次の場所に向かわねばならないんだ。支援物資の取り扱いは、私服を肥やされても困る。」


「入れ替わりで到着する。スカーレットヒップの面々が、支援物資の分配を管理する。喧嘩しないでよね。」


...


...


...



「ハンザス氏、うちらこんなことしてても良いんですか?」


「ユウ...これは隊長立っての御希望なんだよ。本当はこっちに来たがっていたけど、駐留軍に呼び掛けたのが隊長だから、交渉には自分が居ないと進まないからなぁ。」


「拙者が代わりに遣るでござる。」


「それは良いんですけど?なんで、尻がこんにちわしてるの???」


「なぁにこれは我が家に伝わる正装なのだよ。父も祖父もみんなこれを着てる。正式な手順を踏むと全裸なのだが、これは、友人の危機にのみ許された行為と我が家の家訓で示されてる。」


「トリナーツァティイ・ズヴェーリたそ、でしたかな?お腹すかせてるみたいだし、今ある素材で簡単な料理でも作るべし、鉄板と適当な端材をつかっていっちょ窯を作ってみよう」


警戒しながらこちらを見上げる少年に、ハンザスは、手に残されていた、拳銃を機体から迫り出したコックピットの床に置くと、煽情的な男尻を魅せ、無抵抗の態度を示し、


突如現れた半裸の男に対して...。


武器は持ってないみたいだ...あッあれはさっき助けてもらった。おじさんだッ?でもなんで半裸なの???と疑問がをであるが、


さぁ、ご飯にしようか?と掛け声とともに、後方宙返り、天高く昇るその姿に、一抹の不安を覚えながらも着地する半裸のおじさんが、よっこらショットっと手早く料理の準備に取り掛かる。


その間アイスを頬張るユウ=スクリームと少年は、


「ねぇ、お姉ぇさんあれなに?」


「ん?子供にはまだ早いよ。アイスでも食べながら待ってようね。お姉ぇさんは食べる専門家だから、料理は分らんのよ。」


組み上がった炉に、着火剤となる糸屑と紙の切片を添えて、マッチを男尻で擦ると、シュッと赤みがかった男尻を介して火が灯る


それを消えない様にゆっくり灯をともし、窯に接地した鉄板に火が入る。


まずは、コックピット内の冷蔵庫から豚肉を取り出すと、軽く焼き、


保存されているミネラルウォーターの容器で、陽気に男尻を振りながらニラを水洗いし、根元を調理鋏で切ると


小麦粉と片栗粉(三分の一)を適当にボールに入れる。ちょっと小麦粉が多くし、水を入れて練り

食べやすい大きさにニラを刻んで入れる。しゃばしゃばになるまで水ぽくなるまで水を入れ


熱した鉄板に、薄く広げて焼く。成形しながら形が整えば、焼いた肉を上に乗せる


載せたら残った溶液を上からかけて火はあまり強くなく焼き


焼き目がついたらひっくり返して押しながら焼く


チヂミと呼ばれる、異国の料理


パリパリに焼かれた肉に、かぶりつくと、一心不乱に食いつきその粗野な料理に舌鼓を打つ。



「なんにせよ。お腹が満腹になったら、喧嘩する気も起きないでしょ。」


「変態さん。貴方達の目的は?一体?」



・・・


・・・


・・・


それは...


「望む人全ての願いを聞き取り戦争根絶と争いの火種を消して廻るただの...おせっかいな仕事人だ。」


「それ以上でもそれ以下でもない。」


さぁ、この戦場に置いての、当面の問題は解決した。問題となる治安維持に関しては外注のスカーレットヒップが請け負ってくれる。


正しく資材が分配され悪用されなければ、問題は起きない筈。念の為に、簡易ゲートの設置を済ませて次の部隊へと向かうべく


僕らは歩を進める。



・・・


・・・


・・・


次の舞台は、後詰めの二番隊と《ロシナンテ》の合流を果たすべく、進む進路は...



世界を支える七つの御柱がある。坂東、キリマンジャロ、オデッサ、北アメリカ、チベット、サハラ、南米の内


難民の受け入れを行って居ない、島国である坂東を除外し、難民が集中しやすい順に、黒海沿岸のオデッサに、サハラと北アメリカの順に数えられる。


筆頭の一つ...オデッサへの進路を取る。


「ん、で?なんでその子ここにおるん?」ユウ=スクリームが、アイスを片手に、ハンザス=フライハイに語りかける


「トリナーツァティイ・ズヴェーリたそだっけ?ねぇなんで?」


「難民申請したいから、家族毎、途中までの同道をご希望でござるよ。」


「ん?でもそれならゲート使って衛星軌道上のギベオン経由で、地球に降ろした方が良いのでは?実際、現地での生活を希望してない人たちは、そうしてるし、うちらと一緒に居る方が危険でしょ。隊長。」


「まぁなんだ、本人の立っての希望だしな、このままで問題ないだろ。」


(トリナーツァティイ・ズヴェーリたその家族の名前誰一人、ファミリーネームどころか?話す言葉や皮膚の色や容姿に関しての類似が一致してないけど、今どき珍しくもない。養子の可能性もある...)


「まぁ、隊長が良いなら良いかなぁー、其れより青葉姉ぇとの合流ポイントは決まってるの?」


「叔父さん達と一緒に黒海洋上で、合流予定だよ。ユウ、アイスは程ほどにね、補給がいつまで続くか分らないんだから?いざという時に亡くなっても、知らないよ。」


「で、隊長。次の依頼人は誰なんだい?」


「ミミ=佐伯、6歳...成長が楽しみな見目麗しき少女だね。」


「隊長、前回は、老衰間近の老人と、ハルト=アルマイン...さん...33歳。うーん丁度、私の守備範囲内ですね!!!彫りの深いイケメソだった。隊長連作先交換を所望ッ!!!!」


「一度依頼を受けた対象者の個人情報は護られている。それはおじさんを狙う君に対してもだぞ?ユウ!!!」


「まぁ、いつもながら、お金にはならなそうだなぁ」


「フーそういう事は言わないの!で、詳しい依頼内容は?難民申請の手伝いか?」


「違うよ。未だ戦乱の爪痕深き、《ストラーナ》が行っているオデッサの不法占拠の阻止だよ。」


「「「「「えー?!隊長...。いつもどおりじゃん?!」」」」」


「問題は、《レグヌム》との国際問題にもなってるけど...」


「何時ものことながら、仲裁するんでしょ?でも、うち等だけ撃墜不可なの厳しくない?」


「まぁ、現存する国が保有する《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)の鉱床は、過去の戦役の古戦場跡で、拾うしかない。未だ明確な鉱床を保有してるのは宙のカルぺ・ディエム本営か、地上では坂東に集中してるからね。」


「相手が国でも、精々保有してる機体の数も、そんなに多くない。何とかなるよ。」


「とりあえず、僕らは、《ストラーナ》の支配圏内である。スレブレニツァへ向かうよ。そこで物資の補充と共に依頼人に遭いに行く。」


「はぃ、隊長隊長!!!そもそも《ストラーナ》って何ですか?!」


「いや、出身の国だよね。君、叔父さんに連れられて、転々としてたって言ってたじゃん?!」


「あれそうでしたっけ?でも、私が、父さんに連れらてた転戦してたのは、正確には、統廃合を繰り返してた辺境の街だから、多分、私はその支配地域に関する知識無いですよ。」


「はぁ、仕方ないなぁもー。少し解説してみるか?」


今の所、この世界は、三つの勢力に区分されているのは知っているよね?


この世界の治安の保全を目的として作られた、カルぺ・ディエム


難民の集団と化している、マレディクトに、それを迫害するクピドレス


私が産まれる前の話だし、詳しい事は私も知らない。知りたかったら父さんに聞いてみるしかないね。


現在、その三つの勢力がせめぎ合っているのだけれども


其の内のカルぺ・ディエムは、複数の国の連合体として、形成されているもののその統制は緩い。


そしてそこに所属しているのが《レグヌム》、《坂東》、《クク》(국)、や過去の戦役で参戦しなかった各国が連なり、そこにコロニー群のetcによる勢力で形成されているだけれども、


此処でややこしいのが、早々にそこからはみ出した。《ストラーナ》が何故か、マレディクトの難民を受け入れ、


同調する様に見えた《グオジア》は、独自路線を試み続けている


今の所、七基の軌道エレベーターの内、北アメリカ、キリマンジャロ、の二基を保有している《レグヌム》と


坂東で保有する一基、オデッサの一基を保有する《ストラーナ》、チベットの一基を保有する《グオジア》、最後に南米とサハラは中立地帯としてそれぞれ一基を保有したまま


統廃合を繰り返しながら各国が、難民の押し付け合いや鎬を削っているよ。



簡単な説明を受けたモノのチンプンカンプンな、ユウ=スクリームは、アイス片手に考える事を辞めた。


「いや、呆けてないで考えろよ!」


「で、隊長、どうして、《ストラーナ》が保有してるオデッサの軌道エレベーターを解放する必要があるんですか?難民受け入れてくれてるんでしょ?だったら問題ないのでは、


あと、バランス的にそこを崩すと問題ありそうなんだけど?」


「これがややこしい、話なんだが、本来オデッサは、《ストラーナ》領じゃないし、《ストラーナ》自体、既に自前で軌道エレベーターを保持していたんだけど?


此れを打ち立てた規格が、実はここだけ、違う。カルぺ・ディエムの援助と技術支援を断ってを受けずに、立てた所為で、設計の不備で自壊した。」


「其の所為で、実に数百万の人命が喪われた。って、なんでこんな大事件君覚えてないのかね?」


「はははっなんでしょうね。多分、山に籠って父さんと過ごしてた所為で、ニュース関連には疎くて...てへぺろっ (・ω<)」


「そんなこんなで、本来であれば九つの柱が立つはずだったんだけど、現在の七つに収まってる。」


はいッ隊長、算数があってません。一個説明が飛んでます!!!!


「まぁ、時間がないから今は、割愛する。として、問題は、駐留軍との折衝に必要な、カードがまだ揃って居ない。」


「このままだと、問答無用の三つ巴の紛争に突入しかねない。」


「えー面倒だから、駐留してる戦力の撃墜で良くなですか?」


「最悪その手を使う必要があるが、そうなると各陣営のパワーバランスが崩れて、虐殺が起こりかねない。一方を立てれば、一方が立ち行かない。そんな絶妙なバランスで均衡状態が成立してる。僕らがそれを壊すには、些か難があるよ。」



「一方の勢力を蹴散らしたら、現地の反乱勢力を正規部隊が蹂躙した見たいな事例もあるしな...」


「隊長、こういう時こそ倍返しですよッ!!!!」


「ユウが言うと、戦線が拡大しそうな不安があるな。」


「まぁ、そういう事で、上に、掛け合うから、それまではスレブレニツァで、情報収集と準備に時間を当てる。各自、気を緩めずに、観光としゃれこもう。」


「あーやだやだ、隊長が言う観光が額面通りの結果になるのほゞ無いからな...。何かに巻き込まれそう。」


そういって遠き夜空の仕事人所属の《ロシナンテ》は、鈍重そうな外観からは窺い知れない速度で空を飛翔し、一路目的地へと転身する。


・・・


・・・


・・・


その航路上で起きるトラブルは...何事も起きずに平穏無事に過ごしきるはずだった。


複数の国の支配圏内を通過し、インド洋からやや北上し、数々の中立地帯を経由しアフリカ東岸をやや沖合寄りに


北上するも、サハラに現存する御柱付近での戦闘の光を観測する。と、通信手であるナンニシ=ヨウは、艦長のフー=ワズーヒーの元へと通信走らせる


「ちょぉぉぉぉ何ごと?!」


「センサーに感あり、北西500キロ先、戦線の起立を確認。熱反応と、粒子散布状況から...」


「少なくとも8機以上の戦闘を確認。しかも...この反応は...データーベース一致なし、アンノウン(Unknown)」


「但し、その共鳴反応から、構成素材を《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)製と断定。」


「もしかして...」


「いや違う。この匂い...感覚...お父さんのセカンドアーヴルと全然違う。これは...データベースの障害を最新機から過去の退役データも含めて、照合して。」


「隊長。照合アリ...《ホーリーグレイル》とマンティコレ(獅子型)にサテュラル(虎型)、そして...《グレンデル》です。照合率...68%」


「照合率の揺れが怪しいな。でもなんで《ホーリーグレイル》がここに?エクィタスおじさんは、何度かあった事あるけど?確か、長距離輸送船団の火星航路の途中で消息不明になってたはずだ。なんで?他には?なんで、クピドレスの機体と一緒に居るの?」


「確かにおかしいでござるな...エクィタス殿は良く親父殿が、(´;ω;`)ウッ…孕みそうってトイレに駆け込んでたな...」


「それ今話す話?とりあえず。私も何度かあった事あるけど?少なくともあの人からは、通り過ぎる度に男性をトイレに直行させる。意味の分からん色気しかなかった気が?」


「距離は、500,000か...Third wheelサード・ウィール《お邪魔虫》とCarpe Noctem (カルペ・ノクテム)の重力波と空力制御があれば、マッハ7程度は固い。」


「目算で約 210から220秒(=3分40秒前後)以上か...準備も合わせると...最悪戦闘が終わってる可能性があるな...」


だが何もしないよりはましだと。この中で面識がある者として、終夜(とうや)=ナイトワーカーとハンザス=フライハイの両名が出撃し、


残るユウ=スクリームとアルトバース=ミカンガムは、後詰としてロシナンテへと残る事とし、手早くノーマルスーツのヘルメットを掴んで走る両名は、


《ロシナンテ》に対して、第一種戦闘配備のまま船体は、第一戦闘速度を維持し、即応できる様に待機と監視を続ける様にと、操舵手であるブロッコ=リーへと


指示すると、通信手であるナンニシ=ヨウが、出撃準備を終えた。二人に対して...


