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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第10章 断罪官の逆襲

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第518話 絶対絶命、再び?

 本日2本目の投稿です。


 そして、いつもより長めの話になります。


 「その2人の武器を破壊してください! それが、この子達から魔力と生命力を奪ってます! 早くしないと、5人とも死んでしまいます!」


 「……え?」


 と、ヘリアテスの必死な叫びに対してそう声をもらした春風。その際、ヘリアテス達の傍で、歩夢、美羽、鉄雄、恵樹、詩織の、5人のクラスメイト達が倒れているのが視界に入ったので、


 (今、ヘリアテス様何て言った?)


 と、ヘリアテスの言葉が理解出来なかった春風が呆然としていると、


 「あら、もうバレちゃったわ。流石は『邪神』……いえ、『女神』ね」


 と、ケネスはニヤッとしながらヘリアテスに向かって言った。


 その後、ケネスが大鎌を掲げると、また大鎌が白く光り出して、


 「あ、ああ!」


 「うああ!」


 歩夢と恵樹が苦しそうに悲鳴をあげたので、


 「や、やめろぉ!」


 それを見た春風はそう叫ぶと、ケネスに突撃して彼岸花を振るったが、


 「おおっとぉ!」


 そこへフランクが割り込んできて、春風に向かって剣を突き出した。


 「っ!」


 春風はすぐに強引に体を回転させて、突き出された剣を避けると、その勢いを利用してフランクに彼岸花を振るった。


 だが、


 「いよっとぉ!」


 フランクはその攻撃を剣で容易く防御した。


 そして、


 「へっへっへぇ……」


 と、フランクが不敵に笑うと、彼の剣もケネスの大鎌と同じように白く光り出して、


 「いやあああ!」


 「ぐああああ!」


 「ううううう!」


 そのすぐ後、美羽、鉄雄、詩織も苦しそうに悲鳴をあげた。


 それを見て、


 「ま、まずい!」


 と、ヘリアテスはそう言うと、すぐに苦しんでいる歩夢達を地面に並べ始めた。


 そして、全員を綺麗に並べ終えると、


 「精霊のみんな! 手伝って!」


 と、ヘリアテスは周囲を見回しながらそう叫んだ。


 すると、周辺の木々から赤、青、緑、オレンジ色をした大小様々な光の塊、「精霊」達が現れて、一斉にヘリアテスのもとに集まった。


 その精霊達を見て、


 「あら、綺麗……」


 と、キャロラインがそう呟いたが、そんな彼女をスルーして、ヘリアテスは並べた歩夢達に向かって両手を翳した。


 すると、集まった精霊達がそれぞれ光り出して、そのすぐ後に、ヘリアテスの左右の手の平から青白い光が発せられて、地面に横になってる歩夢達を包み出したので、


 「お、お母さん、それにみんな、何を……?」


 と、それを見たレナが、ヘリアテスと精霊達に向かって尋ねると、


 「この子達を死なせるわけにはいかない。だから、『結界』を張って守るの」


 レナの質問に対して、ヘリアテスは真っ直ぐ歩夢達を見つめながらそう答えたが、よく見ると、彼女の額には汗が溜まっていたので、


 「む、無茶だよ、お母さんにみんな!」


 それを見たレナは、ヘリアテスと精霊達がかなり無茶なことをやろうとしているのだと理解した。


 すると、


 「へ、ヘリアテス様、私も手伝います!」


 と、それまで黙ってたニーナが、まるで意を決したかのように声をあげたので、


 「に、ニーナ?」


 と戦意喪失状態のアメリアが顔を上げると、ニーナはヘリアテスの後ろに立って、


 「し、失礼します」


 と静かに言うと、ソッと背後からヘリアテスを抱き締めた。


 突然のニーナの行動に、


 「「え、ちょ、ちょっとぉ!?」」


 と、レナとヘリアテスが驚きの声をあげると、次の瞬間、ヘリアテスとニーナの体が金色に光り出し、それと同時に歩夢達の体も金色の光に包まれた。


 その光を見て、


 「これは……あなたの力なの?」


 と、ヘリアテスが自身に抱き付いてるニーナに尋ねると、


 「は、はい、私の『お呪い』、です」


 その質問に対して、ニーナはコクリと頷きながら答えたので、


 「あはは、参ったなぁ。『女神』である私が、『侵略者の末裔』である『人間』に助けられるなんてね……」


 と、ニーナの答えに、ヘリアテスは自嘲気味に笑いながら小さく呟いた。


 その呟きが聞こえたのか、


 「え、それはどういう意味で……」


 と、イヴリーヌがヘリアテスに向かって尋ねようとしたが、


 「ちぃ! 余計な真似しやがってぇ!」


 ヘリアテスとニーナの一連の行動が見えたのか、フランクはすぐにヘリアテス達のもとへと向かおうとした。


 しかし、


 「やめろぉ!」


 と、そこへ春風が赤い斬撃を放ってきたので、


 「ちっ!」


 フランクは舌打ちしながらその斬撃を避けると、


 「やっぱまずはテメェかぁ!」


 と、フランクは春風を睨みながら怒鳴った。


 一方、ヘリアテス達はというと、

 

