↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第10章 断罪官の逆襲

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

558/560

第548話 「精霊」になったグラシア

 今回は、いつもより長めの話になります。


 「……グラシアさんや」


 「な、何でしょうか?」


 「あんた、『精霊』になってるじゃないか」


 と、雰囲気が変わったグラシアに向かってそう言ったループス。


 その言葉を聞いて、「え?」とグラシア本人だけじゃなく周囲の人達までもがそう声をもらすと、


 「スキル、『神眼』発動」


 と、春風はすぐに自身の所持スキルの1つである「神眼」を発動した。


 その結果……。


 刀と花の精霊グラシア……「妖刀・彼岸花の意志」との融合によって「幽霊」から「精霊」に進化した存在。刀の方を「本体」とし、その使い手と絆を深めることによって力が更に強くなる。


 と、「神眼」の発動によって出現したウィンドウに記された、グラシアに関する説明文を読んで、


 「……本当だ。グラシアさん『精霊』になってる」


 と春風がそう呟くと、


 「「まぁ!」」


 その呟きを聞いて、グラシア本人とヘリアテスが、今になって気付いたかのように目を大きく見開き、


 「へぇ、凄いじゃない」


 逆にアマテラスは落ち着いた様子で感心した。


 その後、


 「あの、こ(・)れ(・)ってそんなに凄いことなんですか?」


 と、春風がアマテラスに向かって首を傾げながら尋ねると、


 「ええ。死んで『幽霊』になった存在が、強い力を秘めた『精霊』になるっていうのは結構珍しいことなの。大抵の『幽霊』は現世に未練がなくなれば即行で成仏しちゃうからね」


 その質問に対して、アマテラスは落ち着いた表情のまま答えたので、その答えに春風だけでなく周囲の人達までもが「ほうほう」と感心していると、


 「で、今回のグラシアさんの進化だけど、春風君なら心当たりあるんじゃない?」


 とアマテラスは春風に向かってそう質問し、最後に「ふふ」と挑発するかのように小さく笑ったので、


 (ん? 『心当たり』って……)


 そんなアマテラスの質問に春風は「うーん」と考え込むと、


 「あ、もしかしてあ(・)れ(・)でしょうか?」


 と、春風が何かを思い出したかのようにハッとし、


 「だと思います」


 そんな春風の言葉に、グラシアはコクリと頷いた。


 その2人の言葉に、


 「え? 何、『あれ』って?」


 と、レナが「気になります」と言わんばかりの真剣な表情で尋ねると、


 「「そ、それがぁ、そのぉ……」」


 その質問に対して、春風とグラシアは気まずそうにそう返事すると、春風が異形の姿になってた間に起きた、「春風の精神世界」での出来事を話し始めた。


 精神世界で目覚めたグラシアが、そこで出会った春風の契約神であるオーディンと出会い、春風を救う為に動き出したことに始め、自身を「彼岸花の意志」と名乗った少女と出会い、彼女に案内されて消滅寸前の春風を発見し、なんとか消滅の危機を脱したが、それは「彼岸花の意志」の消滅を意味していて、それを阻止する為に春風が「奇跡」を起こしたことなどを、仲間達に聞かせた。


 そして、


 「……とまぁ、こんな感じかな」


 と、春風がそう話を締め括ると、


 「なるほどねぇ。そんなことがあったのねぇ」


 話を聞き終えたキャロラインが納得の表情を浮かべながら呟き、


 「ということは、今のあなたは『グラシア・ブルーム』であると同時に『妖刀・彼岸花の意志』でもあるわけね?」


 それに続くように、アマテラスがグラシアに向かってそう尋ねると、


 「その通りですアマテラス様。あの『奇跡』のような出来事が起きた時、私と彼岸花様の心が1つに溶け合う感じがしました。その所為なのか、彼女の『記憶』までもが、こうして私の頭の中に入っているのです」


 と、グラシアは自身のこめかみを人差し指でトントンと軽く叩きながら答えた。


 その答えにアマテラスが「そう……」と返事すると、


 「あの、アマテラス様……」


 と、今度は春風がアマテラスに声をかけてきたので、それにアマテラスが「ん?」と反応すると、


 「その……グラシアさんが『精霊』になったことに関して、俺は何かペ(・)ナ(・)ル(・)テ(・)ィ(・)みたいなものとかあったりしますか? 勿論、キチンと受けますけど……」