「発射準備完了しました。お好きなタイミングで、どうぞ!」その掛け声に呼応するように語彙を流離う旅人として、その誓言を唱える。


「Third wheelサード・ウィール《お邪魔虫》...終夜=ナイトワーカー、出るぞッ!!!」


《ロシナンテ》の下部コンテナより、可変起動する射出レーンに、生じる電磁加速を受け、浮き上がる機体と共に過大なGをその身に受けつつ機体の電磁シールドと重力アシストの


補助を受けて、前進する船脚早き艦船より次々と飛び出していく。


「Carpe Noctem (カルペ・ノクテム)D型...ハンザス=フライハイ。男尻の布教の為、逝ってまいります!!!!!」


パンッパンと、何かが叩かれ震える肉の音を響かせ、僅かにタイミングをずらして、撃ちだされたCarpe Noctem (カルペ・ノクテム)D型が、


同様の加速軌道を以て空を逝く。



発射される初速から更に機体各部より噴出する推進器の輝きを纏い、更なる加速をもって、射出から5秒で、最高速度へと到達。


大気の摩擦と空気の圧縮による発熱を音の壁を破りながらも、最小限の影響に推し留めるフィールドを展開しながら、目指すは10時方向の


サハラ草原に怒張し起立する何かを思わせるその壮大なる威容の姿を前に見遣り、最大望遠での目標の動きを観測、このままでは、間に合わないと見て、


終夜=ナイトワーカーは、其の一手を講じる


「ウイングマンッ、周囲の警戒及び防御を頼むッ。私は...」


「アイ、アイ、キャプテンこの男尻愛に賭けて、拙者の男尻は、守ります(`・ω・´)ゞしゅびッ!!!」


一直線に飛来する「Third wheelサード・ウィール《お邪魔虫》は、手に構えたハンドガン...エリュシア・レーゲル《緋蒼雨》を前に、


機体各部に懸架された《ファルクス・レフレクトール》と、銃身状の《トゥブス・ファルクス》、短銃身のハンドガンを中心として、サプレッサー、バレル、スコープ、フロントユニット、ハンドガード、ストックに変形するそれらの思考誘導兵器の数々がその手に構えるエリュシア・レーゲル《緋蒼雨》を中心に組み上がると大型の狙撃用ライフルへと変貌する。


大型の狙撃ライフルと化したハンドガンはその名を《アンガーバレッジ》へと変えその効果と姿と変え、


目標までの射線と、反撃を警戒して、やや減速する者の機体を傾けながらの狙撃体制へと入り、まずは一本と、袖口より引き出したビームサーベルの発振器をその銃身の脇に差し込むと、


光り輝くラインを描き、アンガーバレッジへと粒子と熱量を供給し始め、


出撃から数十秒の間をおいて放たれるは、銃火の牙。


《ホーリーグレイル》らの機影と相対するのは...中立であるサハラの軌道エレベーターより出撃したと思われし、


《ディムレイン》の姿、そのディム系統で共通化された。気筒エンジンを思わせる頭部と、第九世代で共通装備になりつつある。ナノ・テクを流用した


実体型のシールドと実体弾とビームを切り替え打ち分けられる多目的ライフルを手にし、奮戦する姿が映るも、


姿の見えない何者か...の攻撃に晒され、機体を覆うナノ・テクで空中に精製された半球状の障壁を以て、


回避運動を捉えられた無数の銃痕に晒され、反撃の一手となる反撃を試みるも、その光のラインが結ぶ先には、既に回避軌道へと入った


四機の機影...守備隊は全く反応できていない。


まさかあれはブラインドアンカーだと...やっぱりクピドレスの機体だ。オービットマインと違い。エーリヴァーガル戦役以後、完全に失伝したはずの技術の筈...


親父が、もし地上戦で使用できていれば死んでたって言ってた。


其れなのに、地上戦でも使用可能になってる...遠く離れた後方から、戦場を俯瞰するユウ=スクリームは、警戒の色を強め、


光学望遠鏡の写す拡大映像を前に戦術リンクで繋がった終夜達へと警告の言を唱える。


がなり立てる警告の言葉に耳を傾け、「わかってる...」問題は、此処からの照準で目に見えぬ【falcis(ファルキス)】であるブラインドアンカーのみを撃つのは、


至難の業...と成れば目標となるのは...


「狙うのは本体だッ!!!」


照準のレティクルを通して目標の照準を合わせると、その交点に、狙い撃つ。


空を翔ける緋と蒼の射劫が、大気を通過する毎に減衰される粒子の勢いを維持したまま、残りの距離を440キロを割るか割らないかの状況下で


蒼空を奔る稲光にも似た破劫を纏わり付かせ、周囲の大気を切り裂くように放たれし閃光は、煽情的なまでに滑らかなその細く緩やかな指先から辿る様に


放たれる。



その一射が、サテュラル(虎型)らしき機体へ直撃コースを取るも、行き成りスコープ一杯に移る機影...が掲げる正三角形楯が視界一杯に広がり、


直撃する。



墜としたか?すわ、手応え確かなその銃身から目を逸らさんとするも、もうもうと上がる噴煙とビームが拡散し生じる熱波が、空気の厚みに蜃気楼の如き


光景を魅せ、そこには無傷の《ホーリーグレイル》の姿...


チッ、気付かれた?!だけど?気付いてない。


この距離では、狙撃用の機体や特殊な光学装備がなければこちらの機影は視認は困難なはず。其れなのに確かにその機体の視線はこちらへと注がれている。


しかも、第九世代機であるThird wheelサード・ウィール《お邪魔虫》の超距離狙撃を防いだ...旧式の《ホーリーグレイル》の物理シールドで?


そして視るに、浅黒い獣の如き大きく迫り出した二の腕と肩部、そして特徴的な恐らく排熱用のケーブルが、泳ぎ、その鉤爪状に伸びる刀身を備えた大型の籠手の手にあるのは...


何か別の機体らしき何か?、あれは機体輸送用のランチボックス...弁当箱と名付けられた。外装パッケージに対して、


其れ迄感じて居なかった、悪寒が背筋についーっと汗が一筋流れる。交戦記録に反応なし...起動されていないのか?と疑問のまま、


続いて放たれるアンガーバレッジの大口径ビームが、その存在を隠す様に、機体を動かし、その手に持つ実体剣の刃でこちらの銃撃を切り払い払うと、


一呼吸の間に連弾する対象を落とし続ける


その動きに...本当に第四世代相当の旧式機か?


「あ、当たらない?」この距離でも、獲物を外した事は無かった...例外として...以外は...


・・・



「敵襲ですか...」


「...ここは私が...」


「判った。だが、この感覚は...懐かしい。...か?」


「...様、私のマトリクスをッ、さらば、回帰の海でまた逢いましょう。」


ん?


「隊長敵が二機を残して退避していくみたいでござる。拙者の鉄面皮の男尻を恐れたですぞ。」


「いや違う。こっちの狙撃が全て防がれた。何か別の理由がありそうだ。守備隊への援護を継続して、距離を詰めるぞッ」


空中を飛来する無数の姿なき、獣の声なき声を震わせ、攪乱される《ディムレイン》を足止めさせたまま


《グレンデル》と《ホーリーグレイル》は、肩部と背面部に備えられた実体投射用のウェポンラックより、弾体と湾曲した複数の筒状何かが脱落し、


掲げるは聖杯の如き、器を模した、ファルクス・レフレクトールををばら撒きつつ、退避行動へと移る


発する熱量は、粒子攪乱幕とによるファルクス・レフレクトール、周辺防御に阻まれ、Third wheelサード・ウィール《お邪魔虫》の狙撃が空中で散乱、


それまでの逃亡方向から、より組みやすいものとして、進む先には...軌道エレベーター...


凡そ、数万から10万キロにまで及ぶ縦に伸び、そしてその巨体を支えるべくその両端の端を紡錘形とし、その横幅よこはばは、十数キロにまで及ぶその威容


に対して、更に追撃をと奔る。追加の守備隊の反応速度を超えて、左方向を通り過ぎざまに、投擲されしは、ビーム刃を展開する正三角形の実体盾と共に、


15機分の機体出力を誇る《グレンデル》は、その片手に牙踊る砲身を掲げ、産出される出力は、後方にそびえし、建造物へと注がれ、砲撃の光を浴びて発光とその光刃の振幅する


身幅と出力を増しながら唯の盾による投擲が何の抵抗を見せずに、溶断される御柱が崩壊のカウントダウンを始める。


次第にその距離と、位置が外れ...


チッ...。射程距離外に抜けていった...ここからじゃ攪乱幕とファルクス...何より、背後の軌道エレベーターに対しての二次被害の恐れがあり、狙い撃てない。


散乱した効果が切れるまで、最短距離での接近を試みる為、突撃狙撃の態勢のまま、向かう二つの機影が


その現場までに到達するまでの3分弱...カップ麺が出来る程の時間の間に、迫る脅威に対して、


守備隊の《ディムレイン》の精鋭も、ナノ・テクシールドを器用に生かし、見えない獣の牙を往なしながらも


その手足の端を削り取られながらも奮戦を果たす。


コックピット内で、警告を顕すアラートが鳴り響き続け、隊を預かる。


アズカリー=シラユリは、耳に残る追撃命令に対して、悪態を吐き、「無理だッ敵の攻撃手段が不明で、追撃を出せない。」


だが本部からの伝達事項は、死したとしても必ず奪還せよの一言のみ。


簡単に言ってくれるな...


コックピットから移る景色には、空域を支配するマンティコレ(獅子型)とサテュラル(虎型)の機体は、且つて見られた特徴的な、テールユニットは、様変わりの様相を見せ。


かつては連なって居た。大きく膨らむ尾体ではなく、大型の【falcis(ファルキス)】は、華開く四枚の扇子の骨子の如く展開される。


銃身を備えた大型の放熱板へと換装を果たし、黒翼のブラインドアンカーは既に展開され、その姿には見えないものの、


機体各部デザインが、獣の形状を思わせる造形から、軽装の騎士鎧の如き、微細な差異を見せ、何より特徴的なのは、其の人型の頭部に収まった大小合わせて四ツ目の光彩を放ち、


中央部に、やや大き目メインカメラが踊り、その開口部は、大きく開かれ、何かを注ぎ入れる様な機能が前後する。


差し迫る脅威に、敵機の追撃を阻まれながらも、幾度目かの弾倉交換を果たして、射撃戦を続ける。


攻め手がその手を攻めきれないのは、全方位防御を可能とするナノ・テクシールドの防御範囲と、相対する機体の【falcis(ファルキス)】が保持する攻撃手段は


小口径の砲撃に限定される。360度をカバーする特殊メットの備えを以てしても、センサー類を誤魔化すブラインドアンカーを捉えきれずに、


責め立てられる。交換した弾倉を通常弾とうから散弾へ切り替え、繰り出される無数の弾痕を空にばら撒き、


叩き墜とさんと奮戦するも、周囲を囲まれ四機の《ディムレイン》は、互いのシールドの組成を合わせて、崩れ行く防御を支えるべく奮戦する。


散弾の投射に晒されながらもブラインドアンカーは健在、同時に視界を前方に固定、周囲を回り包囲の幅を狭めつつ、手に持つ鬣型のビーム発振器を投擲


裁断する刃が、多面攻撃に対応する為に広がったシールドを突き刺さる。


防御の一手を失い、左腕を破損して、墜落していく僚機を見下ろし、手を伸ばす姿が重なる中、


サテュラル(虎型)の機体が急速降下を果たし、その腕より前腕を射出。ワイヤーでガイドされた光輝く爪に捕まれ《ディムレイン》の頭部が


豆腐を砕くように霧散し、接触と同時に走るEMPの電撃により、機体がブラックアウト、


推進機構を停止して、重力アシストを失い暗闇の中、落下するアズカリー=シラユリは、息を詰まらせながら堕ちる。


...


...


...


その時最後に耳に残ったその声は...


...


...


...



撃墜スコア300だって?終夜は、まだ、三歳だぞ?


まぁ、おもちゃのゲームですし、そんなに驚く事もないでしょ。あなた、


(お父さんが残したシュミレーターだから...本格的な、機体操縦と感覚的には違いはないのに...ということは黙っておこう)


どうして、血が繋がってないのに、こんなにおじさんと、やる事為す事、瓜二つなんだ?!


なんで、この歳で、《アル・ディエム》のジャイロセンサ―を分解して組み立ててる...


しかも、あれは何だ...。研究所から抜け出したって報告のあった。蛇が蝶々結びで、庭に転がってる...


キャッキャと笑うその将来に一抹の不安を思い浮かべ


...


...


...



学校の授業をふけて、屋上から宙を眺めて、昼寝をする傍ら、遠くで狼が一匹、階下の敷地外の道路で、歩く幼児に噛みかからんと、吠え猛る。


此処からの距離は優に100メートルは離れているし、今からでは階段を下りて居たら...間に合わない。


適当に暇つぶし用に持ち歩いていたグリップボール(握力ボール)を取り出すと、勢いを付けて全身の筋肉と関節を連動させ、投擲を試みる


無造作に投げられたボールは、地上で、襲い掛かろうとした犬種の鼻頭を一撃し、その衝撃で、一目散に退散していく。


その光景を不思議そうに見る幼児は...キョトンとしたものの後から追いかけてきた母親らしき女性に連れられて歩き去って行く。


何時の頃か気付く、何故か自分の繰り出す攻撃の数々が本人が意図しないまま、クリティカルなタイミングで炸裂し、数々のトラブルを撃退していく事を


そんな、終夜の事を見守る両親は、荒事に巻き込まれない様に...危険から遠ざけるが、何故かトラブルの方から意図せず舞い込んでくる。


そして、月日は流れ、眼前には。崩壊のカウントダウンが既に開始された。世界を支える御柱の危機と、同時に展開される。


愚かな意図を以て、この状況を作り出した者へと向かっていく。


「隊長、どういう事だ...軌道エレベーターが、崩壊してる。」


奔る。天を泳ぐ、二つの機影は、その窮地に置いて、僚機へと指示をだす。


「ハンザスは、崩壊する御柱を止めろ。エレベーターのワイヤーは、《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)製の流体金属製だ。」


「完全には断ち切れない。お前なら出来る。指揮権コードは、男尻のお兄さんッだ。私は。あいつらを片付ける。」


「隊長ッ!!!!一人じゃッ!!!」


「私が何と呼ばれているか?知って居るな?ならその男尻にままに逝け。」


機体に掲げし、推力の限界を行使して、放つは、狙撃用ライフルのアンガーバレッジの銃身に、《ファルクス・レフレクトール》の一基を装填、


狙うは機体のコントロールを失った《ディエムレイン》の姿...電磁加速を加えられ、通常の発射速度と一線を画する過大な射出スピードを誇り、


彼我の距離を一気に零として放たれた基部は、開閉式のギミックを展開


電位斥力キャプチャーネットとして射出されたそれは、行動不能に陥り、死を覚悟したアズカリー=シラユリのその諦念をギリギリのタイミングでぶち壊す。


緩やかな速度で落下していくその目標を視界の端に捉え、


対する終夜=ナイトワーカーは、操縦桿を握る手を一層熱を持った両手で操り、この距離での狙撃では、周囲を舞う《ホーリーグレイル》の


《ファルクス・レフレクトール》の防御を破れない。徐々に詰まる目標との相対距離を推し量りながら、


次の一手を繰り出す。


「その白百合の花弁一枚多利とも散らせは為るものか!!!百合に挟まるのは誰でもない僕だッ!!!!」


一撃でダメならば...二撃、三撃、加えれれば...彩鮮やかな破劫を描き着弾するビームライフルの一撃を嘲笑うかの様に、


聖杯の如き、器を模した、ファルクス・レフレクトールが防ぎ続ける...