 「み、皆さん……」


 と、金色の光に包まれたヘリアテスやニーナ、それに歩夢達を見て、


 「わ、わたくしは……何をしたら……」


 と、イヴリーヌはどうすればいいのかわからずオロオロし出したので、


 「い、イヴリーヌ様……」


 そんな様子の彼女を、ヘクターが心配そうに見つめると、すぐにキッとフランクとケネスを睨み付けて、


 「おのれぇ、許さん!」


 と「怒り」に満ちた形相になると、


 「騎士達よ、剣を抜け!」


 ヘクターは腰の剣を鞘から引き抜きながら、騎士達に向かってそう命令し、


 『はっ!』


 その命令を受けて、騎士達も剣を鞘から引き抜くと、


 「突撃する! 雪村春風を助けるぞ!」


 『はっ!』


 と、ヘクター達はすぐに春風のもとへと向かおうとした。


 しかし、


 「邪魔よ」


 と、そこへケネスがそう言いながら、大鎌を横に振るった。その瞬間、大鎌から白い斬撃は放たれて、ヘクター達のすぐ目の前の地面を大きく斬り裂いたので、


 「うおお!?」


 と、ヘクター達はすぐにその場に急停止すると、そこから動けなくなった。


 そんな彼らを見て、


 「へ、ヘクターさん! みんな!」


 と、春風が悲痛に満ちた表情を浮かべ、


 「ふん」


 と、ケネスは鼻を鳴らすと、


 「そこでじっとしてなさい。雪村春風を討伐したら、次はあなた達の番だから」


 と、ヘクター達に向かって冷たく言い放った。


 その一方、


 (ど、どうしよう、早くしないと、みんなが……!)


 と、春風がヘクター達とその後ろにいるレナや歩夢達を見て「焦り」に満ちた表情を浮かべていると、


 「春風様!」


 と、左腕の銀の籠手にセットしたマジスマから、グラシアがそう叫んできたので、それを聞いた春風はハッと我に返ると、


 「はぁあ!」


 と、春風のすぐ傍まで来ていたケネスが大鎌を振るってきたので、


 「くっ!」


 それを見た春風はすぐに後ろに飛び退いてその大鎌を避けたが、


 「おらぁ!」


 そこへフランクが飛んできて、春風に向かって剣を振り下ろしてきたので、


 「こんのぉ!」


 ーーブオン!


 ーーガキィン!


 春風はすぐにその剣を、彼岸花で弾いた。


 「うお!」


 反撃を受けたフランクはそう驚きの声をあげながら大きく仰け反る。


 ガラ空きになった彼の胴体目掛けて、


 「お前ら、いい加減に……!」


 と、春風が彼岸花を振ろうとしたその時……。


 ーーバチバチバチィ!


 「あ、ぐ、あああああ……!」


 彼岸花から出ていた赤い電撃がなんと春風の腕にまでダメージを与えたので、春風は思わず悲鳴をあげた。


 そしてそのすぐ後、春風の身に「異変」が起き始めた。


 なんと、彼岸花の鍔から赤(・)い(・)光(・)の(・)帯(・)が伸びてきて、彼岸花を握る春風の右腕を包み出したのだ。


 「あ、ああ! あああああ……!」


 いや、右腕だけではない、彼岸花から伸びた赤い光の帯は、春風の胴体から下半身、左腕まで包み、


 「「な、こ、これは!?」」


 それ見て、フランクとケネスが驚きの声をあげている間に、赤い光の帯は最後、春風の顔までも包んでしまった。


 やがて、春風の全身が包まれると、唯一包まれなかった春風の黒髪が真っ赤に染まり出し、急に腰辺りまで伸び出した。


 そして顔の部分で、ギンッと白(・)い(・)大(・)き(・)な(・)目(・)が2つ開いて、グパァと大(・)き(・)な(・)口(・)が開かれると、


 「ヴアアアアアアアッ!」


 と、春(・)風(・)だ(・)っ(・)た(・)も(・)の(・)は、まるで人間のものとは思えない叫ぶ声をあげた。

 


 


 


 


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