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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第10章 断罪官の逆襲

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第512話 絶体絶命!

 お待たせしました、1日遅れの投稿です。


 そして、今回はいつもより長めの話になります。


 「どう? 神々より賜った断罪官の装備と、『勇者』の武器『神器』を融合したものよ」


 と、春風達に向かって自慢するかのようにそう言った天使ケネス。


 そんな彼の手には、歩夢と恵樹の「神器」と融合した大鎌が、もう1人の天使フランクの手には、美羽、鉄雄、詩織の「神器」と融合した剣が握られていた。


 歩夢達が召喚した「神器」と同じ、白い翼のような装飾が施されたその2つの武器を見て、


 「お、おいおい。冗談だろ?」


 と、春風が表情を真っ青にしていると、


 「ふ……」


 (ん?)


 「ふっざけんじゃねぇぞテメェ……!」


 と、「怒り」に満ちた表情を浮かべた鉄雄がそう言いながら、崩れ落ちた体勢から立ち上がってケネスとフランクに突撃しようとしたが、


 「……って、うわ!」


 すぐにまた力無くその場に崩れ落ちてしまったので、


 「鉄雄、大丈夫!?」


 と、驚いた春風が鉄雄に向かってそう尋ねると、


 「ち、ちくしょう……何で上手く立ち上がれないんだよ……」


 と、鉄雄は今にも泣き出すんじゃないかと思われるくらいの悔しそうな表情を浮かべた。勿論、歩夢や美羽、恵樹、詩織も同じような表情を浮かべている。


 そんな鉄雄達に向かって、


 「当然よ。だってもう、あなた達は『勇者』じゃないんだから」


 と、ケネスが冷たく言い放ったので、


 「ど、どういう意味よ!?」


 と、彼の言葉に美羽が問い詰めると、


 「あなた達が今日まで魔物を相手に戦ってこれたのは、神々が授けた『選ばれし勇者』の称号のおかげだからよ。あれにはあなた達の身体能力とか戦闘力を、かなり大きく強化する特性があってね、それによってにあなた達は今この世界にいる高レベルの戦闘系職能保持者と同等の強さを得ていたの。でも、その称号を失った今のあなた達は、そうね……一(・)般(・)以(・)下(・)の(・)強(・)さ(・)ってことになるのかな?」