隊長機を失い統率の乱れた《ディムレイン》部隊は、その戦力を削られ続ける。全滅するまでの時間はそれほど残されていない。


「こいつは...恐らく粒子系統の攻撃で破壊できる様な代物じゃない気がする。そう言えば叔父さんも何か言っていた気がする。」


脳裏に過る嫌な予感が的中しているとすれば、このまま射撃戦を行っても無用とも思える時間が唯過ぎるだけ、


打つ手なしと思えたその時に、フロントアーマ、袖口、背部腰椎、左腕前腕部、各部より抜き出した、ビームサーベルの基部を、アンガーバレッジの銃身各部に光剣を七本、その刀身を接続口に差し入れると、ひと際高く吠えたかり、何を思ったのか、機体を進行方向とは逆に180度回転させ、


戦術データリンクをロシナンテからギベオンへ変更、視覚アシスト開始。その引鉄を引くと、生じる莫大な熱量と粒子量を誇る一射が何もない天を翔ける。


ロシナンテは、高熱原体の接近を知らせるアラートを見取り、


「隊長は一体何をするつもりなんだ?!」


奔る奔る奔る。陽光瞬く極光の光は、大気と重力による減衰と影響を振り払いながら、更に更にとその光が奔る。


その光は...地球を一周し、遥か先に上るサハラ草原に立つ軌道エレベーターを避け、今も尚、友軍機の周囲を纏わり、


守り続けるファルクス・レフレクトールの基部を極小の火線まで減擦りされるも、発震する光から背後から撃ち抜き、破断させる。


「よっしっ」


静止軌道上に存在するギベオンとの戦術データーリンクを維持したままの狙撃戦へと移行。


ビームサーベルの出力を以て放てるオーバーロード気味の稼働で放てる弾数は...。おおよそ、7発、其れ以上は砲身が焼け付いて、攻撃が放てない。


機体と獲物の冷却機構を最大にして、罹る。


放つ光は、その常識外れた射程距離と狙撃精度をみやり警戒する


二機のマンティコレ(獅子型)とサテュラル(虎型)は、《ディムレイン》の周囲を包囲する軌道から、一転、何処から飛んできたのか不明の狙撃を警戒し


それまでオールレンジ攻撃を展開していたブラインドアンカーを機体の周囲の防御として、集結させ、狙撃対象への反撃を試みる為


四枚の砲身を備えた《トゥブス・ファルクス》を展開、その穂先より照射される大口径ビームであるヴェノムレーゲンによるカウンタースナイプを


試みる。


旧型機本来であれば、ブライドアンカーと同時使用には、脳の負荷により、鼻血や喀血を伴うものの第九世代に迫る改修を受けたクピドレスの兵は、


その束縛からはなたれ、血を流すことなく操り続け、四方に展開されるも、


放たれる《トゥブス・ファルクス》は、其の銃口で狙いを定めるもその空間認識範囲に存在する機影を確認できず。


狙いを付けられぬまま、其の砲身を轟かせ、無為にその粒子を空気中に散布しの、更なるレーダー探知を阻害し、自らの首を絞め続ける。


その光景をギベオンからのアシストを受けながらも狙いを付ける終夜=ナイトワーカーは、僅か残り数発となった


アンガーバレッジの照準を狙い慎重に一射ずつ戦場へとその一閃を空をなぞり、その影響を刻み付けていく


場を荒らされ、攻撃の手が緩んだすきに放たれた、光は、いくつもの火花の花弁をまき散らし、


その防御を破り、撃ち落としていく。


残る残弾は五発...


射線を調節し、敵の防御と鉾の穂先が重なる一点を狙い、複数の目標物を一度に貫く一射として、紡ぎ続ける。


砲身が焼き付き、使用不能になるまでのその瞬間瞬間に、異常を検知したマンティコレ(獅子型)とサテュラル(虎型)は、弾道予測照準器による計測がエラーを叩き出すことを確認すると、アシストを切り、向かってくる攻撃の発射点が、自機の射程外から迫ってると、断定。


ならばと、包囲戦による襲撃を行う目標を盾にするべく、自機の周りにブラインドアンカーを配したままの接近戦を試みる。


一度はその防御を破断し、ナノ・テクシールドを打ち破った鬣型のビーム発振器の基部が大きな弧を描き、再度の接近と重なる様に、サテュラル(虎型)の


大型ビームクローが、押し迫る。


触れればアズカリー=シラユリの二の舞になると、射撃戦を試みるビームライフルから、接近戦の光剣による迎撃に入る、残り三機の《ディエムレイン》の内一機のその姿に


嘲笑うかの様に機体と機体が交錯する。背面を守る僚機がファルキスにも似た、鬣の一撃を防ぎ、切り取られたナノ・テクシールドの基部が、剥落と破損を示すも、


反撃のビームライフルの弾頭が、命中。


それでもその刃に阻まれ、立ち戻る獲物を掴んだマンティコレ(獅子型)が再びの投擲と、ブラインドアンカーによる包囲を敷く、


数合の邂逅をへて、距離を取る為の足撃が、《ディエムレイン》からサテュラル(虎型)へと繰り出され、牽制のビームライフルが切れ目く、


その光景をギベオンのアシストによる、照準を利用して、更に迫る刃の群れを都合、二射による長距離狙撃により、


その基部を複数のブラインドアンカーと共に撃ち貫き、再度の侵攻を押しとどめる様に、その刃掲げるサテュラル(虎型)に直撃する。


射線の進行方向を変える為の地球一周に及ぶ、旅路の果てに威力が減衰された一射では、ビームクローの出力を上回る事が出来ず、その刃に弾かれつつも、


狙い撃つは、その刃が展開される刃と、僅かにズレたその弾道が、浅くサテュラル(虎型)の前腕を貫く。


咄嗟に誘爆を嫌い、破損部位のパージを選択、飛来する射線を回避しつつのヒットアンドウェイを繰り返し、目標の反撃の一手を切り崩すべく


都合八門の煌めきとなって放たれるヴェノムレーゲンの高出力のビームの毒針が、防御に回る《ディエムレイン》のシールドを刺し貫き、


余波に晒され中破し、空中に緊急用のスプーマとして放り出されたパイロットに対し、掴みかかろうとするビームクローが、突き出される。


機体を180度回頭、都合六発を打ち切り、最後の一射を、蒼空を逝く為のガイドラインとして、規定し、射撃。


その前腕に命中と共にクールタイムを要する《アンガーバレッジ》を投棄、残る一丁のエリュシア・レーゲル《緋蒼雨》を片手に、


残り100〜135秒、未だその距離は半分残され遠いものの、《ファルクス・レフレクトール》を自機の周囲へと展開。ギベオンからのアシストを考慮しての


自らを弾頭へ帰る超電磁砲の輝きを放ち残りの工程をすっ飛ばしてのその行為に配して巻き起こる。地上への影響は...見過ごすことのできぬ範囲で生じる為、


コンソールに映る、其の一文字に確かな手応えを感じながらその一手を告げる。


焼け付くイオンの香りを残して、大気の摩擦と圧縮するその行為をすり抜けるクイックモードを発動、すり抜ける対象を、自機と大気のみに固定して、放たれる。


埒外にも蒼空を一筋駆け上がるその光は、自機の守りとして使用するはずのファルクスの一団を置き去りにして、直撃する。


遠く離れた距離240〜320 km を僅か30秒で走破しきり、天地を横方向へと向けて生ずる衝撃とGを重力アシストによる相殺で押し殺しながら、


自らを弾体として撃ち込む足撃が、機体の有する剛性の限界を見せながらも、マンティコレ(獅子型)へと叩き込まれる。


その手には。喪われた筈の武装の一端であるビームサーベルが、脚部の孔をのぞかせる基部に差し込まれ、過大な加速と衝撃で、機体の装甲とフレームが歪み、


発光するギミックと共に、破断する一助と化す。


・・・


疾駆するThird wheelサード・ウィール《お邪魔虫》を置き去りにして自らもクイックモードによる再加速を果たし、異なる軌道を以て先んじて現場に到着した。


ハンザスは天を仰ぐ、「隊長これどうやって止めれば良いのでござる。」


既にその躯体の凡そ中ほどが圧し折れ崩れ行く其の姿にたいして、最後の隊長の声が響く。


軌道エレベーターの崩壊に戸惑う《ディエムレイン》の部隊に対して、コンソール上に打鍵し叩き込む入力コードは、男尻のお兄さんッ


その謎のキーワードに、盾を構えて崩壊仕掛けているその柱へと突撃する。


「なんだこれ、指揮権が切り替わっている。男尻のお兄さんッ???だと、そんな事が可能なのか?逝くぞ、あの男尻に続けッ」


「隊長、命令違反に?!」


「そんなものはどうでも良い。守備隊たる我らが守るべきものを見失うなッ!!!」


残された8機の《ディエムレイン》は、Carpe Noctem (カルペ・ノクテム)D型を筆頭に圧し折れたその基部へと向かい


その破損箇所へ、ナノ・テクシールドの基部を接続、都合三枚の盾を破損箇所と繋げると、接続モードを補修用へと変更。


割れたその基部を押さえつけつつ溶断された躯体へ其の全てを補修するには。まだ足りない。だが次々と守備隊の面々が同じく


ナノテク・シールドを繋ぎ合わせ、崩壊のカウントダウンを寸前て阻止するべく、崩壊する基部を押し上げようとるすも


寸断された全幅十数キロの破損を埋めるには...


差し迫った危機に、ハンザス=フライハイは、頭を捻りながら、隊長への報告をしようとして、戦術データリンクが切れて居る事に気付く...



はたりと。その理由に思い至り、自機であるCarpe Noctem (カルペ・ノクテム)の戦術データリンクをロシナンテから、《ギベオン》へと変更、


その瞬間に、終夜=ナイトワーカーが直面している状況が脳内に流れ込んでくる。そして、ハンザスは、《ギベオン》の中央コントロールセンターへ


その言葉を告げる


「瞬間武装転送システム《アーモリーディスワン》ぷりーず!!!!!」


コックピット内部のコンソール上に映る オース《認証》の一文字が浮かび上がり、※2026年8月2日修正


移る画面の中から、《アーモリーディスワン》が保持する武装と換装兵装の一覧が移る。選択するは...


その男尻を震わせながら、走る一人の男は、十数キロにも及ぶ、躯体を水平移動を行使しながら、無数に次々と召喚されるナノ・テクシールドの断片で


破損部位を補修しながらひた走る。


崩れ行く御柱を支えるべく次々と、守備隊の面々が、其の崩壊を阻止するべく集結していく。


その光景を後ろ手に、《ホーリーグレイル》に騎乗する何者かは、小さく頷き。


「僕のファルクス・レフレクトールを墜とすのかい?この狙撃の腕前、血は争えないな。」と、離脱を選択


崩壊のどさくさに紛れて、その姿の行方は要と知らず。


「一先ず...補修はおわったでござるが...隊長は?」


...


背後を見やり、未だ戦闘の火が絶えぬ事を知り、ギベオンに再度の武装転送を促し、機体を反転させ、


当惑する守備隊を残して、僚機の援護へと向かう。


足撃の一撃を喰らい、中破にも近い損傷を与えられながらも千切れ飛び、半ばから垂れ下がる脚部や前腕を振り乱し残る攻撃手段としての


falcis(ファルキス)】の一団を差し向け、残る左腕が保持する鬣型のビーム発振器を振り乱し、押し迫る。



罹る


Gとその勢いを相殺しながら重力推進機構の冴えは羽ばたかせ飛翔と共に逆進、距離を開けつつ、《ギベオン》から転送された手にもつもう一本のビームサーベルを構え、


相対する。二機と無数の見えない【falcis(ファルキス)】...ブラインドアンカーに迫られるも...


身を守る盾を失う終夜=ナイトワーカーは。残る武装である、ハンドガンとビームサーベルを駆使して、対抗する。



親父は言っていた。観えないモノを見ようとしては行けない。目に映る全てだけが、本当ではない。


ならばその空間の違和感のみを撃ち抜く。


思考制御リングを通しての操作によって、繊細な軌道と、弾道補正を可能とするThird wheelサード・ウィール《お邪魔虫》は、


その視界に映る僅かな違和感と感覚を頼りに、銃撃の華を咲かせる。


狙われている守備隊から引き離す為、自ら囮となって、機体の不調を知らせる、推力を落としての飛行に、


先ほどの接触による不調と捕えた二機の敵機が群がってくる。その狙い、その意図、その思考を全て撃ち貫く。


やや遅れて到達する敵機の群れは、ヴェノムレーゲンの高出力のビームの毒針を前面に押し出し襲い掛かる。


機体を僅かに最小限の角度と動作で回避して、最悪、掠めるだけで悪影響を及ぼすであろうその射撃線の不和すら想定しての


回避により、機体制動を再び持ちなわせる事なく、重力に引かれる様に急速降下を選択。


ゆっくりと下降していく姿を弱った獲物と誤認した二匹の獣が遅い掛かる


罹ったと、その悪意の視線が指し示すその悪寒を、背後に感じながら、十分に食らいついたと期した瞬間、墜ちる機体を更に加速軌道により、その高度を落としながらの


再加速へと入る。


あくまで追従してくる二機の機体を捉える為にも、引きはがすまでの加速は抑えつつも機体を前へ向けたまま、後方へと、射撃線を傾け、放つ


其の緋と蒼の射劫が、次々と間合いを詰めて包囲しようとするブラインドアンカーの姿を捉え撃ち落としていく。


その姿を観測していた何者かは...


「あの動きと、射撃センス...間違いない。あの人と同じ感触を感じるが...血は繋がってない筈。血の繋がった息子を殺しかけた末、20年以上、離れて一度も接触していない。」


「その可能性は既に捨てたはずだ。なんとも奇妙な偶然ではあるが...」


「どうしましたか?」


「いや良い。残った部隊に最後の命令だ。さらば、回帰の海でまた逢おう。」


薄れゆく意識の中、アズカリー=シラユリは、海に浮かびながら天を仰いでその光景を眺める。



「綺麗...」


蒼空を一閃する二色の射劫に、まるでおもちゃの様に撃ち墜とされていく無数の煌きが、且つて(ソラ)へと上がった時に目にした、天の川の星と、青い地球を覆う


クラインベルト《微小境界領域》に存在する重力の拮抗点たるその場所から発せられる極光の光のカーテンが踊るオーロラに、心奪われた瞬間を思い出す。


そして、開口部が破損し剥き出しとなったコックピットから手を伸ばし、声を上げ、


蒼空を逝く、幾重にも重なる無数の弾痕が、輝く無謬の奏楽を歌い上げ、いつの間にか口ずさむは、戦場に漏れ聞こえてくる。


若干ハスキーな、男性にも女性にも聞こえるその声に、耳を愛撫され、多幸感に包まれながら


そしてその意識が途絶える。


嗚呼、きっと私は...あの獣に喰われる...


だけど、同時にその場に現れた白馬の王子様を夢想し、気恥ずかしい少女の様な、妄想に、涙する。



微かに甘みの残った獣臭が香る。


左右を撃ち分け、機体各部の派手に煌めく推進機構の輝きを発しながら5分間の制限を掛けられたクイックモードの冴えに再び灯をいれ、目標との相対距離を調整しながら、


距離と軸をズラし、包囲網を敷こうと迫る無数の目標を、急旋回とバレルロールからの急降下と急上昇を繰り返し、繰り出す思考誘導の輝きを、


頭部の砲門より吐き出される《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)製の60㎜の弾頭から放たれる暴風の如き、射線は偏差射撃と曳光弾(えいこうだん)の輝きに合わせ、


陽の光に照らし出され、僅かな光を放ちながらも霧散する。


咄嗟に掲げたビームシールドの輝きが、その攻撃を防いだかに見えるも、《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)製のケースレス弾頭は、その光波防御を容易く貫き、


目標の装甲を抉り取る様に破壊せしめる。


センサーが示す生体反応を確認しつつ、凡そのその装甲素材の多くが《黒曜鉄鋼》(ブラックライト)と《星屑鉄鋼》(スターダストダイト)の組成であることを確認。


安堵しながらその防御を貫き、叩き伏せる。


火を上げて、急降下から一転上昇への逃亡を図るサテュラル(虎型)と、反する様に中破状態のまま向かってくるマンティコレ(獅子型)とに対し、


接近戦を試みる。重なる鬣のビーム発振器と繰り出すビームサーベルの輝きが衝突、乱れ飛ぶ粒子の粉をまき散らし、拮抗するも、勢いに噛ませて振り下ろした前腕部が、


その衝撃に耐えきれず自壊。


押しつぶさんと振るわれるビームの刃が、徐々にマンティコレ(獅子型)のコックピットの全天周モニターに迫り...


