フォルのメモ3
ホントはこのメモはしょっちゅう書くつもりはなかった。
でも、ガールフレンドがメキメキ増えている以上、まとめておかねばと思った。
誰が誰だかを忘れるなんて男として最低だからね。
まずはハルネさん。
年齢は……聞けるわけ無いね。30歳はいってないと思う。
整った顔立ちで、目はぱっちり。鼻は低めの童顔だ。
だが、白衣を着ていると凛々(りり)しい。
上はベージュで下は黒いスカート、そしてデニール高めのスカート。
ストッキングエッ!!
出張で出会った女性。医学の権威でメディスン・トライ・マイスター(MTM)の持ち主だ。
まるで魔法のように患者を治療する。
フェアリー・ナースとか呼ばれてるとかいないとか。
普段は物腰柔らかなんだけど、ここぞという時は鬼教官みたいになる。
メディスンのソロマイスターは腐るほど居るので僕なんかはペーペーだ。
僕があまりの足手まといっぷりに悔し泣きしていると慰めてくれた。
優しいところもあるというか基本は優しい。
やたらと僕を買いかぶってるフシがある。っていうかここまで来ると依怙贔屓だな。
彼女のおかげでメディスン・トライ・マイスターまでもらえそうだ。
やっぱ過剰評価なんだよなぁ。職権乱用だよ。
いきなり「友達から始めてください!!」っていわれたけど、もう友達でしょ?
なんでそんなに水臭いんだ。
しかも交換日記なるものを渡してきた。習字の添削でもしてくれるのかな?
2人目は猪狩のアンズさん。
弱冠13歳でハンター・トライ・マイスターをもつ正真正銘の神童。
最年少のトライ・マイスター持ちらしい。
非常にマイペースで独特な話し方をする。
すきっ歯がチャーミングポイント。
背丈はマルシュと同じくらい。
顔つきは彼女より更に幼く、あどけない。
いや、僕らより4歳くらい歳下なのだから無理はないのだが。
だけど、獣に打ち勝つというオーラみたいなものを放っており、凄みがある。
超凄腕スナイパーで、ライフルを主体にして獲物を狩る。
もし接近されても手投げ斧で迎撃可能なんだそうだ。斧もかなりの腕前らしい。
多分、腕利きのミミィでも赤子のようにひねられてしまうだろう。
意外と世渡りもうまく、舞踏会でダンスをこなしたりする。
「わっち、フォルのことすきになっちまった」と言っていたが、13歳はさすがに……。
それに、たぶんこれは異性に対する″すき″じゃないよなこれは。
それにしてもこれでもってマルシュと大差無いのだからマルシュは疑似ロリじゃないのか?
いや、合法ロリか?
だからやたら人気があるのかもしれないな。
次はフーちゃん。フードメイドのフーちゃん。ティーリアが命名してくれた。
丸い頭にちょんちょんと申し訳程度に目と口がついている。
ローラーの脚に、腕の位置にはトレイがくっついている。
料理を運ぶ事しか出来ない役割・ゴーレム。
クランドールの社交場で粗末に扱われていたところをティーリアが保護した。
彼女も元は同伴しかできなかったので、フーちゃんにはシンパシーを感じたようだ。
下級のロール・ゴーレムなので、意思や自我はない。
それではあまりに気の毒だとティーリアは蒼の術式の刻印を頼んできた。
でもなぁ、ロールゴーレムは性格が発現したためしがないんだよ。
「無駄になる」ってナンテ姉妹も渋めの反応だ。
僕もティーリアには同意見だったので、ダメ元で蒼の術式を刻んでみた。
「スキスキティリア」
そしたら奇跡的に自我が発現したんだ。
わずかな情報から女性タイプとはわかっていた。
まぁ役割・ロボットの限界もあるし、そんなに露骨に感情は出てこない……はずだったのだが……。
「スキスキフォルサンアイシテル」
えー、なにそれ。聞き間違いでしょ。ウッソだぁ。
「カコイイ、フォルサン、ダイスキ」
こうしてフーちゃんというガールフレンドが加わった。
あれ、なんかみんなピリピリしてない?
最後にキキョウ。
クノイチタイプのゴーレムだ。
彼女は人を殺すために創られた「キリング・ゴーレム」
とんでもなく物騒な存在だ。
なぜか僕の命を狙いにきたけど、ミミィが迎撃してくれた。
あまりにも激しい戦いで彼女の腕はもげてしまった。
まぁ、密かに搭載してたロケットパンチで事なきを得たんだけど。
ふぅ、死ぬかと思ったよ。ありがとうミミィ。
バークライト流こちょこちょ術で″落ちる″まで攻めてやろうかと思ったけど、ミミィがそれを止めたんだ。
そして彼女の意思を問うた。
自分もキリング・ゴーレムだったことを告白するとニンジャ・ゴーレムを抱きしめた。
彼女は泣きじゃくっていた。
「人を殺さなくても生きていいのか?」と。
いくらキリング・ゴーレムの術式を刻まれても彼女の本来の感情は死んでいなかったようだ。
いつの間にか去ろうとしていた彼女を僕は呼び止めた。
「キミ、名前は?」
すると彼女は答えた。
「キキョウだ。それがどうした」
僕はうなづいた。
「一緒に暮らさないかい?」
彼女は皮肉ぶって笑った。
「蒼の術式を刻印し直さないのか? 私はお前をいつでも殺せるんだぞ。さあ、やれよ」
だが、僕は首を左右に振った。
「そんなことするわけないじゃないか。君の個性が死んでしまうよ。それに他の娘にくらべれば″可愛い″もんだしね」
「かっ、″可愛い!?″」
こうしてキキョウもガールフレンドに加わった。
きまぐれで首をはねられるかもしれないが、まぁなんとかなるだろう。
こうして、ハルネ先生、アンズさん、フーちゃん、キキョウとお近づきになった。
マルシュ、ルルゥさん、アルテア、エリーヌ、ナンシャンテさん、ミミィ、アンシャンテさん、ティーリア、ボーンズちゃん、インフィニ、お花ちゃん、ハルネ先生、アンズさん、フーちゃん、キキョウ……うわ、15人もいるじゃないか!!
もはや軽い村だ。
常に工房が女の子でパンパンになってる!!
さすがにこれはまずい。あぁ、僕の真面目なゴーレム創りが……。
出張申請もできなくはないけど、また出張するか?
いや、それは根本的な解決にはならない。
なんとか、なんとかならないのか!!
僕は頭を抱えながら眠った。




