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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第9章 「勇者」達との新生活

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第412話 勇者達と「お仕事」・5

 今回はいつもより短めの話になります。


 そんなわけで現在、春風達はフロントラルから離れた位置にある森の中を突き進んでいる。


 その目的は、春風宛の指名依頼のターゲットである「パープル・スライム」の討伐だ。勿論、春風だけでなくレナ、ディック、フィオナも、それぞれ「ハンター」としての仕事を請け負っていて、春風の指名依頼の()()()にこなしていこうという感じだ。


 因みに、フロントラルを出る前に、一旦「白い風見鶏」に戻って、


 「これから、『ハンター』の仕事に行ってきます」


 と、残っていたイヴリーヌや騎士達、それと凛咲とミネルヴァにそう言ったのだが、


 「そ、そんな! お仕事の邪魔はしませんので、どうかわたくしも連れていってください!」


 などと、置いてかれるということショックを受けたイヴリーヌに涙目で懇願されてしまったので、その後みんなで必死に説得して、どうにか留守番させることに成功した。その際、凛咲とミネルヴァが「むぅ」と頬を膨らませていたが。


 まぁそれはともかく、みんなで森を進んでいく中、


 「むむむぅ……」


 「「うう……」」


 と、レナ、ディック、フィオナが表情を歪ませながらそう唸っていたので、


 「3人とも、そんなに唸ってたら目的のやつが逃げちゃうでしょ」


 と、春風がそう注意すると、


 「だってぇ、さっきから周りにすんごい視線を感じるんだもん」


 と、レナはプンスカと怒りながらそう言い、そんなレナに続くように、


 「うん、ただでさえ『皇妃様』に近くで見られるっていうことに緊張しているのに……」


 「他の視線もあるっていうのが……」


 と、ディックとフィオナは表情を暗くしながらそう答えたので、


 (まぁ、そりゃあそうだけどさ……)


 と、春風は「はぁ」と溜め息を吐きながら、心の中でそう呟いた。


 すると、


 「それにしても、兄貴は凄いなぁ……」


 と、ディックがそう口を開いたので、


 「ん? どうしたのディック?」


 と、春風がそう尋ねると、


 「だって、出発前……というより依頼を受けた時は凄い怒ってたのに、今はもう冷静っていうか、落ち着いてるっていうか……とにかく、気持ちの切り替えが早いんだよね」


 と、ディックがそう答えたので、その答えに春風が「うぐ……」と唸ると、「ふぅ」とひと息入れて、


 「ま、『依頼』は『依頼』なんだし、受けたからにはキチンと仕事しないとね」


 と、困ったような笑みを浮かべながら、ディックに向かってそう言った。


 すると、


 「な、なぁ、雪村」


 と、鉄雄が恐る恐るそう口を開いたので、


 「ん? なぁに暁君?」


 と、春風がそう返事すると、


 「さっきから気になってからなんだけどよう、フロントラルを出てからここまで、特に迷うことなく来たよな? このまま進んで大丈夫なのか?」


 と、鉄雄は首を傾げながらそう尋ねた。


 その質問を聞いて、


 「「「あぁ……」」」


 と、レナ、ディック、フィオナがそう声をもらすと、


 「あーそれなら大丈夫。目的の奴が現れる大体の場所は、ギルド総本部の職員さんが教えてくれたから、その人の情報をもとにこうして森の中を進んでいるってわけさ」


 と、春風が「ははは」と笑いながらそう答えた。


 その答えを聞いて、鉄雄だけでなく恵樹と詩織までもが「おぉ」と感心する中、春風の後ろでは、


 「うーん、流石春風」


 「()()()()()()とはいえ、同郷の人間に対しても……」


 「平気で()を言いますね」


 と、レナ、ディック、フィオナがヒソヒソとそう話し合っていたので、


 (聞こえてるよ)


 と、春風は盛大に頬を引き攣らせながら、心の中でそう呟いた。


 そう、実はレナ達が話し合っていたように、春風は鉄雄達に嘘を言っていた。


 確かに、ギルド総本部の職員からは、パープル・スライムが何処に現れるのかという話を聞いていた。


 しかし、そんな春風達をここまで導いた存在がいる。


 そう、それはレナの友人であり、家族でもある精霊達で、フロントラルを出てから森に入った後も、ずっと彼らの案内を受けていたのだ。当然、キャロラインや歩夢ら勇者達に姿を見られないようにしている。


 (ありがとうございます、精霊さん達)


 と、春風が心の中で精霊達にお礼を言った、まさにその時……。


 ーーガサガサ。


 と、すぐ近くでそんな音がしたので、春風達は思わずバッと警戒しながら、その音がした方へと振り向くと、


 「あ、サーベル・ハウンド!」


 と、レナがそう声をあげたように、そこには抜き身の刃のような鋭い牙を持つ魔物、「サーベル・ハウンド」がいた。それも、6匹である。


 そのサーベル・ハウンドを見て、


 「フィオナ、わかってる?」


 と、ディックがフィオナに向かってそう尋ねると、


 「うん、私達のターゲットだよ」


 と、フィオナがコクリと頷きながらそう答えたので、それを聞いたディックは「よし」と小さく呟くと、


 「兄貴、レナさん。2人の力を僕達に貸してください」


 と、目の前のサーベル・ハウンドを睨みながら、春風とレナに向かってそう言ったので、


 「ああ、勿論さ」


 「うん、私達も一緒に戦うからね」


 と、春風とレナもコクリと頷きながらそう返事すると、それぞれギロリとサーベル・ハウンドを睨みながら武器を構え出した。


 お互い睨み合う春風達とサーベル・ハウンド達。


 そんな彼らを見て、


 「みんなぁ、わかってるとは思うけどぉ。あの子達に手出しは無用だからね」


 と、キャロラインが歩夢ら勇者達に向かってそう言ったので、それを聞いた歩夢達が、


 『は、はい』


 と返事をする中、


 (さーて、春風ちゃん達の実力はどれくらいかしらねぇ)


 と、キャロラインは「うふふ……」と不気味な笑い声をこぼしながら、心の中でそう呟いた。


 


 


 


 

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