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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第10章 断罪官の逆襲

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第543話 「太陽」の裁き

 今回は、いつもより少し長めの話になります。


 「お前ら、よくも地球(うち)の子達をいじめてくれたなぁおい……」


 と、フランクとケネスに向かって、恐ろしく低い声でそう言ったアマテラス。


 先程まで春風や歩夢達に見せていた優しい雰囲気とは打って変わって、強い「怒り」に満ちた雰囲気に、


 『ひえええええええっ!』


 と、春風をはじめとした周囲の人達がそう悲鳴をあげたので、


 「ちょおっとぉ。そんなにビビらなくてもいいでしょう?」


 それを聞いたアマテラスは「解せぬ!」と言わんばかりに頬を膨らませながら言ったが、


 (そ、そんなこと言われましてもぉ!)


 と、春風をはじめ、誰もが顔を真っ青にしながらガタガタと全身を震わせていた。因みに、ふと春風がチラッとイヴリーヌに視線を向けると、


 「……」


 地面にへたり込んだまま白目むいて気絶していたので、


 (す、すみませんイヴリーヌ様。うちの『女神』さまが……)


 そんなイヴリーヌを見て、春風は心の中でそう謝罪した。


 一方、フランクとケネスはというと、


 「「はぁ……はぁ……」」


 2人とも、アマテラスの言葉と雰囲気に押し潰されるかのように、額から脂汗を流して苦しそうに息を切らしていた。


 (まさか……)


 (『邪神』や『悪魔』達だけじゃなく……い、異世界の神』も現れるなんて……)


 と、目の前に現れたアマテラスを見て、心の中でそう呟くフランクとケネス。


 見た目は20代前半くらいの若い女性にしか見えないのに、彼女から発せられた尋常じゃないプレッシャーを受けて、2人はその場から動くことが出来ないでいた。その時、彼らの脳裏に浮かんだのは、


 (こ、この圧倒的な感じは……)


 (い、偉大なる5柱の神々と同等……いえ、そ(・)れ(・)以(・)上(・)だわ)


 彼らが……いや、正確には5神教会が崇めている「5柱の神々」の姿だった。


 実を言うと、フランクとケネスは既に5柱の神々に会っていた。その圧倒的かつ神々しい雰囲気に、


 (ああ、駄目だ)


 (このお方達に、絶対逆らってはいけない)


 と、そう思った2人は、彼らに忠誠を誓うことにした。


 しかし、そんなフランクとケネスの前に現れたのは、その5(・)柱(・)の(・)神(・)々(・)以(・)上(・)か(・)も(・)し(・)れ(・)な(・)い(・)という「異世界の女神」で、彼女が現れるきっかけとなったのが、自分達が崇める神々を殺す「悪魔」、即ち春風という事実。


 その事実を、


 「ふ……ふざけんじゃねぇぞぉ!」


 フランクは認めることが出来なかった。


 フランクは破壊された剣の残骸をグッと握り締めると、


 「っ! フランク、駄目……!」


 と、ケネスが止めるのを聞かず、


 「うおおおおおおっ!」


 目の前のアマテラスに向かって、剣の残骸を振るった。


 次の瞬間、振るわれた剣の残骸から白い光の斬撃が放たれて、


 「あ、危ない……!」


 と、それを見たレナが悲鳴をあげたが、


 「ふーん」


 肝心のアマテラスは落ち着いた表情で、指をパチンと鳴らした。


 すると……。


 ーーブワァ!


 なんと、フランクがアマテラスに向けて放った白い斬撃が、一瞬にして霧散したので、


 「……は?」


 あまりの出来事に、フランクは目を大きく見開きながらポカンとしていると、


 「……もう終わり?」


 と、アマテラスが真顔でそう尋ねてきたので、その質問にハッとなったフランクは、「恥ずかしさ」と「怒り」で顔を真っ赤にすると、


 「ちくしょうがぁあああああ!」


 と叫んで、再びアマテラスに向かって剣の残骸を振るった。それも、一度だけじゃなく何度でも、である。その結果、複数の白い斬撃がアマテラスに向かって放たれたが……。


 ーーパチン! パチン! パチン!