「光がッ光が、良天秤に幸あれ!!!!!!回帰の海でま...」


爆散し、人体を一瞬で焼き焦がし、目標のジェネレーターを避けてのピンポイントの刺突を決めて、振り払うように、蹴りを叩き込みその刃を離すと、


頭上を見上げ、逃亡を測る残り一気にその焦点を合わせる。


「一体どういうことだ?何故、ブラインドアンカーが通用しないッ?!!何故目に見えぬ者を撃てるのだ?!」


今もって謎に包まれるその行為に対し、残るこの命の使い道を思案する。この様子は必ず彼のモノは見ているはず。


ならば、対策を講じさせる為に、最後の光景を焼きつかせる。


「いや、残念だけど、そうはならないよ?」


はっとなるクピドレスの眼前に突如としてその姿が浮かび上がる。


チッ接近されたとて、こっちにはこれがある。ギリギリのラインで、粒子の檻を浴びせさせてやれば...


射角を顕わにして降り注ぐ光のラインが絶妙な距離感をもって、繰り出される一撃をいち早く、その思考と反射に、幾ら包囲殲滅の陣形から繰り出されるオールレンジ攻撃としても、


その狙いを付ける瞬間瞬間をその肌感覚で感じ取り、狙いが分れば...見えずとも見る事は出来る。


生ずるラインをその手掌を獲物を持ったまま回転させ、機体後方へ刃を晒し、身を撃つ光を断ち阻むと同時に、思考制御アンクルの意向をもって蹴り脚を入れながらの後方宙返りから、


無数の弾痕を空に描き、姿なき肉食獣の叫びを断ち切り、撃ち落とす。


足撃を受けたサテュラル(虎型)は、衝撃と共い軌道を乱し一転落下、一瞬途切れた重力アシストの浮遊感を受けながらも、


コックピット内に広がるエアバックを押しのけ、再び操縦桿を握り、ビームシールドを展開しながらの後退を選択、


失速と共に維持されていた浮遊感を失い後方へと自由落下へと至る中、海面に墜ち往く姿を見せるも、直前で推進機構に灯をいれ、再浮上からの急上昇へと軌道を変えると、


見えない【falcis(ファルキス)】だけでは、一手足りない...遥か上空の空には、御誂(おあつら)え向きに、厚い雲が広がっている。これを使わない理由などない。


破損した機体の一部が、火花を散らしながら、進み。上昇気流に乗りつつ急上昇を果たし、厚い雲に覆わられた。雲間の間から、ファルキスを展開し、


一案を仕掛ける。


おくれて上昇を試み追撃に入った終夜=ナイトワーカーは、空域全体を支配する殺気を感じ取り、ひと際高いその狙いに気付くも、


全天周モニターの端に、目標の機体が発していた。火花の残光を、雲間の間に見る。


慎重に位置取りを行いながら、その目標に対して、収めたビームサーベルの光を瞬間、再展開を実行しやや大ぶりな軌道で、斬光が煌めく、


その一撃は、蜘蛛を散らす様に雲を切り裂き、雲海の中に投棄されていた。其の砲身を展開し、たファルキスの一部に加えこまれた、機体の一部、火花散る二の腕を


真っ二つに叩き斬るも、その背後に致命的な隙を産み出し、上方下方、および背面から、照射される。ヴェノムレーゲンの光、


「「掛かった...」」


自機の破損部位を囮にした急襲に、まるでその動きを予見していたかのように、切り払った動きからそのまま機体を横に一回転、機体を傾け、上下の一射を潜り抜け、


背後を碌に視認しないまま、其の緋と蒼の射劫が放たれ続ける。


その僅か数合の煌きにより、ビームクローを射出しようとしていたサテュラル(虎型)へと、極小の煌きを阻む事すら厭うて、


まずは腕部を貫き、頭部、腰部、脚部へと乱れ撃つ無数の弾痕が、徐々に機体各部の武装を剥ぎ取りながら、真っ逆さまへと叩き墜としていく。


「なんで??!」


「そんなの簡単だよ。誘爆間近のパーツをパージしない理由なんて、囮か、弾体として撃ちだすのに使うぐらいしかない。雲に隠れるならやる事は想像できる。」


墜ち往く機体に電位斥力キャプチャーネットを射出し、墜落を防ぐ中言葉だけが続いていく。


「危険を避けるコツは、何事も一連の事件事故は、達磨落としの様に必ず予兆がある。それを予測して想像力を駆使して危険を予め避ければ良い。」


「それが出来ない奴が、何が危険なのか?一度でもその自分達の予測が当たった事があるのか?もしも考える頭も経験もないのであれば、最初から近づかず避けろ。」


「これは我が家の家訓だ。」


「私たちをどうする心算だ???」


「悪いけどギベオン送りになって貰う。機体も回収して、接収させて貰う。何かと物入りだからね。」


・・・


・・・


・・・


周囲50キロ四方での空域全体の安全を確保し、捕えた機体の改修を《ロシナンテ》の《リペアマトン》(Repairmaton)に任せ


守備隊とサハラ草原に起立する軌道エレベーターの本格的な修復作業に、取り掛かる。


中立地帯と言えど、発生した戦闘行為の後始末は、必要であり、その中には、本部からの指示を無視した命令違反への処罰も含まれるも...上位コードで発生された命令により不問に至る。


その最中で、アズカリー=シラユリは、終夜=ナイトワーカーとの邂逅を果たす。


その人懐っこい。惚けた様に笑うその表情に、惹かれ、


墜落した機体を立て直す作業の合間にも、コックピットシートへ収まり、同じコックピット内で重なる様に操作する。


「すまないねー。もしこれで命令違反になったら、いつでもここをに連絡をして欲しい。これも何かの縁だ、いつでも助けるし、我が隊への参加を待ってるよ。」


「えっと...。」即答できないまま、何故か男臭い匂いどころか、淡いライムの爽やかな香りが鼻孔を(くすぐ)る漢に対して、頬を赤らめ...


沈黙を守る。


「はぁー隊長結局、単騎で二機を落としたでござるか?怪我や破損は?」


「ないよ。」


「とりあえず、この場は収まったけど、この空域への長期滞在は断られたよ。僕らはこのまま補給と休息を取りたいんだけど...」


「この状況だと無理そうだな。各自機体を回収後、この空域から離脱するよ。」


「ハンザス、ユウ、ミカンガム。準備に入れ。これから予定通り、このまま北上して黒海洋上を掠めてそのまま西に転進、スレブレニツァへ向かうよ。」


「ギベオンとの接続を解除後、周囲の警戒を密にして。」


「「「了解!!!!!」」」


・・・


・・・


・・・


アズカリー=シラユリを、守備隊の元へと送り届けたあと、機体を《ロシナンテ》へと帰投させた一同は、守備隊の一部がエスコートする中、


サハラ草原をやや東に傾け、北東〜北北東へと上がり、領空を抜けるまでの監視を受けるモノの既にギベオン経由での話し合いが付き、その間の安全に関しては保証されている。


快適な空の旅をすごす。


国境の端で、守備隊が帰投するなか、「良き旅をッ!!!」


端的に述べる別れの言葉に答える様に「ボン・ボヤージュ(Bon voyage)」と、異なる言葉を吐き出し、分かれる。


「さて、到着予定時刻には、まだ早いけど、叔父さん達は、合流地点で待ってるかな?各員機体に登場したまま警戒を緩めるなよ。」


終夜=ナイトワーカー、ハンザス=フライハイ、ユウ=スクリーム、アルトバース=ミカンガムの四名は、それぞれの機体に騎乗し


「はぃ隊長!!!!アイスはおやつに入りますか?!口溶け滑らかなトルコアイスを所望します!!!!!」


「トルコ上空は抜けてるよ。叔父さんが、補充してる事を期待するんだね。」


「しょんなぁ~隊長ぉぉぉぉ」


「船長、ギベオンとの戦術リンクを接続後、叔父さん達の位置を確認、周囲の探査を。」


「アイアイ、隊長。」


「船長、叔父さん達の船。《グッドロードトゥヘル》(地獄への道は善意で舗装されている)の姿は確認出来るか?」


「ナンニシ=ヨウ...どうか?」


「はい船長。《グッドロードトゥヘル》(地獄への道は善意で舗装されている)の姿は確認できました。」


「ところで、隊長、なんでこんな物騒な、船舶名にしてるんですか?」


「そりゃぁその慣用句を常に忘れない様にって意味だよ。知らずに好奇心から善意のつもりで死にたがる奴がこの世には多すぎる。」


「他にはメメントモリ《死ぬことを忘れるな》や、アンチ・カニバリゼーション《反・共食い》があるけど、みんな別行動してるのは知ってるだろ?

艦名は、このロシナンテ以外は、大抵慣用句から取ってるよ。」


「僕らは、天使でも獣でもない。だが不幸な事に、天使の真似をしようとすると人は獣になる」


(だから悪を唱えた。おじいちゃんを今でも信じてる。唯妄信するは、己の正義じゃない。神でも天使でも悪魔でもなく、唯、人としてその在りかを示しているその後ろ姿だけだ。)


「唯、僕たちはあくまで夜空を望む仕事人に過ぎない事を忘れるな。」


「判ってるさ、隊長。この震える男尻に誓ってね。どうだい?この男尻は、毎秒50Hzで震えてるんだぞ?」


「隊長、ギベオン経由で連絡とれたよ。このままの進路で良いってさ。ランデブーポイントは、黒海洋上、北緯 42.1°、東経 30.0°(42.1N, 30.0E)」


「合流時刻にはちょっと早いけど、次の戦場で使う用の物資も満載してる。光学迷彩を展開中だから、此方からは見えないけど、近づいたら合図を送るってさ。」


「そうか、久しぶりに会う叔父さん達は、どうしてるのだろうか?」


「ちょっ無視しないでッ!!!!」


「嗚呼、無視するさ、だって毎秒50Hzだろ?残像でそもそもよくわからない。」


・・・


・・・


・・・


「ユウたそ!!ユウたそユウたそ!!!!」


「ちょぉ、パパ上お髭ジョリジョリ痛いッ!!!」


「喜べ―口解け滑らかなトルコアイス沢山しいれてきたぞー」


「えっ本当。たっべーりゅー!!!少年よ。いざいかん」と、するりと熱い抱擁を潜り抜け、トリナーツァティイ・ズヴェーリと共に一目散へと駆け出したユウ=スクリームの後姿を追いかけ、


四十を半ばすぎた、いい大人が、其の後を追いかけまわす。


「はぁ、あの光景は、明日は我が身だな...」と、アスハ=ワガミが天を仰ぎ


「師匠のお子さんまだ小さいでしょ。晩婚だったし。」


「まぁな、久しぶりだな。ミカンガム、健勝で何よりだ。ギベオンからの補充物資の一覧はこれだ。」と、差し出された映像投影敷き小型タブレット端末を受けて


アルトバース=ミカンガムは、久しぶりの再会に華を咲かせる。且つての面影を残したものの一様にその顔には年代物の表情が張り付いていた


「しかし、次のミッションの解決策はもう決まってるのか?可成り難しいぞ。」


端末を操作して、項目をチェックしながら、ミカンガムは応える


「そうですね。隊長には何か代案があるみたいです。ただ。他にキナ臭い情報をキャッチしてるみたいで。多分、奴らは、裏で今も暗躍してる。それを防ぐ手立ては、今の私たちには、難しいでしょうね。」


「そうか...難しいのか?」


「これからの予定は聞いているのか?」


「そうですねここから西へのスレブレニツァへ転進して、依頼人を拾ってから、《ストラーナ》が占有しているオデッサの起動エレベーターに向かい。


それから我々は、占有している《ストラーナ》の政府と交渉を開始します。」


「良い感じに《レグヌム》が、仲裁してくれると良いんですけど、現状は望み薄ですね。」


「《ストラーナ》の支配圏の移動は一応、ギベオンが融通を通してくれてるみたいで、接敵して開戦するまでは安全ですよ。開戦するまではですけど?」


「うちの艦長にもギベオンからの話は通ってる。」


「青葉姐さんですね。相変わらずですか?」


「青葉さんは、相変わらず。変わらないよ。まるで時計の針が止まってるかのように、いつも通りさ。」


「そうですか、壮健なら、内の隊長も、喜ぶでしょう。唯、開戦した場合、地上の何処にも安全な場所は無くなります。そうなったら泥沼ですね。治安維持部隊と警察権力、それに裏社会の勢力全てを合わせても防ぐ事は難しい。それをどうやら善意の第三者は望んでるみたいですが...」


一通りの一覧に目を通し


「ハイ、問題無いですね。旦那に伝えてきます。では、また。」





「んッどうした。ミカンガム。」


「隊長、別動隊からの報告です。どうぞ」と、手に持っていたタブレット型の端末を渡されると、搬入物資の項目をチェックし


目を通す。終夜=ナイトワーカーは、問いかける「ところで青葉姉さんは、どうしてる。」



「艦長とは、遭ってませんが、元気そうですよ。」


「通信機で話しかけてみたらどうです?」


「んーとりあえず、ギベオンの予測を交えて、後で打ち合わせを行うよ。」





ぶぅぅぅぅぅぅん!!!!ききぃっーぎゅぅぃぃぃぃぃぃん


「いや、ユウ殿、何しとんの?」


「ハンザスたそ?!いま少年とどっちが綺麗に紙飛行機飛ばせるか勝負してるの!止めてくれるな僕のべイヴ13号が今男尻から火を噴くところなんだッ!!!」


「止めてくれるなッ!!!!大事な今日のおやつのアイスが掛かってる。」


「まぁ、子供がしてる事だし、大したことないだろ...ほどほどになー」


「ハンザス、当分、坂東には寄れそうになくてすまんな。...」


「まぁ、ギベオン経由で連絡は取れてるのし、大丈夫ですよ。あいつもきっと元気にやってますよ。」


そこに機内アナウンスの声が響き渡る


「各クルーへ―伝達。これより本艦は、中立地帯を抜けて、《ストラーナ》の勢力圏へと突入する。ギベオンのアシストがあるとは言え、危険な事に変わりはない。」


「各員、第二種戦闘配備で待機、繰り返す。本艦は、此れより中立地帯を抜けて《ストラーナ》の勢力圏へと突入する。各員、第二種戦闘配備で待機。」


「僕らも行こうかね。ユウ、遊んでないで行くよ。」


あ”~と遠吠えの如き末期の声を放ち、その勝負の趨勢が決まった事を知ったハンザスは、崩れ落ちるユウ=スクリームの身体を支えて、格納庫へと引きずり倒していく。


それをトリナーツァティイ・ズヴェーリがアイス片手に、バイバイする。



律儀に先に待機状態に入っていたアルトバース=ミカンガムは、他の隊員の姿を確認すると、コックピットを閉じで、機体のチェックを開始する。


主忌兵装の安全装置、正常。ナノ・メタリカル装甲並びに推進機構、正常、照準器の精度...0 ± 0.0000000052。異常なし、


そこにぺちぺちと異音を立てながら何かが響く。本日の天気、晴天なり。ハンザスの男尻は、当方の男尻は赤々と燃えている。何故ならば、昔懐かしい尻叩きの儀式のやりすぎである。


だがこの隊でその儀式を行う者は、独りしかいない。


ミカンガムは一緒にと誘われた事はあるが、ユウと一緒に断固拒否して、現在に至る。隊長は最初からガン無視である。


雲海を抜け雲間を進みながら、下に見る黒海の姿から、地上へと切り替わり、《ストラーナ》の権力圏内である。空域を抜け


北北西にあるスレブレニツァへとひた走る。


途中、空域を守るエリア防御を担当する哨戒機による照会を受ける。ギベオンを経由しての身元照会を済ませ、単なる輸送船として、偽装を施された《ロシナンテ》は、


パトルーリヌイ・ダヴォール(巡回斥候じゅんかいせっこう)は、一定の距離を保持しながら、ワイヤーガンによる有線接触回線を開き、


身元に関する紹介と、空域への侵入理由を問うてくる。予めギベオンに保持されているデータと、ナノメタリカル装甲に覆われられた《ロシナンテ》と《グッドロードトゥヘル》(地獄への道は善意で舗装されている)は、その外殻を質量保存の法則に反しない範囲で、自由に変えられる。



其の為今は、特に変哲の無い輸送機が二機、商船として認識される。


「データ照会...は、ザドゥ社所属...チェルノボグ...とカルトーフェリか?変わった名前の船舶だが、確認はとれた。」


守備隊の保持するその機体は、色鮮やかな銀幕をその船体に張り、無数の銃口を此方へと向けてくる。第四世代までのビーム兵器ならば容易くはじき返す


頑強なボディーと、機体から覗く自動照準式の銃火を叩き込む、鋼の獣を顕わにするその姿は、《ストラーナ》の標準的な巡視用の艦船である。


随伴機として並ぶは、これまた《ストラーナ》所属機では、標準的な、機能を有するロシア語で理由のない激しい心の痛み、憂鬱、郷愁。を示すトスカ (тоска) ...


