第424話 勇者達と「お仕事」・17
お待たせしました、1日遅れの投稿です。
「すみませんグラシアさん。少々ぶっ飛んだ作戦を思いついてしまいましたから、ちょっとそれを実行させてもらいます」
と、マジスマ内のグラシアの質問に対して、目の前にいる合体パープル・スライムに向かってそう答えた春風。
その答えを聞いて、合体パープル・スライムが「むむ!」と警戒する中、
「ちょ、は、春風様! その『作戦』とはもしや、ギデオンとの戦いで使った作戦と似たようなタイプのものですか!?」
と、グラシアが怒鳴るように更にそう尋ねてきたので、その質問に春風が「あはは」と乾いた笑い声をこぼすと、
「し、心配しないでください。あれよりは大丈夫だと思います……」
と、春風はそう答えたが、
「……多分」
と、最後に小さくそう付け加えたので、
「は、春風様ぁ!?」
と、グラシアは今にもマジスマから出てきそうな勢いでそう怒鳴ったが、
「おっと。すみませんがグラシアさん、どうやらお喋りは一旦終了です」
と、春風が真剣な表情でそう言ってすぐ、合体パープル・スライムは様々な武器と化した触手を春風に向かって突き出した。
それを見た春風は、突き出された触手が当たる寸前ところでそれらを全て回避すると、合体パープル・スライムから離れた位置に立って、
「それじゃあ、いっちょやってみますか」
と、小さくそう呟くと、ゆっくりと目を閉じた。
次の瞬間、武器を持ってない春風の右手が赤い光に、左手が青い光に包まれていき、それを見た合体パープル・スライムは、
(嫌な予感がする!)
と、戦慄すると、全ての触手を武器の状態から元に戻して、代わりに先の部分を鋭く尖らせた。
そんな合体パープル・スライムを見て、
(お。向こうも勝負に出る見たいだな)
と、春風は心の中でそう呟いた後、
「……それじゃあ、決着をつけますか」
と、今度はボソリとそう呟き、その場からダッと合体パープル・スライムに向かって駆け出した。
そして、それと同時に合体パープル・スライムも、鋭く尖らせた触手10本を全て、春風に向かって勢いよく突き出すように伸ばした。
今にも春風を貫こうと伸びてきた触手を目の前にしても、
「……」
春風は臆することなく走るスピードを落とさず、向かってきた触手を1本、また1本と避けていった。
そして、全ての触手を避けて、春風は合体パープル・スライムの目の前に着くと、
「ふっ!」
まずは青い光に包まれた左手を合体パープル・スライムの体に押し当て、その左手の上に、今度は赤い光に包まれた右手を重ねて、
「氷の中で眠れ、『アイス・コフィン』!」
と、春風は最後にそう叫んだ。
次の瞬間、春風の両手を中心に、合体パープル・スライムの体が氷に包まれ出した。
ピキピキと音を立てながら氷に包まれる自身の体に、合体パープル・スライムは危険を感じてすぐにその場から離れようとしたが、
「逃すかぁあ!」
と、春風がそう叫んだ瞬間、氷に包まれるスピードが上がったのを感じた合体パープル・スライムは、最後の抵抗と言わんばかりに触手で春風を貫こうとしたので、
「は、春風様ぁ!」
と、マジスマ内のグラシアはそう悲鳴をあげたが、
「ちょっと黙っててください! 集中したいですから!」
と、春風は目の前で氷漬けになってる合体パープル・スライムを睨みながらそう返事した。
そんなやり取りをしている間にも、合体パープル・スライムの鋭く尖った触手10本が、全て春風に狙いを定めた後、一斉に春風に向かって伸びたので、
「春風様ぁ!」
と、グラシアは再びそう悲鳴をあげた。
しかし、その触手が春風を貫くことはなく、それよりも早く、合体パープル・スライムの体は完全に氷に覆われた。当然、春風を貫こうとした触手も春風からほんの僅か数センチのところでピタッと止まっている。
それから少しして、春風はゆっくりと合体パープル・スライムから手を離し、後ろに1本下がると、
「『神眼』、発動」
と、スキル「神眼」で合体パープル・スライムの状態を見た。
その結果……。
パープル・スライム(融合)……『凍結』により、生命活動停止。
メッセージウィンドウに記されたその文章を読んで、
「よし」
と、春風はコクリと頷きながらそう呟くと、
「それじゃあ、最後の仕上げだ」
と、氷に閉ざされた合体パープル・スライムを見ながらそう言って、翼丸と夜羽を引き抜き、自身の目の前で重ね合わせると、それに風属性の魔力を纏わせた。
緑色の光に包まれる2つの武器。暫くするとその姿は1つになって、やがて1振りの緑色の刀身を持つ大きな刀へと変わった。
春風はその大刀を「よいしょ」と肩に担ぐと、
「はぁ!」
その刃で、氷漬けになった合体パープル・スライムを端の方から斬り刻んだ。
大小様々なカケラとなっていった合体パープル・スライムの体。「神眼」の結果に出ていたように、生命活動は完全に停止していた為、斬られた部分が再生……なんてことにはならず、そのおかげで春風はどんどん大刀を振って斬りまくった。
そして、ある程度斬ったところで、
「あった!」
と、春風はそう言って大刀を振るのをやめると、目の前に現れたものをジッと見つめた。
それは、合体前のパープル・スライムの核で、その数は5つ。
そう、春風の目標討伐数と同じ数だ。
それを見て、
(これが上位のスライムの核か)
「凄く綺麗だな」
と、春風はそう感想を言うと、大刀を元の翼丸と夜羽に戻して、それぞれ鞘とケースに納めた。
そして、
「これで、俺の仕事は終了だな……」
と、春風がボソリとそう呟くと、
「で、貴方達はいつまでそこで見物してるつもりですかぁ?」
と、何故か森の方へと向きながら、まるで誰かに話しかけるようにそう言った。
その言葉が届いたのか、森の木々の後ろから、様々な装備に身を包んだ数人の男女が現れて、
「……いつから気付いてた?」
と、その内の1人である男性が春風に向かってそう尋ねると、
「うーん、質問を質問で返すようで申し訳ありませんが……『最初から気付いてた』って言ったら、信じますか?」
と、春風は不敵な笑みを浮かべながら、男女に向かってそう言った。
謝罪)
大変申し訳ありませんでした。この話の展開を考えてたら、その日のうちに終わらせることが出来ずに、結局1日遅れの投稿となってしまいました。
また、前回の話を改めて読んだところ、最後の部分がかなりおかしなことになってたことに今更になって気付き、急遽修正させてもらいました。
本当にすみません。