 と、アマテラスは尚も落ち着いた表情で、今度は3回も指を鳴らし、その後すぐに、フランクが放った複数の白い斬撃が、最初の時と同じように全て霧散したので、


 「う……あ……」


 それを見たフランクは、顔を真っ青にしながらブルブルと全身を震わせた。


 だが、


 「み、認めねぇ……こんなことは、認めねぇ!」


 と、フランクはまるで強引に恐怖を振り払うかのようにそう叫ぶと、持っていた剣の残骸をその場に放り捨てて、


 「認めて、たまるかってんだぁあああああ!」


 と叫びながら背中の翼を広げると、なんと丸腰でアマテラスに向かってその場から飛び出したのだ。


 「ふ、フランク! 馬鹿! やめなさい!」


 と、それを見たケネスはハッとなってフランクを止めようとしたが、


 「おおおおおおお……っ!」


 それを無視して、フランクはアマテラスに殴りかかろうとした。


 しかし、それでもアマテラスの表情は落ち着いたままで、


 「シュッ!」


 とそう呟きながら、アマテラスは自身の右手をグッと握り締めると、その握り拳をフランクの腹に叩き込んだ。


 その結果、


 「グハァ!」


 と、フランクはアマテラスの反撃を受けて、思いっきりケネスの傍までぶっ飛ばされてしまったので、


 「ふ、フランク!」


 それを見たケネスはギョッと目を大きく見開いた。


 そんな2人に向かって、


 「それじゃあ、そろそろ終わりにしましょうかねぇ」


 と、アマテラスはうんざりしながらそう言うと、スッと右手の人差し指を立てた。


 次の瞬間、アマテラスが立てた人差し指の真上に、ピンポン玉1個分くらいの大きさをした火の玉が現れたので、


 (な、何だ? 何をする気なんですか!?)


 と、春風が警戒していると、


 「えい」


 アマテラスなフランクとケネスの丁度真上に行くように、その火の玉を放った。


 すると、「ブワァ!」という音を立てて、先ほど語ったようにピンポン玉くらいの大きさの火の玉が、フランクとケネスの上空でと(・)ん(・)で(・)も(・)な(・)く(・)大(・)き(・)く(・)な(・)っ(・)た(・)。


 その瞬間、大きくなった火の玉を中心に周辺の草木が、まるで水分を失ったかのように枯れ始め、


 『あ、熱い! 熱いいいいい!』


 と、その大きくなった火の玉の真下にいるフランクとケネスは勿論、春風やレナといった周囲の人達までもがダラダラと汗を流しながら悲鳴をあげて、


 「ちょ、ちょっとおおおおお! アマテラス様ぁあああああ!」


 「こんなところで、なんてもん出してんですかぁ!」


 エルードの「本当の神」であるヘリアテスとループスは、火の玉を出したアマテラスに向かって文句を言った。


 しかし、そんな2柱の神々に対して、


 「うーん、ごめんね」


 と、アマテラスは目の前のフランクとケネスに視線を向けたまま、なんとも軽い感じのノリで謝罪すると、


 「さて、お前達……」


 すぐに表情をスッと冷たい感じのものに切り替えて、


 「理由はどうであれ、私の世界の子供達を苦しめた罪は重い。よって、これより私からの『神罰』を下す」


 と、フランクとケネスに向かって冷たい口調でそう言うと、スッと右腕を振り上げて、


 「『太陽』に、潰れろ」


 と冷たい口調のまま言った後、勢いよく右腕を振り下ろした。


 そして、アマテラスが冷たく言ったその後、大きくなった火の玉は、


 「「うおあああああああ!」」


 ーードゴォオオオオオオオン!


 と大きな音を立てながら、悲鳴をあげたフランクとケネスに向かって落ちた。


 春風をはじめとした多くの人達の前で起きた、このとんでもない出来事。


 それは、後にこう呼ばれることになる。


 「太陽が落ちた日」、と。


 


 


 






 


 


 


 


 


 


 

 予定ですが、あと2、3話くらいで今章は終了です。

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