ギベオン経由での情報では、各機体は、《アーリヤ・ガラークチキ》(銀河独唱)を切り札として持つ第九世代の最新機だ...以前に何度か争ったが、


厄介極まりなかった。併合間際のこんな場所に配備されているというとは、《ストラーナ》は、軌道エレベーターの権利を手放す気はなさそうだ。


これは骨が折れそうな案件になるな、と心情を吐露する。


「国境を超える理由は、チョコレートの輸出とのことだが?どうだ?幾つか俺達にも分けてくれないか?」


(ハンザス...チョコはあるのか?)


(隊長、嗜好品としてうち等が消費する分はありますが。売るほどはありません。臨検されれば...)


応対する船長に対し、アドバイスを提示し、


その声を受けて...。


「こちらチェルノボグ、品物のチョコは、既に売り手が決まっている。納品の商品が揃って居なければ、商売の死活問題となる。申し訳ないが、譲れない。」


「おっと、自動翻訳機の動作は...良好だな、はッそれは仕方ないな。」


手には、ドラムマガジンを備えた短機関銃と背面には、一丁の対物ライフルが懸架され、その頭頂部には、昔馴染みの兵士が被るヘルメットの如き曲線を残した、


編み笠の頭部...遠中近距離での戦闘を想定されたその機体は、此方に銃口を向けたまま軽口を叩き続けている。


しかし、漸く提示された身元の照会の結果の確認が取れたのか、納得するかのように《ロシナンテ》から離れ、


去り際に、 「スチョースリーヴァ・プーチ!」(幸運を祈る!)」の一言を残し、去って行く。


「隊長、尻際の悪い奴らでしたね。危なかった。」


「まぁ、戦うのは今ではない。艦長、到着までの目算は?」


「隊長、速度は緩く、ゆっくり行きますので一時間程度で着きますよ。其れ迄コックピットのシートを男尻で温めてください。」


・・・


・・・


・・・



四方を山間部に囲まれ、僅かな平地に作れた街並みのスレブレニツァに、僅かながら存在する街の北部の開けた平野が見える港湾設備にポトチリ川外縁の


この街唯一の港湾設備への発着を待つ、船舶に紛れて、その大き目な艇尾部を左右に振りつつ、接岸を果たす。



「こちら、ザドゥ社所属...チェルノボグ並びにカルトーフェリ、此れより、スレブレニツァへ滞在を求む、入航の許可をどうぞ。」


「こちらコントロールセンター《管制室》、自動翻訳機、バベルの動作正常、着艦許可は、報告は既に受けている。ガイドレーンの誘導光とのリンクを受信、前方を注意の元入航されたし。」


「コントロールセンター《管制室》、クリアランス・デリバリー、[フライト番号AF2054F]クリアランスをリクエスト。」「[フライト番号AF2054F]、指定ルートの確認了解。オールクリア。入港手順に従い。前進してください。」「微速前進、準備完了。」


「どうぞ、我らが同胞。汝らの訪問を心より、感謝。」


んッ?


「嗚呼、そうかユウ殿はしらなかったか、此処の港湾設備の管理者は、内の所属者が紛れてる。今は、サミズダート (самиздат)として活動してる」


「サミズダート (самиздат)なにそれ?」


「かつての国家の翳に隠れて、発禁となった書物を自主出版をする活動を言うんだよ。其れから転じて、反転攻勢を行ってる地下組織をそう言ってる。」


「今回の依頼人は、その中の一人だよ。なんでも東洋人の血が混じってるらしいけど、とりあえず、叔父さん達には、引き続き後方支援を頼んで、僕たちは、依頼人に遭いに行く。」


「ハンザスとミカンガムは、念のため目に、Carpe Noctem (カルペ・ノクテム)に乗ったまま警戒をしてくれ。」


「その間に、ユウと一緒に私が依頼人に遭ってくる。」


「ねぇねぇ、隊長。この街にご当地アイスってあるかな?トルコアイスは、少年に取られちゃった。私はいまアイスを欲している!!!!」


「んー調べたけどなさそうだな。お昼にでもどこかのレストランに寄って行こう。ジェラートぐらいならあるでしょ。」


「やったッ!!隊長愛してる。」


チュッ


「辞めろ、僕に投げキスをしてくるなッ!!!」


えーけちー。


で、待ち合わせ場所は?そうだな...。おっと、喜べ、合流地点が変更になった街の中心部にあるレストランだ、一石二鳥で、食事が出来るぞ。


やっはー行こう行こうと飛び跳ねるユウ=スクリームと、終夜=ナイトワーカーは、街の真ん中を流れる川面の風景を眺め、


やや開けた街並みの中を進み、街並みは、近代的な機械的最新設備による建物ではなく、


数世代前の簡素化された、街並みが仄かな彩を見せつつ、点在する。北南に細く開けた、山並みの大地の中で、ひと際寂れた様相を見せる一角の建物が見えてくる。


古びたドアを開き、細やかな掃除が行き届いた床を踏みしめ、人気のないテーブルの隙間を抜けて、自動翻訳機の機能をONとしてカウンターに佇む一人の男に声を掛ける


「すまないが、営業時間外だ、今日は...」


「それは残念だが、私は、親鳥、雛鳥を見つけに来た。」


「嗚呼、そうか...あんたか、雛鳥は奥で待ってるよ。ついてきてくれ。」


奥に通され、進む先には、椅子にチョコンと座った三つ編みの幼女の姿が見える。


その表情は心なしか、先ほど遭った。男性に少し面差しが似ていた。この二人は親子なのか?


今覚えば、案内して来た男も、柔和な表情を浮かべ年よりも若く見える。東洋人的特徴を見せる。


その顔を見たユウの目がハート形になっていたのは...。そうか...その手に持っていたジェラートの所為だな。


「君は、ミミ=佐伯、6歳かな?」


コクリと頷く幼女を前に。


「そして、貴方は?」


「八握=佐伯...28歳、こいつの父親だよ。こんな辺境の地にようこそ。」


「そうでもないでしょ?まぁ《ストラーナ》の中央から見れば端にあるが?」


そう答えると手に持ったジェラートを幼女に私、そしてもう一つのジェラートを、物欲しそうに眺めるユウの目の前に差し出す。


「えっ良いのやったー愛してる。結婚して!!!」


「いや、俺は既婚者なんだが?」


ほふほふと、ジェラートにかぶりつくクールカットのユウ=スクリームを横に置いて、会話が進む。


「貴方が、仕事人さん?」


「嗚呼そうだよ。仕事の依頼があるんだよね?」


コクコクと頷き、アイスを一口、


「私たちを救けて欲しいの。世界に現存する七柱の利権が、あたし達の世界の平穏を守りそして壊している。」


「《ストラーナ》は、本来九つあるはずの柱の一つを、喪い。焦り他人から奪う事を選択してしまった。オデッサにある軌道エレベーターを取り戻して、私たちの国を、生活圏を取り戻して欲しい。」


「私は死ぬ前に、お空をもう一度見てみたいの」


「ふむふむ、だけど僕らは、遠き夜空の仕事人、別に戦争請負人と言う訳じゃない。ただ争いのバランスを調整して、痛み分けさせる程度しかできないよ。」


「何より僕らは人を殺さない事をモットーとしている。それで良ければ君の依頼を受けよう。」


「えっまだ依頼の報酬を言って居ないわ。」


「利権の...を...」


「嗚呼それでいい。但し、君らの求める結末にならなくても、クーリングオフは出来ないよ?悪魔と相乗りする勇気はあるかい?」


「もちろん...」


「いや幼女にその勇気は要らない。君に真に勇気があるのならば、危険を感じる前に必ず逃げる事、それが条件だ。」


一通りの会話を済ませると、傍に控えていた八握=佐伯は、折角だからと、食事の提供を申し出る。


「まだ準備中だからな、簡単な料理しかだせないが...チェヴァプチチ...牛・羊の合いびきのミニソーセージに、生玉ねぎを加え。


Somunソムン...パンと一緒に主菜のBegova(ベゴヴァ) čorba(・チョルバ...鶏肉と送らのスープと一緒にやってくれ」


椅子を引かれて席に座ると、説明される料理の数々を並べて持て成し始める。


添えられたクリームを付けて食すると、塩気のあるチーズの様なクリームで


味変をして、既にジェラートを食してご満悦なユウ=スクリームを他所に


終夜=ナイトワーカーは、これからの戦局を掛ける案を思考し続ける。


事前にギベオン経由で知らされた情報を加味すると、《ストラーナ》側は、採掘できる地下資源物資と、他国との戦略的干渉地を欲しており、《レグヌム》諸国との衝突は避けられない。


しかし、《レグヌム》側に属するオデッサも自国の領土を喪う訳にはいかず。


幾度目かの調停案は、どちらも納得する事なく、争い続けている。


戦線に投入されている戦力は、当初の勢いを失ったものの、未だ増え続けている。


「料理は口に遭いませんでしたか?」


「いや、ありがとう。とてもおいしかったです。支払いは生体認証で、大丈夫ですか?」


「お代は結構です...は、そう言うのは貴方は嫌いそうですね。」


「正当な報酬であれば受け取るのが筋ですよ。」と伝える終夜=ナイトワーカーは、


はいと手を出しスキャナーを通し、生体情報と紐づけされていた。


生体認証に偽装を重ねた公式上のデーターを元に、支払いを済ませると。


「ねぇ隊長。ふと思ったんですけど、これ一卵性双生児とかの場合どうするんですか?」


「嗚呼、双子で共通で設定して、それぞれを共同管理して、支払い時に設定しているパスワードか若しくは声紋認証があるから問題ないよ。」


「へーそうなんだ?じゃぁ食事もすませたし行きますか?」


「ミミちゃん、八握さんも一緒に」とエスコートを申し出るユウ=スクリームに


「港に船を止めているんでしょう。私にも連絡は来ています。店を閉める準備がありますので、後ほど合流ということで、其れ迄買い物でもして余暇を過ごされては如何か?」


「了解です。」



・・・


・・・


・・・


二人だけが帰る道を往く中、ユウ=スクリームは満足そうに買い込んだジェラートを抱え、

半自動操作で、街の両端を行き来する。無人トラムに揺られ帰路に就く。


流石に歩いて帰るには、時間も距離も大分離れてる。行とは違う経路を使い戻る。


合流迄の僅かな時間のズレを埋める様に、歩く道々の中で買い物を済ませる二人の通信機にギベオン経由で、一報が入る。


「《ストラーナ》軍の一部が、街にせまっている。」


「えっなんで?ここは《ストラーナ》の勢力圏でしょ?」


「恐らくサミズダート (самиздат)の殲滅が目的だ、街が戦場になるぞ?急いで」


耳を澄ませて聞き取ると、どうやら、クピドレスの戦力が、オデッサ奪還の為に、軌道エレベーターの戦力と戦時衝突が開始されたとのこと。


しかもその攻撃を良しとして漁夫の利としてオデッサを奪われたカルぺ・ディエム所属の《レグヌム》が、且つてのクニャラ・ウル《寒気の都市》での対応とはうって変わって、


自国の既得権益を守るという大義名分の元、戦線の押上を強硬。


遠く離れた、この地からも僅かな星の光にも似た、撃墜の炎の残滓が見て取れる。


港湾から飛び出してきた、何かの機体が、二人の上を通過すると共に、撃ち落とされ、


火の華が一夜の夜に眩き光を残して、光で穿つ。


同時に空へと吐き出されたスプーマを纏った落花生が天を舞う。


斃れ往くその姿を見送り、大地に着地した衝撃で、地面が揺れ、ガラスが飛散し、建物の外壁が崩れる音がする。


何を思ったのか名も知らぬ少年はこん棒片手に、18M大の機体に対して、己の威を通そうとする。


その姿を指で目を覆い何もできないユウ=スクリームを前に少年の蛮勇を笑う事なく、ただ前へと出て答える


「ひのきの棒を以てして、巨兵と対峙するは、誰であっても容易く出来る事じゃない。」


「だがその恐れも勝機なくして闘うは、意味の無い自殺に過ぎない。」そう言って並び立ち震える方に手を置いて漢は、答える。


「じゃぁどうすれば良いんだよ。」


「喩え少ない可能性であっても勝機を見出せば良い。こんな風にな。」



「マイクの集音声は良好か?君たちの欲しいものをサミズダート (самиздат)の情報を渡そう。」


...