 彼女の質問に対して、ケネスは「やれやれ」と言わんばかりの呆れ顔で答え、


 「ああでも安心して、『職能』はそのままだから、スライムなら簡単に勝てるんじゃないかしら?」


 と、最後に馬鹿にするかのような歪んだ笑みを浮かべながらそう付け加えたので、


 「な、何だよ……それ……」


 そんなケネスの言葉に、鉄雄は悔しさに加えて「絶望」したような表情になった。


 よく見ると、その目に涙を浮かべていたので、それを見た春風はギリッと歯を鳴らすと、


 「おい、くだらねぇお喋りはもういいだろ?」


 と、フランクがそう口を開いたので、


 「あらごめんなさいね、私ってばつい……」


 そんなフランクにケネスは「おほほ」と笑いながら返事すると、


 「でもそうね。あなたの言う通り、お喋りはこのくらいにして……」


 スッと表情を真面目なものに切り替えて、


 「とっとと、『討伐(お仕事)』しないとね」


 とフランクと共にそれぞれの武器を構えたので、それを見たピートが、


 「く、来るよ!」


 と声をあげると、春風は右足に土属性の魔力を纏わせながらケネスとフランクの方へと振り向いた。


 そして、


 「おら、死ねやぁ!」


 と、フランクが先に剣を握り締めながら、春風達に向かって突撃しすると、


 「っ!」


 春風はオレンジ色に光るその右足で、ドンッと地面を踏み締めた。


 すると、フランクの目の前に大きな土の壁が現れたので、


 「は! またこいつかよ!」


 それを見たフランクはそう言うと、「神器」と融合した剣を思いっきり何度も振るった。


 その瞬間、土の壁が見事にバラバラに斬り裂かれたので、


 「へ! 呆気ねぇ……」


 と、フランクは「へへ」と笑ったが、


 「はっ! い、いねぇ!」


 なんと、バラバラになった土の壁の向こうには、春風はおろか誰1人いなかったので、


 「ちくしょう、またかよっ!」


 と、フランクは悔しそうに地団駄を踏んだ。


 そんなフランクに向かって、


 「落ち着きなさい。あれだけの人数なうえに半数が戦意喪失してるから、まだそんなに遠くへは行ってない筈よ」


 と、ケネスがそう言うと、


 「そ、そうだな、悪りぃ」


 その言葉にフランクはハッと我に返った後、ケネスに向かって謝罪した。


 そして、


 「ほら、追いかけるわよ」


 と、ケネスが背中の翼を広げながら言うと、その場からダッと空へと上がり、


 「お、おう」


 と、フランクも背中の翼を広げながら返事すると、ケネスを追って空へと上がった。


 その後、辺りに誰もいなくなると……。


 ーーズズズ。


 と、何もない空間に黒い穴が現れて、


 「いよっと!」


 その穴の中から、春風が現れた。


 そして、春風が地面にスタッと降りると、それに合わせるかのように、レナや歩夢達もその黒い穴から出てきたので、


 「ふぅ、緊(・)急(・)避(・)難(・)は大成功っと」


 と、春風はひと仕事終えたかのように額の汗を拭う仕草をした。


 そう、実は土の壁を出してすぐに、


 「『無限倉庫』、発動。俺を含めたこの場にいる者達を全員収納」


 と、自身の所持スキルの1つである「無限倉庫」を発動し、その中に自分達を収納したのだ。


 その後、「無限倉庫」の中からフランクとケネスがいなくなったのを確認すると、


 「よし、出るか」


 と春風はそう言って「無限倉庫」の外へと出たというわけだ。


 そんなこんなで、全員が外に出ると、


 「みんな、大丈夫……?」


 と、春風がそう尋ねてきたが、


 『……』


 歩夢ら5人の勇者……否、クラスメイト達は絶望しきった表情になっていて、


 「……」


 アメリアの方も、暗く複雑な表情を浮かべていたので、


 「姉さん……」


 「アメリアお姉ちゃん……」


 と、ニーナとピートが心配そうにアメリアに寄り添っていた。


 因みに、


 「は、はわわ……。何ですか今の空間は……」


 と、イヴリーヌは「無限倉庫」が怖かったのか、ヘクターや騎士達とブルブルと体を震わせ、


 「あらあらぁ、なんか凄(・)い(・)体(・)験(・)をした気がするわぁ」


 「ええ、そうですね母様」


 逆にキャロラインとアデレードはうっとりした表情になっていた。


 そんな彼女達を見て、


 (うーん、大丈夫じゃなさそうだな……)


 と、春風は心の中でそう呟くと、


 「春風、これからどうする? あいつらのことだから、いつ気が付いてもおかしくないと思う」


 と、レナが真剣な表情で尋ねてきたので、


 「そうだね。取り敢えず、みんなにはヘリアテス様とレナの実家に避難してもらうってのは……」


 その質問に対して、春風がそう提案し、


 「わかりました、では早速……」


 と、ヘリアテスがその提案を受け入れようとすると、


 「ま、待ってください春風様!」


 とイヴリーヌが声をあげたので、それに春風が「ん?」と反応すると、


 「『わたくし達を』って、春風様はどうなさるおつもりですか!? まさか、あの2人と戦うのですか!?」


 と、イヴリーヌは大慌てで春風に向かって尋ねた。


 その質問を聞いて、


 「……そうですね。あの2人を相手に逃げきることは難しいと思いますので、ここで倒すしかないでしょう」


 と、春風はコクリと頷きながら答えると、


 『そんな!』


 その答えを聞いて、イヴリーヌだけでなく歩夢らクラスメイト達までもが春風に視線を向けると、


 「や、やめてください春風様! 相手の手には『神器』があるのです! それも5人分の! 勝てるわけがありません!」


 と、イヴリーヌが顔を真っ青にして春風にしがみつきながら、春風にケネス達と戦うのをやめるよう懇願した。


 そんなイヴリーヌの言葉に、

 

 「確かに、あいつらの武器は、今やユメちゃん達の『神器』の力が合わさって、こう言っちゃなんですが、最早『武器』というより『怪物』に近いでしょう」


 と、春風は表情を暗くしながらそう言い、そんな春風の言葉に、


 「うん。確かに今回はギデオンの時とは違ってかなりヤバい状況だし、あいつらに小細工が通用するかもわからないし……」


 と、レナも暗い表情を浮かべていると、


 「……1つ、手がないこともないわ」


 と、それまで黙っていた凛咲がそう口を開いたので、


 「え、本当ですか?」


 そんな凛咲に春風がそう尋ねると、凛咲はコクリと頷いて、


 「向こうが『怪物』を使うなら、こ(・)っ(・)ち(・)も(・)『怪(・)物(・)』を(・)使(・)う(・)ま(・)で(・)よ(・)」


 と、真剣な表情で春風に向かって答えた。


 


 


 


 


 


 

謝罪)


 大変申し訳ありませんでした。この話の流れを考えてたら、その日のうちに終わらせることが出来ずに、結局1日遅れの投稿となってしまいました。


 本当にすみません。

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