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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第10章 断罪官の逆襲

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第540話 「報い」

 本日2本目の投稿です。


 そして、今回はいつもより少し短めの話になります。


 「これで、終わりだぁ!」


 そう叫びながら、フランクの剣とケネス大鎌に向かって力いっぱい彼岸花を振るった春風。


 その結果、「バキィン!」と大きな音を立てて、2人の武器が真っ二つに斬り裂かれた。


 すると、折れたフランクの剣の残骸から3つ、ケネスの大鎌の残骸から2つの白い光が出てきて、合わせて5つの光が地上に向かった。


 その先にはフランクとケネスによって「生命力」と「魔力」を奪われていた歩夢、美羽、鉄雄、恵樹、詩織の5人の「元・勇者」達がいて、彼らの武器の残骸から出てきた光が歩夢達にあたると、


 「あ! 歩夢ちゃん達の体が!」


 と、キャロラインが驚いたように、「生命力」と「魔力」を吸われて痩せ細っていた歩夢達の体が、元の健康的な状態に戻ったので、


 「う……ううん」


 そのおかげか、苦しそうな表情をしていた5人の顔色も良くなっていき、


 「……う、あ」


 それから間もなくして、彼女達はゆっくりと目を開けた。


 その後、


 「あ……私……は……」


 と、歩夢がゆっくりと上半身を起こし、彼女に続くように


 「う、うーん……」


 「あ、あれ……?」


 「俺達……」


 「生きて……る?」


 美羽、鉄雄、恵樹、詩織も、それぞれ上半身を起こしたので、


 「ああ、み、皆様!」


 それを見たイヴリーヌは目に涙を浮かべながらパァッと表情を明るくし、


 「ふぅ、よかったぁ……」


 それまでずっと結界を張っていたヘリアテスは、歩夢達を見てひと息入れながら笑顔でそう言った。


 一方、春風達がいる上空では、


 (よかった。ユメちゃん。美羽さん。鉄雄。ケータ。夕下さん。みんな無事だ……)


 と、歩夢達を助けられたことに春風はホッと胸を撫で下ろしていたが、


 「ちくしょうがぁ!」


 「やってくれたわね」


 逆にフランクとケネスはというと、春風によって破壊された自分達の武器の残骸を見て、「怒り」をあらわにしていたので、


 「……」


 そんな2人を、春風は無言で睨みつけた後、


 「レナ! アメリアさん!」


 と、フランクとケネスにしがみついているレナとアメリアに向かって声をかけた。


 その声を聞いて、


 「「ん?」」

 

 と2人が反応すると、


 「こ(・)っ(・)ち(・)に!」


 と、春風は両腕を広げながら言った。


 その言葉を聞いて、フランクとケネスが「は?」とポカンとする中、レナとアメリアはお互い顔を見合わせた後、「うん!」とコクリと頷き合って、


 「えい!」


 「はぁ!」


 と叫ぶと、2人同時にしがみついていたフランクとケネスを蹴って、春風に向かって跳んだ。


 思わぬ一撃を受けて、


 「て、テメェ!」


 「あ、アメリア、なんてことを……!」


 と、フランクとケネスはレナとアメリアに向かって悪態をついたが、そんな彼らを無視して、彼女達はガシッと春風にしがみつき、


 「ふ、2人共、大丈夫?」


 と、春風が恐る恐る尋ねると、


 「えへへ、平気だよ」


 「ああ、私も大丈夫だ」


 レナもアメリアも、笑顔でそう返事した。


 その返事を聞いて、


 「そっか……」


 と、春風がホッと胸を撫で下ろしてると、


 「よし、それじゃあ……!」


 とすぐに表情を真剣なものに変えながら、右手に持った彼岸花を上に掲げた。


 すると、彼岸花の真っ赤な刀身が更に赤く輝き出したので、


 「は、春風、何する気なの?」


 と、それを見たレナが恐る恐る尋ねると、


 「さっきは『最後』なんて言ったけど、ユメちゃん達を苦しめた俺の『怒り』は、まだおさまってないんだ……」


 その質問に対して春風はそう答えて、


 「だから、奴らには『報い』を受けてもらう!」


 最後にそう付け加えた次の瞬間、彼岸花の刀身から出た赤い光が、ゆっくりと大(・)き(・)さ(・)と形(・)を変えていった。


 レナやアメリアは勿論、フランクとケネス、そして地上にいる者達が見守る中、やがて赤い光の変化が終わり、出来上がったのは、


 『……手?』


 そう、限界まで広げた、とても大きな手だった。


 その大きな真っ赤な手を見て、


 「……おい、ケネス」


 と、フランクがケネスに声をかけて、


 「……何?」


 そんなフランクにケネスがそう返事すると、


 「あ(・)れ(・)、ヤバくねぇか?」


 「ええ、かなりヤバいわね」


 と、フランクとケネスは2人してタラリと汗を流しながら言った。


 その後、


 「どうするフランク?」


 と、今度はケネスがフランクに向かって尋ねたので、


 「へ! 決まってるだろ?」


 その質問にフランクは鼻で笑うと、


 「やられる前に殺る! 武器は壊されちまったが、それでもレベルはこっちが上だ!」


 と、キッと春風を睨みながらそう答え、


 「ええ、そうね!」


 その答えにケネスはそう返事すると、武器を破壊されたにも関わらず、目の前の春風達に向かって突撃しようとした。


 その時だ。


 ーーギュルルル!


 「「な!?」」


 突如、自分達の体に黒(・)い(・)鎖(・)が巻き付いてきて、フランクとケネスはその場から動けなくなった。


 「ど、何処から鎖が……!?」


 突然のことにケネスは驚くと、黒い鎖が何処から出てきたのか辺りを見回した。


 その最中、ケネスはふと地上に視線を移すと、


 「は! あ、あ(・)れ(・)は……!」


 黒い鎖は、地上にある木々の影から伸びていて、そのすぐ傍には、黒い鎖が出て来た木々の影に触れてるニーナの姿があったので、


 「『異端者』ニーナ・スターク! あなたの仕業ねぇ!?」


 と、ケネスはニーナを睨みながら怒鳴った。


 そんなケネスとフランクを前に、


 「ありがとうニーナさん」


 と、春風は地上にいるニーナに向かってそう呟くと、


 「ユメちゃん達を苦しめた報いを……!」


 すぐにキッとフランクとケネスを睨みつけながら、


 「受けやがれぇえええええ!」


 と、大きな手に変化させた赤い光を、2人に向かって振り下ろした。


 迫りくる大きな赤い手を見て、


 「ぐぐぐ……ち、ちくしょうがぁあああああ!」


 と、フランクは悔しそうにそう悲鳴をあげたが、黒い鎖で動きを封じられた為にケネス共々そこから逃げることは出来ず……。


 ーーバァアン!


 ーードォオオオオオン!


 結局、2人共振り下ろされた大きな赤い手によって、地上に叩き落とされたのだった。


 




 

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