「聞こえてる。其のひのきの棒で戦わないのか?」


「嗚呼、降伏するよ。君の機体は集音性は良いらしいが会話が途切れて...良く聞こえない。」


「ん?おかしいな、異常はないはずだが...」まぁ良いかと


コックピットを開放し、武装を解除を告げる言葉を届けるべく身を乗り出した瞬間。


素早く腰に手を回し、短銃を引き抜くと瞬く間に照準を合わせ一射する。


距離は凡そ数十メートル離れるも狙いは、外さずその両肩口を撃ち抜き、斃す。


「ギベオンッ!!!!機体を送ってくれ。」


戦術リンクがたもれたままの通信機を介しての瞬間武装転送システム《アーモリーディスワン》を起動。


それまで自陣のロシナンテ格納庫内にあったはずのThird wheelサード・ウィール《お邪魔虫》がその姿を現す


滑稽だ。滑稽だ。滑稽すぎる。真に危険を知らずに唯々、恐れを知らず進む誰かが今死のうとしている。


それを態々止める義理も義務もないが、どうしようもなく笑顔が零れていく。


嗚呼そうか、平和を唄う人が争いと殺意を撒き、地獄への道は無責任と言う名の善意で舗装されている。


だから戦争は起こる。


また、人が死ぬ。


それでも...ず


私は...一機を無力化し、もう一機存在するトスカ (тоска)...中央部から離れたこの地に置いてそれだけ居れば事足りるのであろうと判断し


愛機に乗り込み、操縦桿を握り、思考制御リングとアンクルにガイドされ、少年の保護をユウ=スクリームへと任せ、



起動兵器が上げるにはあまりに静かな、無音の跳躍と共に空へと飛びあがる。重力制御が行使するその動きに、


ドラムマガジンを備えた短機関銃と背面には、一丁の対物ライフルが懸架され、その頭頂部には、昔馴染みの兵士が被るヘルメットの如き曲線を残した、


編み笠の頭部...遠中近距離での戦闘を想定されたその機体は、



重苦しい、言葉をはき、此方に銃口を向ける。



「どうやって、斃したッ!!到着までそれほどの時間は経過していなし、ビーム兵器の光も観えなかった。どうやってだッ!!!」


「それは企業秘密だ。教える義理はない。強いていうのであれば、一歩前へ踏み出しただけさ。」


「嗚呼そうか、こいつはなんだ?バベルの翻訳機能は正常って事でいいのか?」


「出来れば人のいる街の上での戦闘は、避けたいんだが...。」


(相手の機体の主武装はギベオンと過去の戦闘からの情報では、実体弾がベースの筈。)


(厄介なのは、その...と《アーリヤ・ガラークチキ》(銀河独唱)だ。出来れば行使前に斃しておきたい。)


受ければ跳弾で街が破壊される。だが避けなければ墜とされる、その逡巡する間が命とりとなって、



鋼鉄の刃が吐き出され襲い掛かってくる


その決断までの時間、凡そ、0.02秒その行動は既に終わっている。


刻まれる弾痕を瞬時に展開した《ファルクス・レフレクトール》が形成する超電磁砲(レールガン)の磁界を変容させ、


其の斉射を受け止め、位相を反転させ、反撃の糸口として、逆に撃ち返す、



焼け付くように放たれた弾痕は、超電磁砲(レールガン)によって生ずる摩擦熱で、消滅の憂き目を見せつつ、目標の狙いを自機に集中させる為、


揺ら揺らと機体を揺らし、追撃しやすいように山間部の方向へと機体を差し向ける。


逃げるThird wheelサード・ウィール《お邪魔虫》の姿に、背面に備えた対物ライフルを構え、狙撃体制へと入り、撃ちだされる射撃の衝撃で、


街中の建物が歪みそしてガラスが割れ、大地へと降り注いていく、狙いの逸れた大口径の火器は、山の裾野を穿ち、噴煙を響かせながら木霊する


轟音を前に、連続射出を繰り返す。


少年と退避行動へと移るユウ=スクリームを残し、置き去りにされたトスカ (тоска)も追撃へと入る。


浮遊し、周囲に旋風と衝撃の坩堝を残して、去り行くその姿を見送り、


事態は、山々の頂上付近へと変わっていく。


狙撃が一向に当たらないあんな目立つ光を放つにもかかわらずこちらの狙いが外れる。まるで一歩先の未来を読むかのように、今も撃ち続けている弾丸が、空を切る。


しかも、その狙いは人気のない山々へと誘導されている様に見える。そしてその姿が、一瞬で掻き消える。


トスカ (тоска)が保持する早期警戒機構、360度の視界をカバーするその視界に突如として背後から迫る。


頭部に備わった昔馴染みの兵士が被るヘルメットの如き曲線を残した、編み笠の頭部より吐き出されるは、360度の射角を保持した、隠し武器から放たれるは、


無数の銃弾、その火砲が血道を上げるべく放たれるが。その左腕から繰り出される袖口と手甲から二重に放たれるビームサーベルの輝きと短銃に備わった手斧の刃が、


振り払うかの様にその銃弾を切り裂き溶断し、その頭部の編み笠を弾き飛ばし返す。


(チッこいつ隠し兵装を知っている?トスカ (тоска)と交戦しているな?だがこの機体の交戦記録は残って居ない?となれば?)


背面を取られて己の不利を悟った瞬間に、機体の推進機構をOFF自由落下に身を任せ、地面に直撃する寸前で滑りだす様に浮遊を再開、機体を逆上がりの要領で


反転し、その手に持つドラムマガジンを備えた短機関銃を叩きつける。


其の斉射が命中する下に見えた瞬間にすでのその機影は、姿を消し、既に地面を上と下足下から、叩き伏せるかのように、足撃が叩き込まれ、


地上へと落下する中、コックピット内部で、エアバックが展開される音が鳴り響く、


目を回し、その手から取り落とした、獲物を前に、トスカ (тоска)を操る。パイロットは、切り札として、《アーリヤ・ガラークチキ》(銀河独唱)の行使を試みる。


暗転する。星空は、一瞬でその機体の足下に広がっていた。急上昇を果たし、僅か山々をした見る高度より、星空が広がる成層圏迄一気に羽ばたいた。


トスカ (тоска)の姿は、いつまにか獲物を対物ライフルへと切り替え、足下でその姿を探す


Third wheelサード・ウィール《お邪魔虫》へと、照準を合わせる。



コックピットの視界には、飛ばされ刃が刻む傷を残して、弾け飛んだそれは、大きな円周軌道を描き、舞い戻る、弾き飛ばされた編み笠の如きバックラーは、終夜=ナイトワーカーの元へ舞い戻りながら銃撃を繰り返す、


構えたエリュシア・レーゲル《緋蒼雨》の輝き、二丁拳銃による偏差射撃を叩き込み、その遠隔操作された編み笠の如きバックラーを大地に撃ち落とすと


同時に、その引鉄が引かれる。


質量保存の法則を無視して、その質量を増した対物ライフルの一射は、重力崩壊と重力加速の勢いを増しながら、スレブレニツァの街を巻き込み放たれる


その時、ギベオンからの警告が鳴り響き、最悪の結果が訪れるまで数秒、


其の半瞬の間に行使されるは...。


大気圏の空を翔ける。白く暗い、黒白の輝きを見せる二つの光がが、何処からともなく宙に人筆で塗りつぶして描く。


消滅する敵機を他所に、通信越しに謝意を伝える。


「ありがとうギベオン、助かったよ。機体の回収も頼める?」


アンガーバレッジによるカウンタースナイプの構えを取ったまま、答える。終夜=ナイトワーカーは、危機が去った事を知り、


ユウ=スクリームを拾って、急ぎ戻った二人は、何故か先に到着していた。依頼人の姿に仰天しつつ、準備に入る。


「艦長、緊急出動。離岸後、最大船速により、目的地へと向かう。物資の補充は、どうだ?」


「隊長、後一時間待ってくれ。機体の整備も終わって居ない。」


「現地到着後、に地元の戦力との合流が必要だ。他の隊も、各地に向かってるとギベオンが言ってる。」


「そうか分かった。このまま待機する。」



緊迫する空気感の中で、突如開催された男尻相撲が始まる。


なぜ今何ですか


その訳は私も知らん、尻の赴くまま、勝手にさせて貰おう


隊長はいつも百合に挟まってるし、拙者の尻には花が挟まってるしで、何故人は何かに挟まろうとするのか?


いやそれハンザスさんが尻に花を挟んでるからじゃないですか?


震えに呼応して花弁が散ってるよ?ささっと振りまかれた花弁を、悠々と歩く黒々とした尻がぽきゅぽきゅと音を鳴らしながら、


あるく其の背に向かって、ドスの利いた黄色い声援が飛ぶ、


尻を振り乱し、震える男尻の振動数を操りながら、ハンザスは何度目かの勝利を手にして、叫ぶ


我が男尻に一輪挿しに狂いなし!!!!世は今も平穏、


同志よ。どうしようと思う間もなく男尻を叩け、ぺちぺち打音だけが響き、そうだそうだとトリナーツァティイ・ズヴェーリの目が泳ぎ、


その動きに合わせて尻が泳ぐ、泳いだ先には、ひと房の尻が泳ぐ。


擦り合わせる尻と尻がそこに残されしは、一欠けらの男尻。


尻が、男尻が墜ちてる?!


ハンザスさん敵性男尻を確認、レッドラインを超えてます危険です男尻由来の何かが近づいてきますッ!!!


男尻を挟まず肉を挟むべし、亀子のマナーとして、連絡先の有無を無理聞き出そうとするのはローアングラーと同じで


マナー違反!!!!撮影はお静かに


並み居る男尻を超えて未だ不敗、不快で、不敗臭を奏でる男尻が告げるは、謎の祭りの光景のみ


満足したか?


性も根も尽き果てた、ミカンガムは男尻を天に捧て、夢を見る。


なんかおもろい事ないかなぁ、目に刺さるニャン!!!!雄っぱいぷるんぷるん!!!雄っぱいぷるんぷるん!!!

雄っぱいぷるんぷるん!!!雄っぱいぷるんぷるん!!!雄っぱいぷるんぷるん!!!雄っぱいぷるんぷるん!!!

雄っぱいぷるんぷるん!!!雄っぱいぷるんぷるん!!!雄っぱいぷるんぷるん!!!雄っぱいぷるんぷるん!!!


・・・三分経過


( ゜∀゜)o彡゜雄っぱい!雄っぱい!雄っぱい!雄っぱい!雄っぱい!雄っぱい!雄っぱい!雄っぱい!


雄っぱい!雄っぱい!雄っぱい!雄っぱい!雄っぱい!雄っぱい!雄っぱい!雄っぱい!雄っぱい!


えっ拙者の男尻がここにあるのに?!?


狂気のジェットコースターに一同を乗せたまま、急カーブを盛大に事故り、衝突事故が連続発生し、喰らわせるは、


男が奏でし肉の饗宴


よーしおじさんバーベキューしちゃうぞー


そしてその光景は余すことなく記録され、何者かのアーカイヴ残され保存された。


最後に不用意な質問とローアングルでの撮影は禁止を告げる尻の鐘が鳴り響く


祭りの灯は墜とされ、その試みは何事もなく終わる。


ハンザスの括約筋の活躍を以てして、代償として支払われたのは、その漢の括約筋の筋肉痛のみを残して...


そうかカオスには男尻が宿り男尻にはカオスが宿る!!!!その結末を見守るオーバーオールを素肌に着込んだ


女性は、つぶやく。なにこれ?



・・・



・・・



・・・



待機する時間は、遅々として進み、整備の最終チェックは、移動中に並行作業で行う事として、


人員の少ない遠き夜空の仕事人の面々は、自機の最終チェックに取り掛かる。


「マスターコントロールより各機、ギベオンとのリンクはどうか?」


「感度良好でござる。」


「このアイスも美味しいよ!」


「同じく問題無しですぜ。」


「武装の安全ロックは其のままで、1番から4番まで装填確認。アインヴェンダー《適用者》の接続はどうか?」


「感度良し照準チェックOK、行けますよ隊長。」


「でも隊長、こいつを使う状況をどう想定しています?」


「ギベオンの予測では、核攻撃が38%、新兵器による襲撃の可能性が30%、28%が起動兵器による急襲、その他が2%、予測不能な状況下が2%です。」


「良し各員、ギベオンとの戦術リンクによるアシストを受けつつロシナンテとの連携を密に、陣形をフルードフォーのまま、《ストラーナ》の支配領域へ突入後事態の収拾につく。」


「陣形はフライト・リーダーの私が部隊指揮・戦術統制を担当、ウイングマンとして防御・斥候をハンザス、ポイントマンである近接戦闘・遊撃を担当するは、ユウ、最後に、早期警戒とマークスマンを担当するはミカンガム。頼んだぞ」


「叔父さん達はどうする?」


「退役間近ではあるけれど、独自判断でバックアップを頼んでる。ギベオンの予測通りなら...手は多い方が良い。」


「隊長良いか?」


「ん?艦長どうした?」


「《ストラーナ》は、此方の救援を拒否。独力で対処するらしい?どうする?突っ込めば、弐方向の勢力から急襲される事になるぞ?」


「いつも通りの手はずで行く、目標の軸合わせ開始、距離50000を超えた時点で出撃、ロシナンテは艦砲射撃と遠隔防御で援護し。待機中の《グッドロードトゥヘル》(地獄への道は善意で舗装されている)は、事前の打ち合わせ通り、戦域外へ向かい、待機。武装解除の後、交渉にはいる。」


「ハンザスは、アンブレイクシールド、ユウは、ブレードライナーに...」


「ミカンガムは、獲物をデュオ・クァンタム・ランスから、クライシス・トリガーへ換装。実体弾兵装レールガンだ。威力はあるが、射程と地上のコリオリオのしっかり想定しろよ。余分な計測は全てギベオンがやってくれる。」


「アイアイ、隊長。」


《ロシナンテ》は、船体の周りに、機械化された迎撃用の《falcis(ファルキス)》の展開を開始。更に圏域防御船としての機能を発揮、電磁シールドの光波防御帯も

同時に展開、厚い守りに守られた鈍間は、その名と反した、高速機動を見せたまま、


操舵手であるブロッコ=リーへと、は指示を受けた通り、船体の軸を起動エレベータへの侵入ルートを、三時方向、北北東へと固定。


ダミーバルーン、チャフ、弾幕を一斉投射と共に、機体の出撃を急げ、タイミング合わせ、行けっ!!!と鬨の声を上げるかのように、船長が放ち、通信手であるナンニシ=ヨウが、


出撃準備を終えた。四人に対して...


「了解しました。ダミーとチャフ展開のタイミングをお知らせします。こちらの陽動に合わせてください...3、2、1、0、今!!!!」その掛け声に呼応するように語彙を流離う旅人として、その誓言を唱える。


「Third wheelサード・ウィール《お邪魔虫》...終夜=ナイトワーカー、出るぞッ!!!」


《ロシナンテ》の下部コンテナより、可変起動する射出レーンに、生じる電磁加速を受け、浮き上がる機体と共に過大なGをその身に受けつつ機体の電磁シールドと重力アシストの


補助を受けて、前進する船脚早き艦船より次々と飛び出していく。


「Carpe Noctem (カルペ・ノクテム)D型アンブレイクシールド...ハンザス=フライハイ。男尻の布教の為、逝ってまいります!!!!!」


パンッパンと、何かが叩かれ震える肉の音を響かせ、僅かにタイミングをずらして、撃ちだされたCarpe Noctem (カルペ・ノクテム)D型が、


同様の加速軌道を以て空を逝く。


続く機体は...アイス片手に、握る操縦桿に力を込めて


「アイス大好き!!!!、ユウ=スクリーム、Carpe Noctem (カルペ・ノクテム)C型、ブレードライナー逝くよ!!!」


「しかしいつもながら狙撃と早期警戒を担当するのは骨が折れるな、男尻は割れないが、アルトバース=ミカンガム、Carpe Noctem (カルペ・ノクテム)E型クライシス・トリガー行くぞ。」


釣瓶撃ちに射出される。無数の機体は、陽光に照らしだされ進む四機の機影は、朝焼けに包まれ、一斉に、機体各部の重力推進器を稼働。


戦闘を逝く終夜=ナイトワーカーを前に、左右に楔形の陣形を組みつつ進む中


「隊長、ギベオンからの報告だと、クピドレスと思わしき機影は8機、《レグヌム》所属機は12、《ストラーナ》陣営の機体数、12、15、16、次々と増えてる流石に防衛戦力は厚い。」


「どこからこのケーキを切り取って行きますか?」ミカンガムは、覗き込む照準器越しに状況を報告していく


その派手に光る機体の彩を誇りながら、進む姿は、戦場を駆ける勇壮なる騎馬の如く。牙を突き出し、


遠くから飛来する銃火が周囲に展開するダミーバルーンを次々と撃ち抜いていく光景に、冷や汗をかく事無く、冷静に次の一手を構築していく


全天周モニターに映る目標は、天高く聳え立つオデッサに建造されている軌道エレベーターの姿、


展開と集合を繰り返した《ファルクス・レフレクトール》と、銃身状の《トゥブス・ファルクス》、短銃身のハンドガンを中心として、バレル、スコープ、フロントユニット、ハンドガード、ストックに変形するそれらの思考誘導兵器の数々がその手に構えるエリュシア・レーゲル《緋蒼雨》を中心に組み上がると


