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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第10章 断罪官の逆襲

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第524話 邪悪な反撃、再び

 今回も、いつもより短めですし。


 時は少し前まで遡る。


 「……え? も、もしかして春風……勇者達を助けるつもりなの?」


 と、異形の姿となった春風に向かってレナがそう尋ね、その質問に答えるかのように、ゆっくりと首を縦に動かした春風。


 そんな2人のやり取りを見て、


 「な、何だと? あの野郎、まさかあの元・勇者共を救うのを最優先にしてるってのか!?」


 と、フランクが「怒り」に満ちた表情でそう疑問を口にし、


 「……そう。そんな姿に変わり果てても、あの子達を救おうとしているのね」


 ケネスは苦しそうに口から血を吐き、額に脂汗を溜めながらそう呟いた。


 その後、ケネスは左手を大鎌から離すと、それをダラダラと血を流している自身の腹部にあてた。


 すると、左手がパァッと白く光り出し、そのすぐ後に、ダラダラ流れ出てきた血がスッと止まったので、


 「よし……」


 と、それを確認したケネスは小さくそう呟いた。


 そんなケネスに向かって、


 「おいケネス。まだ動けるか?」


 と、フランクが春風を睨みつけたまま尋ねると、


 「ええ。今、回復魔術で傷を治してるところよ。もうすぐ全部の傷を塞ぎ終わるわ」


 その質問に対して、ケネスはコクリと頷きながら答えたので、


 「へ! そうかい」


 と、フランクはニヤッとしながらそう返事した。


 その後、


 「それにしてもよう、あのガキとんでもなくヤベェことになってるじゃねぇかよ」


 と、フランクが目の前の春風を睨みながらそう口を開くと、


 「そうね。まさか左手の指を槍のように伸ばすなんてね。神々より新たな装備として賜った、この鎧さえも貫くんですもの。力の方もかなり高くなってるわ」


 その言葉に同意するかのようにケネスも再びコクリと頷きながらそう返事したので、


 「ちぃ! じゃあどうするよ?」


 と、フランクは忌々しそうに舌打ちしながら、ケネスに向かって尋ねた。


 すると、


 「やぁねぇ。やるべきことなら、1(・)つ(・)し(・)か(・)な(・)い(・)でしょう?」


 と、今度はケネスがニヤッとしながらそう答えたので、それにフランクが「あ?」と反応すると、ケネスはフランクに顔を近づけて、


 「いい? それは……」


 と、小声でと(・)あ(・)る(・)作(・)戦(・)を呟いた。


 その作戦内容を聞いて、


 「……は。どうやら、それしかねぇみてぇだな」


 と、フランクが納得の表情でそう呟くと、


 「んじゃ、いくか!」


 と目の前の春風を睨みながらそう言って、その場から春風に向かって突撃した。


 それを見て、


 「く、来る!」


 と、レナはそう言うと、すぐに自身の武器である棒を構えて、


 「ウウ……」


 それに続くように、春風も唸りながら身構えた。


 ところが、


 「……あれ?」


 向かってきたのがフランク1人だけだったので、おかしいと思ったレナが辺りを見回すと、


 「あ! あいつ!」


 「っ!」


 なんと、ケネスがフランクと別方向に向かって飛んでいったのが見えたので、


 (あいつ、一体何処に……?)


 と、レナはケネスが何処に向かおうとしてるのか探る為に視線を向けると、


 「げ! あ(・)そ(・)こ(・)は!」


 なんと、ケネスが向かった先には、地面に横たわっている歩夢ら5人の元・勇者達と、彼女達を守っている女神ヘリアテスとニーナ、ニーナの姉アメリアと獣人の少年ピート、ルーセンティア王国第2王女イヴリーヌと、ヘクター率いるルーセンティア王国の騎士達、ストロザイア帝国皇妃のキャロラインとその娘、皇女アデレード、そして、春風の「師匠」である凛咲と、春風の「友人」であるミネルヴァの姿があったので、


 「ヴアア!」


 それに気付いた春風はすぐにケネスの後を追おうとしたが、


 「行かせるかよ!」


 それよりも早く、フランクが春風の傍まで近づいて、持っていた剣を振り下ろした。


 次の瞬間……。


 ーーガキィン!


 「何ぃ!?」


 「くぅ!」


 春風に向かって振り下ろされたフランクの剣は、レナの棒によって止められた。勿論、その最中にレナは自身の魔力を棒に纏わせている。


 そんな状態の中、


 「春風! ここは私に任せて、早くみんなを!」


 と、レナが春風に向かってそう言うと、


 「ウウ……」


 と、春風はそう呻いた後、すぐにケネス追ってその場から走り出した。


 そして、


 「き、来ました!」


 「け、ケネス小隊長!」


 ケネスがヘリアテス達の前まで近づき、そんなケネスに春風が追いついたまさにその時、


 「か(・)か(・)っ(・)た(・)わ(・)ね(・)っ!」


 と、ケネスは空中で体を半転させながら、春風に向かってそう言うと、そのままヘリアテス達の前で急停止し、今度は自身に向かって来る春風に突撃したので、


 「いけない! 罠だ!」


 と、ハッとなったアメリアがそう声をあげて、

 

 「っ!」


 それを聞いた春風は咄嗟にその場で止まろうとしたが、走ってきたばかりなので思うように止まることが出来ず、ズズズと音を立てながらケネスに近づいていった。


 その後、ケネスのもとへと近づいてきた春風に向かって、


 「これで、お死にぃいいいいいい!」


 ケネスが持っていた大鎌を振り上げて、


 「は、春風ぁ!」


 それを見たレナが急いで春風を助けに行こうとしたが、


 「行かせねぇよ!」


 そこへフランクがレナに向かって剣を突き出してきたので、


 「きゃあ!」


 と、レナは悲鳴をあげながらその攻撃を避けた。


 そして、ケネスの大鎌が春風に振り下ろされたその時、


 「グルァ!」


 「っ!?」


 「何!?」


 春風とケネス、2人の間に、黒い大きな何(・)か(・)が割り込んできた。


 それを見たケネスは、


 「な、何なのこの黒いの……」


 と、タラリと汗を流しながら言うと、ヘリアテスはその何かを見つめて、


 「……ループス?」


 と、首を傾げながら言った。




 


 


 

 


 

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