第530話 囚われの春風?
遅くなりました、1日遅れの投稿です。
オーディンとグラシアの前に現れた、「彼岸花」と名乗る赤尽くめの少女。
彼女に案内されるまま、1柱と1人は元々の目的の場所である赤い光に向かった。
その間、特にこれといった会話もなく、ただただ沈黙が続いていたので、
(な、なんでしょう。なんだか、空気が凄く重く感じる)
と、グラシアは幽霊であるにも関わらず、息苦しさを感じていた。
それから暫くすると、特に問題もなく目的の場所に着いたので、
「着きました」
と、赤尽くめの少女、彼岸花がその場にピタッと立ち止まると、彼女に合わせてオーディンとグラシアもその場に立ち止まった。
彼らが目的の場所としていた赤い光の正体。
それは、不気味に赤く光る大きな半透明の球体で、その球体の中には、
「春風様!」
力なく横たわっている春風の姿があったので、それを見たグラシアは驚きの声をあげると、すぐに球体の傍に駆け寄った。
「春風様! 春風様ぁ!」
と、グラシアは何度も球体の外から、中にいる春風に声をかけたが、
「う……うぅ……」
肝心の春風は額に汗を溜めながら、苦しそうに呻くだけだったので、そんな春風の様子に、
「ああ、春風様! 一体どうすれば……!?」
とグラシアは狼狽えたが、
「……って、私幽霊だったわ!」
その後すぐに、自身が幽霊であることを思い出して、
(幽霊である私なら、中に入れる筈!)
と、急いで球体の中に入ろうとした。
そんな中、オーディンがふと横にいる彼岸花を見ると、
「……」
彼女は何処か冷めたような目でグラシアを見ていたので、
「駄目だ、グラシアさん……!」
と、何かを察したオーディンは、すぐにグラシアを止めようとしたが、
「待っててください春風様!」
そんなオーディンを無視して、球体の中に入ろうとした。
すると、
ーーバチィン!
「きゃあ!」
球体の表面に触れようとした瞬間、強い力が発生して、それによってグラシアは弾かれ、吹っ飛ばされてしまった。
そんなグラシアを見て、
「あぁ、グラシアさん!」
と、オーディンはショックを受けた後、すぐに吹っ飛ばされたグラシアに駆け寄って、
「大丈夫かいグラシアさん!?」
とグラシアに声をかけたので、
「うう……だ、大丈夫です、オーディン様」
それを受けたグラシアは目をグルグルとさせながら返事した。
その返事を聞いて、オーディンはホッと胸を撫で下ろすと、
「彼岸花さん。この球体は、君が生み出したものなのかい?」
と、ギロリと彼岸花を睨みながら尋ねた。
その質問に対して、
「……わかりません。私という意識が芽生えた時、既にこれがありましたから」
と、彼岸花は表情を暗くしながら答えると、
「確かに言えるのは、今まで私を振るった人間は最後この中に入ることになって、ここに入った人間は最終的には溶けて無くなってしまうんです」
最後はサラリと恐ろしい結末を説明した。
あまりにも残酷すぎるその説明を聞いて、
「そ、そんな……春風様」
と、グラシアは今にも泣き出すんじゃないかと思われるくらいの悲しそうな表情を浮かべると、
「ちょっと許せないねぇ……」
と、オーディンは冷たい口調でそう言った後、先程の戦いで振るっていた白い槍、「グングニル」を出してそれを構えた。
そして、
「春風君、今出すからね」
と、オーディンがグングニルで球体を破壊しようと構えたが、
「駄目です」
と、彼岸花がオーディンの行く手を阻むように前に立ったので、
「そこを退いてくれないかな?」
と、そんな彼岸花に向かってオーディンは優しくそう尋ねたが、彼岸花は「神」を相手にしてるというのに1歩も引くことなく、
「そんなもので攻撃すれば、中の春風がどうなるかわかりません」
と、まさに脅すような感じでそう言ってきたので、
「……では、どうすれば、彼を外に出せるんだい?」
彼女の言葉を聞いたオーディンは、キッと彼岸花を睨みながら尋ねると、
「私にもわかりません。私はただ、中で使い手達が溶けていくのを見るだけでしたから」
彼岸花は冷たくそう答えた。
そんな彼女の答えに、
「ああ、そんな……そんなの酷すぎる!」
と、グラシアが悲しそうな表情のまま彼岸花に向かって言うと、
「……もし私が春風を外に出したとして、その後彼をどうするつもりですか?」
彼岸花はオーディンに対して鋭い視線を向けながら尋ねたので、
「勿論、『世界』を救ってもらうつもりだ。その為に僕と春風君は契約したんだから」
と、オーディンも目の前の彼岸花に鋭い視線を向けながら答えた。
その答えを聞いて、
「それで、春風に悲しい想いをさせるつもりですか?」
と、彼岸花は更に脅すように尋ねると、
「まるで春風君を解放するつもりがないみたいな言い方だね?」
と、オーディンは目を細めながら尋ね返したので、
「え、あ、あの……」
睨み合うオーディンと彼岸花を前に、グラシアはどうすればいいのかわからずオロオロし出した。
すると、
「ぐ……グラシア……さん?」
と、球体の中の春風が、苦しそうにグラシアの名を呼んだので、
「は、春風様!」
その声にハッとなったグラシアは、すぐに視線を球体の中の春風に向けた。
その後、
「やぁ春風君。随分と妙なことになっちゃったねぇ」
と、オーディンが揶揄うようなノリで春風に声をかけると、
「オーディン……様、お見苦しいところを、お見せしてしまい……申し訳……ありません」
そんなオーディンに向かって、春風は苦しそうにしつつも申し訳なさそうな表情で謝罪したので、
「いや、気にしなくていいよ」
と、オーディンは優しくそう言うと、
「ねぇ、君がそこから出ることは出来ないのかい?」
と、球体を指差しながら尋ねた。
その質問に対して、
「そうしたいのは、山々ですが……すみません、この中にいると、思うように体を動かすことが……出来ないんです」
と、春風は苦しそうに謝罪しながら、自身の現状について説明したので、
「ああ、そんな……春風様……」
その説明を聞いて、グラシアはショックを受けた。
すると、
「……ねぇ、春風」
と、彼岸花が春風に声をかけたので、
「何……彼岸花?」
と、春風がそう返事すると、
「本当に、外の世界に出たいの?」
その返事を聞いて、彼岸花は悲しそうな表情を浮かべながら、春風に向かって尋ねた。
謝罪)
大変申し訳ありませんでした。この話の展開を考えてたら、その日にうちに終わらせることが出来ずに、結果として1日遅れの投稿となってしまいました。
本当にすみません。