その姿は、大型の狙撃銃の似姿ではなくアサルトライフルの如き、銃身を魅せる。アングリフ・シュトゥルムレーゲン(突撃する豪雨)の輝き、


その射程距離を、アンガーバレッジには譲るもののその速射性と、その放たれる極小の輝きは、暴風雨の如く戦場の陣地を削り取っていく。


「全部だ。全部持っていくぞッ!!!」


「はぁ、やっぱりこうなるのか...骨が折れるね。」


「でも隊長、僕らが、到着するまでの間に大分、互いの戦力が削れてるよ。視るにミカンガムたそ。優性なのは...クピドレス側だよね?」


「いやそうだな、クピドレスが戦場の大半を押しているが《ストラーナ》も負けてない...旦那、この位置からの狙撃戦に移行するか」


「いや最高速で飛べば、到着までの時間は20秒弱、突撃陣形のまま一斉射撃、食い破るぞ。」


「全機突撃しながら最高速に移行ッ」


罹る粒子を噴霧し、機体周囲に光の幕と重力場による斥力を発生しながら飛ぶ姿は、陽光と交じり合いオーロラにも似た光をいと美しく、川面から飛び立つ白鳥の如くその飛び立つ瀬に後を濁さず飛び続ける。



コンソール上に映る文字と音声ガイダンスによると、


《クピドレス》は、グレンデル《怒れる噛み砕く者》一機、クラン《血族》二機、ファルクトフォーゲン《境界を生む者》二機、アルトバーレン《原初の獣》三機


《レグヌム》は、ディエム・エクス二機、ディエム・ディエ四機、ペル・ディエム六機


《ストラーナ》の機影は、トスカ (тоска)六機、アヴォシ (авось)六機、ズヴェーリ(зверь)八機



到達するまでの数十秒の間に、既に二陣営からの集中攻撃を受けて、戦線を構築する互いの戦力の内、約一割が、それぞれの陣営から抜け落ち、墜ちていく中、


突如三つ巴の戦場に乱入した遠き夜空の仕事の姿に、目標とするのは...依頼人の意向通りであれば《ストラーナ》の戦力を削る事に終始するはずではあったが


先ず最初に撃ち落とされたのは...《クピドレス》陣営のアルトバーレン《原初の獣》の翳、



ズヴェーリ(зверь)二機、ペル・ディエム一機、アルトバーレン《原初の獣》一機、ファルクトフォーゲン《境界を生む者》の光波防御帯に守られながらも


戦場を駆ける一陣の風と化し、アングリフ・シュトゥルムレーゲン(突撃する豪雨)の輝きとクライシス・トリガーが放つ重厚な音階を叩き出し放たれる金属加工された榴弾は、


他にCarpe Noctem (カルペ・ノクテム)が保持する中型の多目的ライフルとの合わさり、目標は、偏差十字砲火にさらされ瞬く間に墜ちていく、


続いて機体を急旋回しながら、今度は《ストラーナ》へと3時方向に時計回りに廻ると、


突如として現れた所属不明機に、戦場の趨勢の過多は、偏りながらも変位していく。すわ援軍と観た《ストラーナ》陣営は、攻勢へと転じ、


防御を打ち破られたと見た《クピドレス》は、退避か、反撃かに迷い、《レグヌム》陣営は迎撃に乗り出す。



無数の銃火が天を焼き焦がす様に放たれ、流れ弾が、軌道エレベーターの基部へと突き刺さる瞬間に、ハンザス機のCarpe Noctem (カルペ・ノクテム)D型が、その頑強なる


装甲を纏ったアンブレイクシールドによるナノ・テク障壁で凌ぎきると、空いた敵陣の隙へと、その嘆く姿を微笑む様に、機体を反転しながらその背後から、飛び込んできた機影は


ユウ=スクリームが吠えるCarpe Noctem (カルペ・ノクテム)C型の姿、その機体各部には伸縮式の刃の群れ、展開と共に伸び、分割される刃の群れが宙を飛び


攻撃の一手をになって居たディエム・ディエへと降り注ぎ、殺到する。堪らず、其の砲身から、毎分八千発と、発光する光子の一射する砲身が、


肩部と脇から延びる多重砲火を加えるべく、其の照準を軌道エレベーターへと注ぎ、機体ペイロードに保持される実体弾頭の冴えを放射状に一斉投射。


噴煙と火劫を放ちながら迫るそれらと、守るハンザス機の頭頂部に手を置き逆向きに映えるユウ=スクリーム機が、機体を捻転させながら、無数の蛇腹の刀身が踊る、


刃の暴風雨と化した、Carpe Noctem (カルペ・ノクテム)C型は、飛翔する分割される刃、ファルクス・ファルトの冴え、



ナノテク機構により、機体各部に搭載されているペイロードと増加装甲から供給されるナノマテリアルを消費してその刃を伸縮させる機構の刃は、


中距離とも思えるその距離を一気に縮め、砲撃戦を仕掛けてくるその攻撃を弾き撃ち堕としながら、無数の刃が踊り解体していく、


コックピット内のコンソール上には、センサーが割り出した組成構造を、主に《星屑鉄鋼》(スターダストダイト)である事を指し示し、


振り返ると共に、バラバラになって落下する機体に、電位斥力キャプチャーネットを一射、


「散ッ」と、爆散する背景を後ろに、僚機であるハンザス機の背面を蹴って、遊撃機として敵陣へと飛び込んでいく、


向かう先は、其れまで背を向けて居た《ストラーナ》陣営、


その動きと呼応するかのように、それまで、《ストラーナ》と相対する《クピドレス》と《レグヌム》へと、射撃戦を展開し、


それまでの陣形を崩し、二機編隊の狙撃戦を試みる。


放たれるは、大きく二股に分かれた大型レールガンクライシス・トリガーの姿、その弾体に据えられたのが、ギベオンからのアシスト、


瞬間武装転送システム《アーモリーディスワン》の援護を受けて、装填されるは、広がり行く光の牙、ウルプス・ゲミナ《双醒都市》条約で使用が禁止された


穿劫弾の代わりに産み出された其れは、単純な機構に終始する。


それは、四角錐状の基部から放たれし、電磁加速により音速の何十倍にまで加速され。投射すると共にファルクス・クアドラト...


細やかな数にまで分散される小型のビームサーベルの刃を内包したまま飛翔するそれは、空中を奔る中、その体内の刃意を一斉展開


降り注ぐ光の暴風雨と化し、敵陣へと降り注ぐ、


それらの攻撃に対して、防御ではなく、機体推進機構を最大として、左右へ分かれての急速旋回による回避と、ナノテクシールドによる防御を選択、降り注ぐ刃が、物理障壁と接触し、


その表面を突き破る光刃の群れが、側杖を喰らった機体が、弄られ、損壊の憂き目に見える。


既に戦場は、二分され、そして突如現れた何者かに《クピドレス》と《レグヌム》は、反撃の一手を降さんと、砲撃戦からの接近戦を試みようと


銃火を並べた瞬間に其の横手から、無数の《falcis(ファルキス)》の一団と艦砲射撃を受けて、陣容が崩れる、


その姿を視認したと同時に、機体を降り帰ると同時に、進み出るThird wheelサード・ウィール《お邪魔虫》の姿、その指向する弾痕を空に描く


其の緋と蒼の射劫が、ケーキを切り分ける様に、暴風雨の妙と化し、光り輝く自機を囮にしながら、射撃戦を展開、


12時方向に向かうThird wheelサード・ウィール《お邪魔虫》と、《クピドレス》と《レグヌム》の陣営、


6時方向には、遊撃隊として奮戦するユウ=スクリームと、射撃戦へと切り替えたアルトバース=ミカンガムに


そしてその中央では、軌道エレベータを降りかかる射線を超えて防ぎ続けるハンザス=フライハイの姿、


ファルクス・クアドラトにより、陣形破壊に突き刺さるその基部を引き抜き、ナノ・テクシールドよりその素材を代用しての修復機能を行使して、


次々と破損した部位を修復して、再度の復帰を果たし、進み出た終夜=ナイトワーカーは、怒張する己を掴みとり、そして、単独飛行による高速戦闘へと突入する。


粒子をまき散らし陽光に照らし出され、朝焼けの空を一筋の光が水平飛行からの急上昇、追いすがってくる無数の機体に対し、下方に火砲を向けつつ、


告げる言葉は、無音の銃火を呼び込む指使い。荒々しくも繊細なその指は、


追いすがる、グレンデル《怒れる噛み砕く者》、とクラン《血族》に、ディエム・エクスとディエム・ディエの機影に降り注がれ、


その斉射は頑強な籠手と発振する牙を前とするグレンデルの装甲を軽く炙り、足下に置いては、《クピドレス》と《レグヌム》の陣営は、


降り注ぐ光に照らし出されながらも、光剣を翻し切り結ぶ姿が、数合繰り返し、瞬く、


その姿を視認しながらも、その漢は些かな動揺を見せずともその引鉄を引く。


ファルクトフォーゲン《境界を生む者》の防御は厚いが、機体上昇からの失速、機体を振り乱しストール《失速》を起こしながら


其の目に映る景色は、空転する空の雲、それでも漢は狙いをつけ続ける、回天する視界の中で、一瞬映ったクラン《血族》の翳に、狙いを付けて、


まずは、脚部装甲に搭載された圧搾穿孔弾を、二基、時間差で射出。


小型の弾頭で有りながら複雑な機構を備え、着弾と共に、敵装甲を穿孔、機体内部へ到達したと同時に炸裂する時限信管の爆劫に晒され、


機体を半壊させつつ、迫る目標にアサルトライフルと化した、銃口から無数の弾痕が襲い掛かる。


照準からの斉射を待って、思考制御アンクルから伝わる動作を元に、フットペダルを踏み込むと推進機構を全開として、進む姿は、川面に映る獲物めがけて飛び込むはカワセミの姿、


急速下降から、急速上昇を繰り返し敵機の狙いと追従を切り放し、中破する敵機を視認しながらの、背面飛行を行使する。


なだらかな軌道から鋭角鋭い上昇軌道を繰り返し、その手に備わった装備を、組み換え、展開と集合を繰り返した《ファルクス・レフレクトール》と、銃身状の《トゥブス・ファルクス》

は、発射筒、照準装置、中央部のトリガーをハンドガンで形成し、グリップ・ショルダーレスト、装填するは、ファルクスに収められた弾薬の数々や本体事態を弾頭として、撃ちだす


空中換装変形を繰り返され、顕現するは長方形のロケットランチャー、ボルクド・レーゲンの威容。


意を決して放たれる鋼鉄の牙は、無数の弾体を内包しながらも、その一打は、直撃すると共に、砲撃が直撃した箇所を大きく抉り、


都合、四つの火砲が轟き、敵目標が保持する防御兵装である。光波防御帯を引き千切り、光の粒子を残して、蒼空に光の柱を築き、


コックピット内のコンソール上には、《転送完了》の一文字が踊る。


友軍機を撃墜され、その特徴的な躯体は。且つての戦場で見た。グレンデルの同型機と断定、



組み上がった、、ボルクド・レーゲンを分解し、ハンドガンの姿へと戻すと、牽制として放たれた、その厚き手甲から吐き出された


四連銃身の牙が吠え、Third wheelサード・ウィール《お邪魔虫》へと注がれる、機体を急速旋回、目標を中心に螺旋軌道で、回避と攻撃可能なポジションへの移動を試みるが、


その追従を許さない。


眼前のグレンデルより、漏れ聞こえてくるパイロットらしき息遣いと、ただ一言、零されるその声は、図らずとも次の展開へと続く


「殺す...殺す...殺す...殺す...殺す...が殺す。」


そう短く連呼するその声は...


女性?今どき女性が戦場に出ることなど、当たり前の話ではあるが、その声に込められた黒く淀んだ瘧は、唯の女性が吐いて良いものではない。


何をおもったのか機体がその手に掴んだ光剣を、肩部の孔へと差し込み上下運動させると、溢れんばかりの光子を蓄えつつ放たれるは、


更に小型化されたオービットマインの弾頭。


蓄熱された小型の無数のイグニス・パルヴァスは、その莫大な熱量を誇り、


飛散しながら蒼空を逝く、Third wheelサード・ウィール《お邪魔虫》へと襲い掛かってくる。


コックピトの荒々しいアラートは、その弾頭がイグニス・パルヴァスであることを指し示し、


「チッ、条約破りかよ?」


無数の弾体が迫り、螺旋軌道を描きながら迎撃の一手として、頭部の視界を回して、バルカン砲の斉射を試みる。


形成されるケースレス弾頭を、単射の徹甲弾から僅かばかりに拡散する散弾へと切り返す。


空域に展開される散弾に誘爆の手をくだされ、炸裂する粒子の爆劫と熱量に押し出されて、Third wheelサード・ウィール《お邪魔虫》へと襲い掛かってくる。の機体が揺れる。


さらに弾幕を抜けたイグニス・パルヴァスの弾頭が此方に向かって接近、次の一手として、機体各部に備えられた隠し腕を展開、


フロントスカート、背面部より伸びる副腕に、フロントスカートと背部腰椎から抜き出された、光剣の刀身を引き抜き、


瞬間的に、展開される光刃を推進器代わりにしてのAMBAC機動を展開、追いすがるイグニス・パルヴァスが直撃する瞬間に


機体を45度から180度回転させ、蒼空を捻転しながら、更に90度の急加速と旋回を繰り返す。


その目まぐるしく、進行方向を変える機動に対して、グレンデルを操る何者かは、神経の端に引かれる何がに激高し、差し入れた光剣に、


更なる発振を試みる、その両手の爪牙を盾に、Third wheelサード・ウィール《お邪魔虫》へと接近を試みる。


触れれば両断しかねないと、コンソール上の機体がアラートを吐き出し、迫る魔の手をエリュシア・レーゲル《緋蒼雨》の刃短き刀身で弾き、


距離を外しての集弾が、Third wheelサード・ウィール《お邪魔虫》を獲物として襲い掛かるグレンデルの装甲に命中する。


破断する輝きが、その装甲を荒く弄るも...


チッ、こいつ...気付いてる。こちらが、生体部品を避けてしか攻撃できない事を...


破損しても影響が軽微な《星屑鉄鋼》(スターダストダイト)の稼働箇所の防御を捨て去り、破損してパフォーマンスを墜としたとしても、


友軍機が、保持するナノ・マテリアルタイト...補修用のナノマシーンが詰った、インゴットによる修復を行使している。


接近し打ちかかる一撃をエリュシア・レーゲル《緋蒼雨》の手斧で、パリィと同時にゼロ距離からの銃火の乱舞、


浅く傷つけるも、その15機分のジェネレーター出力を誇る。その膂力に弾き飛ばされ、ビームサーベルを利用してのAMBAC機動に翳りが見え。


接近した数合の間にも副腕に寄る斬撃を叩き込むが、同時に、追従して来たクラン《血族》が、補修を開始し、千日手の様相を見せる。


此のまま続ければ、いずれ敵のナノ・マテリアルタイトが、尽きて、斃す事は出来るだろうが、度重なる接近戦による衝撃で、機体各部が悲鳴をあげ始めている。


目標のグレンデルの目は怪しく輝き、崩れ行く粗暴な相貌を前に、終夜=ナイトワーカーは...



...


...


...


