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ユニーク賢者物語  作者: ハヤテ
第10章 断罪官の逆襲

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第509話 vsフランク・ガルシア、決着?

 この時間に失礼します。


 「あんた相手に、1人で挑むわけないだろが」


 そう呟いた後、ゆっくりと地面に降りた春風。


 そこは、フランクが落ちたところから離れていて、


 (よし、あいつの様子を見に……)


 と、春風はすぐにフランクの様子を見に行こうとしたが……。


 ーーグニャリ。


 「うっ!」


 その途端、視界が大きく歪んでしまい、春風はその場に倒れそうになったが、


 「ふんぬ!」


 すぐに足で地面を踏み締めてどうにか踏ん張った。


 その後、


 (あ、危ない危ない……)


 と、春風が倒れなかったことにホッとしていると、


 「春風!」


 と、レナや歩夢達が駆け寄ってきたので、そんな彼女達を見て、


 「レナ、みんな……」


 春風はそう呟きながら、ホッとひと安心した。


 レナ達が春風の傍に着くと、


 「春風、大丈夫?」


 と、レナが心配そうな表情で尋ねてきたので、その質問に春風は「うーん……」と唸ると、


 「ちょっと疲れたけど、レ(・)ナ(・)達(・)の(・)お(・)か(・)げ(・)で、まだいけるから」


 と、ニコッとしながら答えた。


 そう、春風がフランクと空中戦を繰り広げる直前。


 「レナ、お願いがあるんだけど……」


 と、激昂するフランクを前に春風がそう口を開き、


 「な、何?」


 と、レナが返事すると、


 「俺1人じゃあいつには勝てない。俺がどうにか隙を作るから、そこをついて、レナはユメちゃん達と一緒にあいつにデカい一撃かましてほしいんだ」


 春風は真剣な表情でレナに向かってお願いし、それを聞いたレナは一瞬だけ大きく目を見開いたが、すぐに春風と同じく真剣な表情になって、


 「わかった。任せて」


 と、コクリと頷きながら再び返事した。


 その後、春風とフランクが空中で戦っている間に、レナは歩夢達と話し合って、春風が隙を作るまでそれぞれ準備をし、そして、


 「いくよ!」


 春風が言葉通り隙を作ったのを確認すると、レナ、ピート、そして「勇者」達の中で攻撃力が高い鉄雄が、フランクにデカい一撃を叩き込んだのだ。因みに、その時3人はニーナの「お呪い」で肉体を強化してもらっている。


 そして現在、春風か発せられた「レナ達のおかげ」という言葉に、レナが「そっか……」と呟くと、


 「ふ、フーちゃん……」


 と、レナの後ろで歩夢が口を開いたので、それに春風が「ん?」と反応すると、


 「ユメちゃん、どうしたの?」


 歩夢は何故かとても気まずそうな表情を浮かべていた。いや、歩夢だけではない、美羽、鉄雄、恵樹、詩織も、春風を見て歩夢と同じく気まずそうな表情を浮かべていたので、


 (みんなどうしたんだろ……?)


