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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第10章 断罪官の逆襲

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第537話 春風、覚醒!


 「ウウ……ヴアアアアアアアッ!」


 と、全身を真っ赤に輝かせながら、異形の姿となった春風はそう叫んだ。


 そのあまりの眩しさに、


 「うわ!」


 「な、なんだ!?」


 「ま、眩しい!」


 と、ピートやアメリアといった周囲の人達は思わず目を閉じるか腕で顔を覆い、


 「春風ぁ!」


 レナはそんな春風を心配してか、彼の名を呼んだ。


 そして、それは今まさに突撃している最中のフランクとケネス同じで、


 「どわぁあ! な、なんだぁ!?」


 「な、何よこの光はぁ!?」


 春風から発せられた赤い光に、2人は思わず腕で顔を覆いながらその場で止まった。


 やがて光が弱くなってきたので、


 「は、春風は……!?」


 と、レナが腕を顔から離しながら前を見ると、


 「……春風?」


 そこには、両目を閉じた状態の、腰まで届く真っ赤な長い髪と服装、そしてと(・)あ(・)る(・)特(・)徴(・)以外は異形の姿から元の人間の姿に戻ってる春風の姿があった。


 どういう服装なのかというと、見た目は異形の姿になる前と変わらないが、金色で縁取られた腰までの長さしかない黒いマントを羽織り、右腕には黒いグローブ、左腕には異形の姿になる前と同じ銀の籠手をつけていて、下半身は黒い長ズボンに白いベルト、両足には黒いブーツを履いている。


 そして先ほど述べた「とある特徴」として、その黒いマントに長ズボン、最後に春風の右(・)の(・)頬(・)に、咲いている状態の彼岸花が描かれていた。


 因みに、右手にはしっかりと「妖刀・彼岸花」が握られていて、刀身の色は鞘から抜いた時と同じ真っ赤だったがその「赤」から何やら神(・)々(・)し(・)い(・)も(・)の(・)が感じられた。


 まぁそれはさておき、異形の姿から一変して人間の姿に戻ったが今度は別(・)の(・)雰(・)囲(・)気(・)を感じさせる見た目になった春風を見て、


 「は……春風……なの?」


 と、レナが恐る恐る尋ねると、春風はゆっくりと目を開けて、


 「……うん。心配かけちゃったね、レナ」


 と、レナに向かって弱々しい笑みを浮かべながら返事した。


 その返事を聞いて、


 「春風ぁ……!」


 と、レナがパァッと表情を明るくし、それにつられてピートやアメリア、更には周囲の人達までもが少しずつ表情を明るくする中、


 「お、おいおい。あの野郎、また姿が変わっちまったぞ……」


 「ええ。しかも、今度は先程までとは違う雰囲気を感じるわ」


 とフランクとケネスは緊張でタラリと汗を流したが、


 「……ま、だからといってなぁ」


 その後すぐ、フランクはキッと春風を睨みつけると、


 「っ! 待ちなさい!」


 と、止めに入ったケネスを無視して、


 「幾ら姿が変わろうが……!」


 1人、レナ達に向かって再び突撃を開始した。


 それに気付いたのか、


 「はっ! しま……!」


 と、レナはハッとなって身構えたが、そんなレナの真上を、


 「あらよっと!」


 とフランクは通り過ぎると、


 「先にぶっ殺しちまえば問題ねぇよ!」


 持っていた剣を振り上げながら春風のすぐ傍まで近づいて、最後に「死ねやぁ!」と叫びながら、春風に向かって剣を振り下ろそうとした。


 だが、


 「……」


 そんなフランクを、春風は落ち着いた表情で見つめると、


 「うっ!」


 その表情に得(・)体(・)の(・)知(・)れ(・)な(・)い(・)何(・)か(・)を感じたのか、フランクはそう呻きながら、振り下ろす途中で剣を止めた。


 その後、


 (な、何だ? 何だこいつの雰囲気は? これはまるで……)


 と、フランクが再びタラリと汗を流しながら春風を見つめていると、肝心の春風はゆっくりと彼岸花を持つ右腕を上げたので、


 「フランク!」


 とそれを見てハッとなったケネスが、フランクに向かって声をかけると、


 「はっ!」


 その声が届いたのか、フランクもハッと我に返り、それと同時に春風は持っていた彼岸花をスッと静かに横に振るった。


 その瞬間、振るわれた彼岸花から真紅の斬撃が放たれたので、


 「チクショウがぁあああ!」


 それを見たフランクはすぐに真上に飛んで、その真紅の斬撃を回避した。


 それからすぐに、避けられた斬撃は誰にも当たることなくスッと消えて、それを見たフランクが、


 「ふぅ。危ねぇ危ねぇ……」


 と、汗を拭いながらひと息入れると、


 「大丈夫フランク!?」


 と、ケネスがそう尋ねてきたので、


 「ああ、助かったぜ」


 その質問にフランクがそう返事すると、


 「まったく、油断しすぎよ……」


 と、ケネスは呆れ顔でそう言った。


 だが、


 「それよりもケネス」


 と、フランクが真剣な表情でそう口を開いたので、それにケネスが「何よ?」と返事すると、


 「雪村春風。あのガキからは、何故か『5柱の神々』と同じ雰囲気を感じるぜ」


 その返事に対して、フランクは真剣な表情のまま言った。


 そんな彼の言葉を聞いて、


 「何ですって!? それ、本当なの!?」


 と、ケネスがギョッと目を見開きながら、フランクに向かって尋ねると、フランクはコクリと頷きながら、


 「ああ、間違いねぇ。こいつは、俺達も全力でかからねぇといけねぇぜ」


 と春風を睨みながら言ったので、そんなフランクの言葉に対して、


 「そう。なら、ここからは2人でいくわよ。で、そのついでにレナ・ヒューズと邪神2柱の討伐ね」


 と、ケネスは不敵な笑みを浮かべながら言った。


 一方その頃、春風達の方はというと、


 「春風、大丈夫!?」


 と、慌てた様子のレナが声をかけてきたので、


 「うん、こっちは平気……」


 と、それに春風はそう答えると、


 「でも、こ(・)の(・)姿(・)は結構疲れるんだ。だから、次で奴らの武器を壊してユメちゃん達を助けるから……」


 チラッと歩夢達を見ながらそう言い、


 「俺にみんなの力を貸してほしい」


 最後にレナだけでなくピートやアメリアに向かってそうお願いし、


 「勿論だよ!」


 「うん!」


 「ああ!」


 そのお願いを聞いて、レナ達はそう返事した。


 


 


 


 


 


 


 


 

 

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