対する僚機は、一転して《ストラーナ》の陣営へと切り込んでいた。


前を行くユウ=スクリーム機に対して、警戒と狙撃の援護を飛ばすミカンガムが織りなす、攻防は、光芒の如き輝きを見せつつ、



包囲殲滅を旨とする《ストラーナ》が誇るトスカ (тоска)が、隊列を組みその背面に懸架する対物ライフルを前に


アヴォシ (авось)とズヴェーリ(зверь)の機影が、壁となり、銃火を叩き込み始める



無数の射列が形成される中、狙撃の一撃をブレードライナーが保持する実体刃をしならせ、弾くもその攻撃が徐々に精度を増していく中、


何かの遮蔽物に阻まれるかの様に、空中で銃火が正面衝突し砕ける姿が山積される、


詰れた銃弾の骸に、何を思うか分らぬまま、援護が来たぞとばかりに、ユウ=スクリームは、アイスを一口頬張ると敵陣へと飛び込んでいく、


伸縮式の刃の群れを機体へと巻き付け簡易的な鎧として、突撃体制へ移行、叩き伏せる様に、放たれる銃弾を防御しながら


援護するミカンガムは、悪態を吐く。


「六対一の狙撃戦かよ。しかも隠れる場所も無いねぇ。」


機体を掠める銃弾を視界の端に乗せて、冷静に引鉄を引き続け、機体を守るナノ・テクシールドへと次々と着弾を知らせる轟音と衝撃がコックピト内に響き続ける中、


其れは起こる。



「貴公の所属と姓名及び目的を告げられたし、繰り返す。貴公の所属と姓名及び目的を告げられたし、繰り返す。私は、《ストラーナ》軍所属、 オフロコス=チチニキン大佐。」



「此方、遠き夜空の仕事人。一番隊所属、番頭頭アルトバース=ミカンガム、紛争の理由となる問題を解決しに来た。即時停戦を求める。」


「貴公ならびに《クピドレス》、《レグヌム》両陣営とも、武器を捨てて、交渉のテーブルに着くことをこちらは望む。」


「チッ、戦場を荒らす禿タカ共か?警告もなしに戦闘行為を始めて置いてその台詞か?」


「いや、吾輩らの事を知っているという事は、目的とその手法をご存じであろう。撃つのを辞めて貰えるか?」


「つまりは、墜とした仲間は、生きていると?」


「そうだ。」


「だから許せと?いうのか?人の命を危険にさらして置いて。」


「...」


ピピッ突如として顕わになる危機は、それに先んじる事数瞬、ギベオンから予測反応が示した未来は、


世界を支える七柱が、一度に崩れるその姿に、そして、その一報は戦闘中のオフロコス=チチニキン大佐の耳元にも報告が上がる。


「なんだとッ!!!潜入作戦中のスヴォイ(Свой)《味方》から入電?!ミサイル?核弾頭が撃たれただと、一体どこから?いやその前に奴らの味方も居るだろ?!」


「いや、奴らには生体マトリクスによる、蘇生がある、糞ッやつら味方ごと葬る心算か?!」


「オフロコス=チチニキン大佐よいか?此方も核ミサイルの弾頭が迫っている事実をキャッチした。阻止する準備に入る?貴殿らはどうする。」


...



長い沈黙のなか、事態は一斉に動き始める。


オデッサの軌道エレベーターを中心に、合計18機の《ストラーナ》軍は車座に射列を形成し、其の内六機のトスカ (тоска)は、《アーリヤ・ガラークチキ》(銀河独唱)をを起動


背中に背負った対物ライフルを構え、


そして同じく隻腕の機体が構える、長銃身の獲物を抱えるアヴォシ (авось)に、通常のビームライフルを構えるズヴェーリ(зверь)が六機づつ構えて弾幕を形成



更にはその輪に入ったミカンガム機と、ユウ=スクリーム機の姿が、その場に足を止め射撃線へと移る。


「嗚呼、困ったなぁ僕これきらいなんだよね、集弾率も低いしなぁ~」


「何を言ってやがる、狙撃の集弾スコア吾輩よりも良いだろ?ユウ氏」


「えーでも僕には向いてないんだよなー。」


「文句言わずにギベオンにリクエストを飛ばせ。時間はないぞ?」


へーい、時の無い返事を浮かべながら


その状況を背に見るハンザス=フライハイは、漸く場が温まってきた感触を感じ自らもギベオンに


瞬間武装転送システム《アーモリーディスワン》による獲物をコールする。



未だ奮戦する終夜=ナイトワーカーは、迫る《クピドレス》と《レグヌム》の勢力を捌きながら、


既に《ギベオン》の予測事項に考慮して、配置準備を終えていた僚機の陣営に対して、狙撃準備とその弾頭の装填を指示させる。


「ノクト・オリジンより各機、アインヴェンダー《適用者》の接続はどうか?」


「一番隊、セカンド、ノクト・ライズ、問題無し、このまま防御を堅持して狙い撃つ。」


「一番隊、サード、ノクト・カエル、アイスの補充完了、問題無し、シャクリッ!!!」


「一番隊、フォース、ノクト・ルエル、装填完了、ノクト・カエルふざけるな」


「二番隊...」


・・・


「三番隊...」


・・・



「外部招隊、四番隊...」


・・・



・・・



・・・


「七番隊...セカンドアーヴル...狙撃位置に着いた。ギベオンとの接続を密に、大体は任せろ。俺も良い年なんだけどな。いつでも行ける。ついでだ、三つぐらいなら同時に請けもてる。

別に全部撃っても構わんだろ?」


・・・



・・・



・・・



其は、世界を支える七つの柱、その一角で、絶えずその光を称えて、


荒野に咲く華、夢見し、蒼空を仰ぎ見る。


掲げる星の陽光は、今でも誰かを見守る様に、大地へと豊かなる恵を享受する。


それに異を唱えし、モノの声、放つ輩は、マレディクト...


且つての戦場に置ける保護対象。


されど、この場に在っては、斃すべき相手と成り果てる。


その不条理に晒されながらも、我らが遠き夜空の仕事人は、依頼人である


マレディクトの少女の声に耳を傾ける。


死ぬ前にお空をもう一度見てみたいのと、その望みを叶えるべく、馳せ参じるは、


核の火が再び大地を穢す時、青年は...且つて耳にした御伽噺を思い出す。


私は、遠き夜空の仕事人、


家族は、いつの頃から、祖父の話題を出さなくなった。


でも、僕は知ってるのは父が、こっそり残していた。ボイスメモを…


そこで語られた物語は、私の指針になった。


必ずこの悪名を晴らしてみせる。私の一族の手は血に等、塗れてはいない。


子に自らの因果を、恩讐を継がせる事を良しとしなかった祖父が、


無惨にも人を殺す訳がない。その理由は未だ分らない。


でも、きっと私が、この手を血に染める事のない事を証明して見せる。


だから今日も今日とて、戦場を活歩するよ。


アゼリエール


新曲は聞いてくれたかい?


かつて、おじいちゃんと父さんが導き出した。予知が外れる予知は、回避する事は可能なのだろうか?


此れから奏しは終末の夜空が、導き出す答えと問う。僕なりの答えだと、


胸を張って言えるその時まで、然様なら。


蒼空を緋色に染める光景が、其の目に焼き付く瞬間...着弾迄...3、2、1...漢は、引鉄を引き、詩を吟じる。


・・・


・・・



・・・


舞い踊る空戦戯の上下に振り子の様に、奇妙な軌跡を描き、抜きつ抜かれつ追われながらも無数の弾幕を形成する。


それらの動きに、追撃から離脱へと変化が見られる。


どうやら此処に核ミサイルの雨が降り注ぐ状況を把握したものとみられる一機は離脱へとその動きを変え、残る


《クピドレス》五機、《レグヌム》十一機を残してグレンデルのみが、嘲笑うかのように、そのジェネレーターが生ずる推力を頼りに友軍機を盾に去って行く


その眼前に佇む



《クピドレス》は、クラン《血族》二機、ファルクトフォーゲン《境界を生む者》一機、アルトバーレン《原初の獣》二機


《レグヌム》は、ディエム・エクス二機、ディエム・ディエ三機、ペル・ディエム五機が、その前に立ちふさがる。


「やぁ君たち、僕はその後ろの奴に用があるんだけど?話を聞いてくれるかい?もう直ぐここに核ミサイルの雨が降る。」


「勇亡き者が最初にする事教えてあげようか?本来恐れて立ち向かわねばならぬ危険を軽んじるんだよ。」


「立てられた刃に対して無策で突っ込むは、愚か者ですらない。」


「君達みたいにね。熱したフライパンの熱さも知らぬ蛮勇と本当の勇気は違うし勇亡き無謀に、微笑む勝利の女神は居ない。」


「本当の愚か者がすることは正しくその危険を知り、恐れを知り、その上で一歩前へ進む事だ。」


蛮勇と言う名の、欺瞞の勇気が示す代償は、全滅...へのカウントダウン。


応え得る答えを持たぬ者が吐く、その言葉は、


「はんッその程度の欺瞞で臆するか?!我らは、そんな脅しには屈しない。」


嗚呼...そうか、と終夜=ナイトワーカーは天を仰ぎ、操縦桿を握る力を込める。


「各機、クイックモードの発動を許可する。全て撃ち落とせッ!!!!」


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「了解!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」



真に勇気が尊いのは、震える手を押して、危険と分かっていてもそうせねばならぬと決意し、


危険を物ともせず歩くからであって、はじめから危険を危険と思わず、その覚悟を嘲弄する者の上には訪れない。


それは必ず。必ずだ。其れは必ず、訪れない。


愚か者の戯言と笑うが良い。だが真に笑われるべき者は誰だ?


戦場に立ったこともない。自らの命を裸で晒した事もない誰かか?


それとも震える手で、誰かを守る為に、その命を奪う凶器に身をさらしたモノか?違うだろ?


勝機もみえず、対策もなく死ぬモノに、勝利は訪れない。考えろ、考えろ。考える。


お前に真に勇気があるのならば、危険を前に逃げろ!


そう言う大人が今こそ必要だ。


死んだ子供の背を抱いて嘆く親の姿をこれ以上みたくない。


其れは、ある一刻の克明なる時を刻む共演、既に舞台の幕は下りた。


残るは物語のエピローグ、


放たれた死を紡ぐ、黙示録のラッパは吹かれた、されどそこに相対するは、遠き夜空の平和を奏でるオーケストラ、


死を呼ぶ獲物を楽奏の楽器へと持ち替え、まずは先陣を切るは、先人の冴え、


番える光の矢が、蒼く、碧く、青く、煌めき藍より青く、一射が、膨大な熱量と、その存在を崩壊しこの世から消し去るべく放たれる覇劫の奔流が、彼我の距離を一気に縮め、天に向かって唾を吐き、そして己の絶対的優位を誇る。その矮小なる存在へと、無慈悲なる断頭台の刃となって振り下ろされる。


互いに放った一射は、中間の宙域で炸裂し、多大なる熱量と放射する粒子を散らしながら、強大な炸裂の暴風雨を巻き起こし、その光景を見た者は、眩い光を目撃し、眼窩を光に晒された後遺症により暫くの間その目を開くことが出来なかった。


その射角が描くは、光の饗宴されど、更に蒼空を覆い尽くすは、且つて見た極小の砲撃が、二重、三重の輝きを見せて、


蒼空を逝く核弾頭をその誘爆を許すことなく消滅させていく、


「あーあ、明日は我が身だな。逝くぞ。叔父さん達もまだやれるってところを、娘たちに見せてやらなにゃあかん。」


「照準器の狙いは良いな。各自クイックモードは起動したな、」


ギベオンのアシストを受け、既に先回りを済ませていた元第六部隊の面々は、遠き夜空の仕事人の二番隊として、その責務を全うするべく


多目的中型ライフルへと装填したアインヴェンダー《適用者》で、狙いを付けると、最後の目標と目されたその基部を撃ち抜く。


各自、迫る脅威に対して、相対する様に、触れれば銀幕の赤光を掲げ生ずる。破壊の波をフランブル弾の様に当たれば砕ける特殊粒子を分散させるその一撃は命中した


対象を0と1の間に滑り込む効果を対象へと転化し、同時に噴霧されたナノマテリアルが、五分限りのその効果の間に、その生ずる熱と人体に影響する毒を解体し、無効化せしめる。


人や物を消滅させる科学の炎で合ったとしてもその自身がすり抜けたまま消滅するのであれば、その効果は永遠に影響を及ぼさない


それでも弾幕を抜けて、狙いがそれたモノは、地上に過大なキノコ雲の傷痕と、黒い雨を世にもたらす、


されど、多数の人員を以て行使されたその作戦が起こした奇蹟は、いくつもの核の爪痕を世界中に残したものの、噴霧されたナノマテリアルが、分解、無毒化を行い、その傷跡を覆い隠し地上に残された傷を埋め終える。


一通りの処理が終わった後、オデッサの軌道エレベーター内で、開催された調停式では、


《ストラーナ》を代表者を前に、終夜=ナイトワーカーは、自ら調停を名乗りで、その利権や地政学的な緩衝地帯と欲する《ストラーナ》の意向を尊重しつつ、


元々の地権者たる名も無き国の権利を守るべく、《カルぺ・ディエム》による駐留と、領土の共同管理案を提出する。


長い長い審議の元その真偽は謎に包まれたモノの決着を見る。


そこには争うものの姿は見えず、それでも恐らく裏では暗躍は続くだろう。クピドレス、マレディクト、カルぺディエムそれぞれ三者三葉の利害関係がある限り


それは続く。ただ、表立った戦争が続くよりもマシな決着として、


満足し、我らが仕事人は次の戦場へ向かう


遠くで誰かが誰かを責める声が響き渡る。


その先頭に立つ、友人の背中を眺めて、男は思う。


何時もこうだ他人は、一方的に行った善行を悪しざまに笑い貶し罵倒する。

親父はこんな奴らの為に命を賭けて守ったのか?報われなさすぎる。


真に、其の平和で代償を払ったモノの姿を誰も知らず、ただ悪い事が起きたのはお前が悪いからだと今も誰かが罵倒し続ける。


ならば且つて冤罪で、責められた誰かは行いが悪かったから槍玉にあげられたのか?人類の原罪を肩代わりする為に磔にされた誰かは?


魔女として異端審問を受けて死んだ聖女と呼ばれた魔女は?非暴力を唄い、暗殺された数多の人々は、悪かったのか?だから死んだのか?


事故で亡くなった名も無き人々は、責められるほどの悪を為したのか?


いや違うその闘う必死に生きる姿を馬鹿にした誰かの方が確実に悪い。其れだけは確かな事だ。


眠り続ける。哭き眠れる亡父の姿を天に描き、ハンザスは、仲間の笑顔に答える様に笑う。


多分、いつも笑顔を忘れなかった親父殿は勝手に殺すなっと、今も笑って居る事だろう。


そして部隊が展開する舞台は、変わる。


毎月、月末最終日に2話更新予定。


⇒家事をしろという意見が頻繁に届く場合や、家族の体調不良が重なった場合、




月の更新が一話のみか若しくは、休載となる場合があります。




また、作業の邪魔や文章の勝手な削除が発覚した場合、問答無用で休載します。


→何度注意しても度重なる作業の邪魔が繰り返された為、次回から更新が難しくなりました。


締め切りが間に合ってるのは単純に命を削って無理やり間に合わせてるだけで、今月は可成りギリギリの綱渡りで行ってる為に次回からは普通に原稿落します。




待ってる人達には申し訳ないですけど、此ればかりは私にもどうにもできない。

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