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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第10章 断罪官の逆襲

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第545話 「裁き」が終わって……・2


 なんやかんやあったが、どうにか断罪官……否、「天使」となったフランク・ガルシアとケネス・ランドルフとの戦いを終えた(?)春風達。


 アマテラスが繰り出した「裁き」によって凄(・)惨(・)な(・)状(・)態(・)になった周囲を見回して、


 (うん、他に『敵』の気配はないな……)


 と、春風は「ふぅ」とひと息入れながら、心の中でそう呟いた後、


 「……アマテラス様」


 「何、春風君?」


 「何処から説明すればいいのでしょうか?」


 と、ダラダラと汗を流しながらアマテラスに向かってそう質問し、


 「うーん。ど、どうしよう?」


 と、それにアマテラスが「どうしたもんかねぇ」と言わんばかりの微妙な表情でそう返事すると、


 「……なぁ、春風」


 と、ゆらりと春風の前に立った鉄雄が声をかけてきたので、それに春風が、


 「な、何、鉄雄?」


 と恐る恐る返事すると、


 「ここまで色(・)々(・)あったもんで、俺らちょっと混乱してるからよう、取り敢えず一個一個言わせてくれや」


 と、鉄雄は何やら「ゴゴゴ……」とプレッシャーのようなものを発生させながら言った。


 その様子からかなり危(・)険(・)な(・)も(・)の(・)を感じたのか、


 「え、えっと……何?」


 と、春風がまたダラダラと汗を流しながら返事すると、鉄雄は目をクワッと大きく見開いて、


 「お前、そ(・)の(・)姿(・)どうしたんだよ!? 俺らが苦しんでる間に一体何があったんだよ!? つーか、その左腕の籠手に付けてるのスマホだよな!? そちらのお姉さんが本物の『地球の神様』だとしても、何でスマホから神様召喚してんだよ!? というより、俺らこの世界に召喚されてからずっとスマホ使えなかったのに何でお前だけ使えんだよ!? あとそれ以上に、お前が『赤き悪魔』とか、背中から真っ赤な翼が出てきたりとか、色々情報量が多すぎてぇ、もう訳わかんねぇよ! 何なんだよ!? お前一体何なんだよぉ!? あ、『ちょっとユニークな何とか』とか言ったらぶっ飛ばすかんなぁ!」


 と春風に向かってもの凄い勢いでそう怒鳴ると、最後は「ぜぇ、はぁ……」と苦しそうに肩で息をした。


 そんな様子の鉄雄に、その場にいる者達全員がポカンとし、


 「あー、うん。て、鉄雄、ちょっと落ち着いて……」


 春風がどうにか鉄雄を宥めようと声をかけると、


 「……ん?」


 ふと、何かに気付いたかのような表情になって、


 「……お、俺(・)の(・)姿(・)がどうしたって?」


 と、鉄雄に向かって首を傾げながら尋ねた。


 そんな春風の質問に対して、


 「え? もしかして春風、気(・)付(・)い(・)て(・)な(・)い(・)の(・)?」


 と、鉄雄ではなくレナが尋ね返すように返事すると、


 「え? レナまで一体どうしたの?」


 その返事に春風は「ますます意味がわからん!」と困惑し出したので、そんな春風の様子に、


 「……」


 レナは無言でタラリと汗を流すと、


 「『無限倉庫』、発動」


 すぐに自身の所持スキルの1つである「無限倉庫」を発動した。

 

 その瞬間、何もない空間に黒い穴が現れると、レナはそこから1台の姿見を取り出して、それを春風の目の前に置いた。


 突然のレナの行動に、春風は「うお!」と驚いたが、


 「あ、これはどうも……」


 と、すぐにレナに向かってお礼を言って、


 「うーん……」


 と唸りながら、目の前に置かれた姿見に映った自身の今(・)の(・)姿(・)を見た。


 その結果、


 「な……なんじゃこりゃあああああああ!?」


 と、春風は今の自分の姿を見て、ギョッと目を大きく見開きながら叫ぶと、


 「お、俺、どうなってんだよ!? え!? 髪、長! そして真っ赤! マントも真っ黒だし、なんか彼岸花の絵が描かれてるし、ていうか俺の頬にも彼岸花描かれてんだけど!?」


 まさに自分自身にツッコミを入れるかのように、姿見に映った自分を上から下まで見つめながら叫んだので、


 「あれ? もしかして、自覚なかったの?」


 そんな春風を見て、「おいおい」と言わんばかり頬を引き攣らせたアマテラスがそう尋ねると、


 「し、知りませんよ! え!? 俺、どうしてこんなことに……!?」


 と、春風は混乱した様子でアマテラスに向かって答えた。


 すると、


 「春風」


 と自分を呼ぶ声がしたので、それに春風だけでなくアマテラスをはじめとした周囲の人達が「ん?」と声がした方へと振り向くと、


 「し、師匠?」


 そこには、何やら申し訳なさそうにシュンと沈んだ表情を浮かべた凛咲がいたので、


 「師匠、どうしたんですか?」


 と、春風がそう尋ねると、


 「……『妖刀・彼岸花』、完(・)全(・)に(・)自(・)分(・)の(・)も(・)の(・)に出来たみたいね?」


 その質問に対して、凛咲は笑顔ではあるがまた申し訳なさそうな感じで、チラッと春風の右手に握られている彼岸花を見ながら質問を返してきたので、


 「……」


 そんな凛咲の質問返しに、春風はスッと表情を真面目なものに変えると、


 「師匠、ご心配をおかけして、申し訳ありませんでした」


 と、凛咲に向かってペコリと頭を下げて謝罪した。


 それを受けて、凛咲は「うぅ……」と呻くと、


 「わ、私の方こそ……」


 と、春風に向かって何か言おうとしたが、それよりも早く、


 「そんでもって……」


 と春風はそう言いながらゆっくりと顔を上げると、


 「素晴らしい『お守り』、ありがとうございます。俺がこの世界で今日まで生きてこられたのは、こいつのおかげでもありますから」


 ニコッと笑顔を浮かべて、右手に持つ彼岸花を見せながら、凛咲に向かってお礼を言った。


 それを聞いて、凛咲は再び「うぅ……」と呻くと、


 「う……うう……」


 と両目から大粒の涙をボロボロと流して、


 「うわぁあああん、ハニー!」


 最後にそう叫びながら、ガバッと春風に抱き付いた。


 それを見て、


 『あっ!』


 『ちょ、ちょおっとぉ!』


 と、周囲から驚きの声があがる中、


 「はぁ。やれやれ……」


 春風は溜め息を吐いてそう言いながら、抱き付いてきた凛咲をソッと抱き締めると、


 「ですから、『ハニー』はやめてくださいってばぁ」


 とニコッとしながら呆れた感じの口調でそう言った。


 


 


 


 


 


 


 

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