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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第9章 「勇者」達との新生活

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第414話 勇者達と「お仕事」・7

 今回は、いつもより短めの話になります。


 6匹のサーベル・ハウンドを倒した春風達の前に現れたもの。


 それは、


 「……でっかいカブトムシ?」


 と、鉄雄がボソリとそう呟いたように、それはまさに大きなカブトムシ……()()()()()()だった。


 何故「カブトムシ」ではなく「カブトムシのようなもの」なのかというと、その大きさは()1()()()はあるんじゃないかとない思われるくらい大きく、頭から大きく伸びた角には鋭い棘のようなものが幾つもついていたので、


 (うわぁ、あんなのに貫かれたら大怪我を負うのは間違いないだろうな)


 と、春風はタラリと汗を流しながら、心の中でそう呟いた。


 その後、春風は頭につけていたゴーグルを下ろすと、


 「『神眼』、発動」


 と、目の前にいる大きなカブトムシのようなものに向かって、自身のスキルの1つである「神眼」を発動した。その結果……。


 ベルセルク・ビートル……大きな体と凶々しい角が特徴的な甲虫型の魔物。高い戦闘力と防御力を誇り、一度戦闘が始まれば敵が死ぬまで攻撃をやめない凶暴さを持っている。


 と、目の前のカブトムシのようなもの……否、ベルセルク・ビートルについての説明を読んで、


 「うわぁ、ヤベェ奴が来たぁ」


 と、春風がドン引きしていると、


 「……でも」


 と、レナが1歩前に出ながらそう口を開き、


 「あいつ、()()()()()()()なんだよねぇ」


 と、手に持っている自身の武器である棒で自身の肩をトントンッとしながらそう付け加えた。


 そんなレナに向かって、


 「……レナ、いける?」

 

 と、春風がそう尋ねると、


 「勿論!」


 と、レナはニヤリとしながらそう即答したので、


 「わかった。それなら、俺も一緒に戦わせてほしい」


 と、春風はレナの隣に近づいた後、真っ直ぐ目の前のベルセルク・ビートルを見つめながら、真剣な表情でそう言った。


 すると、


 「僕達も戦います!」


 と、ディックがそう言いながら、フィオナと共に春風とレナの傍に駆け寄ってきたので、


 「2人とも、戦えるの?」


 と、レナが2人に向かって首を傾げながらそう尋ねると、ディックは無言でコクリと頷き、それに続くように、


 「私達も、強くなりたいから」


 と、フィオナも自身の武器である片刃剣をグッと握り締めながらそう答えた。


 その答えを聞いて、春風とレナはお互い顔を見合わせると、


 「2人とも、ありがとう」


 と、レナはニコッとしながら、ディックとフィオナに向かってそうお礼を言った。


 それを聞いた後、


 「じゃあ、そうと決まれば……」


 と、春風はそう口を開くと、腰のベルトに取り付けた革製のポーチに手を入れて、そこから何かを取り出した。


 それは、小さな透明の瓶で、中にはオレンジ色の液体が入っていたので、


 「ん? 何、あれ?」


 と、それを見た詩織が首を傾げる中、春風はその瓶の蓋を外すと、グイッと中のオレンジ色の液体を飲んだ。


 その後、


 「ぷはぁ」


 と、中の液体を飲み終えた春風が、空になった瓶を再びポーチに入れた次の瞬間、なんと、春風の全身が液体と同じオレンジ色の光に包まれた。


 それを見て、


 「き、綺麗……」


 と、歩夢がボソリとそう呟く中、


 「……よし」


 と、春風は両手を閉じたり開いたりしながらそう言った後、左手をレナの前に翳して、


 「『アクセラレート』。『ヒートアップ』。『プロテクション』」


 と、サーベル・ハウンド戦の時と同じように、風、炎、土属性の強化魔術をかけた。当然、隣に立つフィオナにもだ。


 そして、


 「ディック。ちょっと失礼」


 と、春風はディックに向かってそう言うと、スッと左手でディックの杖に触れた。その瞬間、杖もまたサーベル・ハウンド戦の時と同じように光に包まれたが、今度は青の他にオレンジ色の光にも包まれたので、


 「兄貴、これって一体……?」


 と、その2つ……というよりオレンジ色の光を見て、ディックが春風に向かってそう尋ねると、春風は「ふふ」と笑って、ディックに顔を近づけた後、


 「俺が合図したら……」


 と、周りに聞こえないように小さな声でディックに向かってそう言ったので、その言葉にディックは最初怪しんだが、春風が「冗談」を言ってるのではないと確信すると、


 「うん。わかったよ、兄貴」


 と、コクリと頷きながら、春風に向かってそう言った。


 そんな2人のやり取りを見て、


 「うぅ。あの2人、何を話し合ってたんだろう?」


 「多分、何かの作戦なんだと思うけど……」


 と、歩夢と美羽が羨ましそうな表情を浮かべていると、


 「……ちょっと怪しいかも」


 と、何故か詩織はニヤッとしながらそう呟いたので、


 「「えぇ!?」」


 と、歩夢と美羽はギョッと驚きながら詩織に視線を向けて、そんな彼女達を他所に、


 (うーん。春風ちゃんがさっき飲んだものも気になるけど、ディックちゃんの杖に纏わせた光は……?)


 と、キャロラインは春風とディックを見てそう疑問に思った。


 だが、そんな彼女達を他所に、ベルセルク・ビートルは真っ直ぐ春風達をギロリと睨みつけると、後ろ足で地面を何度も蹴った。


 それを見て、


 「みんな、どうやら向こうも戦闘準備に入ったみたいだ」


 と、春風がそう呟いた次の瞬間、ベルセルク・ビートルは真っ直ぐ春風達に向かって突撃してきたので、


 「よし。じゃあいくよ、3人とも!」


 と、レナが目の前のベルセルク・ビートルを見つめながらそう叫ぶと、


 「ああ!」


 「「はい!」」


 と、春風、ディック、フィオナはレナに向かってコクリと頷きながらそう返事した。


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