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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第9章 「勇者」達との新生活

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第418話 勇者達と「お仕事」・11

 今回は、いつもより短めの話になります。


 「少し散歩に行ってくるね」


 そう言って、春風は1人、レナ達を置いてその場から歩き始めた。


 といっても、正確に言えば1()()()()()()が。


 するとそこへ、


 「春風……」


 と、レナが声をかけてきたので、それに春風が「ん?」と反応すると、


 「気をつけてね」


 と、レナは心配そうな表情でそう言ったので、その言葉を聞いた後、春風はレナ……いや、もっと言えばディックとフィオナに近づくと、


 「レナ、ディック、フィオナさん。みんなのことをお願い」


 と、申し訳なさそうな表情でそう言い、それを聞いたレナ達は、


 「うん、わかったよ春風」


 「こっちは僕達に任せてよ」


 「キャロライン様もいますから」


 と、春風に向かって真剣な表情でそう言い、それに続くように、


 「うふふ、当然よぉ」


 と、キャロラインは穏やかな笑みを浮かべながらそう言ったので、その言葉に春風は目をパチクリとさせると、すぐに「はは」と笑って、


 「それじゃあ、ちょっと行ってきます」


 と、そう言うと、再び散歩しようとその場から歩き出した。


 因みに、歩夢ら5人の「勇者」達はというと、


 「「「「「ぐー……」」」」」


 お腹がいっぱいになったのか、皆、気持ちよさそうに眠っていた。


 それから暫くの間、川沿いを歩いていると、


 「春風様」


 と、春風の左腕に装着された銀の籠手からそう声がしたので、その声に春風は「ん?」と反応すると、籠手の装甲部分を外して、


 「何ですかグラシアさん?」


 と、籠手の内部に装着したマジスマ内のグラシアに向かってそう尋ねると、


 「その……『勇者さん』達から離れて、大丈夫なのですか?」


 と、グラシアが恐る恐るそう尋ねてきたので、その質問に春風は「うぅ……」と呻くと、


 「……まぁ、後でまた怒られるでしょうけど、レナ達に任せてきましたし、傍にはキャロライン様いますから……」


 と、「あはは」と苦笑いしながらそう答えたので、それを聞いたグラシアは、


 「もう、春風様ったら……」


 と、呆れ顔で「はぁ」と溜め息を吐きながら言った。


 すると、


 「っ!」


 「春風様!」


 と、春風とグラシアは()()を感じたかのようにハッとなって、


 「すみません、グラシアさん」


 と、春風はすぐにグラシアに向かって真剣な表情を浮かべながら謝罪すると、銀の籠手を元の状態に戻した。


 次の瞬間、川の中から複数の()()が飛び出てきたので、それに気付いた春風はいつでも動けるよう身構えた。


 そんな春風の前に現れたのは……。


 「ブルー・スライム……」


 そう。それは、以前春風が戦った魔物、ブルー・スライムだった。それも、10匹……いや、


 (もっと沢山いるだろうな……)


 と、春風はチラッとブルー・スライムが出てきた川を見つめながらそう考えると、すぐに翼丸と夜羽を引き抜いて、それを構えた。


 すると……。


 ーーブルブルブル……。


 何やら目の前のブルー・スライム達が全身(?)を震わせていたので、


 (何だ? 何をする気だ!?)


 と、春風が両手に持った武器をグッと握り締めながら警戒すると、突然、ブルー・スライム達は全身を震わせているのをピタッと止めると……。


 ーーピカァッ!


 と、全員、全身が青い光を放ったので、


 「うわ! 眩しい!」


 と、春風は思わず腕で顔を覆った。


 その後、その青い光が弱くなっていったので、春風はゆっくりと腕を顔から離すと、近くの森からズリッズリッと何か妙な音が聞こえた。


 その音を聞いた春風は、


 (ま、まさか……)

 

 と、タラリと汗を流しながらゴクリと唾を飲んだ後、ゆっくりと音がした方へと視線を向けた。


 ズリッズリッと大きな音を立てて森の木々から現れたのは、姿こそブルー・スライムなのだが、その大きさは目の前にいるブルー・スライムより1回りも2回りも大きく、何より()()()()()()()をしていたので、


 「出たな、パープル・スライム」


 と、春風は更に汗を流しながら、目の前に現れたものーーパープル・スライムを見つめた。


 数は1匹だけだが、その圧倒的な存在感に春風は思わず気圧されそうになり、まるで金縛りでもあったかのように、春風はその場から動けなくなってしまったので、


 「は、春風様……!」


 と、マジスマ内のグラシアがそう声をかけると、


 「大丈夫です」


 と、春風は真っ直ぐパープル・スライムを見つめながらそう返事した。


 その後、春風はスーッと息を吸うと、


 「ふん!」


 と、その場に力強く踏ん張りながら小さくそう叫んだ。


 その瞬間、まるでガラスが割れたかのような音がしたので、


 「は、は、春風様、今のは……!?」


 と、マジスマ内からグラシアがそう声をかけてきたので、


 「ちょっと、()()()を入れ直してました」


 と、春風はニコッとしながら、グラシアに向かってそう返事した。


 その後、


 「それじゃあ……」


 と、春風がパープル・スライムの前に踏み出そうとした、まさにその時……。


 『っ!』


 「……え?」


 なんと、10匹くらいいるブルー・スライムの群が、まるでパープル・スライムを守ろうとするかのように春風とパープル・スライムの間に移動してきたので、


 「……そうきたか」


 と、春風は「はは……」と頬を引き攣らせたが、すぐに首をブンブンと左右に振ると、キッとブルー・スライム達を睨み付けて、


 「それじゃあ、まずはお前達からってことでいいのかな?」


 と、ブルー・スライム達に向かって尋ねるようにそう声をかけると、


 『……』


 と、まるで春風を睨み付けるかのような姿勢になったので、


 「ははは、面白いじゃないか」


 と、春風は笑いながらそう言うと、


 「上等だよ、まずはお前達からだ!」


 と、右手に持った翼丸の切先を、目の前のいるブルー・スライム達に向けながらそう叫んだ。


 

 

 

 


 



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