 と、春風は不安そうな表情を浮かべながら、恐る恐るといった感じで尋ねた。


 その質問に周囲から「え?」と声があがる中、アマテラスは「ぷ!」と吹き出して、


 「あはは、ないない、そんなのないから! 寧ろ、これからもそういう『奇跡』じゃんじゃん起こしていいから! 私達『神』はね、あなた達『人間』が起こす素晴らしい『奇跡』が本当に好きなの。だからね、気にしなくていいのいいの」


 と、満面の笑みを浮かばながら答えたので、


 『さ、流石は神様……』


 と、アマテラスの答えに春風だけでなく周囲の人間達がタラリと汗を流しながらそう呟き、


 「……でも、ありがとうございます」


 その後すぐに、春風はホッと胸を撫で下ろしながら、アマテラスに向かってお礼を言った。


 それからすぐに、春風はレナが用意した姿見に映った自身の姿を再び見ると、


 「それにしても、まさか見た目が変わるなんてなぁ。一体どうやったら元に戻るんだろ?」


 と、「うーん」と考え込んだので、それを聞いた凛咲は「そうねぇ……」と呟くと、


 「取り敢えず、刀を鞘に納めたらどうかな? いい加減危ないと思うし」


 凛咲はチラッと右手に握られている彼岸花を見ながらそう提案した。


 それを聞いて、春風は「そうですね」と返事すると、すぐに彼岸花を鞘に納めた。


 次の瞬間、真っ赤だった髪がスーッと元の黒に染まり、腰まで長く伸びたぶんの髪がサラサラと抜け落ちて、あっという間に春風本来の髪型に戻った。それと同時に、黒く染まったマントも元の青色に戻り、頬に描かれていた彼岸花の絵もスーッと消えたので、


 「あ、本当に元に戻った……」


 と、それを見た春風がそう呟いたその時……。


 ーーグニャリ。


 「あ……」


 突然視界が歪み出したうえに足がもつれてバランスを崩してしまい、危うくその場に倒れそうになって、


 『あ!』


 「は、春風!」


 と、それを見た周囲が驚きの声をあげると、


 「春風様!」


 そこへグラシアがいち早く出て、倒れそうになった春風を抱き止めた。


 それを受けて、


 「あ、ありがとうございますグラシアさ……」


 と、春風はグラシアにお礼を言おうとしたが、


 「……ん?」


 その途端、何かに気付いたかのように表情を歪ませたので、


 「ど、どうしたの春風?」


 と、レナがそう尋ねると、


 「グラシアさん……俺(・)に(・)触(・)れ(・)て(・)る(・)?」


 春風はレナではなくグラシアに向かってそう尋ねた。


 その質問に、グラシアは「え?」と声をもらすと、


 「え、嘘!?」


 と、レナはハッと声をあげて、すぐにグラシアに近づき、


 「ちょっと失礼!」


 と言ってグラシアの腕と頬に触れた。


 すると、


 「ほ、本当だ! 私、グラシアさんに触れてる!」


 と、レナはパァッと表情を明るくしながら言い、


 「まぁ!」


 「なんとぉ!?」


 それを聞いたヘリアテスとループスが驚きの声をあげると、


 「へぇ、どうやら『精霊』になったことで触れたり触れられることが出来るようになったのね」


 と、それを聞いたアマテラスは目を見開きながらそう分析した。


 そんなアマテラスの言葉が届いたのか、


 「わ、私が……」


 と、グラシアはそう呟きながら、自身の両手を閉じたり開いたりすると、春風とレナに視線を向けて、


 「っ!」


 ーーがバッ!


 「「うわ!」」


 なんと両腕を広げて2人に抱きついた。


 それを見て、周囲から『あぁ!』と驚きの声があがり、


 「ふえ!?」


 「ぐ、グラシアさん!?」


 突然抱き締められた春風とレナも驚いていると、


 「ありがとうございます、春風様」


 と、グラシアは震えた声でそう言いながら、グッと抱き締める力を強くしたので、それに春風とレナはお互い顔を見合わせると、


 「「はは……」」


 と表情を緩ませた後、


 「どういたしまして」


 と、春風はそう言って、レナと共に優しくグラシアを抱き締めた。


 


 


 


 


 

 


 


 




 


 


 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。