 と、春風は疑問に思ったが、


 「春風……」


 と、レナが春風の背中の赤い翼を指差しながら声をかけてきたので、


 「あ……」


 春風はすぐに理由を察した。


 その後、


 「あー、えっとー、これはそのー……」


 と、春風が歩夢達以上に気まずい表情を浮かべていると、


 「春風ちゃあああああん!」


 と、いきなりキャロラインがガバッと現れたので、


 「うお! びっくりした……」


 春風は思わずギョッと目を大きく見開きながら驚くと、


 「春風ちゃん! やっぱりあなた、『異世界の神の使徒』だったのね!? 『勇者召喚に巻き込まれた人間』じゃなかったのね!?」


 と、キャロラインはかなり興奮した様子で春風に向かってそう尋ねた。


 よく見ると、その瞳はまるで幼い子供のようにキラキラと輝かせていて、おまけに「フン! フン!」と鼻を鳴らしていたので、


 「え、あ、あの……」


 そんな様子のキャロラインに向かって、春風はなんとか彼女の質問に答えようとしたが、それを遮るかのように、


 「ていうか……」


 と、キャロラインが口を開くと、


 「それ! その真っ赤な翼、本物!? もっとよく見せて! そして触らせて!」


 ビシッと春風の背中の赤い翼を指差しながら言ったので、


 「え、えぇ!? こ、これは、その、駄目というか……」


 と春風は戸惑いながらもなんとか断ろうとしたが、興奮状態のキャロラインを前に思うように言葉が出ず、


 「ねぇねぇ、いいでしょいいでしょ? ちょっとだけでいいから……」


 そんな春風に、キャロラインは更に興奮しながら少しずつ詰め寄った。しかも先程以上に目をキラキラ……というよりギラギラとさせているだけじゃなく口からタラリと涎まで垂れていて、最早完全に「危ない人」と言える状態になっていたので、


 「お、お、落ち着いてくださいキャロライン様!」


 それが余程怖かったのか、春風は恐怖で顔を真っ青にしながらもどうにかキャロラインを宥めようとしたが、


 「ちょっとだけぇ、ちょっとだけだからぁ……」


 残念なことに、春風の言葉は今のキャロラインに届かなかったので、


 (ちょ、誰か助けてぇ!)


 春風は心の中で情けない悲鳴をあげた。


 その時だ。


 「あの、申し訳ありませんキャロライン皇妃様! 色々とお尋ねしたいことがあるのはわかりますが、どうかこの場は落ち着いて、今はフランク・ガルシア小隊長の様子を見ることが先だと思います!」


 と、それまで黙ってたイヴリーヌが、声を張り上げながらキャロラインに向かってそう進言してきたので、そんなイヴリーヌの言葉を聞いて、


 「……はっ!」


 と、キャロラインが我に返ると、


 「そ、そうね、イヴりんちゃんの言う通りだわ」


 と恥ずかしそうに顔を赤くしながらそう言って、最後に気持ちを切り替えるかのように小さく「コホン」と咳き込んだ。


 そんなキャロラインを見て、春風はホッと胸を撫で下ろした後、


 (ありがとうございます、イヴリーヌ様)


 と、心の中でイヴリーヌに向かってお礼を言った。


 その時だ。


 「お見事ですよイヴリーヌ様」


 『っ!?』


 何処からか女(・)性(・)っ(・)ぽ(・)い(・)感(・)じ(・)の(・)男(・)性(・)の声がしたので、それを聞いた春風達が「え、誰!?」と言わんばかりに周囲を見回し、


 「……え? こ(・)の(・)声(・)は……」


 ただ1人、アメリアだけが目を大きく見開いていると、


 「こっちよ、こっち」


 と、空の方から再び女性っぽい感じの男性の声がしたので、春風達はすぐに空を見上げた。


 「……あ」


 そこには、白銀の鎧身に纏い、フランクと同じように背(・)中(・)に(・)白(・)い(・)翼(・)を(・)生(・)や(・)し(・)た(・)、美しい顔を持つ長髪の男性がいた。


 その姿を見て、


 (おいおい、また新しい『天使』かよ……)


 と、春風が「勘弁してくれ」と言わんばかりのウンザリした表情を浮かべていると、


 「そ……そんな……まさか……」


 と、顔を真っ青にしたアメリアが1歩前に出ながら、ゆっくりと地面に降りてきたその長髪の男性を見てそう呟いたので、


 「あ、アメリア……さん?」


 と春風が恐る恐る尋ねたが、


 「ケ(・)ネ(・)ス(・)小(・)隊(・)長(・)……ですか?」


 そんな春風の質問を無視して、アメリアは顔を真っ青にしたまま、長髪の男性に向かって尋ねた。

 

 


 




 


 


 

 


 


 

 

 

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