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【実話】なんで私はこうなる?  作者: 月白ゆう


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プロって、いつからプロなんだろう

 私は、あるスポーツチームの応援が趣味だ。

 年間指定席を持っているので、試合の日はだいたい同じ席に座っている。

 その席の近くには、招待席がある。

 だから、たまに芸能人がすぐ近くに座る。

 最初の頃は、それだけで浮き足立った。

 テレビで見ている人が、数メートル隣にいる。

 でも、何度か見ているうちに、別のことが気になるようになった。

 一流と呼ばれる人は、やっぱり違う。

 試合中の表情。

 周囲への視線。

 誰かに声をかけられた時の対応。

 カメラが向いていなくても、態度が変わらない。

 楽しんでいる時はちゃんと楽しむ。

 周りに人がいる時は、その場に合った振る舞いをする。

 別に、ずっと姿勢を正しているわけではない。

 笑う時は笑うし、盛り上がる時は盛り上がる。

 でも、見ていて不快になるような振る舞いをしない。

「ああ、これがプロなんだな」

 と思った。

 一方で、仕事の付き合いで来たのだろうな、と思う人もいる。

 その人たちは、試合にはあまり興味がない。

 ずっとスマートフォンを触っている。

 動画を撮っている。

 試合をほとんど見ていない。

 中には、ひたすらお酒を飲んで、最後にはかなり酔っている人もいた。

 もちろん、それが悪いと言いたいわけではない。

 招待された席なのだから、どう過ごそうと本人の自由だ。

 スポーツに興味がない人だっている。

 仕事の付き合いなら、なおさらだ。

 ただ、同じ場所に座っているのを見ていると、どうしても考えてしまう。

 何が違うんだろう。

 どちらも、その世界では名前を知られている人かもしれない。

 どちらも仕事として呼ばれているのかもしれない。

 なのに、片方には「プロだな」と感じて、もう片方にはそう感じない。

 技術の差だけではない。

 知識の量でもない。

 もしかすると、自分が今いる場所にどう向き合うかなのかもしれない。

 興味がない場所でも、そこにいる意味を考える。

 誰かに見られているからではなく、その場にいる人への敬意を持つ。

 自分の仕事が何を生み出しているのかを忘れない。

 そういう積み重ねが、「プロ」というものを作っていくのだろうか。

 ふと、自分のことを考えた。

 私は何かのプロだろうか。

「仕事だからやる」だけになっていないだろうか。

 誰かに見られている時だけ、ちゃんとしていないだろうか。

 プロって、資格を取った瞬間になるものでもない。

 肩書きをもらった瞬間になるものでもない。

 たぶん、毎日の小さな振る舞いの中で、少しずつ形になっていくものなのだと思う。

 そして、人はいつプロになるのだろう。

 有名になった時?

 お金をもらうようになった時?

 それとも。

 誰も見ていないところでも、自分の仕事や、その場にいる人たちにちゃんと向き合えるようになった時?

 試合を見ながら、そんなことを考える。

 今日も招待席では、誰かがスマートフォンを見ている。

 その向こうでは、別の誰かが試合に夢中になっている。

 同じ場所に座っているのに、見えているものはきっと違う。

 そして私は、応援しているチームを見ながら思う。

 プロって、いつからプロなんだろう。

 その答えは、まだ分からない。

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