第430話 勇者達と「お仕事」・そして、終了
遅くなりました、1日遅れの投稿です。
「これ、どういうおつもりですか?」
そう言って、フレデリックに自分のライセンスを見せた春風。
そこに記された春風の「階級」を見て、
「どういうつもりも何も、今回こちらが依頼した仕事を経て、春風さんは見事『銀の3級』へ昇格したのですが?」
と、フレデリックはそう尋ね返したので、その質問に春風は「はぁ」と溜め息を吐くと、
「前にも言いましたが、俺は今の階級で出来る仕事をしっかりとこなして、ちゃんとした手順を踏んだ上で、他のハンターさん達と同じように一段一段上に上がりたいんです。ですので、出来れば『銅の2級』にしてくれるとありがたいのですが……」
と、真っ直ぐフレデリックに向かってそう答えた。
すると、
「えー!? いいじゃなーい! 折角実力を認められて、見事に『銅級』から『銀級』に上がったんだから、素直に喜べばいいじゃなーい! 春風ちゃん嬉しくないのー!?」
と、キャロラインがプンスカと怒鳴ってきたので、
「キャロライン皇妃様。確かに昇格自体は嬉しいのですが、俺はまだハンターになって日は浅い方です。そんな人間が、一番下から数段飛ばしで上の階級に行くなんて、他のハンター、特に銅級のハンター達は納得しないと思うのですが」
と、春風はそう反論したが、
「だーかーら! その為に映像記録魔導具で、春風ちゃんの大活躍を色んな人達に見せたんでしょ!? そうでしょフレディちゃん!?」
と、キャロラインも負けじとそう反論しつつ、最後にフレディ……フレデリックに向かってそう尋ねたので、
「ええ、その通りです。その結果、今日この場にいる職員さん達とハンターさん達は、春風さんの戦いぶりを見て、あなたの実力を認めたというわけです」
と、フレデリックはコクリと頷きながらそう答えた。
その答えを聞いて、
「ほらー、フレディちゃんもこう言ってるわけだしぃ、別にいきなり『金級』とか『白金級』じゃないんだから、それでいいんじゃないかしらぁ?」
と、キャロラインが甘えるように春風に向かってそう言ったが、
「それは……」
と、春風は納得がいかなかったのか、更に何か反論しようとした。
すると、
「兄貴」
と、ディックが声をかけてきたので、それに春風が「ん?」と反応すると、
「いいじゃないか兄貴。折角実力を認められて『銀級』に上がったんだから、ここは素直に喜ぼうよ」
と、ディックが笑顔でそう言い、そんな彼に続くように、フィオナも「うんうん」と頷いた。
だが、そんなディックの言葉に対して、
「……ディック達はそれでいいの? 2人とも、ずっと頑張ってきたんだろ?」
と、春風は申し訳なさそうな表情でそう尋ねると、
「そりゃあ、追い抜かれたことはショックだよ。でも、僕もフィオナも、兄貴は『凄い人』ってずっと思ってたし、兄貴の実力なら、この結果は当然なんだって思ってるんだ。だから僕達、兄貴が『銀級』に上がったことには凄く納得してるんだ。だから、兄貴は何も気にしなくていいと思うよ」
と、ディックは笑顔でそう答え、フィオナも再び「うんうん」と頷いたので、
「ディック……フィオナさん……」
と、春風は少し泣きそうになった。
すると、
「春風さん」
と、フレデリックがそう声をかけてきたので、それに春風が「ん?」と反応すると、
「あなたのお気持ちはわかります。ですが、あなたはハンターになってから今日まで、様々な形でご自身のお力を見せてきました。ハンターになったその日にヴァレリーさんに認められ、人命救助も成し、アーデさんとの戦いにも勝利し、デッド・マンティスとの戦いにも勝利し、そして今日、パープル・スライムの融合体を1人で倒したという快挙を成し遂げました。それ故に、あなたの実力は私をはじめ、多くの人達に認められることになったのです」
と、フレデリックは真面目な表情で春風が今日まで「ハンター」として成し得てきたことを話し、それを聞いて、
「い、いや、ですが……」
と、それでも春風が何か反論しようとしたが、それを遮るかのように、
「春風さん……」
と、フレデリックは春風の肩にソッと手を置くと、
「春風さんなら大丈夫です。何故なら、あなたには同じ『銀級』の先輩がいるじゃないですか」
と、優しい口調で最後チラッと春風の後ろを見ながらそう言ったので、それに春風が「え?」と自分の後ろを見ると、
「あ、レナ」
「春風」
そこには「私がついてる!」と言わんばかりの強気な笑みを浮かべているレナがいたので、
「……そっか、そうですよね」
と、春風は安心したかのような表情を浮かべると、「ふぅ」とひと息入れて再びフレデリックに向き直って、
「わかりました。俺、『銀級』のハンターとして、頑張ります」
と、真っ直ぐフレデリックを見つめながらそう言い、それを聞いたフレデリックは、
「ええ、私も、『総本部長』として、応援させてもらいますよ。勿論、他のハンター達と同じように、です」
と、ニコッとしながらそう返事した。
その時だ。
「よーし、じゃあ話は纏まったってことでいいよな?」
と、それまで黙っていたヴァレリーがそう口を開いたので、
(あ、そういえばヴァレリーさん達もいたっけ!)
と、春風は今になって思い出したかのようにハッとなると、
「春風君。君の昇格の祝いとして、僕達から君にプレゼントがあるんだ」
と、ヴァレリーの隣に立つタイラーが、ニコッとしながらそう口を開いた。
そんな彼の言葉に、
「え、何ですか?」
と、春風が首を傾げると、ヴァレリーとタイラーは春風に近づきながら、
「春風、左腕を出してくれないか?」
と、ヴァレリーがそう尋ねてきたので、春風は不思議に思いながらも、
「あ、ど、どうぞ」
と、ヴァレリーの言葉に従って自身の左腕を出した。
すると、ヴァレリーとタイラーは「ちょっと失礼」と差し出された春風の左腕に何かをつけ始めたので、
「あ! ちょ、ちょっと……!」
と、それを見たレナはハッとなって2人を止めようとしたが、
「はっはっは、もう遅いぞ」
と、ヴァレリーはニヤッとしながらそう言うと、すぐにタイラーと共に春風から離れた。
そんな2人を見て、
(な、何だ……?)
と、疑問に思った春風が、ふと自身の左腕を見ると、そこには赤と金、2つの腕章がつけられていたので、
「……え? これって?」
と、その2つの腕章を見つめながら、春風がタラリと汗を流すと、
「春風」
「春風君」
「「うちのレギオンにようこそ!」」
と、ヴァレリーとタイラーはグッと親指を立てながらそう言い、更に、
「ええ春風さん。今日からあなたは、『紅蓮の猛牛』と『黄金の両手』、2つのレギオン所属のハンターとなりました」
と、フレデリックも満面の笑みを浮かべながらそう言ったので、
「え……えええええええ!?」
と、3人の言葉に、春風はそう絶叫するのだった。
謝罪)
大変申し訳ありませんでした。この話の展開を考えてたら、その日のうちに終わらせることが出来ず、結局1日遅れの投稿となってしまいました。
本当にすみません。




